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9月の森リン大賞(小6-中1の部) as/1057.html
森川林 2010/10/28 11:01 



 9月の清書をもとにした森リン大賞です。


★1位の作文は、冒頭に要約の部分が残っていたので、代表作品にしませんでした。次回は、清書の場合、要約は省略するか自分なりの説明として書いていきましょう。

9月の森リン大賞(小6の部135人中)

立候補の大切さ
ブレイド

 僕は、陸上部で、キャプテン決めを長い間やっていた記憶がある。キャプテンになれるのは、六年生だ。一度、五年生のとき、キャプテン体験をしたことがある。六年生は、キャプテンの仕事をしないで、来年六年生になる五年生が、キャプテンがどんなものか、一人一回ずつ体験することができるのが、キャプテン体験である。僕はキャプテン体験をやった後から、ずっと自分はどうするのか、悩み続けていた。キャプテン以外の六年生の仕事は、あと一つある。副キャプテンだ。しかし僕は、それ以外にも仕事はあと一つ残っているとぼくは思う。クラブ全体を盛り上げる仕事である。その中の仕事で、クラブ員の五年生男子は、
 「副キャプテンだったらやっていいよ。」
という人がほとんどだった。どうすればキャプテンが決まるのか、それが一番の問題だった。女子はすでに候補は決まっていて、男子からキャプテンの候補者が出たら、その中の誰がキャプテンになるか話し合うことになっていた。しかし、六年生がクラブを卒業する日がせまっていて、その時までに誰かが、立候補しなくてはいけない。僕は休んでいた人に電話をかけたりして、とても忙しかった。しかしそれでも立候補するひとはあらわれなかった。そんなとき、僕の母が、
 「コーチや監督は、キャプテンになってくれたらいいなって思っているのはYなんやって。」
といった。これには僕はびっくりした。自分がコーチや監督の理想の人物だったということは、いままで考えたこともなかったからだ。悩みに悩んだが、まだ決心は付かないままだった。そんなとき、コーチが、
 「キャプテンって、一人じゃないんやから。みんながおるねんから、キャプテンであっても、困ったことがあったらみんなで助け合うもんやねんで。」
といってくれた。僕はその時に、
 「あっ、そうなんや。じゃあやってみようかな。」
といったのである。他にやりたい人の数は、ゼロのままだった。その後すっかり自信がついて、僕は女子とよく話し合ったうえで、キャプテンになったのである。
 しかし、日本人がとてもはずかしがりだと思うのは、間違いかもしれない。僕の学校の友達は、まるで、長文にでてきた外国人のように、よく手を挙げる。僕たちにとって、初めての宿泊学習になる、林間学習のときは、班のメンバーの全員が班長になりたがっていた。僕はつられて班長を決めるジャンケンに参加し、勝ってしまった(笑)。そのため班長になるところだったが、僕はやっぱり責任の重さを感じてしまった。しかし、やっぱりやめると友達の前でいうのがはずかしくて、僕は副班長になった。
これが、僕が何かを自分からやろうとしたときの始まりである。僕は、何でも恥ずかしがらずに、やってみる事が大切だと思う。
 人間にとって、何かを進んでするということは、その人自身を成長させることだということが分かった。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1役に立たないものの役立ち方ふっくー85111954667887
2立候補の大切さブレイド84118752597689
3カンサイ弁カンセン症コレルリ81112748678290
4人の長所と短所ピロシ81101048647087
5名前は面白いきろや80110048758486
6人を表す長所と短所けん8096641637789
7むだなものを楽しむ気持ちサスケ7994451577280
8私の長所短所クローバー79100842607190
9くり返しすることでなの花ナナちゃん7893251587484
10世界じゅう、どこに行ってもひたえ7884947617492



9月の森リン大賞(中1の部93人中)

ルール、規則、そしてまたルール
ことのは

 私は、ある程度の自己家畜化は必要なことだと思う。

 第一の理由は、ルールが無ければ、その組織の秩序がみだれてしまうからである。ルールはその組織の中での「約束事」だ。守らなくてはならない暗黙の了解が、組織の中にはある。私達中学生が通う中学校の規則といえば「校則」だ。この校則は生徒手帳に細かく記され、守るようにという空気を醸し出している。制服を着るというのも、校則によって義務づけられた項目だからである。「学校生活では私服を着ていてよい。」という校則が無い限り、制服は中学校に存在し続けるのだ。他にも校則の項目は様々な所に及ぶ。スカートの丈、靴下の色、髪の色、ブラウスの下に着るTシャツの色、冬着用してもよい衣類など……。私達にとってはわずらわしいばかりだ。例え靴下がピンクだろうがカーディガンを着ようが、スカートが短ろうがいいだろうと思う。それぐらい自由にさせてくれたっていいじゃないかと思う。しかし、私の中学校に通う人達は校則をほとんど守っている。全て決められた通りに行動しているわけではない。現にスカートの丈をひざより上に上げている女子はいる。それでも金髪や赤い髪の人は見受けられない。「頭髪は脱色も、染色もしてはいけない」という校則があるからである。もしもこの校則は無く何もかも自由であったなら、どうなるだろうか。校則に縛られないと生徒は狂喜乱舞するかもしれない。しかしそうなると誰も制服を着用することなく私服を身につけるだろうし、ゲームや菓子類を持ち込み授業が成り立たなくなるというのは目に見えている。その状態に陥ればもう中学校とは呼べない。校則で束縛されるのは嫌だが、ルールがあることで、「中学校」という組織が成立しているといえる。

 第二の理由は、規則を守って生活を続ければ、世の中をうまく渡っていけるからである。例えば会社に着いていなければいけない定刻を守らず、毎日のように遅刻している人がいたら、その人に信頼感はわかない。むしろ仕事を与える気にもならないだろう。上司や部下からの信頼を失えば、給料ダウンにもつながりかねない。また定められた規則をいつも破っているような「違反者」も嫌われる。クラスで決められたルールを守らない生徒が、信頼を失っていくのと同様に。このように、社会の中でも、学校でも、集団生活の中ではルールが必要不可欠なのだ。定められた規則を守ることで他人から信用され、社会のシステムの中を生きていくことができるのである。

 確かに、あまりにも規則、規則と言って束縛されるとストレスが溜まってしまう。しかし、「人はその制服の通りの人間になる」という名言があるように、人間は社会のルールとマナーを守って生活することで快適に生きていくことができるのだ。私達は知らず知らずの間、無意識のうちにルールによって支配されているとも考えられる。そのルールによる支配を誰も自覚していない。無意識のうちに私達人間がルールを守っていることで、この社会全体もルールによって守られているのである。この仕組みの中では、ルールを忠実に守る人ほどうまく生きていけるといえよう。だから私はある程度の自己家畜化は必要であると思う。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1ルール、規則、そしてまたルールことのは91131269818784
2脱・縦型社会闇の女帝90143164889489
3社会に欠かせない人きぬこ87136359889389
4けんかはコミュニケーションのツールだきろゆ86159857648081
5秩序と無秩序織田信之助86122564657187
6決まりを守ることさおりん84127657698483
7自己家畜化ロールケーキ84112167607480
8自己家畜化では個性は育たないきんぐ83100961647586
9正確に伝えるリザードン8399953767483
10人と家畜化ピルル82109561608580


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世界でも有数な日本語の語彙の豊かさ as/1056.html
森川林 2010/10/27 13:13 


 「ピーター流外国語習得術」(岩波ジュニア新書)を読みました。この本には、日本の中学生や高校生が、これから外国語を勉強するにあたっての意義や勉強の方法がわかりやすく書かれています。その意味で、中高生にはおすすめの本です。

 ちなみに、著者のピーター・フランクルさんは、「1953年ハンガリー生まれ。1971年国際数学オリンピックで金メダル。1988年から日本在住。国際数学オリンピック日本チームのコーチ。数学者。大道芸が得意。日本語を含め11ヶ国語を習得している。」という人です。

 詳しい内容は、本書を読んでいたことにして、考えさせられる内容がいくつかあったので紹介させていただきます。


 ピーターさんは、日本人の使う日本語について、人によって大きな差があると述べています。同じ日本人の中でも、豊富な語彙を持って話す人もいれば、いつも、「あれ」「これ」「それ」「だって」という言葉で話している人もいるということです。

 11ヶ国語を学んだピーターさんは、日本語の特徴として語彙が豊富だということを述べています。細かいニュアンスや差異を表す言葉があるという点で、日本語は世界一難しい言語だとも言えるようです。


 しかし、現在では、テレビでの対話の影響からか、反応のよい条件反射的な言葉をすぐに返すことが求められる風潮があります。また、メールの普及も、スピードのある返信という傾向を後押ししています。内容よりも、反応の速さを優先する社会になっているようです。

 同じことは、読書にも言えます。子供たちに人気のある本の中にも、限られた語彙と会話だけで話を展開させているものがかなりあります。中身はテンポがよくて面白いのですが、事実の経過だけが面白おかしく書かれているような本です。

 子供たちの本選びは、内容が面白いかどうかということ以上に、使われている語彙の豊かさをもっとを評価する必要があります。もし、森リンの点数で評価するとすれば、語彙の豊かな日本語を使った小説は上位になるはずです。いつか、代表的な本について統計をとってみたいと思います。


 さて、現在、世界の言語の人口は、中国語約10億、英語約6億で、そのあとヒンディー語、スペイン語、ロシア語、アラビア語、ベンガル語、ポルトガル語、マレー語、フランス語と続いて、日本語は1億2千万の人が使っています。

 日本語のブログやツイッターの情報発信数は、世界の言語の比率から比べるとかなり高くなっていますが、そこには、日本が先進国でインターネットが広く普及しているという事情もあります。

 文化は、その国の言語と不可分のものです。日本の文化を守り発展させていくということは、いまの日本語の豊かさを生かして、日本語を世界の人が使える言語になるように発展させていくことだと思いました。

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touko 20170117 77 
日本語のすばらしさの一旦です。

ああああ 20180325  
小説も、
「小説なんか役に立たない」
と言われますけど、
実はそこが語彙を増やす入り口でもあるんですよね。
本当に頭がよくなりたいのであれば、効率ばかり求めてはいけません。

森川林 20180326  
 小説は、語彙と感動する心を育てていると思います。どきどきとか、わくわくとかいう感じです。
 説明文も、小説文も、どちらも大事なのでしょうね。

ちしき 20180919  
日本語の「豊富」な語彙は、言い換えると「多くて手間」とも言えます。
私は日本の発展には、日本語の整備がもっとも重要であると考えています。
漢字や語彙の氾濫とも言える日本語の状況は、整備する必要がありますね。

森川林 20180920  
 ちしきさん、ありがとうございます。
 日本語の整備というのは、当用漢字が制定された背景と共通する面があると思います。(今の常用漢字ですが)
 一時はそれで知識がもっと普及しやすくなると思われたのですが、実際には、学力の低下が起こったようです。
 だから、これからは、日本語の教育と、日本語の活用が大事になるのではないかと思います。

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