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実力をつけるためのわかりやすい自習(その1)―長文音読の新しい方法 as/1065.html
森川林 2010/11/05 11:07 




 これからの教育に求められる方向は四つあると思います。

 第一は、受験と競争に勝つことを中心とした教育ではなく、本当の実力をつけるための教育を目指すということです。

 第二は、外部に委託する他人任せの教育ではなく、家庭や地域を中心とした自分で学ぶ教育を目指すということです。

 第三は、成績や得点だけを考えた没価値の教育ではなく、日本の社会に生きるための価値観を持った文化の教育を目指すということです。

 第四は、現代の社会に適応するためのエスカレーターに乗る教育ではなく、自主独立の人間として生きる教育を目指すということです。


 その中で、最も重要なものが実力をつけるための教育です。

 受験という競争に勝つための教育ではなく、生きる実力をつけるための教育を行うには、それに合わせた毎日の自習が必要です。

 言葉の森で行っている自習は、現在やや複雑になっているので、今後学年別に自習の内容を整理して、もっとわかりやすく取り組みやすいものにしていきたいと思っています。


 現在自習として取り組もうと思っているものは四つあります。

 第一は、課題の長文の音読です。これには、読解マラソン集の音読も含みます。

 第二は、毎日の10ページ以上の読書です。

 第三は、毎日10分程度の暗唱練習です。

 第四は、問題集読書をもとにした。四行詩の作成です。


 まず、長文音読についてです。

 音読は、同じ文章を繰り返し読むというところに意義がありますが、同じ文章を繰り返し読むことを家庭で徹底させるのは、実は難しい面があります。

 そこで、音読のできる家庭はそのまま音読を続けていけばいいのですが、毎日の音読を徹底できない場合は、ウェブで同じ文章を繰り返し聴くという仕組みをゲーム的に作っていきたいと思っています。

 現在、速聴のページがありますが、これを速聴だけではなく普通のスピードの朗読としても聴けるようににして、その朗読を毎日子供が聴きます。

 朗読を聴いている途中で、何かのメロディーが流れるようにするので、その朗読が終わったあとに、そのメロディーが何のメロディだったかを選択してボタンを押すという仕組みです。

 このようにすれば、保護者が一緒について音読をチェックするようなことは必要なく、子供が自分で文章を毎日読んでいくことができます。

 また、毎日ができない場合でも、1週間のスケジュールを決めておけば、時間のあるときにこの自習をまとめてやっていくこともできます。(つづく)

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森川林 2010/11/04 11:32 


 夕方の家族のお喋りは、大いに盛り上がります。お父さんは、いま取り組んでいる仕事の話をいろいろしてくれます。お母さんも、よく勉強していて、お父さんの専門分野についていろいろな質問をします。

 お母さんも、自分の趣味の仕事を持っているので、その話をすると、今度はお父さんがいろいろな質問をします。もちろん、ここにK君も加わります。夕方のお喋りは、にぎやかな討論会のようでした。

 僕は、こんなに面白い話を毎日していれば、テレビやゲームなんていらないなと思いました。

 夕飯の食卓は、野菜が盛りだくさんです。ほとんどは、自宅で育てているもののようです。

 庭がなくてもベランダや窓ガラスで栽培できる野菜が増えているので、どこの家庭でも、野菜は自宅で作っているようです。

 肉類はあまり食べないらしいので、僕が、

「どうして」

と聞くと、

「食べられる動物の身になったら、かわいそうだからだよ」

と、K君は笑いました。未来の社会の人は、他人ばかりにではなく、動物に対しても共感する気持ちを持っているようです。

 ちょうど社会全体が、他の人も他の動物も含めて、一つの家族のように相手のことを考えているから、わざわざルールを作ったり取り締まる人を作ったりする必要がないのだと思いました。

 僕は、日本の歴史を学んだとき、徳川綱吉が出した「生類憐みの令(しょうるいあわれみのれい)」を悪法のように教わっていましたが、未来の日本の学校では、綱吉の精神は逆に評価されているということでした。

 食事を始めると、窓からリスや小鳥が入ってきました。これらの小動物の中には、ベランダの巣箱で暮らしているものもいるようです。

 人間の間にまじって、リスや小鳥がテーブルの上には上がらずにちゃんと横で待っています。

 ペットとして飼われているわけではないので、つかまえたり手でさわったりすることはできませんが、手の届くぐらいの近さでみんなにぎやかにえさを食べていました。

 近所の家の中には、トンビやフクロウと一緒に住んでいる家もあるようです。

 寝る時間になっったので、ベッドに行こうとすると犬がついてきました。ゴンタという名前で、3歳のゴールデンレトリバーです。

 K君は、いつも犬と一緒に寝ているようです。

「今日は、君がゴンタと一緒に寝たらいいよ」

と、K君が言いました。面白そうなので、僕は、

「うん、ゴンタおいで」

と言いました。

 今日一日いろいろ新しい経験でくたびれたので、僕は、ベッドに入るとすぐに寝てしまったようです。

 朝、スースーという音で目が覚めると、僕の目の前に、寝ているゴンタの顔がありました。僕は、ちょっとふざけて犬の真似をして、ゴンタの鼻をペロリとなめました。ゴンタは、ぱちりと目をさましました。(おわり)

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エズミカレン 20101104  
完結ですか~。
終わってしまって、ちょっと寂しいです。
とても好きでした。
ポプラ社あたりから出版してほしいです(笑)。

森川林 20101104  
 エズミカレンさん、ありがとうございます。

 ふと思いつきで書いているうちに、長くなってしまいました。
 でも、なんだか将来ありそうな話でしょう(笑)。

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未来の学校の夢(その4)―修行で豊かになる社会 as/1063.html
森川林 2010/11/03 11:14 


 未来の社会では、子供が学校で勉強するのと同じように、大人もみんな熱心に勉強や習い事をしています。会社が終わると、ほぼ毎日必ず何かの習い事をしてから家に帰ってきます。

 未来の社会では、人間が学校を卒業して就職するようになると、すぐにそのような習い事をいくつも始め、そこからだんだん自分の好きな習い事に絞っていき、これと決めたものはそれから10年も20年も続けます。

 すると、40歳ぐらいになると、自分がその習い事を教える仕事もできるようになってきます。そこで、みんなそれぞれに工夫して、自分がこれまで身につけたものを組み合わせて教えるので、そこで、新しい習い事の創始者になる人も多いようです。

 そうして、勤めていた会社を定年でやめるころになると、もう自分ですっかり新しい仕事を教える準備ができているそうです。

 K君のお父さんは、そう教えてくれました。

 僕は、昔、中学の社会科の授業で、「日本の経済発展にはこれから内需が必要だ」ということを習いましたが、日本人どうしがお互いに習い事を教えるというのが、未来の新しい内需になっているようでした。

 しかも、こういう習い事は、何十年も続けてきているものなので、中には普通の人の及びもつかないような高度な技能を持つ人もいます。そういう人は、人間国宝のような称号が与えられて、4年に1回開かれる文化オリンピックで表彰されるそうです。

 僕がいた過去の日本の社会でも、碁や将棋の名人、包丁一本の料理職人、作詞家や作曲家など、自分の持っている技術で生きている人がいましたが、未来の社会では、それがいろいろな分野に広がっています。

 中には剣玉名人のような、一見簡単にできそうなものもありますが、それを何十年もきわめている人がいるので、今では高度な芸術的スポーツのようになっているということでした。

 昔の日本の社会では、みんなが「欲しい」と思うものは主に「物」でしたから、「物」を買って豊かな生活を送っても、収入は別のところで働いて稼いでこなければなりませんでした。すると、働けなくなると収入がなくなってしまいます。

 「物」の社会では、買えば買うほどお金が減ってくるので、みんなはなるべくお金を使わないようにしていました。

 しかし、未来の日本の社会では、みんなが「欲しい」と思うものは、「物」よりも自分の「修行」になっています。自分の「修行」は買っているうちに、自分の能力になってきます。すると、今度は、その能力を売ることができるようになります。

 このようにして、「修行」の社会では、お金を使えば使うほど自分の能力が増えてくるので、みんながなるべくお金を使うようになっています。貯めておいても自分の能力は増えないからです。

 こうして、「物」の消費社会から、「修行」の自己投資社会に世界で最も早く移行した日本の社会は、今では世界一豊かな国になっているということでした。

 日本が、世界で初めてこういう修行の社会になったのは、日本人が勉強好きだということが大きな理由のようでした。(つづく)

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