はやぶさのカプセルにあった微粒子が、小惑星イトカワのものだったと発表されました。
燃えつきながら帰ってきたはやぶさ、ありがとう。
====毎日新聞より引用====
小惑星探査機:はやぶさ採取「イトカワ微粒子」 人類に巨大な一歩
7年間、計60億キロに及ぶ前人未到の旅に挑んだ小惑星探査機「はやぶさ」が、人類の宝ともいえる大きな「土産」を持ち帰っていたことが16日明らかになった。プロジェクトを率いた川口淳一郎・宇宙航空研究開発機構(JAXA)教授は「胸がいっぱい」と声を震わせ、関係者は称賛した。「500点満点」の成果を元に、今後は世界中の科学者が太陽系の誕生の秘密に迫る。【八田浩輔、足立旬子】
◇JAXA教授「夢超えた」
「帰ってきただけでも夢のよう。夢を超えたことで、どう表現してよいか分からない。点数はない。付けたくない」と川口さんは語った。
03年の打ち上げ当時、はやぶさが数多くの人類初の技術に挑むため、イトカワの試料の採取成功まですべて達成した場合「500点に値する」と話していたが、喜びを抑えきれない様子だ。
昨年11月中旬、はやぶさのイオンエンジンにトラブルが生じ、暗雲が漂ったが、奇跡的に復活した。川口さんは「想定を超える成功が重なった。7年間もさることながら、プロジェクトを始めて15年。その前から数えると四半世紀になる。感慨無量。苦労が報われ、よかったなと心から思う」と顔を紅潮させた。
会見には、藤村彰夫JAXA教授、微粒子を電子顕微鏡で分析した中村智樹・東北大准教授らも同席。藤村さんは「最初カプセルを開けた時に真っ青になった」と明かす。微粒子が0・01ミリ以下で、目に見えるものがなかったからだ。地球外物質と特定された1500個の微粒子の中には、地球上の物質に含まれるものもあれば、存在しないものもある。中村さんは「分析を進め、地球にほとんどない結晶を見つけた時は、ガッツポーズの瞬間でした」と語った。
18日の政府の事業仕分けでは、JAXAの運営費交付金削減も議論される。川口さんは「イノベーション(革新)には時間がかかる。将来への投資として近視眼的にならないでほしい」と注文を付けた。
◇「努力完結、素晴らしい」 関係者から続々喜びの声
はやぶさのカプセルからイトカワの物質が確認されたことに、関係者の間で「よくやった」と喜びの声が広がった。「宇宙戦艦ヤマト」など宇宙関連の作品をヒットさせている漫画家、松本零士さんは「人類によって地球が傷つけられている今、他天体の物質を探究することは、地球を守るためにも不可欠な活動。試料はとても小さいが、人類にとって巨大な一歩だ。日本がやりとげたことも素晴らしい」と喜んだ。
試料確認の立役者となったのは、はやぶさが宇宙空間で切り離したカプセルが、大気圏で燃え尽きずに帰還したからだ。カプセル開発の責任者、山田哲哉・宇宙航空研究開発機構(JAXA)准教授は「はやぶさの航行後、試料の分析へとバトンをつなぐことができ、ほっとしている。努力をしたかいがあった」と語った。
はやぶさを擬人化したゆるキャラ「はやぶさ君」の作者、小野瀬直美さんは「多くのトラブルを克服しながら、よく帰ってくれた。『あなたの帰りを待っている7年に分析技術も飛躍的に向上しました。小さな試料であっても、がんばって解析し良い成果が出るでしょう』と声をかけたい」とねぎらった。
はやぶさを主人公にした映像作品「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」を制作したコンピューターグラフィックス(CG)ディレクターの上坂(こうさか)浩光さんは「ニュースを聞き、体が震えた。はやぶさの努力がすべて無駄にならず、完結できたことが素晴らしい」と声を弾ませた。
この作品は、全国30カ所以上で上映され、20万人を動員した。はやぶさ帰還と今回の成果を含めた完結編は、24日から東京都渋谷区のコスモプラネタリウム渋谷で一般公開される。【永山悦子】
====引用ここまで。====
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子供たちに四行詩と読書の自習の話をすると、四行詩をしっかり書いてくる子の中に、読書よりも四行詩を優先させてしまう子が出てきます。
食事にあてはめると、読書が主食で、四行詩はデザートです。
難しそうなものや勉強の形になっているものを優先しがちなところが、誰にもあるようです。
勉強では、幹と枝葉を間違えないことが大切です。幹が読書で、四行詩や読書の記録は枝葉です。
同じように、長文の暗唱も、やさしい事実文ではなく難しい説明文に取り組む子がいます。
事実文は、言葉とイメージが結びつくので流れがつかみやすいのですが、説明文は、すぐにはイメージも出て来ず流れもつかみにくいので質的にかなり難しくなります。
説明文の場合は、回数を増やしてやりとげるようにするか、それが無理ならやはり事実文に戻って基本をしっかりやっていくことが大事です。
似た例で、読書をする時間がないから問題集の読書を中心にするという子がいます。
これは、受験生の場合にはやむを得ない面もありますが、受験の何年も前から読書を省略してしまえば、かえって本の面白さを味わうという基礎力がつきません。
小学校低中学年の親で、子供に難しいことを長時間させすぎている人が多いということをよく感じます。
自分が小学校低中学年のときにやっていたことと同じような生活をさせるのが子育ての基本です。それに、少し改善点を付け加える程度がよくて、自分の小学校低中学年のころの生活とかけ離れたことをしない方がいいのです。
塾や習い事にたくさん通う子の中に、その教室に行くこと自体が勉強のようになっている子がいます。
どんな塾や習い事でも、その学習を徹底させようと思えば、家庭での宿題が出ます。
家庭での宿題が毎日10分であっても1週間やれば1時間になりますから、塾に行って毎週1時間勉強するのと同じ時間になります。そして、実際は家庭での毎日10分の勉強の方が、塾での1時間の勉強よりもずっと大事なのです。
勉強の基本は、家庭です。同じ学校に通って、同じような塾や習い事に通って、どうして実力に差がつくかというと、その差はやはり家庭にあります。家庭で、読書や対話という学力の基礎となる時間をしっかり確保していくことが大事なのです。
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週3回の通塾、塾の宿題、復習などで、自由になる時間は極端に少ないのですが、息子は、問題集読書をいやがらず、どちらかと言うと楽しみながら、ほぼ毎日続けています。
元々要領が良い方ではなく、どちらかと言えば、四行詩の書き方も雑で、メモ程度。こんなもので良いのか?と、疑問に思っていましたが、まず、大事なことは、毎日続けることなのですね。
ところで、このペースで読み続け、2回目に入った時、特に気をつけることはあるのでしょうか?
問題集読書で大事なことは、いいと思ったところに傍線を引きながら読むことです。
いいというのは、面白い、よくわかった、表現が気に入った、などというところです。
2回目に読むときにも傍線を引きますが、1回目に読んだときに引いた傍線と重なってもかまいません。
本当は、繰り返し4回ぐらい読めるといいのですが、1年間の間にはなかなかそこまでいかないと思います。
有難うございます。読むのに熱中して、傍線を引き忘れることがあるので、これから気をつけるようにします。
問題集読書をすることで、学校説明会や入学案内とは違う角度で、それぞれの学校を見ることができるように思います。親も楽しませていただいています。
物語文だと傍線を引くことはあまりないのですが、それでも、「ここはいいなあ」と思ったところには引いておくといいと思います。
読むときは、傍線を引きながら読むことに徹して、四行詩は、全部読み終えたあとに、その傍線を引いた箇所をもとにして書いていくといいと思います。
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