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新聞を読む学習法 as/1082.html
森川林 2010/11/22 21:13 


 小学生の保護者から、「新聞を毎日読ませているのですが、それは勉強としてどうですか」という質問が何件かありました。



 下記は、朝日新聞のサイトからの引用です。

====

 新学習指導要領は、思考力などを育てるために従来よりも「言語活動」を重視している。現行の指導要領は児童や生徒の言語活動が「適正に行われるようにすること」と記しているが、新指導要領では、各教科の指導で言語活動を「充実すること」と踏み込んだ。小学5、6年の国語では、新学習指導要領は「読む力」を育てるための指導事項として「本や文章を読んで考えたことを発表し合い、自分の考えを広げたり深めたりすること」などを6点を列挙。具体的な方法の一つに「編集の仕方や記事の書き方に注意して新聞を読むこと」を挙げる。中学2、3年の国語でも指導方法の一つに新聞を例示している。

( 2010-08-08 朝日新聞 朝刊 教育2 )

====

 こういう記事があったので、新聞の活用法に関する質問が増えてきたのだと思います。



 私の新聞に対する考えは、次のようなものです。

1、新聞には、普通の読書ではあまり触れる機会のない説明的な文章が多いので、その点では役に立つが、子供は実際には漫画を読むだけになることが多い。

2、読む力の基本になるのは読書で、読書を主食とすると、新聞はおやつという位置づけである。

3、新聞の文章は総じてやさしく書かれているので、高学年の生徒が国語の勉強のために読むのであれば、入試問題集を読書がわりに読む方がよい。

4、大学生が、半年ぐらい集中して、新聞の解説記事を中心に隅から隅まで読めば、時事的な一般教養の力はほぼ完璧につく。

5、社会人は、新聞よりも、書籍やインターネットによって情報を得た方がバランスのとれた判断力が身につく。



 勉強の基本は平凡です。読書をしっかりしていることが第一で、それ以外のさまざまに目先の変わったやり方は、すべて、半分遊びのようなものです。

 新聞を読むことは、決してマイナスにはなりませんし、真面目に読めば、説明文の面白い記事がかなりあります。しかし、それで読書のかわりになると考えたり、国語の勉強にプラスになると考えたりすれば、それはやはり過大評価ではないかと思います。

 まず地道に本を読むという時間をしっかり確保していくことが大事で、読書さえしていれば、ほかのことはしてもしなくてもどちらでもいいのです。

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「期末テストで国語がクラスで1番に」――問題文の読み方 as/1081.html
森川林 2010/11/20 20:26 


 教室に通っている中学1年生の生徒が、「期末テストで、国語はクラスで1番になりました」と教えてくれました。(小学校2年生のとき、作文が苦手という理由で教室に入ってきた子です。)

 この生徒は、毎月の読解問題を解くときでも、自分がAだと思っていたものの答えがBだと、必ず先生に理由を聞いていました。

 理由を聞くぐらいなので、答えを選択するときも根拠を持って選んでいます。「ここがこうで、あそこがこうだから、これは違う」という具合の選び方です。

 つまり、理屈が通った選択の仕方なのです。決して、「全体の雰囲気で、こっちがよさそうだ」というような勘で選んでいるのではありません。

 国語の成績がよくなる子と、よくならない子の差がここにあります。

 雰囲気と勘で選択した子は、答えが×になっていても、「残念。はずれた」で終わりですが、理詰めで考えて選んだ子は、×になったときにその理由を聞いて、次回にそれを生かすことができます。

 勉強というものは、答えが○だったらそれは実はやっただけ時間の無駄だったということです。答えが間違えたときに初めて、自分がまだ何かを学ぶ余地があるということがわかるのです。

 だから、テストの成績が悪かった場合は、それをむしろ喜ばなければなりません。

 さて、国語の問題を理詰めに解くにはコツがあります。それは、問題文を読んでいるときに、これはと思った箇所に線を引きながら読むことです。

 印象に残った箇所に傍線を引くと、その文章を二度、三度と繰り返して読むときに、その傍線の箇所を中心にざっと眺めるだけで文章の全体が頭に入ります。

 また、選択式の設問では、どこを根拠として選択したのかがわかるように傍線や「○」や「△」や「?」という記号を設問の横に書いておきます。すると、答案が戻ってきたときに、自分の答えを検証することができます。

 読書の場合は付箋、国語問題の場合は傍線というように、自分が読んだ跡を残しながら読むことが大事なのです。

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