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新聞を読む学習法(その2) as/1083.html
森川林 2010/11/23 11:58 


 新聞を読む学習法をまだやっていない人が今から新しく始める必要はありませんが、すでに家庭で新聞を読む習慣があるという人は、次のような読み方をしていくといいと思います

 新聞というと、ニュースの時事的な記事を読むものだと思いがちですが、このニュースというものはあまり読む必要はありません。なぜなら、ニュースのほとんどは、1週間もたてば意味がなくなるものだからです

 また、1ヶ月間や1年間のニュースをまとめた新聞ダイジェストのようなものも読む必要はありません。そういう時事的な知識が直接役に立つというようなことはほとんどないからです。

 大きなニュースは、大きな文字のタイトルで書かれているので、つい読んでしまいがちです。また、テレビのニュースも同じように、そのときの最新の話題が大きな話題として放送されているとつい見てしまいがちです。しかし、それらのニュースは、そのときだけのもので、あとに残るものではありません。

 新聞やテレビは、与えられたものを惰性で見るのではなく、ポイントを絞って見ることが大事です。

 また、新聞の中の特定のコラム欄例えば天声人語や社説などを必ず読むというようなことを自分に課すのもあまりよいことでありません。そういう杓子定規の読み方は時間の無駄になることが多いからです。



 では、新聞のどういうところを読むかというと、それは枠で囲まれた解説記事になっているところです。一般紙の場合は、日曜日の朝刊の1面の左上によく解説記事が載っています。そういう記事が、枠で囲まれた解説記事です。新聞の内側にも、そういう囲みの解説記事がいくつもあります。

 ニュースは読まないが解説は読むというのが、新聞の最も役に立つ読み方です。

 例えば、惑星探査機はやぶさが帰ってきたとか、小惑星イトカワの微粒子が発見されたとかというようなニュースは、興味を引きますが、特に熱心に読む必要はありません。

 読むのは、はやぶさがどういう計画で、どういう意義があったのかというような解説の記事です。

 この読み方をするためには、新聞は必ずしも毎日読む必要はありません。読んでみたい解説記事があればそれを切り取っておき、あとで時間のあるときにまとめて読むようにすればいいのです。

 もし、保護者が、子供の新聞の読み方の手助けをするとすれば、保護者の方で、読んでおくといい解説記事を切り取っておくというやり方をしてもいいと思います。



 ところで、こういう新聞の解説記事を1年間分まとめたようなものがあります。それが、毎年の入試問題の国語の説明文の文章です。

 読む時間の密度の濃さという点から言えば、新聞の解説記事よりも問題集の問題文の方が読む力がつくと思います。

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新聞を読む学習法 as/1082.html
森川林 2010/11/22 21:13 


 小学生の保護者から、「新聞を毎日読ませているのですが、それは勉強としてどうですか」という質問が何件かありました。



 下記は、朝日新聞のサイトからの引用です。

====

 新学習指導要領は、思考力などを育てるために従来よりも「言語活動」を重視している。現行の指導要領は児童や生徒の言語活動が「適正に行われるようにすること」と記しているが、新指導要領では、各教科の指導で言語活動を「充実すること」と踏み込んだ。小学5、6年の国語では、新学習指導要領は「読む力」を育てるための指導事項として「本や文章を読んで考えたことを発表し合い、自分の考えを広げたり深めたりすること」などを6点を列挙。具体的な方法の一つに「編集の仕方や記事の書き方に注意して新聞を読むこと」を挙げる。中学2、3年の国語でも指導方法の一つに新聞を例示している。

( 2010-08-08 朝日新聞 朝刊 教育2 )

====

 こういう記事があったので、新聞の活用法に関する質問が増えてきたのだと思います。



 私の新聞に対する考えは、次のようなものです。

1、新聞には、普通の読書ではあまり触れる機会のない説明的な文章が多いので、その点では役に立つが、子供は実際には漫画を読むだけになることが多い。

2、読む力の基本になるのは読書で、読書を主食とすると、新聞はおやつという位置づけである。

3、新聞の文章は総じてやさしく書かれているので、高学年の生徒が国語の勉強のために読むのであれば、入試問題集を読書がわりに読む方がよい。

4、大学生が、半年ぐらい集中して、新聞の解説記事を中心に隅から隅まで読めば、時事的な一般教養の力はほぼ完璧につく。

5、社会人は、新聞よりも、書籍やインターネットによって情報を得た方がバランスのとれた判断力が身につく。



 勉強の基本は平凡です。読書をしっかりしていることが第一で、それ以外のさまざまに目先の変わったやり方は、すべて、半分遊びのようなものです。

 新聞を読むことは、決してマイナスにはなりませんし、真面目に読めば、説明文の面白い記事がかなりあります。しかし、それで読書のかわりになると考えたり、国語の勉強にプラスになると考えたりすれば、それはやはり過大評価ではないかと思います。

 まず地道に本を読むという時間をしっかり確保していくことが大事で、読書さえしていれば、ほかのことはしてもしなくてもどちらでもいいのです。

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