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記事 1084番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
森リンによって評価される作文のうまさとは as/1084.html
森川林 2010/11/24 10:59 


 森リンは、作文小論文の自動採点ソフトとして2004年11月26日に特許を出願し取得しました(特許第4584158号)。

 それまでの作文小論文の自動採点ソフトは、平均的な文章の平均値からどれだけ離れていないかということを評価の基準としていました。

 その結果、うまくない文章はすぐにわかりますが、それがそのまま、うまくない文章の度合いが低いものほどうまい、とは言えないところに問題がありました。ややこしい書き方ですが。(^^ゞ

 これは、美人コンテストのようなものを考えるとわかりやすいと思います。

 人間の平均的な顔の数値を求めて、その平均値から外れていれば、確かに変な顔だということはわかります。しかし、最も平均値から外れていない顔が最も美しいかというとそうとは言えません。

 従来の作文小論文ソフトがどうしてそういう発想で評価の基準を決めたかというと、プログラムを作る人が、うまいということの基準を決めることができなかったからです。

 文章のうまさというものには、主観的な面があります。そこで、客観的な、誰もが納得するような基準として平均値を評価の尺度にしたのです

 これに対して、森リンは文章のうまさという基準を先に考えました。それは、言葉の森が、これまでの作文指導の中で、上手な文章の蓄積というものを持っていたからです。

 言葉の森の考える文章のうまさの基準は、まず第一に語彙が多様であるということです。

 第二は、しかし、バランスがとれているということです。

 そして、第三は、論説文として理路整然としているということです。

 この三つは、それぞれ相反する面があります。

 語彙が多様になりすぎると、バランスがとれなくなり、冗長な文章となってしまいます。

 また、一般に易しい言葉だけでなく、難しい言葉もある方がいい文章とはいえますが、あまり難しい語彙がありすぎると重い文章になってしまいます。

 理路整然としている文章はわかりやすい文章ですが、その度合いが過ぎると硬い文章になってしまいます。

 また、森リンの評価は論説的な文章を対象としているので、小学校中学年までの事実中心の生活作文では評価がずれる面があります。更に、字数が短いと、森の点数の誤差が大きくなるので、1200字程度の長さは必要になります。

 言葉の森で毎月発表している森リン大賞は、言葉の森の生徒が毎月の清書で書いた作文の中から森リンの上位の人を掲載しています。

 ここには人間の評価は何も加えていませんが、上位の作品を見るとかなり妥当性があります。人間が評価して上位の作品を選んでもあまり変わりないと思います。

 それなのに、採点にかかる時間は、人間の百倍ぐらい速いのです。

 ところで、厳密にいうと森リンで評価しているのは、その作文の上手さというよりも、その作文に表れた、書いた人の作文力の評価です。だから、森リンの点数は、その人の学力と比例している面があります。

 森リンの点数を上げるためには、小学生の場合は読書で、中学生や高校生の場合は問題集読書のような難しい読書で使える語彙をふやしていくことが大切です。

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森リン(103) 

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新聞を読む学習法(その2) as/1083.html
森川林 2010/11/23 11:58 


 新聞を読む学習法をまだやっていない人が今から新しく始める必要はありませんが、すでに家庭で新聞を読む習慣があるという人は、次のような読み方をしていくといいと思います

 新聞というと、ニュースの時事的な記事を読むものだと思いがちですが、このニュースというものはあまり読む必要はありません。なぜなら、ニュースのほとんどは、1週間もたてば意味がなくなるものだからです

 また、1ヶ月間や1年間のニュースをまとめた新聞ダイジェストのようなものも読む必要はありません。そういう時事的な知識が直接役に立つというようなことはほとんどないからです。

 大きなニュースは、大きな文字のタイトルで書かれているので、つい読んでしまいがちです。また、テレビのニュースも同じように、そのときの最新の話題が大きな話題として放送されているとつい見てしまいがちです。しかし、それらのニュースは、そのときだけのもので、あとに残るものではありません。

 新聞やテレビは、与えられたものを惰性で見るのではなく、ポイントを絞って見ることが大事です。

 また、新聞の中の特定のコラム欄例えば天声人語や社説などを必ず読むというようなことを自分に課すのもあまりよいことでありません。そういう杓子定規の読み方は時間の無駄になることが多いからです。



 では、新聞のどういうところを読むかというと、それは枠で囲まれた解説記事になっているところです。一般紙の場合は、日曜日の朝刊の1面の左上によく解説記事が載っています。そういう記事が、枠で囲まれた解説記事です。新聞の内側にも、そういう囲みの解説記事がいくつもあります。

 ニュースは読まないが解説は読むというのが、新聞の最も役に立つ読み方です。

 例えば、惑星探査機はやぶさが帰ってきたとか、小惑星イトカワの微粒子が発見されたとかというようなニュースは、興味を引きますが、特に熱心に読む必要はありません。

 読むのは、はやぶさがどういう計画で、どういう意義があったのかというような解説の記事です。

 この読み方をするためには、新聞は必ずしも毎日読む必要はありません。読んでみたい解説記事があればそれを切り取っておき、あとで時間のあるときにまとめて読むようにすればいいのです。

 もし、保護者が、子供の新聞の読み方の手助けをするとすれば、保護者の方で、読んでおくといい解説記事を切り取っておくというやり方をしてもいいと思います。



 ところで、こういう新聞の解説記事を1年間分まとめたようなものがあります。それが、毎年の入試問題の国語の説明文の文章です。

 読む時間の密度の濃さという点から言えば、新聞の解説記事よりも問題集の問題文の方が読む力がつくと思います。

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