ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1098番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
独学のすすめ as/1098.html
森川林 2010/12/12 19:46 



 昔は、学習塾などいうものは、ほとんどありませんでした。私が中学生のころ、学校の近くに一ヶ所だけあった塾は、私立受けるための特別な勉強するごく少数の生徒か、学校の授業についていけない生徒を教えるところというイメージでした。

 また、当時のほとんどの親は、受験勉強のノウハウなどは持っていなかったので、子供たちはみんな自分なりの工夫で勉強したものです。

 そのころの情報のほとんどは、「○○コース」や「○○時代」という学研か旺文社の学年別の月刊誌でしたから、今考えると、理念だけが先行してかなり能率の悪い勉強をしていたように思います。

 能率の悪さの一つの例が、数学の難問にぶつかったときです。解き方を何時間も考えて、その1問で1日が終わるようなこともよくありました。

 和田田秀樹さんの提唱する方法では、そういうときはすぐに解法を見て解き方を理解するということですから、そういうノウハウをあらかじめ知っていれば、かなり能率のよい勉強ができたのではないかと思います。

 そのかわり、そういう無駄な回り道をしてきたせいか、自分が20代になると、勉強法も自分なりに工夫できるようになりました。



 ところが、現代は、子供たちが逆に塾や予備校で要領のいい勉強の仕方を教えられすぎているために、自分で工夫する勉強の仕方を身につけていないように思えます。

 独学の方法ということですぐに思いつくのは、シュリーマンの「古代への情熱」でしょう。これは、語学の勉強法としては、古典とも言えるものです。しかし、方法がシンプルでありすぎるためか、実行できる人はあまりいないようです。

 日本では、本多静六さんの著書が、勉強法だけでなく処世法一般も説いているという点で出色です。

 受験勉強法に関しては、高校生では和田秀樹さんの本、中学生では内藤勝之さんの本がおすすめです。

 このほかにも、書店の参考書のコーナーに行けば、さまざまな著者の受験勉強法の本があります。



 言葉の森で高校3年生になる生徒には、毎年春休み前に、

(1)勉強法の本を10冊ぐらい読むこと、

(2)過去問を(答えを書き込みながらでもいいから)ひととおりやること、

(3)志望校の合格体験記などがあれば読んで参考書や問題集選びの参考にすること、

(4)1年間取り組むための問題集や参考書を丸一日じっくり時間をかけて決めること、

と勧めていますが、実行している人はまだあまりいないようです。何度も言っているはずなのに、毎年秋になってから、「そろそろ過去門に取り組もうかと思っているんですが」という生徒がいます。

 大抵の高校3年生は、先輩や友人や塾や予備校の先生のクチコミという狭いノウハウを聞きかじるだけで、本を通して幅広く勉強法を学ぶという姿勢に欠けています。

 受験勉強というのは、ある意味で単純ですから、そのように戦略がなくただがんばるだけの方法でも、そこそこの点数で合格することもありますが、本当は、もっと大きな戦略を先に考えてから取り組むものなのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
勉強の仕方(119) 

記事 1097番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
どうしたら本を読むようになるか as/1097.html
森川林 2010/12/11 21:30 



 子供に読書をさせる方法は簡単です。本を読めば力がついて、さらに読めるようになる、という循環を利用するだけです。だから、最初のきっかけは、まず読むことです。

 その際に、その子にとって難しすぎない本で、興味がもてる本を選ぶという配慮は大事ですが、ちょっと難しいかなと思う程度のレベルの本でももちろん構いません。

 もし、ある本を読み始めてから、つまらなかったり難しかったりして読者が進まなくなった場合は、その本と並行して別の本を読んでいくようにします。そのときに、読み終えたところまで付箋を貼っておくと、数冊の本でも並行して読んでいくことができます。

 言葉の森の通学教室の子供たちに、今読んでいる本を、毎週の授業のときに持ってくるようにと言っています。

 最初は、「読んでいない」「本がない」などと言ってきた子もいましたが、次第に、みんな読みかけの本を持ってくるようになりました。

 毎日10ページ以上は読んで、読んだところまで付箋を貼っておくようにと言っているので、読み進み具合もわかります。

 これまで、本を読む習慣のあまりなかった子もいます。そういう子は、本当に毎日10ページをやっと読んでくる感じです。しかし、このように、わずかのページでも、やさしい本でも、毎日読んでいれば、必ず読む力がつき読書の面白さに目覚めていきます。

 よく、保護者の方から、「子供に本を読むようにさせたいが」という相談を受けることがあります。方法は簡単です。ただ読ませるだけです。読む力がつくから読むようになるのではなく、読むから読む力がつき、読むことが面白くなってくるのです。

 たまに、「本を読んでいる暇があったら勉強をさせる」という方針の家庭もあるようです。受験の直前の1年間は、確かに読書量は減らさざるを得ませんが、それ以外のすべての学年で、読書は勉強よりも優先して取り組むものです。

 頭のよい悪いは生まれつきではありません。言語を駆使する力に応じて頭がよくなります。読書によって頭がよくなると、なぜか作文も上手になります。

 しかし、頭がよくなることと成績がよくなることとは多少違います。成績は、勉強をすることによってよくなるからです。ところが、勉強を始めるとぐんぐん成績がよくなる子は、その土台に、読書によって育てた頭のよさがあるのです。

 普段は、読書と作文によって本当の学力の土台をつけておき、受験に取り組むときには、その学力の土台の上に受験に合わせた勉強によって急速に成績を上げる、というのがメリハリのある勉強の仕方です。

 そんなうまい話があるのかと思う人もいるでしょうが、実はそういう例はかなり多いのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読書(95) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習