ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1128番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
国語力をつける作文 as/1128.html
森川林 2011/01/18 16:05 



 国語力は、あらゆる勉強の基礎です。英語を勉強するにも、数学を勉強するにも、最初にあるのは国語的な力です。そして、国語力の必要性は、最初にあるだけでなく、勉強が高度になるにつれてますます大きくなっていきます。

 例えば、大学入試の英語力は、かなりの部分が国語力です。なぜかというと、大学入試に出てくるような英語の問題文は、問題文自体に考えさせる内容を含んでいるからです。このため、国語的な読み取る力のある人は、それだけ問題文を容易に理解します。英語の問題は、難しくなればなるほど、英語で書かれた国語の問題という性格を持つようになっていくのです。

 また、数学の勉強を志す人に、大学の先生などがこぞって言うのは、国語力のある生徒に来てほしいということです。これは、日本だけの現象ではなく、実は世界的な話です。物理学者でありながらノーベル化学賞を受賞したアラン・ヒーガー氏は、大学生のときに自分の進路を決めかめて、当時の物理学の教官に、「物理学者になるには、どんな資質が必要なのですか」と聞いたそうです。教官の答えは、「英語(つまり国語)がよくできることだよ」だったそうです。理科系の勉強をするにも、一流になるためには国語力が欠かせないのです。

 しかし、この国語力は、どのようにしてつくのかということが実はわかっていません。多くの人は、塾に行けば国語の成績が上がると考えていますが、そのようなことはありません。塾は、英語や数学や理科や社会など、知識によって成績が上がる教科の勉強には向いていますが、国語のような考える力を必要とする教科の勉強には対応していません。ただ全教科カバーしていないと塾らしくないので、国語の授業もあるという程度なのです。

 これは、学校の勉強を考えてもわかります。英語や数学などの教科の勉強は、その教科書をしっかりマスターすればそれだけで成績を上げることができます。しかし、国語については、教科書を一冊マスターして果たして成績が上がるでしょうか。国語の成績のよい子も、悪い子も、みんな同じように国語の教科書を読んでいます。勉強の仕方に違いは何もないのに、成績だけが違うのです。

 このように、国語の勉強は、力をつけるあてのない勉強です。かといって、国語の勉強は、家庭でもやりようがありません。国語の勉強として普通考えることは、漢字の書き取りです。確かに、漢字の書き取りは時間をかけて勉強すればだれでも成績が上がります。しかし、それは漢字の成績が上がるだけで、読解力や記述力の成績が上がるわけではありません。国語の勉強としてもうひとつ考えつくことは、国語の問題集を解くことです。問題を解くという勉強は、一見勉強らしい雰囲気があります。しかし、問題集を解いて国語の成績が上がるということはありません。それぐらいなら、学校でも塾でも、みんな国語の成績が上がっているはずです。問題集を解いても成績が上がらないというのが、国語の勉強が、他の英語や数学の勉強と違うところなのです。

 では、国語の勉強はどのようにしたらいいのでしょうか。ここで、言葉の森の作文の勉強が生きてきます。(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 

記事 1127番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
新たな知のパラダイム(その3) as/1127.html
森川林 2011/01/17 21:13 


 人類における最初の知のパラダイムは、「知によって世界を作り変えることができる」というパラダイムとして始まりました。

 それまでの人類は、知恵はありましたが、その知恵は自然環境に適応するためだけの知恵でした。寒いから服を着る。暑いから木陰に入るというような状況に直接対応するための知恵でした。

 しかし、あるとき、この知恵によって世界を変革できるという考えを持つ人が現れます。この知によって、それまでの掘っ立て小屋というひとりの人間が実感できるサイズの建築物から、より大きく複雑な個人の実感だけでは作ることのできない建築が作られるようになりました。これは、建築技術に主に集中的に表れましたが、軍事や政治の分野にも、人間の実感を超えたより大きな人数を統御する技術として発達しました。

 この「知によって世界を構成することができる」という知が、最初のパラダイムで、これは、人間が徒歩で移動できるスピードではあったものの、瞬く間に世界中に広がりました。同じ知力を持つ人間でありながら、知で世界を構成できるというパラダイムを持つ人間と、実感の世界で生きる人間とでは、文明人と野蛮人というきわめて大きな違いがあったのです。

 このパラダイムに接触した野蛮人は、すぐに自分もそのパラダイムを受け入れて文明人になりました。こうして、人間は世界中で、動物のように自然の中で生きる生活から、人間として社会の枠組みの中で生きる生活へと進化していったのです。



 この「知によって世界を構成できる」という考え方は、ある一組の主体と客体を前提としていました。それは、人間という主体と自然という客体であり、更に範囲を狭く絞れば、味方という主体と敵という客体であり、更に狭くすれば、自分という主体と他人という客体でした。

 この考え方を論理的につきつめたのが、青年時代のデカルトです。デカルトは、青年時代のあるとき、何日間も何もすることがない状況に置かれました。そこで、仕方なく、自分が普段その青年らしい純粋さで疑問に思っていた「自分とは何か」という問題を考え始めたのです。

 若いデカルトが、自分の少ない人生経験は頼りにせずに、ただ論理的に、ということはただその当時あった知的パラダイムだけを指針にして考えた結論は、「我思う故に我あり」という「最初に個がある」という考えでした。最初に個がある。だから、他がある。しかし、個も更に本当の個に向かってどこまでも細分化されるし、他もまた次々と細かい他に分けてどこまでも細分化できる。これが、のちに分析主義哲学とい呼ばれる考え方でした。

 このデカルトの哲学は、若さ故の純粋さという魅力を持っていましたが、釈迦や孔子に代表されるアジアの哲学が持っていた老人の知恵をその哲学の中に組み込んではいませんでした。これが、その後のヨーロッパの発展と支配、アジアの停滞と隷属という関係を生み出しました。しかし、そのヨーロッパの発展は、二度の世界大戦と無数の小戦争、環境破壊と経済危機という若さの持つ暴走と裏腹の関係にあったのでです。(つづく)



 話が何だか大きくなってしまいましたが……。(^^ゞ

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
知のパラダイム(15) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習