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作文だけの専門指導―言葉の森と他の作文教室との違い(その2) as/1155.html
森川林 2011/02/01 21:02 


 第五は、言葉の森の作文指導は、作文だけの専門の指導だということです。

 作文教室という名前をつけているところでも、作文だけの指導をしているところは実は少なく、ほとんどは国語の勉強の一部として作文もやっているという形のところが多いと思います。それは、なぜかというと、国語であれば教えることはたくさんあるが、作文では教えることがあまりないからです。

 言葉の森は、それとは逆です。国語の勉強のようなことは、自分の力だけでもできる勉強です。特にだれかに教えてもらう必要などありません。

 国語の得意な生徒を見ればわかるように、それらの子供たちは国語の勉強の仕方を特にだれかに教わったから得意になったというわけではありません。学校の勉強にも、塾の勉強にも関係なく、ただ生まれつき国語が得意だったという子がほとんどです。

 しかし、実は、それは生まれつきではありません。ひとことで言えば、難しい文章を読む習慣があり、その文章を理解して考える習慣があるから国語が得意になったということです。ですから、国語力は、低中学年では多読力に、高学年では難読力に比例しています。

 言葉の森で勉強をしているとなぜ国語力がつくかというと、小学校高学年からは難しい長文を読んで感想文を書く勉強が中心になっているからです。



 そして、更に重要なことを言うと、今の中学、高校での国語の授業における国語力には、作文力はまず含まれていません。中学、高校では、作文の授業をすること自体が難しいからです。そのため、中学生や高校生で国語が得意だと思っている生徒でも、その国語力は作文力を除いた国語力であることを自覚している人はあまりいません。

 しかし、社会に出てまずいちばんに必要な国語力は、この作文力、表現力で、その次が読解力です。読解力は、正解がほぼ決まっていますから、できるできないの差があるというのは、国語の苦手な人も含んだ場合の話であって、あるレベル以上の人になれば読解力の差はなく、みんな同じように文章を読み取る力を持っています。すると、最も大きな差になるのは、作文力、表現力の方なのです。



 この作文力は、他の教科の勉強と違い、独学で身につけるのが最も難しいものです。それは、作文を書く勉強というものが、他の教科の勉強に比べて負担の大きい勉強であることもありますが、それよりももっと本質的な違いは、作文というものが自分で評価できない面を持っているからです。

 自分の書いた作文は、自分で評価することはできません。これが、正解が決まっている他の教科の勉強との最も大きな違いです。そのために、作文以外の教科の勉強は、よい参考書と問題集があれば自分ひとりの力でも勉強を進めていけますが、作文だけは第三者に評価してもらう必要があるのです。

 言葉の森が、作文指導を専門にしているのは、このような事情があるからです。そして、作文の指導をする中で、文章を読む力も自然に育っていくのです。ただし、自然に育つとは言っても、その際の最低限の条件として、毎日何らかの形で文章を読むという習慣を作っておくことは必要です。(つづく)

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森川林 2011/02/01 12:25 


 世の中には、言葉の森以外に、さまざまな作文教室や国語教室があります。

 ときどき、問い合わせの方から、「どういうところが違うのですか」という質問を受けますので、今回はそれを説明します。



 第一は、作文教室の中で最も古くから始めているということです。長い伝統があるので、指導のノウハウもいちばん多く蓄積されていると思います。

 これは、言葉の森のホームページをごらんになるとよくわかります。言葉の森のホームページは1996年から開設しているので(言葉の森の開設自体はもっと以前から)、その当時の生徒の作品や指導の記録が残っています。そのころ小学生だった生徒は、みんなもう立派な社会人です。



 第二は、通信指導なのに、担任の先生からの電話による説明が毎週あるということです。担任の先生が決まっているということは、生徒によっては、同じ先生に小学生のころからずっと何年間も担当してもらうこともあるということです。

 作文の内容というものは、添削した先生は意外とよく覚えているもので、電話指導中に、「そういえば、○○君はもう中学生だけど、小学生のときにこんなこと書いていたじゃない」などという話になることもあります。

 この電話による担任制度というものは、少人数の教室でなければできないので、言葉の森以外にはやっているところはないと思います。言葉の森の生徒は現在約1000名ですが、その1000名の生徒を約80人の担当の先生が毎週電話で指導するという体制をとっています。



 第三は、授業のふりかえや質問などが随時できるということです。電話指導の時間に電話に出られないということは、だれでもときどきあります。そのときに、ほかの曜日や時間にふりかえて、その週の授業の説明を聞くことができます。

 また、電話指導の時間帯もかなり幅が広いので、部活などで帰りが遅い生徒も、遅い時間帯に授業を受けることができるようになっています。

 これらの事情から、言葉の森の作文指導は、通信指導でありながら毎回の提出率がきわめて高いという特徴を持っているのです。(つづく)

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