ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1157番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
暗唱と問題集読書―言葉の森と他の教室との違い(その4) as/1157.html
森川林 2011/02/02 20:02 


 言葉の森が行っている独自の指導法には、構成作文、森リン採点などのほかに、暗唱指導、問題集読書などの自習の指導もあります。



 言葉の森では、世間で音読の重要性が唱えられるずっと前から独自に長文音読の指導をしていました。しかし、真面目に長文音読をする子は実力がつくのですが、音読は飽きやすいという弱点がありました。

 そこで考えたのは、暗唱です。音読にしても、効果があるのは、同じ文章を繰り返して読み、その文章を丸ごと自分のものにしたようなときです。しかし、学校などで行われている音読のほとんどは、教科書に載っている文章を何度か音読するだけで、とても丸ごと自分のものにするところまではいきません。そこで、音読よりも、最初から暗唱を目標に文章を読むようにしたのです。

 暗唱といっても、何も方法がない中で、ただ暗唱してきなさいと言ったのでは、ほとんどの子が挫折します。言葉の森の暗唱は、毎日10分の練習だけで、例外なくだれでも1000字の文章が覚えられる暗唱です。ただし、大事なことは文章を覚えることではなく、覚えることを目標にする中で同じ文章を繰り返し読むことです。

 同じ文章を繰り返し読むことが目的ですから、方法は、読書でも、音読でも、暗唱でも何でもいいのです。しかし、黙読で同じ文章を繰り返し読むということは、その文章によほど興味がないかぎりなかなかできません。また、音読も繰り返し読むということをしっかり自覚していないとまずできません。その点、暗唱は、覚えるという目標がはっきりしているので、繰り返し読むことが自然にできるようになるのです。

 ただ、暗唱もやはり同じように毎月1000字の文章を暗唱できるようになるだけでは変化がなくて飽きる面もあります。そこで、今後は、暗唱検定のような形で成果がはっきりわかるような工夫をしていきたいと思っています。



 問題集読書も、言葉の森が独自に行っている自習です。これは、やり方自体は簡単で、問題集をばらして分冊にし、それを毎日4-6ページ読んで四行詩を書いてくるという練習です。これも、大事なことは、一回で終わるのではなく、最後まで読み終えたらまた最初から読み直し、1年間で1冊の問題集を4回以上繰り返し読んでいくことです。

 問題集読書は、ただ読むだけでは形として残らないので、自分なりに気に入ったところを選んで四行詩を書くようにしています。しかし、毎日しっかり読んでいて、考える力のある子は、毎週優れた四行詩を書いてきますが、勉強の自覚があまりない子は、問題集を読むよりも、形に残る四行詩だけを書いてくるということになりがちな面もあります。そこで、今後は、いちばんの目的は毎日読むことで、四行詩はその副産物だということを徹底させていきたいと思っています。(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
他の教室との違い(22) 言葉の森の特徴(83) 

記事 1156番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
独自のノウハウ―言葉の森と他の作文教室との違い(その3) as/1156.html
森川林 2011/02/02 11:47 


 言葉の森と他の作文教室や国語教室との違いを続けて書いていきます。

 第六は、作文の添削だけではない独自のノウハウが多数あることです。

 作文の添削というものは、だれでもその人の文章力や文章のセンスの範囲でだれにもできます。そこに、特に複雑なノウハウがあるわけではありません。しかし、作文の添削ができるからといって、その添削指導を何年間も続けられるかというと、そういうことはありません。数回添削をすると、上手に書ける子については、もうそれ以上特に要求することがなくなるからです。

 小学校高学年以上になると、作文の指導が少なくなるのには、このような事情もあります。小学校低学年のころには、正しい表記に関することで教えることがたくさんありますが、高学年になると、よく書ける子にはもう教えることがなくなってくるのです。

 しかし、教えることがなくなるのは、事前の指導の目標がなく、ただ書かせたものを添削するという方法で指導をしているからです。言葉の森の指導の特徴は、事前に、どのテーマをどういう方向でどんな表現を工夫しながら書いていくかという指導があります。その指導に沿って評価をしていくので、小学生から高校生まで一貫した指導ができるのです。

 また、作文は、書く練習をするだけでは力がつかない面を持っています。読む力がない子は、語彙力も乏しいわけですから、そのような子に、書く工夫をさせるだけで上手に書かせることはできません。語彙力という土台がどれだけあるかということが、書き方を教える以前に重要です。しかし、語彙力は、ドリルのような勉強では身につきません。語彙力は、ある程度の難しさを持った文章を心を込めて読む中で身についていきます。だから、本をよく読んでいる子は、作文の勉強を始めると上達が早いのです。

 言葉の森では、この語彙力をつける練習をするために、作文に使える文章を暗唱したり、難しい語彙の文章を繰り返し読んだりするという自習を行っています。作文を書く指導だけでなく、読む指導も含めていることが言葉の森の勉強の特徴です。

 また、作文を書くことについても、言葉の森は独自のノウハウを持っています。構成をあらかじめ決めて書くというのもそのひとつです。言葉の森では、構成の仕方や表現の仕方について、いくつもの指導のパターンを持っています。これが生きてくるのは、受験の作文や小論文に取り組むときです。

 受験の作文課題には、どう書いていいか見当のつかないような書きにくいテーマが出ることがあります。しかし、言葉の森では、どのようなテーマが出されても、そのテーマをどういう切り口で書くかということを、理屈で説明することができます。その切り口が、構成の仕方なのです。例えば、「一つの意見と複数の理由」「複数の意見と総合化のまとめ」「社会問題と複数の原因」などという構成の仕方を、テーマごとにあてはめて説明することができます。

 この構成をあらかじめ決めて書くという書き方にどういう利点があるかというと、どんなに書きにくいテーマであっても、最低限の骨組みはできるということです。骨組みさえできれば、文章力のある子は、合格圏内の作文を書いてきます。合格するかどうかは、採点者の主観もからむので微妙なところがありますが、少なくとも合格圏内に入る作文は書けるというのが、この構成を重視した指導法です。(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
他の教室との違い(22) 言葉の森の特徴(83) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習