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小学校1、2年生の勉強の仕方―家庭で豊かな日本語を身につける as/1178.html
森川林 2011/02/23 13:22 


■言葉の森では、どういう勉強をするか

・作文の字数は100字から400字です。

・自由な題名ですので、毎週あった出来事の中から作文に書くことを見つけて書きます。

・毎週楽しく作文を書く習慣をつけていきます。

・正しく書くことも目標のひとつですが、注意したこと
がすぐに直らなくても焦らずに気長に見ていきます。


・欠点を直すのではなく、まず書いたことを認めて、家族での楽しい話題として取り上げていくようにします。



■小学校1、2年生の勉強の仕方

 小学校低学年のころは、楽しく毎日同じことを続けるという習慣をつける時期です。

 いろいろな教材・教具を利用して目新しいことを次々と行っても力はつきません。

 例えば、通信教材のドリルをしたり、CDを聞かせたり、いろいろな習い事に行かせたりするのは、あまった時間に余禄としてやらせる分には問題ありませんが、中心はあくまでも毎日家庭で同じようにやっていく学習、例えば、音読、暗唱、読書、対話などです。

 なぜかというと、教材を利用した学習やどこかに通って行う習い事は、その教材や習い事をやめれば、もう続かないからです。子供の学力は、週に何回かの学習や、数ヶ月の継続でつくものではありません。何年も毎日同じことをやることによって本当の実力がついてきます。毎日同じことを続けるためには、特定の教材に頼らずに家庭で行える単純な学習を続けていくことが大切です。それが、音読、暗唱、読書、対話です。

 単純な学習は、子供が飽きるので続けさせにくいと考える人もいると思います。しかし、ここで、子供が飽きないように目新しい教材を次から次へとこなすのでは力はつきません。低学年の毎日の学習は、勉強というよりもしつけと考えていくとよいと思います。朝起きたらあいさつをする、ご飯の前に顔を洗う、食事のあとに歯を磨くなどということと同じしつけとして、毎日同じように音読、暗唱、読書、対話をしていくのです。

 そのためには、その学習をしたからといって特別な褒美を出す必要はありません。通信教材の中には、勉強すると褒美が出るような仕組みで子供の意欲を引き出す工夫をしているものがあります。しかし、褒美によって勉強するという発想では、しつけはできません。毎日の学習を、生活のルールとして当然のこととして行っていくことによって、子供が自立して勉強する力が育っていくのです。

 褒美を出してやらせないことと同じように大事なことは、あくまでも楽しく続けるということです。注意したり叱ったりしてやらせるというのは、褒美でやらせるのと同じく、子供の自主性を損ないます。しかし、どの子にも個性があり、どの親にも個性があるように、一律のやり方でだれにでもできる万能な方法というのはありません。すべて、お母さんやお父さんが毎日の試行錯誤の中で少しずつ、その子に合ったやり方を工夫していくことです。

 ただし、低学年の目標は簡単です。ひとことで言えば、楽しく続けさせるというだけです。この目標をしっかり押さえて、できるだけ叱ったり注意したりしないことと、安易に休んだり中止したりしないことを守っていけば、だんだんと家庭学習のコツがつかめてきます。

 小学校1、2年生のころに家庭学習の習慣がつけば、それはそのまま小学校中高学年での勉強につなげていくことができます。小学校低学年のころに、親が家庭での毎日の学習習慣をうまくつけることができないと、中高学年になったときに塾などの外部の教育機関に頼るようになります。塾を利用することはよいのですが、塾がないと勉強ができないとか、塾でしか勉強できないというようになっては本末転倒です。家庭での学習が中心で、塾や予備校は補助的に利用するという形でやっていくのが理想的な勉強の姿です。なぜかというと、塾や予備校はどれほど優れた先生がいても、一人ひとりの子供の特性に合った指導はできないので、どうしても生徒集団全体に向けた一般的な勉強をさせるしかないからです。この塾の勉強をそのまま真に受けると、無駄の多い不必要な勉強までもしなければならなくなり、勉強以外の時間がどんどん少なくなっていきます。そして、勉強の時間が長すぎる小学校生活を送った子の多くは、勉強に対するマイナス感情からなかなか抜け出せず、自分から進んで勉強するという姿勢になるのが遅れるのです。

 さて、小学校1、2年生は、親の言うことを素直に聞く時期です。この時期に既に親の言うことを素直に聞けないというのは、親のそれまでの育て方に問題があります。しかし、これも、万人に共通な特効薬はありません。親が試行錯誤の中で、よりよい親子関係を作っていくように日々工夫していかなければなりません。

 小学校低学年のころの子供が、親の言うことを素直に聞くということから、実は大きな問題が生じることがあります。それは、親が、子供にとっては苦しい勉強をさせすぎる場合があることです。子供は内心嫌だと思っていても、親にさからうことができません。それで、親の指示に応える形で苦痛の大きい勉強に耐えていることがあります。これが、子供の将来の勉強嫌いのもとになることも多いのです。

 また、苦しい気持ちで勉強したことは、そのときは勉強の成果として残っているように見えますが、その知識が失われることもまた早いのです。小学校低学年では、勉強をすれば、その分の成績は必ず上がります。だから、親はそのまま勉強させればどこまでも成績がよくなるように思いがちです。それが無理強いの勉強のもとになるのです。しかし、このようにして無理に身につけたことは、時間がたつと消えてしまうことが多くなります。

 大人でも、自分の子供時代の記憶をたどると、先生や友達と仲よく楽しく生活していた時期のことはよく覚えていますが、先生や友達と相性が悪くて学校生活があまり面白くなかった時期のことはほとんど覚えていません。勉強でも同じです。苦しい思いをして勉強しても、その勉強は記憶から抜けてしまうことが早くなるのです。

 また、もっと大事なことは、勉強というのは、本人が本気で取り組み始めたときに、それまでの何十倍もの吸収力を発揮するものだということです。小学校低学年のころに自覚も意欲もなく身につけたことがどれほど多いように見えても、それらは、その後、子供が中学生や高校生になって自覚して勉強に取り組むようになったときに、簡単に逆転されてしまうのです。

 だから、低学年の勉強で大事なことは、決して厳しく叱るような形でやらないということです。勉強というよりも、親子で対話を楽しむような感覚で取り組んでいくことが大切です。勉強が終わって、子供が、「ああ、面白かった」と思えるような勉強をすることが理想です。

 小学校低学年の学力で最も大切なものは何かというと、日本語を豊かにすることに尽きます。低学年のときに、日本語を豊かにしておけば、そのほかの勉強はやる気になったときにいつでも伸ばすことができます。

 しかし、日本語を豊かにする勉強は、国語のドリルのようなものではできません。日本語の力は、日本語を豊かに交わす生活の中で身につきます。ですから、小学校低学年の日本語の勉強は、音読、暗唱、読書、対話などになるのです。

 この中で、対話の重要性は意外と見落とされがちです。言葉というものは、そのときの感情と結びついて吸収されます。例えば、何かのことわざを覚える場合でも、ことわざ集やことわざの問題集で覚えるのと、対話の中で覚えるのとどちらが感情豊かに受け止められるかと言えば、対話の中でそのことわざを聞いたときです。読書というものも、ストーリーの臨場感がある場合は、使われている言葉を感情豊かに吸収する方法になります。だから、国語の問題集をやっている子よりも、ただ本を読んでいる子の方が国語力は育つのです。

 対話は、読書以上に子供の感情に働きかけます。特に、小学校低学年のころは、親と交わす楽しい会話が、読書の何倍もの効果を生み出します。

 このときも対話の基本は、楽しい話を明るく話すということです。しかし、単に明るく楽しいだけでは効果がありません。親が、意識的に、やや難しい内容を、やや難しい言葉を使って、やや複雑な文で話すということが大事です。その子にとって興味の持てる内容を、面白おかしく、やや難しく話すということは、その子と一緒に暮らしている親でなければなかなかできません。しかし、この対話の仕方に慣れてくると、特別の勉強などしなくても、いつでもどこでも、勉強以上に効果のある日本語の学習ができるようになるのです。

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1月の森リン大賞(中3の部) as/1177.html
森川林 2011/02/22 15:42 





1月の森リン大賞(中3の部40人中)

国際的視野
だるまー

 ある一つの言語を喋っているとき、私たちはその言語の形成された文化に基づいて喋っている。日本という国でしか話されない「日本語」という言語を母国語とする者として日本文化を理解すると同時に、自国を国際的な目で客観的に見ながら生きていきたい。

 そのための第一の方法として、母国語を習得し母国をしっかりと理解しなくてはならない。

 文部科学省が発表した新しい小学校学習指導要領の中で、小学校5年生から英語の授業が必修となった。確かに国際語である英語を早い段階から身につけることも大事ではある。しかし何もそこまで急ぐこともないと思う。外国語を習い始める前にしっかりと国語(日本語)を身につけるべきだ。母国語を習得する前に外国語を習い始め、そのために母国語の勉強がおろそかになってしまったら本末転倒である。 

 例えば昨今のバイリンガルブームの影響でインターナショナルスクールや、やたらと英語だけが得意な帰国子女が人気な傾向にある。将来は海外で、もはやアメリカ人として生活していくのならそれでもよいが、日本を基点に生活していくとしたらそれでは困るだろう。日本人としての基礎的な日本語や自国に関する知識が欠落していることになってしまう。

 第二に、外国語を習得するときに言語だけではなくその国の慣習や歴史も同時に身につけるようにするべきだ。例えば英語を習得するにしても、「学校の勉強」としてだけでなく英語圏の文化も同時に理解していけばよいと思う。

 一般に、日本人は是非の意見をはっきりと言うことを回避しようとする。一方でアメリカ人には是非をはっきりと述べる性質があるといえる。この違いはそれぞれの言語の文法にも表れている。日本語では意見の是非が文末にくるので、本来は否定の意見を言おうと思っていても周囲の反応を窺ってとっさに肯定の意見に変えることが出来る。しかし英語の場合、文頭にイエスかノーかをつけてから意見を述べなくてはならないため意見を途中で変えることが出来ない。この文法上の違いが日本人とアメリカ人の意見の述べ方の違いを生んだ、と考えることもできるだろう。

 こうした言語面から自国と他国を比べ、違いを知ることもできる。しかし自国及び他国の言語と文化をそれぞれ知らなければこの比較も出来ない。例えば明治維新に貢献した歴史上の人物の多くが海外への留学を経験している。初代総理大臣となった伊藤博文もイギリスへ留学した。ロンドンで英語や礼儀作法を学ぶと同時に博物館、美術館に通い、海軍施設や工場などを見学して見聞を広めた。そのとき日本とイギリスの圧倒的な国力の差を目の当たりにした彼は、そこから開国論に転じることとなった。英語を習うと同時にイギリスの文化を体験したからこそ、当時の日本の現状と比べることが出来たのだ。

 確かに自国を文化の全く違う他国と比べるのではなく、自国の文化を他とは比べられない独自のものとして捉えることも大切だ。しかしそのために江戸時代の鎖国のようになってしまっても困る。ボーダレスな国際社会において、外国の良い点を取り入れていくことは必要だ。
「『文化』は言語の条件であり、同時に、その産物である」という言葉がある。一つの言語を習得すると同時にその産物である文化も習得することでより視野を広げていくことが大切だ。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1国際的視野だるまー891365641049597
2ポイ捨てなりし88116467707889
3うんtitled(^ω^#)ピキピキ85172387777889
4本当の豊かさちえのわ84127364546887
5豊かさの基準さえピ83137856566892
6自然にとるべき姿勢トウモロコシ81152848809297
7本当の豊かさAIRIOKA80109148769286
8合格体験記渓翡翠79113148918684
9僕の危機一髪談むさし7993852597884
10人に好かれるにはなゆか7881958667087


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坂田 20110222  
こんばんは。
現役プロライターの坂田です。

Amazonで文章悩み解決の
DVDも販売しているのですが
ブログ内容は
とても参考になりました。

また遊びにこさせていただきます!



森川林 20110223  
 はい、ありがとうございます。
 これからも遊びにおいでください。

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森リン(103) 子供たちの作文(59) 

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1月の森リン大賞(中2の部) as/1176.html
森川林 2011/02/21 12:12 





1月の森リン大賞(中2の部62人中)

自分らしさ
文鳥

 『自分らしさ』とは一体なんなのだろうか。もし、制服指定の学校に私服で行けばそれは自分らしさの表現ではなく、ルール違反になってしまう。だが、絵を描いた時に絶対に登場させる生き物がいたり、描き方にある癖があったりするということは、恐らく『自分らしさ』というものに部類されるのだろう。要は、『自分らしさ』というのは、状況で変化するものなのかもしれない。

 その場に合った振る舞いをすることは大切だ。もし、全校集会で前を向かずに後ろを向いて友達と話していたらそれは迷惑以外の何者でもないし、空気が悪くなる原因にもなる。話は聞いていなくても、とりあえずは前を向いて静かにしているのがその場に合った振る舞いと言える。また、少し豪華でなかなか行けないようなパーティー・・・例えば、結婚式に行ってご馳走を食べる時に、よく漫画にある表現だががっついて食べるのはいけない。あれは漫画だから笑えるのであって、現実だったら迷惑である。反対に、家族団欒の場・・・夕食の時に結婚式のような振る舞いで食べていたら楽しくないし、食事を楽しめない。裏表がある、と言ってしまえばそれまでだが内と外を使い分けていくのが大切である。

日本人は空気を読める民族であるということを本で読んだことがある。確かに、そんな感じはする。ドイツに行った時、ドイツ人は人が話しているところに平気で割り込んでいったり、真顔で「貴女小さいね」と私に言って私を怒らせたり、結構ずけずけと物を言っていた。日本人は、あまりそういう事はしない。失礼に値するからだ。また、パーティーに行ってもあまりはじけずに大人しくしていることの方が多い。一般に大人しい民族なのだろう。何かあってもそれが他人ならばあまり文句を言わない人の方が多い。日本人は、ある意味自分らしさを外ではあまり出さないのだろう。

 だが、自分らしさを出していくことは大切だ。昔話に『さるかに合戦』がある。サルに苛められたカニは、臼、栗、蜂を集めてそれぞれの特技を結集させてサルを改心させている。栗は、熱くなると飛び出る、蜂は針を使って、そして、臼は自らの重さを使ったのだ。また、この中では悪者であるサルでさえも、自分らしさである・・・あまり良い自分らしさとは言えないが・・・その知能の高さと木登りの上手さを使って柿を取った。この昔話では登場人物それぞれがそれぞれの『自分らしさ』を発揮して、物語を構成しているのだ。

 また、『桃太郎』でも、それぞれがそれぞれの特技を生かしている。犬は鬼を噛み、キジは突付き、サルは引っ掻いて鬼をやっつけている。これも、適材適所、自分達の『自分らしさ』を生かしているのだ。このように、日本の昔話には、このような『自分らしさ』を生かした勧善懲悪の物語が多い気がする。

 『自分らしさ』は沢山の所で必要とされている。マニュアル通りに働く忠実さや、作業の速さや上手さと同時に自分で考え、自分なりの答えを展開させて仕事を進めていくことができる・・・いわば、オリジナリティーが求められているのだ。発想力や物事を少し違った視点から見てみる力、そして、緊急事態にも速やかに、且つ冷静に対応出来る判断力や精神的な強さの根底には『自分らしさ』や、自分なりの信念がなければならないのだ。

 確かに、その場にあった行動をするのは大切である。だが、今、世界で通用するような働きを見せるには空気を読む能力と同時にオリジナリティーやアイデンティティが求められているのだろう。『何事もしない者だけが失敗もしない』という名言がある。反対にいえば、『何か行動をした者は失敗もする』ということである。沢山の経験の中で自分らしさを見つけていくべきだ。空気を読むことと『自分らしさ』を使い分けていくことが大切である。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1自分らしさ文鳥88155259738381
2真の豊かさとはさくら88143566718090
3全ての人が平等201系87126461758986
4産業革命後の機会サッカー87117958657796
5 豊かさひよこ86139557718893
6調和と誇示たけたけ85133356587684
7富と欲かまむ85138362657489
8NOポイ捨て。hikari84101961728580
9失敗と対策タケル84157958647384
10人間関係なまず大使83130451626586


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1月の森リン大賞(中1の部) as/1175.html
森川林 2011/02/20 12:38 





1月の森リン大賞(中1の部86人中)

外見と心地よさ
チョコボ

 産業革命後、機会は人々の生活を豊かにする打出の小槌の役目を果たすものだと思われてきた。そしてその進歩は人類の幸福につながるものとも信じられていたのである。今の都市空間の例を挙げよう。気楽に人と人とが接し合う泥臭い片隅がなくて、街のたたずまいも、周辺の人造湖も、よそいきの冷たい美しさで整いすぎている。あるがままの人間くささのどよみ、といったものがかけているのが原因なのである。私は、整った外観よりも、なじみやすいことのほうが大切だと思う。

 第一の理由は、なじみやすいところのほうが、落ち着いていられると思うからである。たとえば、私の友達はハムスターをかっている。そこに、暖かい布をきれいにしいているのだそうだが、1時間後には、自分の小さい家に持って入りくちゃくちゃにして、そのなかで寝ているそうだ。その友達がいうには、ハムスターは、汚くするほうが落ち着くらしい。だから、この間ためしに自分のいらなくなったシュシュをかごにいれてみたところ、じぶんの小屋にもってはいり、またまたぐしゃぐしゃにしていたのだそうだ。たしかに、私も机の上がすぐに汚くなる。(正確には、汚くする、なのだが)右には世界史のテキスト、その上に英語のノート、幾何のノートは左に、といった具合である。しかし、テキストを出しやすいからか、何なのか、ぐしゃぐしゃな机でも、なんとなく落ち着くのである。しかし、度を過ぎると、つみあげたテキストやノートのせいで、なだれが起きてしまうこともあるのだが(笑)

 第二の理由は、あまりにも整いすぎた環境であると、どこか、落ち着かないからである。例えば、学校でも、朝のきれいな教室は、なんとなくそわそわしてしまう。なぜなら、朝はみんなかばんをきちんといすの下においているし、机の上にはなにものっていないからである。放課後になると、紙くずが落ちていたり、かばんが放ってあったり、学校に持ってきてはいけない雑誌のアイドルの切り抜きがなぜか私の机の上においてあることもある。ひどいときは、先生にばれないようにと、IPodをホットボックスに隠している友達もいる(笑)普通に考えてみれば、絶対に勉強に適しているとはいえない環境なのに、そんな環境で放課後に友達と一緒にノートやテキストを広げながら考査の勉強すると案外はかどるものなのである。また、日本全体で考えると、ごみの多さも挙げられる。日本のごみ排出量は、データによると、5020万トンだそうだ。この豊かさなら、ごちゃごちゃになってしまうのがあたりまえだと考えてもよいのではないだろうか。

 たしかに、私のように、机をきれいにするのが1ヶ月に一回ぐらいであると、汚くて親に怒られたりプリントがなくなったりして、落ち着かなくなるかもしれない。しかし、「大事なのは健康らしい外見だけでなく、健康そのものである。」といった名言があるように、外見よりも、心地よいか悪いか、ということのほうが大切なのではないだろうか。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1外見と心地よさチョコボ89122967708983
2なじみやすい環境が一番きらり89122261758484
3世間と自分ヤヨイ88118962678583
4世間を作る人きぬこ88120558628096
5自分自身の主張 ~権威主義的はダメ!~あまぐり88157071667790
6ポイ捨ての代償はるかぜ87124062779496
7物の命と無駄BOY86107261658192
8社会は個人から成り立つリボーン86121466597584
9世間バービー86120353687487
10ごちゃごちゃの長所りす86116661677492


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森リン(103) 子供たちの作文(59) 

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1月の森リン大賞(小6の部) as/1174.html
森川林 2011/02/19 12:00 





1月の森リン大賞(小6の部120人中)

初心忘れるべからず
ブレイド

 幼い子供には、現実と空想の区別をすることは極めて難しい。そのため、どんなことでも現実だと思いすぎる傾向があるのではないか?大人からしたらそう思うこともあるかもしれない。だが、子供の頃のこの純粋な心がもつ考え方は、少しも間違っていることはない。この心があってこそ皆があたりまえに思っているような生活ができる。それはどのようなことかというと、例えば飛行機が都会の空を飛んでいる光景があるのは、ライト兄弟の発明のおかげだ。子供には「なぜ?」「どうして?」という心がある。その心が○○をしたい!!という心に、強い意志に変わるときは何かを作ったり、発明したりするだけの力が生まれるときかもしれない。

 子供の考え方の中には、すばらしい発見をする可能性をもつことがあるかもしれない力が備わっているとも考えられる。

 地動説を唱えたことで有名な、ガリレオ・ガリレイはそれまでとは違ったものを発表したため、世界の人を笑わせたり、反対に、カンカンに怒らせたりしてしまった。それまでは太陽が地球のまわりをまわっていて、さらにコロンブスが生まれるさらに昔は、地球の両端は滝になっていて、そこから水はこぼれ落ちると考えられていた。

 大人になればなるほど、物事を常識や理屈で考えて、それで物事を片付けてしまいがちである。あまりそれはいいこととは言えない。頭の中の「わからないこと」を一つ一つ解明していくことが大切だ。偉人の名前を沢山出すようだが、世界中の人が知っている、発明王エジソンも子供時代を「なぜなぜぼうや」と言われてすごした。エジソンは「ガリ勉派」ではない。「『ガリ勉派』の人は色々なことをただ知っているだけで、知識を使わない人のことを言う」とある本に書いてある。エジソンは何派かというと、おそらく「探究派」ではないだろうか。「探究派」の人は、役に立つことをしている。偉人にはこのような探究派が多いのかもしれない。

 僕のもっと幼い頃は、頭の中が「?」だらけだった。虹を滑ることはできるのか?サンタは一体どこから、どのようにして家の中に入ってくるのか?このようなことが僕にはとても不思議だった。

 学校で勉強したり、本を読んだりすることによって、少しずつ現実と、空想の境界線が見えるようになる。勉強する上で子供が本当に楽しいことは、先程述べたような境界線が見えるようになることだと思う。勉強をすればするほど、数々の謎が一つ、また一つと解き明かされていくからだ。男性が中学生で声変わりするようなもので、ほとんどの大人は疑問を持つ、幼い頃心の中に備わっていたものを段々忘れていってしまう。勉強すると、このような心を忘れてしまいがちなので少し寂しい気がする。「初心忘れるべからず」ということわざがある。この言葉は日ごろいつも忘れてはならない言葉だ。この言葉がことわざである意味を僕は改めて実感したような気がした。

 疑問とは世界を広げるための扉だと思う。これからも初心を忘れずにいようという気になった。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1初心忘れるべからずブレイド88124161708284
2テレビの良さ、悪さけん87142556658192
3常識的にならない方法まりす83124857556783
4お正月の生活けん道少年82123549769090
5衝撃的なイメージともじろう81116252759184
6読書かねめ8195251687693
7いいウソ元親81123349507286
8驚ける能力ミス・バニー8091752597392
9我が家のおせち料理ふっくー791228437910890
10きりかえスイッチピット791115437210089


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森リン(103) 子供たちの作文(59) 

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1月の森リン大賞(小1-小5) as/1173.html
森川林 2011/02/18 16:50 
 1月の清書をもとにした森リン大賞です。
 点数は自動採点ソフト森リンで集計したものです。
 学年ごとに無理のない字数を目標とするために、採点する字数の上限を決めています。(小1は200字まで、小2は400字まで、小3は600字まで、小4は800字まで、小5は1000字まで、小6以上は中高生もすべて1200字までとしています)




1月の森リン大賞(小1の部82人中)

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1あたらしいボールはくし6021339445776
2かわいいうさぎきなこ6022543475283
3てっぱんやききみけ6033742435096
4ライオンキングながた6023342465090
5とんどのじゅんびルビー5950039435183
6じきゅうそう清良5929938444887
7ハンバーガーやさんきよれ5817238435374
8なわとびきゆけ5849037435086
9あたまがごちゃごちゃになったことあじさい5748449435280



1月の森リン大賞(小2の部128人中)

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1タッチパネル、ポンポンとらたいがくん6644241496479
2ウィンタースクールでアリス6641542486292
3トモコレさわむ6660242476089
4世界にひとつだけの「イグアナがなる木」ハリーポッター65113338496987
5おばたりょく地の鳥みやま6551538436696
6スケート楽しいー大こうふんリリア6591639476179
7かげ遊びをやったことひいい6539142436092
8じごくのしゅくだいプート6556342445990
9小学校一年生の三学期(感)くあゆ6572142445692
10スキーりょこうじんか64101741476876



1月の森リン大賞(小3の部162人中)

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1冬休みのスキーサファイア7364741628583
2温かい太陽アルセウス7266546586687
3いろいろな微生物子ねこ7192144536883
4体のポカポカ 心のポカポカりすっぴ7199447516886
5二通りの帰り道きゅうちゃん71136444496893
6あたたかくなりたい冬の朝もえちゃん7067051517184
7ハラハラするUNOきらり7068947516781
8白熱のバトルおゆな7056741496492
9Wiiスポーツのボーリングとほんもののボーリングりめい7083443576487
10ああ、気持ちがいいなトップスくん7059739556383



1月の森リン大賞(小4の部137人中)

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1ワンちゃん・ダッシュダイヤモンド78860435410186
2ヤマト発進レオキング7885847659286
3休み時間の定番うっちー7898648648189
4害虫さわぎメゾピアノ77101443657595
5一年で一番大変な朝みゃお76130451557581
6楽しい中休み!レシラム7580243497986
7布団が恋しい朝ショコラ75121151497289
8九州うまいものベスト三めがね7454346678483
9帰ってきたら温かい?フックー74137941627883
10父といしょに行った小樽なっち74121844537784



1月の森リン大賞(小5の部135人中)

私の大切な家族
なむき

「はー、やっと出来た!」
大みそか、私の家ではおせち料理を作る事が毎年恒例になっている。筑前煮、鯉、海老、かずのこ豆、田作り、ひょう、ぜんまい、伊達巻、かまぼこ、栗きんとん。どれも縁起が良い食べ物ばかり。もちろん、全て母の手作りだ。私は母に、
「大変そうだね、手伝うよ。」
と声をかけた。
「ありがとう。」
「ねぇ、お母さん、どうして毎年おせち料理を作るの?」
「家族全員が、一年間健康で過ごせますようにっていう願いを込めて…かなぁ?大切な家族だから。」
 私が、家族って大切なんだと痛感したのは、父が「くも膜下出血」という病気にかかった時だった。突然の出来事だった。その頃私はまだ幼かったが、父が倒れた=死んでしまうにつながっていた。目隠しをして手術室に入る父に、
「お父さん、頑張って!」
と声をかけると
「瑞恵か?大丈夫だよ。頑張ってくるよ!」
私は涙が出るほど嬉しかった。父の手術は成功し、今は元気に仕事をしている。

 ことわざではないけれど、私は「家族を大切に」をいつも心がけている。それほど気にしなくても最近はそれが出来るようになってきた。世間では、自分の家族に危害を加えたり、殺したするという悲しい事件が多発している。私は、そうしたいと思う自分の心を押し殺さなければならないと思う。そんな事をしてしまうのは気持ちが分からないから。心と心が通じ合えばきっと家族の絆は深まると思う。そのためには、家族だんらんすること、よく話し合う事だと思う。
「家族を大切に」
「自分、そして世界中の人々を愛し続ける」
私はこの二つが大切だと思う。家族の絆を深めていけば、平和で戦争もなくおだやかな日本、世界になると思う。そのためにもまずは家族を大切にすることから始める事が大事だと思う。

 出来上がったおせち料理を、母と一緒に重箱に詰めた。我が家の分、おじいちゃんとおばあちゃんの家の分、おばちゃんの家の分。彩り良く、丁寧に…。最後にインゲンを添えて完成!その後はいつものように
「パッシャーン」
記念撮影。
「今年で十枚目だね!」
私と母は、顔を見合わせてニッコリした。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1私の大切な家族なむき8088444779484
2年末年始の過ごし方アルセウス80114843648184
3天才ソクラテスベースボール8099248617881
4タイミングが大事きくた80101552547090
5スキーヴォルデモート791177428310487
6スキーとお正月キバゴ☆79102539839781
7一しゅんのタイミングききほ79116547609486
8新年明けまして お正月の、ユーモア感みっくまっく79220338699281
9タイミングが全てトレジャーハンター79111751518481
10さよならプレハブ、こんにちは新校舎まーりん79179643567483


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記事 1172番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/3/31
作文の勉強で親子げんか―親はもっと子供のよいところを見て as/1172.html
森川林 2011/02/17 17:57 



 言葉の森を始めてまだ間もない小学校高学年の生徒のお母さんから相談がありました。子供が作文が書けないというので、親子でけんかになってしまったようです。あらあら( ▽|||)\( ̄ ̄*)

 しかし、これは作文の勉強の問題ではなく、親子のコミュニケーションの問題です。作文がなぜ書けないかというと、課題が難しいからという理由もありますが、もう一つ大きな理由が、作文を書くと必ず何かしら注意されるので書くことを嫌になるということがあります。

 「何でも自由に好きなことを書いてごらん。書き終わったあと、たっぷり欠点を注意してあげるから」と言われて、喜んで書く子はひとりもいません。

 これは、お父さんやお母さんが何かを表現する場合を考えてみるとよくわかると思います。例えば、「何でも自由に好きな歌を歌ってください。歌い終わったあと、欠点をたくさん注意してあげますから」と言われて、のびのびと歌う人はまずいないでしょう。

 作文の勉強は、○×式の評価をする勉強とは全く違うのです。この子も場合も、たぶん作文を書き終えたあと、お父さんやお母さんに、表現のおかしいところなどをいろいろ注意されたのだと思います。



 よく保護者の方から、「褒めるばかりでなく、もっと直してほしい」とか、「こういう表現がよいと、先生が手本を示してほしい」というような要望を受けることがあります。

 しかし、手本を示すようなアドバイスは、教える先生の自己満足になるだけで、子供には何も身につきません。また、作文の表現を直すのは簡単ですが、直すことによって作文が上手になるわけではありません。それよりも、直す指導ばかりをしていると、ほとんどの子が作文を書けなくなってしまうのです。

 直す指導は、先生と生徒の間に信頼感があり、生徒に直すことを受け入れるだけの自信があることが条件になります。作文の勉強は、機械的に○や×をつけるものではありません。勉強しているのは先生と生徒という人間どうしなのですから、様子を見ながら進めていく必要があるのです。



 よいところを褒めることによって作文の実力はつきます。しかし、指導法がなくただ褒めるだけでは、作文は上手にはなりません。

 言葉の森の作文指導でなぜ実力がつくかというと、褒めることが中心の指導であっても、進度が進むにつれて難しい課題が自然に出てくるので、それを消化するする中で必ず実力がついてくるからです。

 また言葉の森では、読む勉強にも力を入れています。作文という表面にあらわれた花の部分を直すのではなく、読む力という根の部分から直していくことが大事です。

 作文を上達させるコツは、

1、言葉の森の課題に沿って書いていく(小5から課題は急に難しくなります)

2、子供が書いたものを親は常によいところを見て褒める

3、その一方で毎日の読書や暗唱の自習を続ける

ということになります。



 たまに、作文を書くのが大変だからと、小学校3、4年生で作文の勉強をやめてしまう子がいます。これは、かなりもったいないことです。小学校の3、4年生は、作文も読書もいちばんはかどる時期です。この時期に作文を書くのが負担だというのは、何か大きな勘違いのある勉強法をしているからです。

 作文の勉強が難しくなるのは、小学校5年生からです。この時期からは、書くことが負担になるのはやむをえません。しかし、ほとんどの子供たちは、この苦しい勉強を自分自身の実力の向上と結びつけてがんばって取り組みます。

 小学校高学年になると、塾の時間との兼ね合いで、作文の勉強が時間的に両立できなくなる子も出てきます。その場合は、いったん休会して、受験が終わって中学生になってからまた再開すればいいのです。作文を書く勉強は学年が上がるほど、考える力を必要としてきます。

 これからの時代に最も必要になる思考力と表現力と創造性を育てるために作文を勉強するのだという長期的な展望を持って取り組んでいきましょう。

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作文の書き方(108) 勉強の仕方(119) 

記事 1171番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/3/31
勉強の優先順位―読書と対話が先。運動系と音楽系と語学系は余技で as/1171.html
森川林 2011/02/16 15:23 


 江戸時代の日本の教育は世界で最も進んでいました。徳川300年間の安定の中で、子供の教育の理想というものが長い時間をかけて検証されてきたからです。

 子供にとって無理なく高度な学習をいかに幅広く普及させていくかということで、さまざまな実践家が教育法の提案をしてきました。

 その実践家の代表的な一人が貝原益軒です。益軒は、その著書の中で、「教育には本末がある。学問をすることが本で、諸芸をまなぶことは末である」と述べています。

 江戸時代の豊かな庶民生活の中では、さまざまな習い事が生まれていました。しかし、益軒は、子供たちが最初に学ぶものは定評のある古典の文章をしっかり読むことであって、それができたあとの余技として乗馬や剣術や歌や踊りを習うべきだと言ったのです。

 これは、現代の社会にもあてはまります。保護者からの勉強の相談を聞いていると、ときどき本末を勘違いしているのではないかと思うことがあります。

 現代は、コマーシャルによって考え方が左右される時代です。スポーツもできて、音楽もできて、英語もできて、勉強もできて、人気もあってというような子供に育つのは、多くの親の夢ですが、限られた1日の時間に詰め込みでそのようなことができるわけはありません。子供の生活には、ゆっくり好きなことをするという余裕の時間も必要ですから、なおさらあれもこれもということはできなくなります。

 そのときに大事なのは、何を本として何を末とするかということです。

 運動系と音楽系は、決して悪いものではありません。あるスポーツや楽器が得意であったために社会人になってからも同好の人と楽しく趣味の時間を過ごせるという人はたくさんいます。しかし、運動系の習い事の問題は、勝ち負けが出てくるためにどうしても過度の練習をしがちな面があることです。音楽系は、上達が練習量に比例する面があるために、やはり発表の場があると練習のための時間がかなり長くなります。

 時間がかかること自体は問題ではないのですが、その長時間の練習によって本を読む時間がとれなくなったとすると、それは本末転倒なのです。

 同じような本末転倒は、語学系の習い事にもよくあります。特に、低学年から楽しく学べる英語ということで、子供が小さいうちから英語をうまく話せるようになると、そのときは学力を先取りをしたような感じがします。しかし、英語の力の土台となっているのは日本語ですから、中学生になって全員が英語の勉強を始めるようになると、結局、日本語力のある子の方が英語も得意になるのです。

 図式的に言うと、子供たちの勉強には次のようなパターンがあるようです。

1、低学年のうちから楽しい勉強で→実力がつかないから→高学年で詰め込み勉強をして→勉強嫌いになる

2、低学年のうちから詰め込み勉強をして→勉強嫌いになるから→高学年で力が発揮できない

3、低学年のうちは読書と対話で→本当の実力がつくから→高学年でやる気になったときに伸びる

 低中学年の勉強の基本は、読書と対話です。そのためには、作文の学習を中心として、長文を読み、読書をして、親子の対話をするという勉強が最も役に立つのです。

 作文を中心とした読書と対話の勉強は、高学年になってからでは間に合いません。高学年になると課題が難しくなるので、そのころから作文の勉強を始めるのはかなり難しくなるからです。

 コマーシャルや世間のムードに流されず、何が本で何が末かということをしっかり見て子供たちの教育を進めていくことが大事です。

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悩む母 20160212  
お世話になっております。
言葉の森で作文の勉強をしてから半年、かなりの力がついてきました。

母の私としては、中学入学直前にして、子育てに行き詰まっています。

わが子は、勉強(作文と通塾)のほかに、ジャズダンス(運動系)と油絵(芸術系)をやっています。いずれも本人自らがやりたいと言い出して、始めました。

しかし、小学校高学年になると、どの習い事もレベルが高くなり、発表会前やコンクール前はほぼ休みなしです。
忙しすぎて、かわいそうになります。

本人もいっぱいいっぱいになり、時折、不定愁訴を訴え、稽古を休ませることがあります。一日ごろごろしていると、翌日には元気になりますが、1か月に1度は原因不明の体調不良になります。

けっきょく、稽古や塾に通うだけで、自宅での自主練や勉強ができず、結果がどれも中途半端になります。
本末転倒なので、習い事をやめるか減らすかするように本人に助言しましたが、どうしてもやりたいとのことです。

勉強も習い事(部活)も両立させているというお子さんの話もよく聞きますが、どうもわが子は、やりたい気持ちはあるが、能力というか体力というか、両立はできないようすです。

そのことを本人に自覚させ、何かをあきらめさせるべきなのか、それとも、本人がやりたいというなら無理してでもやらせてもいいのか、悩むところです。

この忙しさの影響は読書にも出ています。ストレスなのか、読書が退化しました。6年生になり、大人向けの小説や説明文を読んでいたのですが、ここ2か月ほどは、小3~4向けのファンタジーを読んでいます。同時進行で説明文も読むようには言っているのですがなにせ時間がないので、簡単な楽しいものに流れるようです。
(こういうとき、言葉の森の暗唱用の長文が救いになっています!)

中学に入るともっと忙しい生活になります。
年度末なので、子供の生活を整理したほうがよいのか、このまま本人の好きなようにやらせるべきか、方向を模索中。

ダンスも絵も、それで生活を立てることはかなり難しく、親としては勉強をしっかりやってもらいたいのですが、子供のがんばりたいという気持ちをもぎとってもよいのか。

夏休みは習い事がなく、勉強に対する意欲が低下してしまったので、その点も心配です。

本末転倒という言葉はたしかに納得できるものではあるのですが、現実としては簡単に割り切ることもできず、ご助言いただけたら幸いです。




森川林 20160213  
 お返事遅れてすみませでした。
 基本的に、子供は自分では時間コントロールができません。
 お母さんが方針を決めて、子供を納得させるようにすることが大事です。

 子供のこれからの人生を考えると、大事なことのひとつは、個性を伸ばし一生続けられるようなものを持つことです。
 もうひとつは、普通のしっかりした学力をつけることです。しっかりした学力とは、昔の相対5段階評価で言えば、オール5を目指す必要はなくオール4以上であれば十分で、あとは本人が自覚したときに本格的な勉強を始めればいいと思います。

 そうすると、自ずから方向は絞られてくると思います。
 なお、勉強の基本は家庭ですから、家庭で本を読んだり自分のペースで勉強したり趣味の時間を持ったりすることがなければ、それが本末転倒になるのではないかと思います。

悩める母 20160214  
ご助言ありがとうございます。

「個性を伸ばし一生続けられるもの」という考え方は私も同じです。(ほっとしました)
そういう意味で、本人自らが、ダンスや絵に自主的に取り組み、がんばっていることは、人生においてきっと武器になるはずですし、本人の人生も豊かなものになると信じています。

詰め込み式の勉強では現代社会を生き抜けないことが分かっているので、「芸は身を助く」のことば通り、習い事は長く続けさせたいです・・・

勉強大好きな子ですので、学校の成績はほぼオール5です。学科も実技も学校行事もすべてまじめに取り組み、勉強が楽しくて仕方がないようす。
学校の勉強が物足りなくて、塾でもっと難しいことをやりたいと言い出し、受験するわけでもないのに、塾に通っています。

好奇心旺盛で向上心のある子なのですが、器用ではないので、両立は難しく悩みです。

本人がやめたいのは作文だそうで(苦笑)、作文(それに伴う暗唱や考える過程や文章にまとめること)の重要性を根気強く説得しています。

隙間時間をうまく使うこと、塾の勉強はやりすぎないこと、中学進学後の環境変化も視野に入れて、子供と話し合ってみます。

ありがとうございました。

森川林 20160215  
 お母さんの方針が決まることが大事ですから、これからその路線で確信を持ってやっていくといいと思います。
 ただ時間配分は、柔軟に考えてやっていってください。
 作文は、あとからその大切さがわかってきます。
 目標意識の高い子は、評価がはっきりしているものを喜びますから、パソコン入力で森リン大賞を目指すとか、朝日小学生新聞などに投稿して入選や特選や年間盾賞を目指すとかそういう目標を決めていくといいと思います。
 あとは、家庭でできるだけ読書や作文を褒めていくようにしてください。事前の準備としての予習にお父さんも参加されると話題が広がって面白くなると思います。

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手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

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●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
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●小学1年生の作文

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