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日本の未来は創造産業にある (日本の新しい産業 その2) as/1209.html
森川林 2011/03/23 20:58 



 製造業にもサービス業にも未来はないと言っても、当面、日本の経済は、製造業とサービス業でやっていくしかありません。

 製造業は、総体的には低賃金の新興国に追い上げられているとはいっても、まだ多くの分野で日本独自の技術が優位を保っています。また、サービス業は、日本人の細やかな感性に支えられて、多くの分野で他国のサービス業よりも優位に立っています。

 しかし、未来の大きな流れを見ると、製造業とサービス業で日本経済が発展することはもはやありません。また、観光や介護や医療や福祉にも、日本の産業の未来はありません。

 日本の未来の産業は、これまでとは異なる分野で新しく生み出す必要があります。その新しい産業を、創造産業と呼ぶことができると思います。



 江戸時代は、日本が国内だけで自給していた時代です。当時の主要な産業は農業でした。そして、その農業の生産力に支えられて、大量の武士階級が養われていました。当時の武士は、社会に新たな価値を創造することのない、悪く言えば一種の寄生階級でした。

 しかし、江戸時代の日本は、当時の世界の中で最も豊かで平和で知的水準の高い社会を作り出していました。それは、第一次作業である農業と、社会の寄生階級である武士との中間の社会に、密度の濃い多様な文化が産業として成立していたからです。この多様な文化が、江戸時代における創造産業でした。



 ここで話は原理的なことになりますが、社会の豊かさがどこから生まれるかと言えば、それは豊かな供給からではありません。

 熱帯地方では、一年中食べられる果物が実っている地域があります。しかし、そこに住んでいる人は、必ずしも豊かではありません。むしろ、食物の豊富な熱帯地方は、貧しい社会と重なっている場合がほとんどです。江戸時代の豊かさの条件のひとつに、農業生産力の発達があったことは確かですが、その農業が豊かさを生み出す主な要因だったのではありません。

 では、豊かさは需要によって生じるのかといえば、それも正確ではありません。一年中食べられるバナナが実っていて、そのバナナを食べて暮らしている人がいるというだけでは、そこにはただ静的な循環があるだけです。そのような循環は、自然界のすべての生き物についてあてはまる生活サイクルであって、人間社会の豊かさを説明することにはなりません。

 人間社会の豊かさは、人間の持つ想像力に由来しています。人間は、想像力によって、今既に存在している供給を超えた未知の需要に対して憧れや欲望を持ちます。この欲望が、静的な循環から抜け出る努力や工夫という創造的な不均衡を生み出します。この不均衡の分だけ社会は豊かになり、それがまた新たな不均衡と新たな豊かさを生み出すのです。



 例えば、毎日バナナを3本食べて満足に暮らしていた山奥の人が、ある日、海辺の人に出会い、カキという貝のおいしさを知ったとします。海辺の人は、年中カキがとれるので、やはり毎日カキを3個食べていれば満足に暮らしています。

 山の人は、これまでのバナナ3本の生活に飽き足らず、せめてカキをもう1個食べたいという欲望を持ちます。その欲望は、カキに対する憧れという想像力によって生み出されたものですから、山の人は、カキ1個のためなら、バナナ2本と交換してもいいと思います。

 一方、海の人も、いったん知ったバナナの味に対して憧れを持ちます。海の人は、バナナ1本のためなら、カキ2個と交換しても惜しくないと考えます。

 こうして山の人は2本のバナナを持って海辺へ向かい1個のカキを手に入れて満足して山に帰ります。一方、海の人は2個のカキを持って山に入り1本のバナナを手に入れてやはり満足して海に帰ります。この結果、海と山とで、それぞれカキ1個分とバナナ1本分が豊かになっていったのです。

 この豊かさは、交換や流通や分業によって生み出されたものではありません。交換や流通や分業は、豊かさが実現する形式であって、豊かさの内容ではありません。豊かさの内容は、人間が最初に抱いた欲望であって、その欲望が、需要を上回る供給を生み出すとともに供給を上回る需要を生み出すことによって、社会を現状よりも豊かに発展させる動因になっているのです。



 日本の経済の低迷は、実は先進国に共通する低迷であって、もっと言えば人類全体の低迷です。確かに地球全体で見れば、新興国や途上国に見られるように、その国の国民の欲望が新たな需要と供給を作り出す国が次々と生まれています。もっと豊かな生活をしたいから、もっと長時間働き、もっと生産や流通の方法に工夫を加え、もっと多くの需要と供給を生み出したいと願う広範な大衆がいる国では、経済は発展しているように見えます。しかし、その発展は、新しいものの発展ではなく、古いものの周回遅れの発展であって、その遅れが次々と低賃金の国に伝播していき、最後には地球全体で静かに消滅するという歴史の流れの中の、最後の仇花としての発展です。

 その最後の仇花が咲き終わったあとに、人類のゼロ成長の恒常的な安定の時代が来るとしたら、その安定の時代はあまりにも魅力のない時代ではないでしょうか。今の日本は、世界の中でいち早くそのゼロ成長の社会に突入しようとしています。日本が今の経済力のまま、社会に格差がなくなり、みんながそれぞれ自分の分に応じた生活をするという世の中になったとしても、それが果たして私たちの理想の社会だと言えるのでしょうか。

 日本は、今の新興国が目指している経済発展とは全く異なる分野で、これまでの発展の何十倍にもなる新しい発展を目指さなければらないのです。しかし、その発展を担う産業は、もちろんIT産業でも金融工学でもありません。(つづく)



※話がだんだん長くなってしまいました。作文教室とは関係ない話と思う人もいるかもしれませんが、実は最終的には作文の学習と深く結びついています。もうしばらくご辛抱ください。

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日本の新しい産業(その1) as/1208.html
森川林 2011/03/22 15:09 



 震災後、被災者の安全や住居が確保されたあと、まず考えなければならないのは、被災者の今後の仕事だと思います。

 今回の震災で仕事を失った人の中には、農業や漁業の人もいるでしょうし、勤め人や公務員だった人もいるでしょうし、その街で自分で会社や店を経営していた人もいるでしょう。多様な職業の人に仕事を確保するのに通り一遍の方法ではできません。当面は、周辺の地域が協力して、個々の状況に合った雇用先を生み出していくほかはありません。

 しかし、現在の日本は、経済全体が低迷して、大規模な雇用を生む活力に欠けています。当面、震災からの復興の需要があるでしょうが、少なくともこの復興の事業は、日本の企業中心に行う必要があります。また、米国に借金として貸し付けた形になっている米国債も、米国の事情もあるにせよ部分的にはただちに日本に返済することを要求していくべきだと思います。こういうことが正々堂々とできてこそ、日本の政治がリーダーシップを発揮したことになります。



 ところで、長期的に考えると、今後、日本経済は新しい産業を生み出さないかぎり今の衰退を抜け出せません。

 その新しい産業は、製造業ではありません。製造業は、今の新興国の追い上げに見られるように、低賃金の労働力が確保できるかどうかが優位性の差になっています。しかし、労働力に依存しない高度化した製造業は、逆に雇用吸収力がありません。多くの雇用を生み出すような製造業は、日本ではもはや成り立たないのです。

 しかし、新しい産業は、サービス業の中にもありません。サービス業は、人間がサービスの主体になることが多いので、雇用を生み出す力はありますが、今のコンビニや飲食業のアルバイト店員の賃金に見られるように、傾向的に低賃金化していきます。サービス業は、マニュアルによってサービスの差がなくなれば、やはり低価格の競争にならざるを得ないのです。また、もっと大きな問題は、マニュアル化されたサービス業は、その仕事に携わる人に技術の蓄積を生み出さないということです。サービス業は、何十年勤めてもベテランにはならないのです。



 このように考えると、日本は、新しい産業を生み出す方向でしか発展する道はありません。

 現在は、多くの人が先の展望が見えない中で、とりあえず将来の安定した収入を確保するために学力を身につけておくという選択をしています。しかし、日本経済全体が衰退していく中では、学力や学歴も決して将来の保証にはなりません。

 新しい産業を作り出し、日本を再び経済的に発展させることができるのは、当面はやはり政治の力によるしかないのです。(つづく)

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記事 1207番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
今回の地震原発事故で得たもの as/1207.html
森川林 2011/03/20 20:58 


 今回、インターネットのさまざまなサイトで、貴重な情報を得ることができました。その中の二つのサイトを紹介します。(既にご存知の方も多いと思いますが)

●副島隆彦の学問道場(広報ページの1202番に現場の記事が載っています)
●武田邦彦さんのページ(科学的な裏づけのあるデータが載っています)

 また、地域で言葉を交わした何人かの方から、自分たちにできることは祈ることだから心を込めて祈っているという話を聞きました。世界中の心ある人たちが同じように、日本のために祈っていてくれたようです。この人間の想念の力も、現地で給水作業に従事していた人たちと同じように、大きな力を発揮したと思います。

 今回の地震原発の事故を通して私があらためて知ったのは、日本には、みんなを守るために自分の生命を投げ出す覚悟を持った人たちが多数いたということでした。最初は少し驚きましたが、すぐに、やはりそうだったのだと納得しました。

 これからも困難な状況は続くかもしれませんが、私たちひとりひとりがこの勇気と愛を持ち続けるかぎり、日本は決して滅びないと確信しました。

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国民の英知を結集した情報交換を(日本の復活に向けて(その2)) as/1206.html
森川林 2011/03/19 19:52 


 今回の事故で、最も頼りになったのは、在野で専門的な知識を持ち、国家的な志を持っている人たちの提供する情報でした。

 これを、今後の日本の情報環境の再構築に大きく生かすことができます。

 第一は、だれでも自由に投稿できる専門分野別の掲示板を設置することです。
 第二は、その掲示板の管理者が議論を整理し、わかりやすく専門外の人に伝えることです。
 第三は、その管理者は、参加者の民主的な投票によって選出されることです。

 このようにすれば、在野の優れた知識を集め、天下り的な情報コントロールのない、自由で知性的な議論が提供できると思います。

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連休中の雨に備えて、福島原発周辺の下水管の閉鎖を as/1205.html
森川林 2011/03/19 12:40 
 3月20日、21日は、前線の通過に伴い、全国的に雨が予想されます。
 福島原発の周辺も雨になるはずですから、この雨水を原発の冷却として利用することができます。
 雨水を有効に生かすために、原発周辺の下水管を閉鎖し、水はけの悪い状態を意図的に作っておく必要があります。
 既に似たようなことは考えられていると思いますが、もしまだなら、現場で具体策を検討していただきたいと思います。

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日本の復活に向けて(その1) as/1204.html
森川林 2011/03/19 09:05 


 個人的なことを言えば、3月11日からこの1週間は、私はかなり絶望的な気持ちでした。日を追うごとに、事故が質的にも量的にも悪化していたからです。

 しかし、昨日、東日本を放棄して新しくやり直せばいいと思ってから気持ちが切り替わりました。ちなみに、東日本は、私の住んでいるこの横浜も入ります。

 事故は、まだ何の収束の見通しもありません。これから更に大きな事故に発展する可能性もあります。

 しかし、いずれにしても最悪の地点を出発点にして、これから新しい日本を作っていけばいいのです。日本人全体の勇気と知性と愛をもってすれば、不可能なことは何もないと思います。



 さて、情勢は流動的なので、そのつど客観的に判断していく必要があります。

 まず、福島県周辺の地域の住民は、もっと広範囲に避難する必要があります。放射能をふくんだちりが、公式な説明やテレビの報道以上に拡散している可能性があるからです。

 関東地方の東京や神奈川などには、まだ大きな影響は出ていません。しかし、北風の日や雨の日には外出しないというのが原則です。

 このあと、北東の風が吹けば、関東地方は放射能汚染地域になりますが、その可能性は低いと思われます。しかし、いずれにしても天候次第の綱渡り状態が続きます。

 20日、21日の連休に、日本列島は前線におおわれ、東北地方も含めて全国的な雨になります。私は、この天候が原発の冷却と事故の収束に結びつくと期待しています。



 いずれにしても事故が収束に向かったあとの今後の対策を考えておく必要があります。

 第一は、被災地(の範囲がどこまでになるかは未定ですが)の人々を、全国民の協力で助けていくことです。この点については、日本人の国民性を考えるかぎり全く問題はないと思います。日本の復興のためには、今、日本が持っている使われていない膨大な資産を大規模に投入する必要があります。

 第二は、放射能の無害化についての研究を進めることです。このためには、現在の科学ではまだ発見されていない新しい理論と方法が必要になります。放射能無害化の本質は、元素転換です。動植物の体内では、常に、ある元素からほかの元素への転換が行われています。そのために、植物は水と光と空気だけで、葉を茂らせ花を咲かせ実を実らせることができます。ゾウやキリンは、その植物を食べるだけで、あの巨体を成長させています。この原理を人間がコントロールできるようになれば、放射能物質を無害な元素に転換することはできると思います。

 第三は、全く新しいエネルギー源の開発を進めることです。かつて日本が戦争に巻き込まれたのも、大きく見ればエネルギーが国内で自給できなかったためです。日本は、今後、石油、原子力にとってかわる安全で自給可能なエネルギー源を開発していく必要があります。そして、それは今の段階でも既に見通しがあります。新しい画期的なエネルギーの開発が進まなかったのは、石油や原子力への依存が大きすぎたためです。国民の総意が新エネルギーの開発に向かうならば、これはかなり早い時期に実現に向かうと思います。

 第四は、政治の一元化です。今回の事故とその後の対応を見ても、関係者各人の必死の努力があったことは認めますが、統一的なリーダーシップがやはり不足していたように思えます。リーダーが大局的な立場から方針を出し、組織全体がその方針で動くというのではなく、リーダーが大衆と同じレベルで情勢へのその場の対応に追われているという感じがしたのです。また、国民(というかマスコミ)が、リーダーに、大局的で理性的な方針よりも、感覚的な真剣さととりあえずの行動を求めていたことにも大きな問題があると思います。マスコミの目のつけどころの低さが、日本人全体の知性の低下を生み出しているのです。日本の政治は、軍国主義の復活を予防するという名目で何重にもわたって手かせ足かせをはめられてきました。しかし、今、政治に求められているのは、統一した行動力です。そして、強力な政治と民主主義の両立は、少しの工夫をすれば十分に可能なことなのです

 以上、この、災害からの復旧、放射能の無害化、新エネルギーの開発、政治の一元化を、国民の総意として進めていく必要があると思います。

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本当のところはまだ何もわかっていない(緊急提案の説明) as/1203.html
森川林 2011/03/18 10:31 



 原発の状況については、現在、本当のところは何もわかっていません。内部の様子がわからないまま、とりあえず、炉心溶融まで進まないように冷却を続けているだけです。

 今回のような事故は、予測できるシミュレーションの範囲を超えているので、専門家といえども何をどうしたらいいのかわからないというのが正直なところです。

 今、具体的に最も起こりやすい被害の拡大は、小規模な爆発が起きることと、風向きによって放射能を含んだちりが関東地方に落ちてくることです。

 この場合、外出しないという対策がいちばんですが、このような状態が今後もあり得るということがわかれば、関東地方は今後、恒久的には人が生活できる地域ではなくなるでしょう。

 今すぐ大挙して移転をすることまで考える必要はありませんが、計画的、段階的に、東日本の住民が西日本に移住するということを考えていく必要があります。

 その際、現在のような政治体制では、統一的な意思決定はできません。利害関係が大きく錯綜する事態については、強力なリーダーシップをとれる政治が必要です。

 幸い、日本には、全国民の統合の象徴としての天皇がいます。天皇が元首としての立場から、この国難を担う政治家を任命するというのが今考えられる最も即効性のある対策の出発点になると思います。

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記事 1202番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
東日本を放棄し、これ以上の犠牲を出さず、天皇陛下を中心に、全国民の力で日本を再建しよう as/1202.html
森川林 2011/03/18 00:50 


 福島で巨大な火山の噴火があったのだとでも考えよう。
 自然の力を前に、人間の尊い犠牲をこれ以上投入するのはもうやめよう。
 このあと、原発は、再臨界を起こし、更に大きな核分裂を引き起こすだろう。
 東日本の住民は、静かに計画的に西日本に移住し、西日本を中心に、全国民の力で日本を再建しよう。

 中心になるのは、天皇陛下だ。
 天皇が、日本と世界の政治に精通し強力なリーダーシップをとれる人物に、政権を委託するのである。
 当面、時限立法で、すべての権限を臨時救国政府に集中し、
 日本人が、考えられる最悪の条件のもとで、最善の行動をとったと言えるように努めよう。

====3/18 15:00 追加説明====

 以上の記事をアップロードし、言葉の森のHPのトップにも掲載していたところ、言葉の森の講師から、「内容に問題があるのでは」と指摘を受けたので、トップページからははずしておきました。
 言葉の森の目的のひとつは、日本の社会をよくすることです。日本が、今大きな問題に直面しているときに発言しないで、いつ発言するのかという気持ちで記事をアップしました。
 ニュースなどを見る範囲で言うと、多くの人は、事態の深刻さに対する危機感が薄いように思います。それは、肝心の情報が明らかにされていないのでやむをえない面もあると思います。

 記事の内容で、いくつか補足説明をします。

 「東日本」とは、福島県やその周辺の県だけではありません。言葉の森の事務局のある横浜市も含めて関東地方全域が含まれるということです。当面は、風向きの関係でその可能性は大きくはありませんが、天候次第でいつでも関東地方が放射能におおわれる危険性があるということです。そう考えるからこそ、事態は緊急なのです。

 「放棄」というと見捨てるようで抵抗があるという声もありましたが、今、必要なのは、救助に向かっている人たちにこれ以上の犠牲を出さないということです。今の対応は、予測のつかない規模に拡大しつつある災害に対して、竹やりと精神力で向かっているという状態だと思います。

 「天皇」というものに対するアレルギーが意外にも多くの人にあることに驚きました。ある意味で、この部分がいちばん抵抗があったのかもしれません。しかし、天皇は、現在の日本で、唯一どことも特定の利害関係を持たずに、国民の中に親しみを持って認められている存在です。そして、過去の歴史を見てもわかるように、明治維新も、終戦も、天皇の名前によって初めて穏やかに転換することができました。現在の未曾有の国難に対しても、日本国民の象徴である天皇が、最も多くの国民を納得させることができると思います。

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