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インターネットを金本位制に戻すfacebook(フェイスブック) as/1280.html
森川林 2011/06/16 21:11 


 言葉の森では、facebook(フェイスブック)を情報提供の場としてだけでなく、コミュニケーションの場として活用していきたいと思っています。そこで、現在、行っているのは、さまざまなグループ活動です。

 これは、facebook内に、メンバー制によるグループを作り、その中で日常的に話ができるようにしていく仕組みです。グループに参加すれば、自分の関心のある分野に特化した情報でコミュニケーションを交わすことができます。

 今あるのは、36グループです。活発なところもそうでないところもありますが、自分の気が向いたときに、グループの記事を読んだり書いたりすればいいので気が楽です。

 そして、そういうゆるいつながりで参加しているグループであっても、そのグループでのやりとりは、ときどき自分のウォール(自分用の掲示板のようなもの)に表示されるので、つながりが切れてしまうことはありません。



 日本では、まだfacebookが広がっていないので、参加する個人や団体の中には、毎日きわめて頻繁に記事をアップロードするところと、ほとんどfacebookを開かず何日かに一度見にくるだけのところとの両極端があるようです。

 アメリカのようにfacebookが普及して日常的なプラットフォームになれば、1日1、2回定期的にチェックするというような使い方が多くなってくると思います。そういう無理のない生活に溶け込んだ使い方がされるようになって初めて共通のプラットフォームとして使いやすくなっていくと思います。



 さて、ここで、facebookの持つコミュニケーションの特徴を少し考えてみたいと思います。

 インターネットは、これまで一部の人や組織でなければできなかった情報発信を、誰の手でもできるように解放しました。

 その典型的なブログやyoutubeです。情報を提供するということは、それまでは新聞社やテレビ局のようなところでなければできませんでした。しかし、技術の制約とコストの制約が急速になくなった結果、今では誰もが特別の苦労なしに、自分で創造した情報を世界中の人に向けて発信できるようになりました。

 しかし、これらの情報を自由に情報を発信する人や組織が増えた結果、今度は、求めている情報がどこにあるかを探すための検索エンジンの必要性が増してきました。

 ところが、検索エンジンの利用が広がるにつれて、検索エンジンのアルゴリズム(計算方式)の裏をかくSEO対策が現れてきました。

 単に裏をかくSEO対策に対応するだけなら話は簡単です。しかし、問題は、そういうSEO対策を意識的に行っているあまり品質のよくないサイトと、SEO対策をほとんど行っていない品質のよいサイトとが混在していることです。

 そのため、現在、googleやYahoo!の検索の上位に来ているサイトは、必ずしも上位にふさわしいサイトではないという結果になってきました。

 こうなると、インターネットで何かを探す人は、検索エンジンが登場する以前の世界に戻ってしまったことになります。

 情報は年々増えていく。しかし、検索エンジンはあまり使えなくなってきた。このような状態で頼りになるのは、信頼できる個人のクチコミです。そこで、facebookのような特定の個人とつながることのできるコミュニケーションサイトが価値を持つようになってきたのです。



 googleの検索結果を上位にするためには、被リンク数をかせぐ必要があります。つまり、検索結果の上位に来るのは、ほかのサイトからリンクされている数の多いサイトだということです。

 しかし、今は匿名でいくらでもブログが作れる時代ですから、例えば、ある人がいろいろな名前で100個のブログを作り、そこから自分のサイトにリンクをはれば、一挙に100ヶ所のサイトからリンクされたホームページが登場することになります。

 そこで、このSEO対策に対応するために、検査エンジンの側が、今度は被リンク数だけでなく、中身のコンテンツの量を評価するようにしたとしても、コンテンツは、いくらでもコピー&ペーストで作ることができます。

 バーチャルな世界を前提にするかぎり、人間が作ったアルゴリズムであれば、人間が裏をかくのは容易なのです。

 ところが、facebookには、実名制というリアルな世界が結びついていました。これまでのインターネットが、金(きん)の裏づけのないマネーシステムだとすると、facebookは一昔前の金(きん)の裏づけのあるマネーシステムに戻ったというふうにも言えると思います。

 実名の裏づけのある個人が評価しているサイトは、匿名のブログから多数のリンクされているサイトよりも評価が高いはずです。(今はまだfacebookも過渡期なので、そうは言いきれない面もあると思いますが)

 こうして、多くの人が、googleやYahoo!の検索結果よりも、facebookでの知人の評価の方を信頼するようになっていったのです。

 金本位制が復活したら、金(きん)の裏づけを持たないマネーをいつまでも持っていようと思う人はいません。同じ金額が表示されているなら、金(きん)と交換できるマネーを持ちたいとだれもが思うはずです。

 facebookがこれから脚光を浴びると思われるのは、こういう時代の大きな流れが背景にあるからなのです。



 この言葉の森のホームページをごらんのみなさんも、ぜひfacebookに登録して、言葉の森のfacebookサイト、 言葉の森作文ネットワークにおいでください。


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ファンレター 20110623  
横浜市教育委員会、学校給食会は、放射線量も測らず小学校の給食に福島県の計画避難区域内の牛肉をたべさせています。
誠実な市議でも時間がかかっております。
中根先生の作文でなんとか横浜を説得できないでしょうか。
ヒントを下さい。

森川林 20110630  
 お返事遅れてすみませんでした。
 国民の大多数は、正しい情報があれば正しい判断をすると思います。
 しかし、今はまだ、マスメディアが情報をゆがめ、政治が判断をゆがめるという状態が続いているようです。
 その原因は、利権と脅迫です。
 そのことに、多くの人が気づきはじめたので、これから世の中は大きく変わっていくと思います。

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facebook(フェイスブック)の本質とその対応方法 as/1279.html
森川林 2011/06/06 22:00 


 今回は、facebookの本質を、今後の言葉の森の学習にどう結び付けるかということについて考えていきます。

 例によって、一般論から始めるので、最初は教育や作文に関係のない話が続きますが、あとの方で具体的な勉強に結びついていきます。

---------------------------------------------------------------------

 まず、私たちがいま生きている社会がどういうものかと考えると、それは、情報の封鎖が不可能になりつつある時代だということです。

 これまで、人類は、多くの戦争を経験してきました。しかし、その戦争の中で、民衆が自らの希望と意志で行った戦争などはひとつもありません。すべて、そのときどきの支配層が、自分に都合のいいシナリオを民衆に信じ込ませて、うまく戦争に誘導していっただけです。

 それは、決して未開の人類の話ではありません。第一次世界大戦も、第二次世界大戦もそうでしたし、今、世界で行われているさまざまな戦争、紛争もすべてそうだと言って差し支えないと思います。

 日本人であれ、アメリカ人であれ、中国人であれ、ロシア人であれ、それぞれの国民がひとりの個人として相手の国のひとりの個人と対立する必然性は何もありません。そういうことが理屈ではわかっていながら、これまで国家間の戦争が止められなかったのは、情報を独占しそれをゆがめて発信するマスコミが健在だったからです。

 しかし、今急速に、その情報独占の構造がゆらぎつつあります。その情報の民主化を推進しているのは、もちろんインターネットです。



 ところが、私たちはその状況を手ばなしで喜べるほど余裕のある情勢にあるわけではありません。現代の各国の支配層は、インターネットによる情報の民主化が進み自分たちのシナリオが通用しなくなる前に、最後の賭けをしようとしているのです。

 ですから、私たちの対応もそれに応じて、できるだけ速く情報の民主化を進めていくことにあります。それは、インターネットを中心に、あらゆる情報をだれもが自由に発信し、それを広範に公開する機会を広げていくことです。

 例えば、日本と中国、日本と北朝鮮、あるいは日本とアメリカを戦争状態に引きずり込みたがっているさまざまな勢力が今もあるはずです。しかし、例えば、日本人の何割かが中国人の何割かとインターネットで情報を共有できる間柄になったとしたら、両国の間で戦争を起こすことはもはや不可能です。もし両国の間に利害の対立があったとしても、その解決は話し合いによるしかありません。武力に訴えるという方法は、まともな感覚の人間ならとるはずがないのです。それをとらせたがっているのは、民衆ではなく支配層だけです。



 facebookをはじめとするインターネットのソーシャルサービスの広がりは、私たちの住むこの地球をこれ以上悪い星にしないための重要な足がかりとすることができます。そして更に、地球を悪くしないだけでなく、よくするための方法としても、これらのソーシャルサービスを使っていくことができるのです。

 インターネットは、政治的には真の民主主義を実現し、経済的には創造産業を作り出し、社会的には教育文化を生み出すことができます。今の段階で人類の力が統合できれば、あらゆる天災や人災に対応できると同時に、これまでにない新しい愛と平和と活力に満ちた社会を作り出すことができます。

 この展望をこれから実現していくのが、私たちすべての課題なのだと思います。

(つづく)

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