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家庭学習の理想的な形 as/1301.html
森川林 2011/07/12 20:33 



 子供を育てる場所の中心になるのは家庭です。学校でも塾でもありません。

 家庭学習を軌道にのせれば、第一に安上がりです。第二に親子の対話が楽しめます。そして、第三にこの家庭学習が子供の学力を最も向上させます。

 家庭学習に必要な教材は、普通の本です。これは、図書館で借りてきても、近所のブックオフで中古の本を買ってきてもいいと思います。小学生の間は特に、日本語の学習を中心にやっていくことが大事です。



 家庭学習を開始する時期は、小学校1年生からです。幼児期は、学習というよりも、対話を十分にしておことです。

 なぜ、小学校1年生という早い時期から始めるかというと、6歳のころは、どんなことも習慣になりやすいからです。例えば、音読や暗唱という勉強も、小学校1年生から始めれば苦もなく続けられますが、小学校3年生ごろから新たに始めようとすると、子供の心の中の抵抗を克服するのにまず時間がかかります。



 以下の説明は、ひとつのパターンですから、家庭の実情に応じて変えていくようにしてください。

 まず、朝起きたら、音読をします。音読は800~1200字の文章であれば2、3分でできます。そのあと、暗唱の練習を10分ぐらいします。暗唱までできないという場合は、音読だけでもかまいません。(言葉の森の生徒の場合、音読は毎週の課題の長文か読解マラソン集のどれか1編、暗唱はその月の暗唱用長文です)

 親は、子供の音読や暗唱を聞きながら、朝の支度をします。音読と暗唱が終わったら、その音読の内容を話題にしながら食事をします。テレビのニュースを見ながら食事をするよりも、子供の読んだ文章を話題にして親子で話をしながら食べる方が楽しいはずです。

 この、親子で知的な対話をする習慣を小学校低学年のうちに作っておくと、その延長で、高学年になっても同じような対話を続けていくことができます。

 対話のこつは、子供を笑ったりからかったりしないことです。そして、親は(特に父親は)意見や感想を言うのではなく、自分の体験談を話してあげることです。子供は、親の考えを聞きたいのではなく、親のしてきたことを聞きたいのです。

 朝の早起きをさせるためには、音読と暗唱の自習が終わったら、食事の時間になるまでゲームを15分間していいことにすると決めておいてもいいと思います。



 学校から帰ってきて夕方の時間の家庭学習の中心は読書です。しかし、読書は勉強の前にやると、読書の方が面白くてそのままいつまでも読んでしまうことになります。宿題など勉強的なことがひととおり終わったあと、「あとは読書を50ページ以上してから、自由に遊んでいい」とするといいとします。おもしろい本であれば、そのまま寝るまで読むこともあります。自分で読むことができない年齢であれば、親の読み聞かせです。自分の目で読む読書も、読み聞かせで耳から聞く読書も、同じように読解力をつけます。

 家庭学習としての音読、暗唱、読書は、毎日することが原則です。日曜日も祝日も同じようにします。旅行に出かけたときも、旅先に本を持っていって同じように毎日の自習をします。

 大人は、仕事の時間と遊びの時間を分けた方がいいと考えがちですが、子供にとっては、勉強も遊びも同じ生活の時間です。毎日同じように続けていく方が負担にならないのです。



 この読書と音読と暗唱は、休みの日など子供が退屈しているときにも使えます。日曜日で子供が何もすることがないときに、「よし、読書を50ページ読んでから、どこかに遊びに行こう」とか、「暗唱が300字できたら、ゲームをしよう」とか言うと、子供は急に活気づきます。「よく学び、よく遊べ」が子供の生活の基本です。



 家庭学習は、学校や塾の宿題などよりも優先させることが大事です。

 なぜかというと、学校や塾で出される宿題は、先生が変わったり、塾を変えたりすれば変わってしまうからです。

 子供に本当の実力をつけるためには、毎日同じことを何年間も習慣として続けさせることが大事です。1年や2年でやり方の変わるような勉強では、本当の力はつきません。また、目新しい教材を次々をこなすような勉強も、勉強している気がするだけで、本当の力はつきません。

 家庭学習は、毎日の生活の中で同じことを同じように続けることによって本当の実力をつける学習なのです。

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「読書感想文」グループ(facebookページより) as/1300.html
森川林 2011/07/12 06:38 



 言葉の森のfacebookページに、「読書感想文」のグループがあります。感想文で困ったら、このページにおいでください。

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 中学3年生の人から、人権作文という宿題の相談があった。

 人権なんていう話題でどうして書かせるんだろうね(笑)。

 中学生は、もっと自分の人生に切実な問題があるはず。それを自由に書いた方がずっといい勉強になる。

 しかし、アドバイスをしておいた。

 戦争や差別の話も確かに大きなテーマだけど、やはり自分の生活の中にある人権的な問題を考えていく方が自分らしさが出る。

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 読書感想文というおおまかなくくりで宿題を出すので、ほとんどの子は、

1、ただあらすじを延々と書くか、

2、思ったことだけを繰り返し書くか、

というパターンになり、うまく書けないし、本人も書いていて面白くない、ということになります。



 読書感想文を、いくつかの小さな勉強に分けることが、感想文を書きやすくするコツです。

 例えば、

1、最初に要約を書く(ただし、これは中学生以上。小学生は要約がまだできないから)。

2、面白かったところを3つ選ぶ。

3、その1番目の面白かったところをもとに、自分の似た話を考える。(これが大事)

4、2番目、3番目も同様にする。

5、両親にその話を説明して、似た話を更にふくらませる。(これも大事)

6、1日で一挙に書こうとは思わずに、3-4日間の勉強とする。(これも大事)

7、1日目は、最初の1番目の話で400字だけ書く。(これなら1時間もかからない)

8、以下、2日目、3日目も同じように書く。(中高生であれば、1日で全部書いてもかまわない)

9、下書きはできるだけパソコンで書くようにすると修正しやすい。(小5以上はパソコンをフルに使うようにする)

10、ただし、清書と、書く前の構成メモは手書き。

 以上のような書き方なら、小学生でも全く抵抗なく書くことができます。

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 昔、言葉の森の生徒を対象に、夏休みに特別講座として読書感想文の指導を連続3日か4日しました。

 おおまかな流れを説明して、それに合わせて子供が自分で似た話を考えて書いていくという、いつもの言葉の森の指導と同じようなパターン。

 しかし、結びの部分は、子供の力ではなかなか書けません。特に小4以下の子は、学力的には優秀であっても、全体をまとめた感想を書くということがまだ年齢的に難しいようでした。

 仕方ないので、「こんなふうにも書けるし、あんなふうにも書けるし」といくつか候補を説明しました。

 9月に入って、その読書感想文講座で感想文を書かせた子供たちから、続々と、クラスや学校の代表作品に選ばれたという報告を聞き、かえって焦りました(笑)。

------------------------------------------------------------

 読書感想文というわけのわからない宿題に、どう対処するか(笑)。

 いちばんいいのは、そんな宿題は、出さないこと。

 しかし、そういうわけにもいかない場合は、どうするか。

1、低学年なら、お母さんが書いてあげる。又は、全面的にアドバイスしてあげる。

2、小学校中学年から中学2年生ぐらいまでは、3日間に分けて、1日400字相当で書く。

3、中学3年生以上は、普通にがんばって書く。

4、裏ワザ:言葉の森で毎週作文の勉強をしている生徒は、普段の練習でよく書けた感想文をふくらませて提出する。

 ポイントは、2の3日間に分けて書く。

 これなら簡単に抵抗なく書ける。

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