ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1311番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/7/21
考えを深める構成図の書き方 as/1311.html
森川林 2011/07/19 17:57 



 構成図を書くことによって、思考の能率が飛躍的に向上します。頭の中で考えるだけでは、考えが堂々巡りをしてなかなか進みません。文章を書く形で考えると、1000-2000字の文章を書くのに1時間ぐらいかかるのが普通です。ところが、構成図という形で書いていくと、わずか7-8分で、その1000-2000字に相当する内容を考えることができます。

 しかも、構成図は自由度が高いので、文章として書くよりもずっと創造的な考えがわいてきます。

 構成図というのは、思いついたことを散らし書き風に短文でメモしていく書き方です。マインドマップのように、カラーペンを使ったり、線を太くしたり、中央から放射線状に書いたりする必要はありません。ノートの左端から、考えたことを短文で書き、矢印を引き、次の短文を書き、また矢印を引き、次の短文を書くというように進めていきます。矢印はどういう方向に出してもいいので、ノート全体で平面的な図を書くような感じで短文を散らし書きにしていきます。

 この方法の利点は、シリアルな文章のように、前後の関係を考えずに書けるということです。例えば、朝ごはんのことを書いているときに、ふと全然関係のない動物園に行ったことを思い出した場合など、文章で書いている場合は、その関係のない動物園の話は書かないようにするか、あるいは、「そういえば、話が変わるが」などとつなぐ言葉を入れて書かなければなりません。文章を書く場合のいちばんの制約が、このつながりに論理的な整合性が求められしまうのです。

 ところが、構成図で矢印でつなぐだけなら、論理的なつながりは考えなくて済みます。この場合の矢印は、意味のつながりとして矢印でなく、ただ考えた順序を示すだけの矢印ですから、「朝ごはんは納豆と玉子やきだった。→動物園は暑いだろうなあ。」などと書いていけるのです。

 この構成図の利点は、自分の頭の中にあることが、文字という目に見える形でノートの上に広げられるということです。しかも文章のように、ひとつながりの時系列的な流れに制約されていないので、自分の考えがそのまま外に表れてきます。その構成図を眺めていると、自然に次々と新しい考えがわいてきます。

 文章に書く形で自分の考えを表に出すとかなり時間がかかりますが、構成図という形で表に出すと、文章を書く数分の1の時間で済みます。

 文章を書くというのは、相手にわかるように書くという面と、自分の考えを深めるために書くという面があります。構成図は、このうち、自分の考えを深めるためという要素だけを抽出したものです。構成図でたっぷり考えを深めておいて、その中の伝えたい部分だけを文章にしておけばいいのです。

 この構成図は、子供の作文にも応用できます。

 書くことがないとか、途中で書く手が止まってしまうとか、必要な字数まで長く書けないという場合、親子で一緒に構成図を書いていきます。二人で話をしながら、子供が言ったり親が言ったりしたことを、親が1枚の紙に書きだしていくのです。短文で矢印でつなぎながら散らし書き風に書いていくので、1枚の紙がすぐに埋まります。思いついたことをどんどん書いていくので、テーマに関係の薄いことでも気楽に書けます。すると、だんだんと書く内容が具体的になってきます。

 1枚が大体埋まったところで、子供に、「これで書いてごらん」と言えば、子供はすぐに作文を書きだせます。このようなやり方をしていくと、子供が自分で構成図を書く方法を身につけます。

 構成図というと、構成を考えるようなイメージがありますが、そういう設計図を書くようなしっかりしたものではありません。ただ思いついたことを散らし書きで書いていくという方法です。また、構成図は、できるだけ簡単な短文で書くのがコツです。作文と同じようなことを短い字でびっしり書くと、かえって二重手間になります。

 事実経過を書くことが中心になる生活作文の場合は、構成図はそれほど必要ではありません。だから、小学校3、4年生では、構成図の書き方を身につけておくという程度に考えておきます。説明文や意見文になると、構成図であらかじめ自分の考えを出しておいた方が書きやすくなります。



この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
構成図(25) 

記事 1310番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/7/21
付箋読書の方法と効果 as/1310.html
森川林 2011/07/18 18:55 


 付箋読書というのは、読みながら付箋をつけて読む方法です。図書館から借りた本などの場合は、傍線が引けないので付箋をつけて読みます。すると、再読が容易になります。もちろん自分の本であれば付箋のかわりに傍線を引いて読みます。付箋や傍線をつけるのは、自分なりに印象に残ったところです。

 そして、いずれの場合も、読み終えたところに、また別に付箋を貼っておきます。本文の印象に残ったところに貼る付箋が本の上辺に縦に貼るとしたら、読み終えたところの目印として貼る付箋は、開いた本の右端に横に貼るというように区別しておきます。(縦書きの本の場合)

 この読み終えたところに貼る付箋は、読み終えたつど、本の右端の上の方から順に階段状に貼っておくと、その本を外からみたときに、自分がどういう読み方をしたのかがすぐわかります。また、どこまで読んでいるかも一目で把握できます。

 このようにしておくと、日曜日など時間のあるときに、読みかけの本をまとめて10冊読むというような読み方ができるようになります。そうすると、読みにくくてなかなか読み進められない本なども、ついでに読んでしまうようになります。

 読み方は、次のようなやり方です。まず、10冊の本を机の横に積み重ねます。1冊目を読み始めて10~20ページほど読んだら読みかけの目印の付箋を横につけて、次の本を手に取ります。そのようにして10冊の本を次々と10~20ページぐらい読んでいきます。途中で面白くて止まらなくなった本があれば、それはそのままずっと続けて読んでいってかまいません。

 読書は、どんなに興味の持てる本であっても、同じ本だと途中で飽きてきます。しかし、別の本に切り換えると、読書という同じ行為でありながら、不思議と飽きることなく次々と読んでいけるのです。読書を1時間というと長く感じますが、10冊の本を10分ずつ読んでいくと100分があっという間にたってしまいます。ただし、これは説明文の本の場合に特に言えることであって、物語文の本の場合は面白ければ一気に読んでしまうことも多いと思います。

 何冊も並行して読む読み方をして、本の内容がまじりあわないかと思われるかもしれませんが、不思議とそういうことはありません。人間は、いくつものものごをと平行しながら処理していけるパラレルな頭脳を持っているからです。それは、例えば、テレビで1週間のうちにいろいろな番組を並行して見ていても、そのストーリーがまじりあわないのと同じです。

 本の中で印象に残った箇所に付箋をつけたり傍線を引いたりするのは、2回目に読むときに役立てるためです。物語の本では、繰り返し読むことはあまりありませんが、説明文の本は繰り返し読まないと自分のものになりません。2回目に読むときは、付箋をつけたり傍線を引いたりしたところだけを飛ばし読みしていきます。すると、わずか15分ぐらいで、2回目の読書ができます。更によく読みたいという場合は、3回目も同じように読みます。

 子供の読書の場合、面白い簡単な本だと読書がはかどりますが、途中で難しい読みにくい本が入ると、そこで読書が止まってしまうことがあります。読書の基本は毎日欠かさずに読むことですから、読みにくい本が入って読書が止まると、それをきっかけに本を読む生活がしばらくの間中断してしまうことがあります。そういうときに、この付箋読書を使えば、読みにくい本と読みやすい本をまぜて読むことができるので、読書が中断するようなことがありません。

 付箋読書をすると、大人でも子供でも、読書がはかどるようになります。確実に読みおえたという実感がわくからだと思います。

 付箋は、幅7.5ミリぐらいの小さなものが売られています。(住友スリーエム 715RP-Kポスト・イット)。そういう小さい付箋を使うと便利です。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読書(95) 
コメント311~320件
……前のコメント
子供はプログラ 森川林
 私は、プログラミングが好きです。  それは、新しい課題を 12/29
記事 4390番
言葉の森の作文 森川林
 久しぶりに作文発表会を行います。  日程は、1月29・3 12/21
記事 4385番
作文検定を実施 森川林
 作文検定を実施します。  今回は森リン点で進歩のあとがわ 12/20
記事 4384番
基礎学力コース 森川林
幼長、小1、小2対象の基礎学力コースの無料体験学習は、1月1 12/19
記事 4383番
作文の上達度は 森川林
 作文力がどのくらいついたかということは、本人にはわかりませ 12/17
記事 4382番
幼長、小1、小 森川林
 基礎学力コースは、小1の子にはおすすめです。  国語と算 12/5
記事 4377番
即自存在、対自 森川林
 中学生のころは、たぶん子供が人生で最も打算的に生きる時期で 12/3
記事 4374番
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習