ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1381番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/12
子育てに必要な親分子分関係 as/1381.html
森川林 2011/12/22 18:38 



 言葉の森では、教育相談として、保護者から随時電話による教育相談を受けつけています。

 言葉の森での勉強の仕方に関する質問が多いのですが、作文や国語に限らずもっと幅広くいろいろな相談が寄せられます。


 最近、共通して感じるのは、子育ての初歩的なところを勘違いしているように思われる相談が多いことです。もちろん、私自身も、というか親はだれでも子育ては初めての経験ですから、さまざまな試行錯誤を繰り返します。

 しかし、最近受ける電話相談の中には、「そんな当然なこともしていないの」と思うようなものも結構あるのです。


 そのひとつは、子供に言うことを聞かせられない、あるいは、子供が言うことを聞いてくれないという相談です。これが、小学校低中学年の子供でそうだというところに問題があります。

 もうひとつは、その反対に、小学校低中学年のうちに子供が苦痛を感じるほどの分量の勉強を強制して、時間が足りないなどという相談です。

 現れてくる現象は正反対ですが、共通しているのは、バランスのとれた自然な親子関係、人間関係ができていないのではないかということです。

 理想的な親子関係は、親の権威が確立していて、子供は親の言うことを素直に聞くが、親はほとんどを子供の自主的な行動に任せているという関係です。


 なぜ、そういう自然な親子関係ではなく、やや不自然な関係が生まれているのかと考えて、ふと思ったのが、親である現代の大人が持っている人間関係でした。

 今の親の世代は、子供時代に集団で遊んだ経験が少ないのではないかと思います。

 小さな子供たちが自由に遊ぶとすれば、そこに自然な上下関係ができます。これは、大人に管理された遊びや勉強の中ではあまり生まれません。

 自由な遊びの中で、年齢の差や体力の差などにより自然な上下関係が生まれると、それは親分子分の関係になります。子供時代にガキ大将に率いられた子供たちは、自分たちもまたガキ大将になり、いい親分を演じられるようになります。

 親分というのは、年下の子対して権威のある存在です。ドラえもんに出てくるジャイアンのようなわがままな親分ではだれもついてきませんから、自然に人徳で年下の子供たちを引っ張るような練習をしていきます。

 そういう子供が成長して、社会や家庭で、同じようにいい親分、子分の役割を果たすことができるようになるのです。


 親子の関係というのも、基本的には親分と子分の関係です。学校の先生と生徒の関係も、親分と子分の関係を基本にしていればスムーズに進みます。

 しかし、親が親分を演じることに慣れていないと、子供と対等の関係を作ろうとして子供のわがままを止められなくなったり、逆に子供に頭から命令するような関係で言うことを聞かせようとしたりしてしまうのではないかと思います。

 健全な親分子分の関係ができている家庭では、子供はのびのびとしていて、しかも素直に言うことを聞きます。

 大事なことは、子育ての前に、親が自分を育てる練習をすることです。そのためには、親が、まず自分が親分になるのだという自覚を持つことです。

 父親がいざというときの大親分であり、母親が日常的な親分です。子供のうち上の子から順に、子分1、子分2……となるような有機的な関係を作ることがこれから必要になってくるのだと思います。


 「ピンポーン」

 「あ、大親分が帰ってきた。子分1、玄関開けてきて」

 「へい。行ってきやす」(言葉づかいまで変えなくていいんだって)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 

記事 1380番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/12
中学の技術・家庭のプログラミング必修で勉強の面白さを as/1380.html
森川林 2011/12/21 21:34 


 私が子供のころの遊びで、面白くて熱中したのが、小さい木切れを使っていろいろなものを組み立てることでした。近所に大工さんがいたので、形が微妙に違う小さな木の切れ端がよく手に入ったのです。

 先日、小学校4年生の生徒の「小さいころから大切にしているもの」の作文を読み、そこに、レゴブロックのことが書いてあったので、ふとそんな昔のことを思い出しました。



 レゴの面白さは、組み立て方を創造する面白さです。だから、想像力によって何にでも見なせるものが面白いのであって、車輪や人物など、その用途にしか使えないものがあると、かえって作る意欲が薄れてしまうようです。



 今度、中学の技術科でプログラミングが必修になるという話を聞きました。

 プログラミングの面白さも、やはり創造の面白さです。特定の結果だけが出てくるアプリケーション・ソフトの使い方(例えば、ワードやエクセルの使い方など)を学んでも、何も面白くはありません。単純なレゴのブロックのようなものが与えられて、何でもいいから自由に作ってみようという勉強なら、中学生の子供たちは熱中すると思います。



 勉強の面白さは、創造の面白さです。しかし、現代の教育では、勉強の過程の面白さよりも、早く成果を出すことが要求される面があります。

 成果を出すというのは、出来合いのアプリケーションの使い方を学ぶということと似ています。



 しかし、日本の将来を支えるのは、アプリケーションを使える人ではなく、プログラミングを楽しめる人です。

 結果を出すのではなく、過程を楽しむというのが、これからさまざまな分野で求められてくると思います。



 話は変わりますが、私がもうひとつ、男の子だったら面白がるだろうと思うのが電子工作です。コンピュータの中のプログラミングでなく、実際に形があって動くものを作るということになると、たぶん男の子は熱中すると思います。(女の子は、熱中するかどうかよくわかりませんが。(^^ゞ)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

タカタン 20111221  
プログラムの授業はやっていて面白い。しかし,数学以上についてこれない生徒が多い。

森川林 20111222  
 プログラムは、数学よりも数学的発想をうまく教えられるような感じがします。
 数学は、得意な子の中にも、計算の作業としてやっている子も多いと思います。
 プログラムは、応用範囲の広い基本的な関数だけ教えて、レゴのブロックのように、これで自由に遊んでごらんと、作品の発表会をすると面白そうです。

ぽか 20120311  
今小学生ですが、レゴを使ってロボットを作りプログラミングしたマイコンで動かすということをやっておりますがすごく楽しそうです。男の子です。教室もやはり男の子ばかりですね。
プログラミングは当然まだ全然できませんが、これから勉強の楽しさを知る糧になってくれれば良いなあと思うばかりです。


森川林 20120311  
 ぽかさん、そうなんです。
 これまではプログラミングだけだったのですが、これからはプログラミング+電子工作の時代です。
 子供たちが遊びながら電子工作をいろいろ試すという時代になると思います。
 ちょうど、昔の子供たちが、凧作りとかプラモデル作りに熱中したような手作りの時代になると思います。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

記事 1379番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/4/12
この1年をふりかえって as/1379.html
森川林 2011/12/20 14:36 



 今年の言葉の森新聞は、12月4週の1205号が最後になります。新年は、1206号からです。毎週定期的に発行しているので、1205週、つまり25年間も気長に発行していたことになります。



 さて、今年は、大きな変化が二つありました。

 一つは、言葉の森が5月からfacebook活用の取り組みを始めたことです。

 もう一つは、9月から森林プロジェクトという新しい企画を始めたことです。



 言葉の森が、初めて1970年代に作文教室を始めたとき、全国に作文教室という名前のものはありませんでした。

 言葉の森が、初めて1990年代にホームページを開設したとき、全国でホームページを作っている学習塾はほとんどありませんでした。

 その後、言葉の森が初めてPHPとMySQLで動的ページを作ったとき、そういうことをしているサイトはほとんどありませんでした。

 また、言葉の森は、オリジナルな形では初めて日本語の作文小論文自動採点ソフトを作り特許を取りましたが、そういうところはまだほとんどありません。

 言葉の森は、何でも独自に行うので初めてのことが多いのです。



 その言葉の森が、新たに初めてのこととして取り組んでいるのが、facebookの活用と森林プロジェクトの企画です。

 現代という時代の変化の特徴をひとことで言えば、マスの時代の終焉です。しかし、それは、単に昔ながらの古い手工業の時代に戻ることではありません。

 ネットを使い、時空の制約を超えた新しい手工業が、経済、政治、文化、教育、コミュニケーションなどのさまざまな分野で生まれてくるのです。

 この時代は、今、切り口の仕方によっていろいろな名前で呼ばれています。クラウド、メッシュ、シェア、ソーシャルなどです。99%という言葉も、この中に入るかもしれません。

 私は、それを自助の文化の復活と考えています。つまり、社会のあらゆる面で、ひとりひとりの個人が主人公として主体的に物事に関わるようになってくるのです。

 これは、教育についても同様です。そして、そういう教育の中で育った子供でなければ、これからの未来を切り開けないと思います。

 今年は、そのための土台作りの年でした。来年は、facebookと森林プロジェクトを通して新しい方向を作り出していきたいと思っています。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森サイト(41) 
コメント41~50件
……前のコメント
4月の森リン大 森川林
 大学生や社会人になった元生徒の子供たちが、自分が中学生だっ 5/31
記事 5085番
優しい母が減っ 森川林
 娘さんの友達から怖がられているというお母さん、コメントあり 5/8
記事 979番
優しい母が減っ 娘の友達
娘は中3。私は自称甘い母親です。世の中の厳しい先輩ママたちか 5/7
記事 979番
学習グラフのペ 森川林
言葉の森の今後の方針は、デジタルなデータをアナログで送信する 5/6
記事 5058番
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
記事 4657番
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
記事 4657番
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
記事 5034番
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
記事 5030番
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
記事 5028番
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
記事 5027番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
バースデイ ゆめ
 今日、私は16歳になりました。  誕生日のことなんて 4/10
ゆめ日記
Re: トラン 森川林
 と書いた直後、「関税実施は90日間延期」ということで、大幅 4/10
森川林日記
トランプ関税そ 森川林
トランプ改善のその後。 貿易は収縮する。 アメリカ国 4/10
森川林日記
Re: 3月の 森川林
 よく考えたね。  でも、利己的と自己中心的は、意味が違う 3/25
国語読解掲示板
AIで宿題なん 森川林
AIで宿題なんて簡単にできるようになっている。 解決策は、 3/24
森川林日記
3月の小6の確 あかそよ
大問1-2 利己的と自己中心的はほとんど同じ意味だと思いま 3/23
国語読解掲示板
2025年3月 森川林
●小学校低学年の作文は、書いたあとの添削よりも、書く 3/22
森の掲示板
オープン森リン 森川林
オープン森リンのフォームをホームページに設置したら、早速、ア 3/21
森川林日記
SBペイメント 森川林
スクエアはもっと簡単にできたのに、SBペイメントは仕様書だけ 3/19
森川林日記
この1週間、ほ 森川林
 この1週間、ほとんど何も仕事をしなかった。  思索と森リ 3/12
森川林日記

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習