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読解力をつけるための精読とは、じっくり読むことではなく繰り返し読むこと as/1470.html
森川林 2012/03/06 21:15 


 海外で勉強をしている小5の生徒のお母さんから質問がありました。毎月第4週に取り組んでいる読解問題は、長文の内容が難しいので、どこまでがんばらせたらいいか迷うということでした。

 確かに、小5から、読解問題も作文課題も急に難しくなります。小4までの楽しい作文が、小5からは苦しい作文になるのです。しかし、小5になると、子供たちの中に勉強に対する向上心のようなものが出てくるので、易しいやりやすい課題に取り組むよりも、少し難しい課題に挑戦する方が勉強に対する意欲も高まります。

 とは言っても、海外で日本語の環境が周囲にない中で、難しい文章を読むというのはやはり大変です。そういう場合は、どうしたらいいのでしょうか。

 ここで大事なのは、どんなに難しい文章であっても、その文章の内容を理解すれば取り組めるようになるということです。

 文章を理解する方法というと、普通は、文章をじっくり読み、わからない言葉を辞書で調べて読むようなことだと思う人が多いと思います。しかし、文章を読んで理解する方法というのは、そのようないかにも勉強的なやり方でない方がいいのです。

 その方法は、ひとことで言えば、繰り返し読むということです。「読書百遍意自ずから通ず」という言葉がありますが、文章を理解するいちばんの方法は、この言葉のとおりです。ちょっと拍子抜けすると思いますが(笑)。

 自分がすっかり理解できていると思っている易しい文章であっても、繰り返し読んでいると、その奥にあるもっと深い理解が突然浮かび上がってきます。途中の言葉の意味に多少わからないものがあっても、繰り返し読んでいれば、全体の理解は必ず深まります。

 しかし、同じ文章を繰り返し読むということは、なかなかできません。現在の、知識重視の文化の中では、1回読んだものを2回も3回も読むのは時間の無駄のように思ってしまうからです。しかし、本をよく読む人はわかると思いますが、3冊の本を1回ずつ読むよりも、1冊の本を3回読む方が、得るものはずっと多いのです。

 繰り返し読む方法で最も役に立つのが音読という方法です。音読をすすめる本はいろいろありますが、どの本もなぜ音読がいいのかという点を誤解していません。音読がいいのは、繰り返し読むことができるからです。

 毎月第4週の読解問題は文章の量も多いので、全部読むのは大変です。そこで最初の1題だけの文章(1番と2番のもとになる文章)だけを1週間毎日音読で読み続けます。その上で、その1番と2番の読解問題に取り組めば、たとえ答えが×になっても、解説を読むことで得るものは大きくなるはずです。

 この繰り返し音読するという方法は、毎日2、3分あればできます。子供が音読している間、お母さんは朝ご飯の支度でもしながらときどきその音読を聞くともなしに聞いて、音読が終わったら褒めてあげればいいだけです。ぜひ試してみてください。


(写真は、いろいろな貝)
ドッカイもあるかなあ。

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作文試験、面接試験の対策は、家庭の対話の文化から(facebook記事より) as/1469.html
森川林 2012/03/06 07:28 


 日本では、九九のできない子はいない。
 アメリカでは、九九のできる子はいない。
 インドでは、99×99の九九までできる子がいる。
 すべて教育というより文化。

 なぜできるのかと言えば、学校で教えているからではなく、家庭の中に、それができて当然という文化があるからです。

 学校の勉強はきっかけで、その勉強を支えているのが家庭です。

 特に、日本語力はそうです。

 国語の勉強は、教科書や参考書や問題集で力がつくのではなく、家庭での日本語文化で力がつくのです。

 来年度から高校の入試で、思考力、表現力が問われるようになり、作文、小論文、面接などの試験が増えるようです。

 対策は、面接問答集を覚えることではなく、家庭で両親と対話をする時間を作ることです。


 ということで、今日のテーマは、家庭の対話の文化。

1、家庭の対話についてひとこと、
 又は、
2、「か、て、い」「た、い、わ」で五七五、
 又は、
3、何でも自由にどうぞ。


 ただ、対話はひとつの文化ですから、これまで何もなかったところに、突然、「はい、対話」と言われても話すことがありません。

 ただ見つめ合っているだけになるかも……(笑)。

 対話の仕方にも、最初は工夫が必要なのです。

 その工夫のひとつが、感想文の課題となるやや難しい長文を毎日音読し、その音読した長文をテーマにして親子で話をすることです。


 今日は、先ほどまで威勢のいい雷が鳴っていました。

 でも、そのあと、西から明るい空が広がってくるようです。

 晴れと雨を交互に繰り返しながら、だんだん季節が春に変わってくるのでしょう。


 それでは、今日もいい一日をお過ごしください。

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900字の暗唱チェックの様子 as/1468.html
森川林 2012/03/05 20:00 
 小4の生徒の900字暗唱チェックの様子です。
 生徒が暗唱をしている間、先生は、前回の作文を見たり読書の記録をつけたりと、ほかのことをしています。

(画面を一時停止すると「Share」の画面が出てきますが、左上の「×」をクリックすると元の再生の画面に戻ります。)

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記事 1467番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
言葉の森が考える未来の作文発表会(facebook記事より) as/1467.html
森川林 2012/03/05 06:31 



 未来の作文の発表会は、
 十把一絡げのコンクールではなく、
 顔の見える親子どうしの
 コメントの書き合いになるだろう。

 作文の発表会や作品集の発行で困るのは、主催する側が、ただ作品を並べるだけではまとまりがつかないと思ってしまうことです。

 そこで、これまではコンクール形式による優秀作品の選定で、格好をつけてきました。

 しかし、そういうやり方で、当の参加する子供たちが喜んでいるかといえば、そんなことはまずありませんでした。

 賞に縁のない大多数の子供たちにとって、コンクールや優秀作品集は、よその世界の出来事だったのです。

 そこで、言葉の森が今考えているのは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス的な作文発表会(笑)。

 顔の見える親子どうしで、例えば、A君の作文についてBさんの親子がコメントを書き、Bさんの作文についてA君の親子がコメントを書くような形です。

 音楽でも、上手な人の歌をただ聴くだけより、下手でも自分たちで歌うカラオケの方が楽しいのですから、作文でも同じです。

 これまでの社会では、顔の見えない消費者が、いい顔しか見せない企業と、作られた広告でつながっていました。

 これからは、顔の見える参加者どうしが自助の精神で、自分たちのことは自分でやるという形が主流になっていくのだと思います。

 そういう社会では、企業もまた、物を売るために存在しているのではなく、よりよい社会を作るために存在しているのだという原点を思い出すようになるでしょう。


 そこで今日のテーマは、消費から参加へ。

1、消費と参加についてひとこと、
 又は、
2、「さん、か、しゃ」で五七五、
 又は、
3、何でも自由にどうぞ。


 今日は、日本列島、ほとんど雨。

 将来、科学が発達すれば、気象も上手にコントロールできるようになるのでしょうが、今のところはまだ少し難しいようです。

 今できるのは、天候に合わせて自分の生活をコントロールするぐらい。

 雨もまた楽しの精神で、今日もいい一日をお過ごしください。

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記事 1465番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
作文の授業の動画 as/1465.html
森川林 2012/03/04 21:28 
 自宅で作文の勉強をする人が、勉強を始めるきっかけにできるように、通学教室の作文の授業の様子を動画で流すことにしました。
▽中2の3.1週の例

(画面を一時停止すると「Share」の画面が出てきますが、左上の「×」をクリックすると元の再生の画面に戻ります。)

 授業の動画を掲載するページは、「ジュンベリーの丘」
https://www.mori7.com/okajg/

 ただし、小学校5年生以上の課題は難しいので、事前の課題長文の音読などの準備が必要です。
 世間一般の作文指導は、作文を書いたあとの事後評価が中心です。言葉の森は、開設当初から、この事後評価の代わりに、事前指導に力を入れてきました。
 しかし、今はさらに、事前指導よりも前の事前の予習がもっと重要だということがわかってきました。事前の予習をすることを条件にして、この授業の動画を活用してください。

 なお、学年別の授業は、授業の渚にも全学年分が掲載されています。

小1 小2 小3 小4 小5 小6 中1 中2 中3 高1 高2 高3

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仕事優先の社会から子供優先の社会へ(facebook記事より) as/1464.html
森川林 2012/03/04 09:39 



 今は、大人の仕事や生活が中心の社会だが、
 将来は、子供の幸福な成長が中心の社会になる。
 仕事優先から子供優先になったとき、
 社会の質も変わってくる。

 子供が小学生なのに、父親だけ単身赴任という家庭があります。

 会社の都合が優先され、父親不在の家庭が生まれることによって、社会全体としては大きな損失を被っているはずですが、そのことを指摘する人はほとんどいません。

 仕事優先の考えが行きわたっているからです。

 子供が小学生なのに、仕事にくたびれたお父さんが、せっかくの日曜日に昼まで寝ている家庭があります。(あ、たまにはいいんですけど(笑))

 やはり、仕事優先の考えが行きわたっているからです。

 子供たちの成長の基盤になるのは家庭です。

 どういう家庭が理想かということは、自分が子供だったときのことを思い出してみればわかります。

 優しい父と母、楽しいお喋り、自由な時間が子供たちの宝物の時間だったはずです。

 そういう家庭文化を作っていくのが、これからの親も含めた社会全体の課題になると思います。


 ということで、今日のテーマは、子供と家庭。

1、子供と家庭についてひとこと、
 又は、
2、「こ、ど、も」「か、て、い」で五七五、
 又は、
3、何でも自由にどうぞ。


 今日は雨模様の静かな日曜日。

 こういう日も、まず家の中で、お父さんかお母さんが率先して太陽のような笑顔を見せることです。

 子供は影響されやすいので、すぐに楽しい笑い声が広がります。

 どんな天気の日も、家の中だけは快晴にしていきましょう。

 それでは、今日もいい一日をお過ごしください。


(写真は「SOZAIjiten」より)
 まず、野菜たっぷりの朝ごはんから。

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勉強も勝ち負けのワクワクから創造のワクワクへ(facebook記事より) as/1463.html
森川林 2012/03/03 09:10 



 ワクワクすることをしよう。
 でも、ワクワクにも2種類ある。
 損得や勝ち負けのワクワクではなく、
 創造と共感のワクワクを目指そう。

 大儲けするワクワクや、大勝負に勝つワクワクというものも確かにあります。

 しかし、それはみんなが共有できるワクワクではありません。

 その裏に、大損した人や、大負けした人がいて初めて成り立つワクワクだからです。

 創造のワクワクというのは、共有できるワクワクです。

 本田宗一郎が、画家のシャガール宅を訪問し、日本の筆をプレゼントしたとき、シャガールはその筆を手にとるとうれしそうにそのまま自分の部屋に入ってしまったそうです。

 そのため、訪問した宗一郎はほったらかし(笑)。

 しかし、そのシャガールの創造への好奇心に感動したというのが本田宗一郎のえらいところです。

 分野は違っても、創造のワクワク感というものを知っている2人だったのでしょう。


 そこで、今日のテーマは、ワクワク。

1、ワクワクについてひとこと、
 又は、
2、「わ、く、わ、く」を適当に入れながら五七五、
 又は、
3、何でも自由にどうぞ。


 創造のワクワク感を持つためには、あるレベルまでの実力をつける必要があります。

 剣の道を究めた武蔵も、若いときに勝ち負け世界に生きていたからこそ自分の技を磨くことができたのでしょう。

 だから、勝ち負けが悪いわけではありません。そこを最終ゴールにしないことが大事なのです。

 受験も、オリンピックも、勝ち負けのあとに続く道を見ることができるかどうかが人間の器を示すことになると思います。


 それでは、今日もいい一日をお過ごしください。


(写真は「SOZAIjiten」より)
 そう、ゾウもワクワク。

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「東大生が選んだ勉強法」を見て思ったこと as/1462.html
森川林 2012/03/02 21:46 



 書店で本を眺めているとき、「東大生の勉強法」という雑誌が目にとまりました。内容に期待したわけではありませんが、ふと手にとって眺めてみると、言葉の森がいつも述べているような勉強法がしっかり書かれていました(笑)。だから、言葉の森の生徒で自習をしっかりやっている子は、どの教科の成績もいいのだと納得しました。

 実際、言葉の森で勉強していて東大に入ったような子は(別に東大に限らなくていいのですが)どの子も、入試の直前まで力作の文章を書いていました。そういう生徒の勉強法には共通点がありました。要は、よい教材を反復して自分のものにするという方法です。この雑誌には、ほかにも言葉の森の自習法と似た話があちこちにあったので、思わず購入してしまいました。

 そして、買ったあと、「こういう正しい勉強法が広がれば、どの教科もほとんどの生徒が満点になって、もうテストをする意味がなくなるという時代が来るのだろうなあ」と思いました。今は、小中高と大多数の生徒が間違った勉強法をしているために、できる子とできない子の差が出ているのです。

 みんなが、というのは小中学生の場合は親も含めてですが、正しい勉強法を身につければ、普通の子なら誰でも今の東大に入る実力を持てるようになると思います。ただし、今の入試には不要な勉強も多いので、無理して受験勉強をする必要はないというだけです。

 そして、これから来ることが予想されるのは、大学入試の定員制の撤廃です。インターネットの時代に、入学定員を絞る必要など全くありません。放送大学のように、勉強したい人は、どの大学のどの講義も聴講していいのです。そして、修了証がほしい人は、レポートを提出すればいいのです。しかし、そういう時代には、修了証などは無価値になっていますから、わざわざレポートを書く人はいません。人に認めてもらうために勉強しているのではなく、自分の向上のために勉強しているのですから、修了証などはもともと要らないのです。

 そして、そうなったときに何が残るかと言えば、それは、与えられた条件で何かを創造する力です。これまでの社会では、与えられた条件が知識の差となっていました。だから、知識や学歴が能力の差のように思われていたのです。しかし、知識の量に差がなくなる時代に残るのは、その人らしい個性的な創造の差です。

 これまでは、いい成績を上げていい学校に入ることが目標のように考えられていました。これからは、そのようなことはだれでもできるようになるので、その先にあるものを考えなければなりません。それが、自分なりの創造性を育てることです。

 そして、創造性を育てるのにいちばん必要なものは何かというと、子供時代の心からの遊びと、青年時代からの難しい読書、そしてその間に一貫して流れている家族との楽しい知的な対話です。

 ところが、今の社会では、子供に早めにいい成績を取らせるために、子供時代は遊びよりも勉強を優先させ、夜遅くまでの塾通いで家族との対話もなく、そして、大学に入ったら勉強に飽きて、もう難しい本を読む意欲もなくなるという正反対の子育てをしている人があまりにも多いのです。

 対策は簡単です。今の世間の風潮に流されず、親が自分の判断で子育てをしていくことです。そして、勉強とは、いい成績を取るためにするものではなく、創造性を発揮する土台を作るためにするものだという原点を確認していくことです。

 まだ、こういう話に納得する人は少ないかもしれませんが、世の中は確実にこの方向に動いてい ます。成績は、よくて当然。成績の先にあるものを考える時代に入ってきているのです。

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