ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1520番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
集団指導、個別指導のいずれでもなかった寺子屋の勉強 as/1520.html
森川林 2012/04/16 05:28 


 学校や塾などの集団指導は、低い方に合わせる形になりがちです。(あるいは高い方に合わせて低い方は見捨てる形に)
 個別指導は、不自然にコストがかかります。行きつく先は1人の生徒に何人もの先生ということになるでしょう。自然界にこのような能率の悪い仕組みはありません。

 江戸時代の寺子屋は、そのどちらでもない集団の中での自習指導でした。だから、親も生徒も先生も楽、生徒は自分のペースで勉強して実力をつけ、短時間で勉強が終わるからたっぷり遊ぶこともできました。
 しかも、コストはほとんどかかりません。月謝を払えない家庭では、その家の畑で採れた野菜を持っていって済ませるということもかなりあったようです。

 しかし、現代の自習指導は、次々とプリントを配りプリントをこなすことで対価を得る方式ですから、教育で最も大事な「できないところだけを繰り返す」ということがなかなかできません。
 その結果、勉強に時間がかかるわりに実力がつかない学習スタイルになっています。

 江戸時代の300年間は、実はまだ発見されていない多くの宝物が眠っています。

 その江戸時代の教育方法をただ現代に復活させるだけではなく、現代的にアレンジして再生していくことが大事だと思いました。

 その試みのひとつとして今取り組んでいるのが「森林プロジェクト」です。
http://www.facebook.com/groups/shinpro/

 世界に通用する日本発の新しい教育を作っていきたいと思っています。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) facebookの記事(165) 森林プロジェクト(50) 

記事 1519番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
これからの教育に必要なもの―学力向上の先にあるもの 3 as/1519.html
森川林 2012/04/14 21:45 


 今日の教育における二つの問題、学力格差の拡大と、学力以外の要素の欠落についての話の続きです。

 原因の第三は、教育の目的が学力の向上だけに絞られ、それ以外の要素が教育というものの守備範囲の中に入っていないことです。

 教育には、学力以外の教育、例えば、道徳の教育や身体の教育もあります。知識を育てること以外に、社会生活を行う上で大切なものが数多くあります。勇気、正直、思いやり、弱い者への親切、困難に対して闘う力、金銭に対する教育、日本の歴史や伝統に関する知識、将来の仕事を考えること、さまざまなしつけ(道にごみを捨てない、席を立ったらイスをしまう、人に会ったらあいさつをする)など、知識教育以外のきわめて広範な教育の分野がありますが、それらが、今は個人の主観の問題として個々人の自由な判断に任されています。個人の自由というと聞こえはいいのですが、実際には、子供たちが将来日本の社会で生活する際の民度の水準を低め合っているのです。

 日本は、落し物が戻ってくる国です。しかし、これを生まれつき日本人に備わっているものではありません。日本の文化的伝統が支えている教育の成果なのです。意識して育てていかなければ失われる美徳なのだということを自覚する必要があります。そして、現在、これまでの教育のサボタージュによって、年齢が下がるほど日本人の民度が下がっている印象があるのです。

 今、あらゆる教育機関は予備校化しています。学習塾や予備校は当然最初からそうですが、小中学校も、より上の高校や大学に行くための予備校になり、最後のゴールである大学も、次のゴールである就職の予備校のようになっています。この予備校の評価の尺度は学力です。どの教育機関も、トコロテン式に次のステージに子供を送り出すためのものになり、その際の基準が学力になっているのです。

 学力が教育の中心であることは当然ですが、この学力だけをほぼ唯一の尺度として子供を評価する結果、学力の低い子は人間全体の評価が低いように見なされ、それが更に学力の低下に拍車をかけます。一方、学力の高い子は、その反対に学力の高さに優越意識を持ち学力の低い子を見下すようになりがちです。本来は、学力の高さを生かして社会に貢献しなければならないのを、学力の高さを自分個人が得をするための手段のように考えてしまうようになるのです。

 学力を社会のために生かすか個人のために生かすかという意識の差は、社会に出てからの向上心の差を生み出します。個人の利益を中心に考えると、自分個人の利益がそこそこ手に入ればそれ以上努力する必要はなく、あとは獲得したポジションを維持することにだけ気を配るだけになります。それが、日本の社会全体の学力の低下と倫理観の低下を生み出しているのです。

 では、どこがこの状態を改善する責任を持つかといえば、それはやはり教育です。教育とは、英、数、国、理、社の教育にとどまるものではありません。人間と社会をよりよいものにするために人間の全体にわたって関わるものです。そのための教育の理論が今求められているのです。(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

ちゃくちゃく 20120417  
子どもを塾に通わせるのには抵抗があります。なんだか大事な子どもを取られた上に、ダメにされてしまうような気がします。
遠回りで効率は悪いかもしれませんが、子どもにはエリートになる教育ではなく、幸せになる生き方を教えてあげたいと思うからです。

森川林 20120417  
 学習塾にはいろいろな問題がありますが、いちばん大きな問題は、家庭での親子の対話の時間がなくなることだと思います。
 ただし、今の受験は末期症状で、学力よりも情報力の勝負になっていますから、塾の情報を利用して勉強は自分でするというのがいいと思います。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント121~130件
……前のコメント
7月の森リン大 森川林
 中学生になると、それまで小学生のうちは、お父さんやお母さん 10/31
記事 4830番
7月の森リン大 森川林
小6のころは、お父さんやお母さんへの取材も自然にできるので、 10/30
記事 4830番
不登校の原因は 森川林
不登校の根本原因は、学校の授業が退屈なこと。 だから、授業 10/26
記事 4829番
作文は、出力す 森川林
作文の勉強というと、赤ペン添削というのが普通でした。 しか 10/25
記事 4828番
ランキングのペ リク
サンキュウ 10/20
記事 4463番
ランキングのペ リク
一位だー 10/20
記事 4463番
作文が早く書け 森川林
 最新の音声入力の記事は、こちらです。 https://w 10/11
記事 3310番
作文が早く書け 森川林
 拝見しました。  面白い試みを教えてくれてありがとうござ 10/11
記事 3310番
作文が早く書け heoq
子供が作文の宿題に使うために、音声認識と音声合成を試してみま 10/11
記事 3310番
優しい母が減っ :
私のお母さんは、自分がイライラしているとすぐものに当たったり 10/6
記事 979番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習