勉強をすれば頭がよくなるというのは、普通の話ですが、勉強をして頭が悪くなるような勉強の仕方もあります。
しかし、なぜそういう勉強の仕方をしてしまうかというと、その勉強でそれなりに点数がよくなるからです。
目に見える形で表面に出てくるのは点数ですから、親も子もつい点数を上げることを目標にしがちです。しかし、点数は勉強の目的ではありません。勉強の目的はひとことで言えば、頭をよくすることです。その計測の方法のひとつとしてテストがあるのです。
小学校低中学年の子で、勉強や宿題が忙しいから本を読む時間がないというようなことを言う子がいます。
勉強が忙しいというだけあって、みんなそれぞれ学年相応よりも賢くしっかりしています。しかし、そう見えるのは小学校の間だけで、中学、高校と学年が上がるにつれて、成績が見劣りするようになってくるケースが多いのです。
頭のよさの基本は、考える力です。考える力のもとになるのは、考えるための語彙の豊富さです。そういう生きた語彙は、読書のように生きた言葉と接することによって身につきます。熟語集のように知識として身につけるものは、生きた言葉にはなりません。
しかし、テストというものはその性格上、大量に客観的に採点する必要から、死んだ知識をたくさん覚えているクイズマニアのような子の方が、自分の頭で考える生きた知識を持つ子よりも、往々にしてテストの点数がいいことがあります。
だから、そのテスト結果を見て、「本など読む暇があったら、テストに出る知識のひとつでも余計に覚えておいた方がいい」という発想になりがちなのです。
もちろん、ただ何の本でも読んでおればいいというのでは、本の読み方としては不十分です。本当は、その学年に応じて少し難しい抽象的な語彙も含まれた本を読んでいくことが大事です。
しかし、それでも、テスト対策向けの知識を覚えるような勉強をするよりも、どんな本でも読書をしていた方が頭の成長にはずっといいのです。
次は、頭をよくする本の読み方です。(つづく)
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なるほど( ̄^ ̄)ゞ
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漢字かな交じり文だから、漢字が思考をイメージ化し、かながそれらを結びつける。
母音言語だから、音声となった言葉が心に響いてくる。
膠着言語だから、てにをはの助詞と文末の助動詞に気を配る集中力が生まれる。
だから、頭をよくするいちばんの勉強は日本語を使うこと。
日本人は、そんな日本語を使っているから、勉強麺では本当はとても有利な立場にいるのです。
しかし、その日本で学力格差が生まれているのは、日本語の学習(国語ね)がうまく行っていないからです。
日本語の学習の大部分は、学校ではなく家庭で行われています。
だから、家庭での日本語環境を豊かにすることが、これからの教育の大きな課題になると思います。
(中根)
静かな夜明け前。遠くでヒグラシが鳴いています。
今日も暑くなりそうな予感。
「宿題なんかお母さんがやってあげるから、あなたは楽しく遊んできなさい」
って言ってくれるお母さんがいたらいいなあ(笑)。
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頭をよくする勉強として日本語を使うというのは、具体的には、ちょっと難しい文章を繰り返し音読することです。
言葉の森では、これまで受験生には、入試問題集の問題文を読書がわりに読むことをすすめていました。
今、これをもっと発展させた勉強を開発しているところです。
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中学入試でも、高校入試でも、もちろん大学入試でも、そして就活のエントリーシートでも、文章を書く形の試験が増えています。
勉強の仕方として、チャレンジやZ会の通信講座で作文の添削を受けることもできます。しかし、書いたあとにいくら赤ペンを入れられても、ほとんどの子の作文力は上達しません。
作文は、子供が小さいころほど、教える先生と教わる生徒の人間的なつながりが必要になってきます。言葉の森のような毎回の電話指導がなければ、通信講座で作文を勉強することはかなり無理があるのです。
作文指導で、いちばんいい先生は、その子のことをよく知っているお母さんや、お父さんや、近所の人たちです。そこで、言葉の森では、言葉の森独自のカリキュラムと教材によって、お父さんやお母さんが自宅で自分の子供や近所の子供たちに作文を教えられるシステムを作りました。
しかし、作文を教えるのは、ほかの勉強を教えるのと違って独特の難しさがあります。ほかの教科は頭と手だけで勉強できますが、作文はそれに加えて心の働きが必要になります。つまり、書きたいという意欲をいかに引き出して持続させるかということが、作文を教える上で重要なノウハウとなっているのです。
そこで、お父さんお母さん方を対象に、日曜日の丸1日合計6時間の作文指導の講習会を開きます。この講座は有料ですが、これを受講すれば講座の中で講師資格試験が受けられ、その試験に合格すれば、言葉の森の教材を使って自宅で作文を教える講師資格が取得できます。
これからの教育で最も大事になるのは、思考力と表現力と創造力です。作文教育の大切さが、これから必ず注目されてきます。
作文指導は、学校の一斉指導でも、塾の個別指導でも、通信講座のプリント学習でも、決して十分にはできません。
書く力や考える力は、毎日の家庭の生活の中で自然に育てていくのが最も確実な勉強の仕方です。
月に1、2回、通信講座で知らない先生の赤ペン添削を受けるよりも、自宅で毎日10分の音読をして毎週1回の作文を家族の対話の中で書く方がずっと力がつくのです。
「言葉の森 作文 講師資格講座」受講者募集中。
https://www.mori7.com/sikaku/
7月29日(日)10時~17時 横浜
8月26日(日)10時~17時 品川
以下、全国各地で講師資格講座を開いていく予定です。
開催地をご希望の方はご連絡ください。
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講師資格講座、是非埼玉県で開講していただきたいです。
ご検討をよろしくお願いいたします。
kayokayoさん、ありがとうございます。
埼玉県にも行きたいと思います。
いい会場があったら教えてください。→ nane@mori7.com
大阪では開催しないんですか?
順番としては、今の言葉の森の生徒数の多い順に、神奈川、東京、千葉、大阪、兵庫、愛知、埼玉と、月に1、2回のペースで回っていきたいと思っています。
大阪でいい会場があったら教えてください。
森川森様
コメントありがとうございました。
講座会場ですが、条件などはございますか?
会場の大きさや交通の便など条件がありましたら教えてください。
森川林様
先ほどはペンネームを間違えてしまい失礼いたしました。
すいません。
kayokayoさん、ありがとうございます。
主要な駅の近くで、20人ぐらいが入れる小会議室で、時間は午前10時から午後5時ごろまで、料金はもちろん安い方がいいけど高くても構わない、という感じです。
こちらにご連絡くださっても結構です。
→ nane@mori7.com (メール)
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