駅前に延々と並ぶタクシー、需要のないところに集まる供給。
これが今の日本の沈滞を表す現象です。
だから、みんなが豊かになるためには、一人ひとりが需要を作ることです。
しかし、それは、残業をして終電に間に合わない生活をすることではありません。
喜びに基づいた需要を作ることです。
その需要のひとつが起業です。
というのも、多くの人の喜びは今、いいものを買いたいというところから、いいものを作りたい又は売りたいということになっているからです。
もう、クーラーも、カラーテレビも、自動車も、心をときめかせるものではなく、真に心をときめかせるものは、自分が始める新しい仕事になっているのです。
その仕事を、今の企業社会の中で、大量の宣伝費を使って無理矢理に力技で社会に割り込ませるのではなく、親しい知人のつながりの中で、互いに長所や弱点を補い合いながら静かに優しく広めていくのが、これからの資本主義を超えた社会の仕事の姿です。
人間は、人間らしい仕事をするために生きています。
そして、そういう社会が日本の中で育っていくことが、これからの世界の真の平和と発展につながるのです。
言葉の森が今考えているのは、その新しい仕事を、作文を中心とした教育として進めていく森林プロジェクトという寺子屋運動です。
その寺子屋は、初めは子供の勉強から始まって、やがて大人どうしの能力開発につながっていくでしょう。
日本人が好きなのは、レジャーよりも、自分の向上のようなもの、つまり道の文化だからです。
森林プロジェクトのfacebookグループ
http://www.facebook.com/groups/shinpro/
(作文や子供の教育や起業や面白い人生に関心のある方、どうぞ)
言葉の森の作文の体験学習セットができました。
これまでは、その学年で使う通常の教材を、そのまま体験学習でも使っていたために、かなり難しいことまで最初から説明しなければなりませんでした。
今回新たに作成した体験学習セットは、基本的には通常の教材を同じですが、複雑な部分を少なくしてあるため、取りかかりやすくなっています。
長文暗唱の自習は、説明がかなり複雑になりますが、これは体験学習セットの中に残すことにしました。その理由は、この長文暗唱が、家庭学習の進め方の基準となるからです。
長文暗唱は、毎朝10分自習の時間を確保できれば、誰でもできるようになります。この暗唱の自習が抵抗なくできる場合は、課題の長文の音読や対話や読書も同じ流れで進めることができます。
しかし、毎朝10分の自習時間を確保できない場合は、無理に暗唱に取り組む必要はありません。この場合は、授業の前に事前に課題の長文を読んでおくことと、毎日の読書をすることが自習の中心になります。
家庭学習というのは、無理な目標を決めてできたりできなかったりするよりも、楽にできる目標で毎日コンスタントに続ける方が効果があります。
その自習の進め方の基準を家庭で決められるように、長文暗唱の自習を体験学習でも行うようにしたのです。
言葉の森の作文指導が、他の通信講座などの作文指導と大きく違うところは、事前の指導に力を入れていることです。
他の通信講座などの作文指導では、子供たちが作文を書いたあとに赤ペンで添削をする教え方が主流です。しかし、書いたあとにいくら赤ペンでていねいに添削しても、それで作文力がつくわけではありません。書く前に、どう書いたらいいかを説明するからこそ、その目標に向かって実力を伸ばすことができるのです。
しかし、作文の場合は、努力したからといってすぐに実力がつくわけでないというところに大きな問題があります。他の教科の勉強は、知識が理解できればそれが実力になりますが、作文の場合は知識を理解しただけでは実力はつきません。作文力の背後には、語彙力、読解力、思考力、表現力の総合的な実力の蓄積があるのです。
その作文力の背後にある力をつける学習が読む学習です。しかし、文章を読む学習というのは、問題を解く形の学習に比べると形が残らず指導も評価もしにくいので、学校でも塾でも家庭でもあまり行われていません。国語の成績が上げにくいというのは、読む学習よりも問題集を解くような学習が中心になっているためです。
ところが、暗唱というのは読む学習でありながら、読んだことが形として残ります。そのため、真面目に取り組む子ほど、ただの音読よりも暗唱の方に学習のしがいを感じるのです。
この音読、暗唱、素読などの学習を、幼児や低学年の能力開発として行っているところもあります。低学年のころは、文章を暗唱する能力が高まる時期なので、枕草子や平家物語などの文章もすらすらと暗唱できるようになります。
しかし、暗唱は、暗唱ができるようになること自体に意味があるのではなく、暗唱する長文の語彙と構成を生かして、作文力の土台を作っていくというところに意味があります。
作文の学習というものは、教える手順が正しくないと、なかなか続けることができません。作文を添削するだけならしばらくは誰でも教えることができますが、長期間にわたって作文の勉強を見ていくことができる教室や通信講座というのはほとんどありません。
だから、読む学習と書く学習を結びつけて、幼児・小1から高3・社会人まで継続して作文力を向上させていけるような学習法が必要になるのです。
【言葉の森の作文体験学習セット】