facebookに次のような記事を書きました。
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勉強というと、答えを隠しておいて、問題を解かせて、合っていたとかいないとかやる形が多いのですが、本当は、問題も答えも両方すぐに見られるようにして、「なるほど、こういう問題でこういう答えになるんだ」と考えさせた方が、ずっと密度の濃い勉強ができます。
だから、高校生用の問題集などでは、答えが問題のすぐ横に書いてあるものも多いのです。
しかし、小中学生の問題集は、答えがすぐには見られないようになっています。学校や塾で使っている問題集の中には、答えがはずしてあるものもあります。
また、答えがついている場合でも、解説が簡単すぎて自学自習に向いていないものもよくあります。
解かせる勉強から、読ませて考えさせる勉強に、という工夫がこれから必要になってきます。
公立中高一貫校の問題などを見ると、勉強のできる子というよりも、読んだり考えたり書いたりすることが好きな子が、楽しんで解くような問題が中心です。
時間内に解くという制約があるので試験になっていますが、時間制限がなければ、子供が楽しめる知的な読み物という感じの問題です。
これからの時代は、こういう考えることが好きという学力が必要になってくるのだと思います。
「え、なあに。私のこと呼んだ?」
「いや……別に」
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最後のカンガルーは、おまけです(笑)。
では、公立中高一貫校の受験に対応できるような考える力はどのようにしてつくのでしょうか。
高学年になってからの勉強ももちろん大切ですが、もっと大切なのは小学校中学年までの勉強です。
まず、低中学年のころまでに、読むことが好きという姿勢を作っておくことです。
言葉の森の教室で、生徒に保護者向けのプリントなどを渡すと、すぐにそれを読み出す子がいます。そういう子が、読むことが好きな子です。
その反対に、字がたくさん書いてあるものを見ると、すぐにしまってしまう子もいます。そういう子は、読むのがあまり好きでない子です。
次に、考えることが好きな子にしておくことです。そのためには、詰め込みの勉強はかえってマイナスです。
小さいころから問題を解くような勉強をたくさんさせられている子は、勉強という言葉の響きにいい感情を持っていません。
そういう子は、問題をじっくり考えて解くよりも、早く答えを出して正解にしたいという気持ちを持ちがちです。
考えることを好きにするには、勉強の量を増やしすぎないことです。
そしてもうひとつは、書くことが好きな子にしておくことです。
これは、書く機会を増やすことと、書いたものをいつも褒めることです。
今の教育環境では、文章を書く機会はあまり多くありません。そして、たまに書くと、書き間違いを注意されたり直されたりします。
書き間違いは、読む量がまだ少ないために起きていることなので、作文の上だけで性急に直そうとすると、書くことが自体が苦手になってしまうことが多いのです。
こういう、低中学年の、読む力、考える力、書く力の基礎の上に、高学年の受験対策があるのです。
今日のfacebook記事に、次のような記事を書きました。その追加の話です。
====facebook記事より====
早く終わっていいことがあるなら、早く終わるけど、
早く終わって新しい勉強が追加されるだけなら、ゆっくりやっていこう。
そういうことを子供のころから繰り返していると、集中せずにやることが身についてしまいます。
集中力をつける一つの方法は、小さいころからお手伝いをさせることです。
お手伝いのような本当は面倒なことを毎日繰り返しやっていると、手際よく仕事を済ませる習慣が身につきます。
しかし、現代のような電化社会では、苦労してお手伝いするようなことがあまりないので、そこは工夫が必要です。
集中力をつけるもう一つの方法は、勉強に関しては、時間で計らず分量で量ることです。
その点、お手伝いは、時間ではなく分量で量るのは自然だからいいのです。
○時から○時まで勉強するというのではなく、○○を○○ページまでという形にすれば、自然に早く済ませるようになります。
ただし、早く済んだから新しい勉強を追加させようとしてはだめ(笑)。
何度かそういうことをすると、子供は意地でもゆっくりやるようになります。
子育てにも、それなりの作戦が必要なのです。
いちばんいい基準は、自分がもし子供だったらそうされたらどうかと考えることです。
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その追加。
集中力をつける第三の方法は、目標を明確化し、それをできるだけ数値化し、それをできればグラフ化し、自分の目標と達成度が自分自身にビジュアルに見えるようにすることです。
他人に見せたり他人と競争したりするのではなく、自分の目に見えれば、人間は自然に集中してやるようになるのです。
しかし、今の社会では、こういう工夫があまり教えられていません。
昔の親の世代は、生きるのに必死だった時代を経ているので、自然に集中して仕事をする癖がついていますが、子供の世代は生まれたときからそれなりに豊かだったために、集中しないで生きる癖がついているのです。
そのため、子供が勉強をなかなかしないことに親が業を煮やすと、すぐ塾に行かせるようなことを考えます。
塾に行けば、勉強の場所と時間が強制されるので、嫌でも勉強するようになりますが、それは逆に自分で工夫して勉強する機会を失うことにもなるのです。
社会に出れば、そういう塾に行くような外からの強制はありません。
みんな、自分で自分を律して生きています。
だから、子供のころから、遠回りのように見えても、自分で自分を励まして勉強したり仕事をしたりする機会を作っていくといいのです。