ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1735番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
公立中高一貫校の考える勉強をどう進めるか(facebook記事に関連して) as/1735.html
森川林 2013/02/05 09:25 


 facebookに次のような記事を書きました。

====
 勉強というと、答えを隠しておいて、問題を解かせて、合っていたとかいないとかやる形が多いのですが、本当は、問題も答えも両方すぐに見られるようにして、「なるほど、こういう問題でこういう答えになるんだ」と考えさせた方が、ずっと密度の濃い勉強ができます。
 だから、高校生用の問題集などでは、答えが問題のすぐ横に書いてあるものも多いのです。

 しかし、小中学生の問題集は、答えがすぐには見られないようになっています。学校や塾で使っている問題集の中には、答えがはずしてあるものもあります。
 また、答えがついている場合でも、解説が簡単すぎて自学自習に向いていないものもよくあります。

 解かせる勉強から、読ませて考えさせる勉強に、という工夫がこれから必要になってきます。
 公立中高一貫校の問題などを見ると、勉強のできる子というよりも、読んだり考えたり書いたりすることが好きな子が、楽しんで解くような問題が中心です。
 時間内に解くという制約があるので試験になっていますが、時間制限がなければ、子供が楽しめる知的な読み物という感じの問題です。

 これからの時代は、こういう考えることが好きという学力が必要になってくるのだと思います。


「え、なあに。私のこと呼んだ?」
「いや……別に」
====

 最後のカンガルーは、おまけです(笑)。


 では、公立中高一貫校の受験に対応できるような考える力はどのようにしてつくのでしょうか。

 高学年になってからの勉強ももちろん大切ですが、もっと大切なのは小学校中学年までの勉強です。
 まず、低中学年のころまでに、読むことが好きという姿勢を作っておくことです。

 言葉の森の教室で、生徒に保護者向けのプリントなどを渡すと、すぐにそれを読み出す子がいます。そういう子が、読むことが好きな子です。
 その反対に、字がたくさん書いてあるものを見ると、すぐにしまってしまう子もいます。そういう子は、読むのがあまり好きでない子です。

 次に、考えることが好きな子にしておくことです。そのためには、詰め込みの勉強はかえってマイナスです。

 小さいころから問題を解くような勉強をたくさんさせられている子は、勉強という言葉の響きにいい感情を持っていません。
 そういう子は、問題をじっくり考えて解くよりも、早く答えを出して正解にしたいという気持ちを持ちがちです。
 考えることを好きにするには、勉強の量を増やしすぎないことです。

 そしてもうひとつは、書くことが好きな子にしておくことです。
 これは、書く機会を増やすことと、書いたものをいつも褒めることです。

 今の教育環境では、文章を書く機会はあまり多くありません。そして、たまに書くと、書き間違いを注意されたり直されたりします。
 書き間違いは、読む量がまだ少ないために起きていることなので、作文の上だけで性急に直そうとすると、書くことが自体が苦手になってしまうことが多いのです。

 こういう、低中学年の、読む力、考える力、書く力の基礎の上に、高学年の受験対策があるのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
公立中高一貫校(63) 

記事 1734番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
集中力をつけるもう一つの方法 as/1734.html
森川林 2013/02/04 09:28 



 今日のfacebook記事に、次のような記事を書きました。その追加の話です。

====facebook記事より====
 早く終わっていいことがあるなら、早く終わるけど、
 早く終わって新しい勉強が追加されるだけなら、ゆっくりやっていこう。
 そういうことを子供のころから繰り返していると、集中せずにやることが身についてしまいます。

 集中力をつける一つの方法は、小さいころからお手伝いをさせることです。
 お手伝いのような本当は面倒なことを毎日繰り返しやっていると、手際よく仕事を済ませる習慣が身につきます。
 しかし、現代のような電化社会では、苦労してお手伝いするようなことがあまりないので、そこは工夫が必要です。

 集中力をつけるもう一つの方法は、勉強に関しては、時間で計らず分量で量ることです。
 その点、お手伝いは、時間ではなく分量で量るのは自然だからいいのです。
 ○時から○時まで勉強するというのではなく、○○を○○ページまでという形にすれば、自然に早く済ませるようになります。
 ただし、早く済んだから新しい勉強を追加させようとしてはだめ(笑)。
 何度かそういうことをすると、子供は意地でもゆっくりやるようになります。

 子育てにも、それなりの作戦が必要なのです。
 いちばんいい基準は、自分がもし子供だったらそうされたらどうかと考えることです。
====

 その追加。

 集中力をつける第三の方法は、目標を明確化し、それをできるだけ数値化し、それをできればグラフ化し、自分の目標と達成度が自分自身にビジュアルに見えるようにすることです。
 他人に見せたり他人と競争したりするのではなく、自分の目に見えれば、人間は自然に集中してやるようになるのです。

 しかし、今の社会では、こういう工夫があまり教えられていません。
 昔の親の世代は、生きるのに必死だった時代を経ているので、自然に集中して仕事をする癖がついていますが、子供の世代は生まれたときからそれなりに豊かだったために、集中しないで生きる癖がついているのです。

 そのため、子供が勉強をなかなかしないことに親が業を煮やすと、すぐ塾に行かせるようなことを考えます。
 塾に行けば、勉強の場所と時間が強制されるので、嫌でも勉強するようになりますが、それは逆に自分で工夫して勉強する機会を失うことにもなるのです。

 社会に出れば、そういう塾に行くような外からの強制はありません。
 みんな、自分で自分を律して生きています。
 だから、子供のころから、遠回りのように見えても、自分で自分を励まして勉強したり仕事をしたりする機会を作っていくといいのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
自習検定試験(10) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習