ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 1743番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
私立全盛の時代から公立復権の時代への変化はなぜ生じているか 1 as/1743.html
森川林 2013/02/12 06:05 



 今日のfacebook記事に、「これからの受験は、条件反射的な知識の試験から、考える力をじっくり見る試験になる」と書きました。
 その理由のひとつに、公立の中高一貫校や高校が次第に力をつけてきたことがあります。

 子供の勉強スタイルの理想は、小学生時代はたっぷり遊び、中学生のころから次第に勉強の時間が増えてきて、高校生になって勉強の自覚ができてから本格的に勉強を始めるというものです。

 ところが、日本では、かなり前から勉強年齢が低年齢化し、小学校時代に詰め込み型の勉強をするスタイルが広がっていました。
 それは、大学入試に実績を上げる学校の多くが、私立の中高一貫校になっていたからです。

 私立の高校が、公立の高校よりも大学進学で成果を上げていたのは、公立の高校には、学区によって受験できる学校に制限があり、中学のときの内申点が合否に影響するという、非競争的な、ということはつまり不自然な制約があったからです。

 私立の中高一貫校は、私立という性格上、優秀な生徒をできるだけ早めに確保する必要から、受験から合格発表までを短時間でできる入学試験を行ってきました。
 すると、学習塾も、その私立中の試験に合わせて受験勉強の方法を組み立てるようになり、その結果、時間をかけてじっくり考えるような問題は影をひそめ、練習したパターンをあてはめ、条件反射的に解くような勉強の仕方が主流になってきました。

 そして、そういう受験型の勉強に早めに取り組めるように、通常の学年の勉強を先取りする形で受験勉強の低年齢化が進んでいったのです。

 ところが、行き過ぎた平等教育に対する反省から、学区制が廃止され、あるいは緩和され、高校が独自の入試を行えるようになり、公立中高一貫校が設置されるようになるなど、公立学校の改革が行われてくると、公立の学校からの大学合格実績が回復するようになってきました。

 公立学校の入試は、私立学校ほど早めに生徒を確保する必要に迫られていません。そのため、試験問題も、私立の学校のように素早く解くことを要求される学力ではなく、じっくり考える力を見るものに変わってきたのです。

(つづく)

====facebook記事より====

 勉強が、知識の勉強から考える勉強になるにつれて、家庭の力が増してきます。

 これまでの受験は、大量の受験生を短期間で採点するために、条件反射的な知識を問うものが多くなりがちでした。
 そのために、その条件反射力を鍛えるような勉強が多かったのです。

 だから、小学生の勉強がいちばん大変で、中学、高校と余裕が出てくるような逆転現象が起きていました。

 しかし、これからはじっくり考える試験が多くなります。
 小学生はたっぷり遊び、中学生のころから勉強に目覚めはじめ、高校生になるころに最高度に頑張り、それが大学生になっても続くというような本来の勉強の姿に戻っていくのです。

 そのときに大事になるのが、家庭の教育力です。
 それは、親子が一緒に過ごす時間を密度濃いものにすることによって育っていくのだと思います。



 昨日は、建国記念日でした。
 太陽の光が、普段よりまぶしいような朝でした。

 新年度に向けて、いよいよ新しいスタートという感じです。
 風はまだ冷たいようですが、太陽が昇ってくるにつれて暖かくなるでしょう。

 それでは、今日も、いい一日をお過ごしください。

====

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭学習(92) 公立中高一貫校(63) 

記事 1742番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
問題を解いて答え合わせをする勉強ではなく、答えを読んで考える勉強 as/1742.html
森川林 2013/02/10 11:43 



 今日のfacebook記事に、答えのない勉強の話を書きました。
 これから、そういう勉強が大切になってくると思います。

 でも、今多くの人は、答えのある勉強に慣れているので、問題を解くような勉強だけが勉強だと思っています。
 だから、問題を解くときは、答えを隠しておき、解いたあとに答えを見て○や×をつけるというのが一般的です。

 しかし、本当は、そんな○や×はどうでもいいのです。
 答えがあるなら、先にその答えを見て、そのあとどうしてその答えになるか考えるのです。

 答えはゴールではなく、スタート地点です。
 こういう勉強の仕方の方が、10倍ぐらい能率がよく、その分だけ考える力がつきます。

 これから、そんな勉強の仕方をみんなに説明していきたいと思っています。

====facebook記事より====

 子供たちはみんな、答えのない勉強が好き。
 答えがないということは、人の数だけ答えがあることだから。

 逆に、答えの1つしかない勉強だと、その答えにいかに速く正確に到達するかということだけが問題になってきます。
 答えに到達する能力も大切ですが、これからは答えを創造する能力がもっと大切になってくるでしょう。


 教室で、子供たちに色塗りゲームをさせて、最後に、
「そのできた模様に、目を書いて、その絵に題名をつけてみよう」
と言うと、
「えー!」
と言いながらも、みんな喜んで、それぞれにユニークな題名をつけてきました。

 「わからない」という子がほとんどいなかったのに感心。
 やはり、自分で答えを作るということが、みんな好きなのだろうと納得しました。


 勉強の目標というものを考えるとき、いい成績でいい学校に入ることをイメージする人が多いと思います。
 確かに、それはそれでいいことなのですが、本当はその先にある自分らしい発明や発見をすることを目標にしていけたらなおいいと思うのです。

====

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
勉強の仕方(119) 公立中高一貫校(63) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習