暗唱をしていると、発想が豊かになってきます。
それは、暗唱によってワーキングメモリーの能力が向上するからではないかと考えられます。
ワーキングメモリーとは、単に覚えているだけの記憶とは異なり、その情報を保持しながら何らかの操作に用いるという記憶で、作業記憶とも呼ばれています。
学業の成績に関係が深いのは、普通の記憶力ではなく、この作業記憶の方の記憶力のようです。
話はちょっと変わりますが、KJ法という発想法があります。思いついたことメモしたカードを広げて眺めているうちに、それらのカードから新しいアイデアがわいてくるというものです。(くわしくは「発想法―創造性開発のために」(川喜田 二郎)を参考に)
この場合、カードが、ワーキングメモリーの補助をする形で、ワーキングメモリーの容量を増やしているのだと考えられます。
一方、暗唱をしていると、ワーキングメモリーを入れる容器自体のサイズが大きくなるという感じがします。
比喩的に言うと、ひしゃくで運んでいた水を、バケツで運ぶというところでしょうか。
だから、暗唱で大事なのは、暗唱する素材ではありません。
世間でよく行われている暗唱は、文化的な暗唱で、暗唱する材料自体に文化的な価値があるものが選ばれています。
もちろん、それはそれでいいのですが、
材料を覚えることに意味があるのではなく、暗唱するという過程にもっと大きな意味があるのです。
しかし、そういう価値ある勉強法でありながら、続けられる子はあまり多くありません。
それは、形の残らない勉強だからです。
文章を書き写すとか、長文を要約するという勉強法なら、形が残るので続けやすいのですが、空中に消えていくような音読や暗唱の勉強は、簡単に見えるにもかかわらず継続しにくいのです。
しかし、視写とか要約という勉強よりももっと効果があるのが、音読や対話の勉強です。
公立中高一貫校は、無理な受験勉強をしなくてもよい、のびのびとした学校生活を送れる、大学進学率も高い、しかも授業料が安い、といういくつもの理由で人気を高めています。
この公立中高一貫校の受験対策は、学習塾や通信教材の一斉指導には向きません。小学校低中学年からの家庭の日常生活が受験対策になります。家庭学習を通して親子で知的な対話を交わすような生活が、そのまま受験勉強になるのです。
■対話を生かした家庭学習
言葉の森の対話式作文は、作文指導にとどまらず、教育のより広い分野に応用することができます。例えば、対話式の家庭学習です。
言葉の森は、小中学生の全教科の家庭学習のページを設置しています。そこで、家庭学習の方法をアドバイスしています。
小中学生のころは、学習塾や通信教育講座に頼るよりも家庭学習を中心にした方がずっと密度の濃い勉強ができます。
この密度の濃い家庭学習に必要なのが対話です。
従来の教育は、先生が生徒に一方的に教えるものでした。通信講座の場合は、教材が生徒に一方的に与えられるようになっていました。
肝心の子供の側からの主体的な働きかけは必要なく、受け身の勉強に終始し、その受け身の勉強の成果を見るためにテストが行われるという形でした。
このような勉強は、あまり面白いものではありません。だから、賞品が出たり順位がつけられたりという勉強以外の要素で子供たちの意欲を引き出す工夫をしていたのです。
しかし、勉強は本来面白いものです。それは、自分自身が知的に向上することだからです。勉強そのものが、面白いという要素を持っているのです。
ただし、それは、子供たちが主体的に取り組む場合です。その主体的な取り組みに必要なのが対話です。
言葉の森の家庭学習の方法は、子供が勉強して理解できたり、逆に理解できなかったりしたことを、お父さんやお母さんに説明します。
先生や親が教えるのではなく、子供が逆に先生や親に教えるのです。それが勉強の中身になります。
世の中にある、答えの決まっている勉強は、すべてわかるようにできています。教える先生が必要になるのは、生徒が受け身で教えてもらうと思っているからです。だから、教えてもらわないと勉強ができないと思うようになるのです。
答えのある勉強の本当の先生は、人間ではなく答えそのものです。答えだけでわかりにくいときは、答えの解説が必要になります。解説でもまだわからないときだけ、親や先生が教えればいいのです。
親や先生が、教えることに時間を取られない分、子供との対話の時間が増えます。これが対話式の家庭学習です。
■言葉の森の合格実績
言葉の森の指導の理念に共鳴してくださる家庭の子供たちの多くが、充実した学校生活を送り、卒業後も立派な社会人として活躍しています。
また、
難関大学に合格した生徒の多くが、小学校低学年から言葉の森をスタートしています。
そして、長く続けた生徒のすべてが、文章を書く力が社会生活の中で役に立っていると言っています。
中学 | 高校 | 大学 |
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茨城県日立一高附属中 | 浅野中 | 西武学園文理中 | 愛媛県立松山東高校 | 青山学院大学 |
大阪教育大附属池田中 | 麻布中 | 清風中 | 愛媛県立大洲高校 | 学習院大学 |
大阪市立咲くやこの花中 | 栄光学園中 | 聖ヨゼフ学園中 | 神奈川県立鎌倉高校 | 京都大学医学部 |
岡山県立倉敷天城中 | 延暦寺学園比叡山高等学校比叡山中 | 洗足学園中 | 神奈川県立湘南高校 | 慶應義塾大学環境情報学部 |
岡山県立大安寺中 | 桜蔭中 | 千里国際学園中 | 神奈川県立多摩高校 | 慶應義塾大学総合政策学部 |
香川県立高松北中 | 大妻中 | 捜真女学校中 | 京都市立紫野高校 | 慶應義塾大学文学部 |
京都市立春日丘中 | 開智中 | 東京純心女子中 | 京都府立東稜高校 | 慶應義塾大学法学部 |
京都府立洛北中 | 鎌倉女学院中 | 長崎日本大学中 | 慶應義塾高校 | 恵泉女学園大学 |
群馬県立中央中 | 鎌倉女子大学中等部 | 灘中 | 仙台育英高校 | 上智大学外国語学部 |
さいたま市立浦和中 | 関東学院中 | 奈良女子大学附属中 | 仙台第二高校 | 上智大学文学部 |
静岡大学教育学部附属静岡中 | 京華女子中 | 新潟明訓中 | 千葉東高校 | 玉川大学教育学部 |
信州大附属中 | 京都産業大学附属中 | 日大三中 | 東京都立国立高校 | 中央大学 |
仙台市立仙台青陵中 | 公文国際学園中 | 本郷中 | 東京都立東大和南高 | 津田塾大学英文学科 |
千葉県立千葉中 | 慶應義塾湘南藤沢中等部 | 松本秀峰中 | 栃木県立宇都宮女子高校 | 東京医科歯科大学 |
千葉大附属中 | 恵泉女学園中 | 山梨学院大学付属中 | 名古屋高校 | 東京女子大学 |
筑波大学附属中 | 甲陽学院中 | 横浜女学院中 | 名古屋大学教育学部附属高校 | 東京大学文科1類 |
筑波大附属駒場中 | 金光学園中 | 横浜雙葉中 | 福島県立小高校商業高校 | 東京大学理科1類 |
東京大附属中 | 栄東中 | 立教女学院中 | 桃山高校 | 東京薬科大学 |
東京都立桜修館中 | 渋谷教育学園渋谷中 | 立正大学付属立正中 | 横浜高校 | 東北大学理学部 |
東京都立三鷹中 | 秀明中 | 和光中 | 横浜市立柏陽高校 | 一橋大学商学部 |
東京都立白鴎高附属中 | 頌栄女子学院中 | | 早稲田実業高校 | 明治大学 |
東京都立富士中 | 湘南学園中 | | | 横浜市立大学医学部 |
東京都立武蔵高附属中 | 湘南白百合学園中 | | | 立教大学法学部 |
長野県立松本秀峰中 | 城北中 | | | 早稲田大学社会学部 |
新潟県立燕中 | 昭和学院秀英中 | | | 早稲田大学政治経済学部 |
新潟大学教育学部附属新潟中 | 白百合学園中 | | | 早稲田大学先進理工学部 |
兵庫県立芦屋国際中 | 逗子開成中 | | | 早稲田大学文学部 |
広島大附属福山中 | 聖光学院中 | | | |
宮城県立古川黎明中 | 聖心女子学院初等科 | | | |
宮崎県立宮崎西高附属中 | 聖徳学園中 | | | |
■言葉の森の入選実績
言葉の森の生徒で、
小学生新聞や各種コンクールに入賞した件数は、1000件以上で、それらは「入選の滝」というページに掲載されています。(2013年3月現在1,080件)
コンクールに入賞することは、子供たちの自信につながります。
しかし、入選や入賞は指導の目標ではないので、応募はすべて生徒の自主性に任せています。