5月23日(木)午後1時半より、言葉の森の港南台教室で国語と作文の勉強についての父母講座(子育て講座)を行います。
今回のテーマは、「国語力、作文力をつける家庭での学習法」です。
国語の勉強というと、どのようにしていいのかわからないという人が多く、家庭で行う学習にしても、漢字の書き取りをしたり国語の問題集を解いたりするような形が多いと思います。しかしそれでは国語力はつきません。
国語力の本質は読解力で、それは難しい文章を繰り返し読むことによってついてきます。また、これからは読解力とともに表現力も国語力の重要な要素になってきます。
ただし、国語の成績を上げるのは、国語力とはまた別の面があり、解き方のコツを知ることで成績が大きく変わります。
今回は、家庭での勉強の仕方とともに、国語のテストが返ってきたときに、そのテストを家庭でどのように見るか、ということなどを話していく予定です。
また、公立中高一貫校の入試や高校、大学の入試で増えている作文試験対策についても話をしていきます。
参加を希望される方は、言葉の森事務局までご連絡ください。
■日時:平成25年5月23日(木)午後1時半~午後3時
■会場:言葉の森港南台教室(JR根岸線港南台駅徒歩3分)
■対象:どなたでもご参加いただけます。(ただし定員まで)
■参加費:無料
■参加方法:お電話でお申込みください。
電話0120-22-3987(平日午前9時~午後8時)
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【話の内容】
○他の教科は、あとからやっても間に合うが、国語はあとからでは間に合わない。
○低学年のときに読書よりも勉強を優先しすぎることによる弊害がある。
○小学生の国語力は、漢字の書き取り力ではなく、読書力と対話力。
○勉強時間の差はわずかだが、読書の差は個人差が大きい。
○小学生の国語力は、読書時間の差で生まれる。
○小学校高学年からの読書力は、多読力のほかに難読力が必要。
○読解問題の解き方のコツは1、2時間でわかりすぐに成績が上がる。
○選択式問題の難易度は、学校の性格が出る。
○選択式の易しい問題は直後に、難しい問題は直前に、更に難しい問題は遠く離れて。
○選択式は合っているものを1つ選ぶのではなく、間違っているものを全部見つける。
○選択式の設問を選ぶときは、なぜ×なのかという理由をすべて明記しておく。
○国語の問題は、感覚の問題ではなくすべて理詰めの問題と考える。
○親が理詰めに説明できない問題は、できなくてもいい問題と考える。
○これからの国語力は選択式から記述式に変わる。
○公立中高一貫校の入試では、算数も理科も社会も記述力が試される。
○国立大の問題も同じく記述力が必要。
○記述のコツは、キーワードを使うこと、対比をはっきりさせること。
○作文試験では、字数いっぱいまで書くことが大事。(1時間で1200字を目標に)
○作文のスピードは、意識的に練習する必要がある。
○難読を続けるためには音読や傍線が必要。
○難読は、繰り返し読むことで力がつく。
○速読力は、意識的に速く読むだけで身につく。(1分で600字を目標に)
○問題集読書をしていると、国語の問題文が易しく見えるようになる。
○易しい本であっても、読書を続けている子は文章にリズム感が出てくる。
○高校入試、大学入試の英語の選択問題は、国語力で決まる。
○大学入試センター試験の現代文は満点が取れる。
○学校の朝の10分間読書を、家庭での読書がわりにしない。
○アマゾンのおすすめと中古の本を利用する。
○図書館の活用をもっと考える。
○図書館には、子供が興味を持てる説明文の本がある。
○親のすすめる本は、子供の実力より上のものが多すぎる。
○親が本を読む後ろ姿が、子供を本好きにする。
○対話の基本は、勉強ではなく、楽しいお喋りとして。
○子供が長文を説明するときは、説明が下手でも楽しく聞いてあげる。
○親の体験談が、子供の題材力を広げる。
○入試の作文は、親に聞いた似た話を生かせる場面が多い。
○暗唱をすると、発想が豊かになり、ほかの教科の勉強も楽にできるようになる。
○中高生は、学力と暗唱力が比例する。
○字をていねいに書くことは教えられるが、学年が上がり文字量が増えると直らない。
○文章力は字数に比例する。
○森リンの点数の上昇度を自分の文章力の目安とする。
○本を読んでいないと、作文が書けなくなる。
○作文の勉強をしていると構成的に考える力がつき、司会も上手になる。
○文章力があると、わからない問題でも書くことができるようになる。
○読書は並行して読むと、能率が上がる。
○高校の教科書にはいい文章が多いので、ジャンルを広げるきっかけにできる。
○国語力は、大人になっても成長する。
○褒め続ければ得意になる。
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講座は定員になりました。
参加できなかった人には、あとでウェブ動画の場所をご連絡します。
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今日のfacebook記事から。
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集中力は、発想力と反比例する関係にあるようです。
どちらが人間的な能力かと言えば、もちろん発想力の方です。
集中は動物でもできるし、人間でも必要なときには自然に集中するからです。
試験の前日の集中力を普段でも発揮していればすごく成績が上がるような気がしますが、普通そうはなりません。
必要のないときに集中することができたら、それは人間ではなくどちらかと言えばロボットに近いのです。
だから、集中は能力ではなく方法です。
大人になれば、誰でも、やりたくないことも集中してやる方法を身につけていきます。
締め切りを決めたり、競争したり、褒美を作ったり、自分の集中しやすい時間を見つけたり、いろいろ。
そのためにも、子供時代に、退屈な時間や、無駄な回り道の時間を過ごすことはそれなりに必要なのだと思います。
退屈なときの過ごし方で、平凡ですが、いちばんいいと思うのは、とりあえず本を読むということではないかと思います。
だんだん夏らしくなってきました。
夏休みという言葉を聞くと、いくつになってもわくわくします。
子供のときはよく、一年中夏休みだったらいいのにと思っていました。(冬でも(笑))
暑い日が続きます。
それでは、今日も、いい一日をお過ごしください。
(写真は、葉っぱに昨日の雨をまだ残していたギボウシ)
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5月20日のfacebookの記事です。
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今日も、いい雨。
もうすぐ夏。
世の中がだんだん明るくなってきた。
いいことを思えば、いいことが起こる。
なぜなら、地球の歴史46億年を通して、ずっといい方向に動いてきたから今の豊かな世界がある。
いい方向が本来の姿だということを時々思い出そう。
今日から、新しい一週間です。
今週も、何かいいことがあるでしょう。
それでは、今日も明るい一日をお過ごしください。
(写真は近所の庭で)
よく見れば、太陽みたいなマツバギク。(多すぎるか。)
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5月18日のfacebook記事より
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持っていないものを数えるのではなく、持っているものを活用しよう。
ないものを使おうとするのではなく、あるものを使おう。
お金がないのなら、お金以外のものを使えばいいし、時間がないのなら、時間以外のものを使えばいい。
若さがないのなら、若さ以外のものを使えばいいし、経験がないのなら、経験以外のものを使えばいい。
どちらも何もないとしたら、ゼロからスタートできるという利点がある。
そう考えると、みんな何かを持っている。
小学生の作文の課題で、「私の長所短所」「家族の長所」という題名があります。
すると、短所だけはすぐに思いつくのですが、長所がなかなか出てきません。
ないものは見つけやすいのですが、あるものはなかなか気がつかないのです。
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港南台教室で、大学入試センター試験の解き方を説明するコースが始まりました。
やり方はごく簡単で、実際に試験問題を解いてもらい、間違えたところを自分なりになぜその選択か違っていたのか理詰めで説明してもらうのです。
すると、これまで漠然と感覚的に選んでいた選択肢を、感覚ではなく理屈で他人に説明するために選ぶようになります。その結果、点数が飛躍的に上がるのです。
生徒が理詰めで説明できない問題についてだけ、先生が一緒に考えます。先生が一緒に考えるといっても、先生のレベルの方がそれほど高いわけではないので、教えるというよりも一緒に考えるという感じです。
一緒に考えて、「この問題は難しいからよくわからないなあ」とか、「これは、答えがちょっとおかしい」とか、「どちらも×に近いけど、こちらの方が×の度合いが大きい」などと話していると、生徒はその迷いながら選ぶ感覚を理解します。
国語の問題の中には、正解があまり正しくないものや、複数の正解が考えられるものがあります。それらを機械的に黒か白かにあてはめて選ぶのではなく、黒でも白でもない灰色の部分を、灰色の度合いに応じて選ぶ感覚を身につけるのです。
こういう勉強の仕方をする結果、最初に問題を解いたときは平均点の60点そこそこだった高3の生徒が、わずか1時間か2時間の説明で、次の回からは満点近い成績を取るようになります。
もちろん、文章読む基本的な力は必要なので、解き方のコツに加えて、実際の入試問題の問題文を読む練習していくということが、その後の長期的な勉強なります。
しかし、得点のかなり大きな部分は、解き方のコツが分かるだけですぐに変わるのです。
国語の試験と同じように、英語でも数学でも、解き方のコツや勉強の仕方のコツというものがあります。
昔はみんなそういうコツを知らなかったので、成績はそのままその生徒の実力を表していました。今は、成績は実力を表していません。特に、難関大学や有名大学になればなるほど、成績と実力のずれが大きくなっています。
東大が推薦入試を始めたのは、入試の成績が生徒の実力を表さなくなってきたということも背景にあると思います。
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5月15日のfacebook記事です。
====引用ここから。
人間には波があります。
平均よりも上に向かうときと下に向かうときがあります。
下に向かっているときには無理に上に向こうとがんばるよりも、下向きの力を利用して読書で蓄積をしていくことです。
「することないから、本でも読もう」という感じです。
そういうときに、さっと読書ができるようになるためにも、子供のころから本を読むことに慣れておくといいのです。
今は、「することないから、ゲームでもしよう」という子が多いと思いますが(笑)。
子供たちの作文の成長の経過を見ていると、誰でも途中でスランプがあります。
前の学年のときよりも、字数も減るし、森リン点も低くなるのです。
例えば、小3のときに書いていた作文より、小4の方が字数が減っているというような例です。
そういうときは、なぜか読書の傾向も、以前よりも易しいものになっているようです。
【参考記事】
「作文の勉強も客観的なデータで」
https://www.mori7.com/index.php?e=1549
しかし、下に向かう波のあとには必ず上に向かう波があり、時期がたつと、また字数も増え、森リン点も高くなっていきます。
大事なことは、下に向かっているときに、「これは波なのだ」と思うことです。
たぶん、その下向きの時期は、それまでの自分から脱皮するために、一時的にサナギ状態になっている時期なのだと思います。
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下向きの力が働いている子に対しては、その下向きの状態をそのまま認めてあげることだと思います。
「下向きでいいんだよ。人生の目的は、幸福に生きることであって、上に向かって進むことではないんだから、自分の好きなとおりにやっていったらいいんだよ」
というような言い方です。
そのときに、たぶん犬のようなペットは助けになります。
犬は、いつでも主人を無条件に認めてくれるからです。
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今日のfacebook記事に、「なぜ音読は役に立つのか」という記事を書きました。
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「なぜ音読が役に立つのか」
国語の勉強法で最も大事なことは、難しい文章を読むことです。
ところが、文章を読む意欲は、読む内容の面白さ×読みやすさに比例します。
内容にあまり関心がないもので、読みにくいものは、読もうという気持ちが起きません。
そのかわり、内容に関心があるものならどんなに難しくても読みたくなります。
また、特に内容に関心がなくても、読みやすい漫画はすぐに読みたくなります。
読む力をつけるのにふさわしいものは、大体内容に関心が持てず、表現も難しいものが多いので、必要だとわかっていてもなかなか読めないのです。
そこで役に立つのが音読です。
声を出すという動作がきっかけになって、読みにくいものでも読み続けることができるのです。
それと似ているものが、作文と対話です。
いずれも、書くとか話すとかいう動作がきっかけになって、考えにくいものを考えることができるからです。
知識を覚える勉強は、手応えがあります。やればそれだけ成果が目に見えます。そして、教材も豊富です。
しかし、考える勉強は、手応えがありません。成果が見えないし、教材もありません。
そして、どういうふうに力をつけるのかもわかりにくいのです。
その考える勉強の方法が、読書、音読、作文、対話なのです。
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その音読の勉強をどう続けるかという方法を、このあと書きたいと思います。(つづく)
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作文の指導で大事なことは、書いたものを直すのではなく、書く力をつけるということです。
作文は結果ですから、結果にいくら手を入れても、それは手を入れた人の力にはなっても、手を入れられる方には何にもなりません。
作文以外の勉強は、結果と原因が近いので、例えば算数数学や英語の勉強でしたら、問題を解くことをそのものが勉強です。
しかし、作文はそうではありません。
作文と一口に言っても、そこには、構成、題材、表現、主題、など4種類以上の側面からの見方が可能です。
言葉の森で勉強をすると、自然に構成力がついてきます。
題材の力は、体験、読書、対話などによってつけることができます。
表現の力は、いちばんセンスに近いものですが、これも表現の工夫を意識的にすることでついてきます。
主題の力は、主に対話によって育ちます。お父さんやお母さんとたくさん話をしている生徒は、考える力が深まってきます。
このように、作文の実力を育てるものは、作文の添削を受けることではなく、作文を書く前の準備や自習に力を入れることです。
今、作文指導をしている塾や通信教育の指導法は、ほとんどすべてが作文を書かせて添削をするものです。
一見勉強をしているように見えますが、これでは力はつきません。
事前の準備に力を入れることが大切なのです。
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