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記事 1838番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/24
公立中高一貫校の試験問題の解き方 as/1838.html
森川林 2013/06/10 08:59 


 受験とは、点数の差をつけるためのものですから、難しくなければなりません。
 しかし、知識の詰め込みのような形でなく、考える力で難しくするためには、人間が考えにくい形で考えさせる問題を作る必要があります。

 そこで、どんな問題が出るかというと、ひとつは、多数の短期記憶を必要とする問題です。
 人間の頭は一度に7つぐらいのことしか同時に処理できないので、それ以上の変数がある問題が出せられると、途端に処理速度が落ちるのです。(パソコンに似ていますが)

 そのときの対応のコツは、多数の情報を圧縮して処理することです。
 例えば、都立白鴎中の2012年の問題で、8つのタワーの並び方を問う問題が出てきます。

 それは、
1.神戸ポートタワー
2.東山スカイタワー
3.横浜マリンタワー
4.銚子ポートタワー
5.さっぽろテレビ塔
6.福岡タワー
7.東京タワー
8.東京スカイツリー
の8つです。
 そして、それぞれのタワーの条件として、
A.電波塔であるかどうか
B.関東地方にあるかどうか
C.平成元年以降にオープンしたかどうか
の3つがあります。

 これらの組み合わせを考えるときに、いちいち「東京スカイツリーは、電波塔であって、関東地方にあって、平成元年以降のオープンで……」と考えていたら、それだけで短期記憶のメモリーをほとんど使ってしまいます。
 そこで、タワーの頭文字だけを操作すればいいようにするのです。
 すると、「『す』は『でかへ』で……」となるので、思考の速度がぐんと上がります。


 もうひとつの人間の脳に苦手な操作は、物事を立体的に思い浮かべることです。
 人間の目は、平面的に見ることに慣れているので、立体的なものの向こう側を操作することがなかなかできません。日常生活では、実際に立体の後ろ側に回って処理すればいいので、頭の中だけで立体の処理をすることに慣れていないのです。

 都立小石川中の2012年の立体図形の問題がちょうどそういう問題です。
 図8の「1」の列の16個を「4」の列の16個とそっくり入れ換えたのが図9です。





 つまり、図8の「1」の「イ」の「B」に隠れていた「色のついた立方体」が、図9の「4」の「イ」の「B」に見えるようになったということです。
 問題は、図9に何度か操作を行い、色のついた立方体4つのうち1つだけが見える状態にすることができるか、できるとしたらその方法はどうか、というものです。

 日常生活では、こういう問題は実際に立方体を動かせば済むことなので、頭の中で考えて処理するようなことはありません。
 だから、こういう問題は難しく感じるのです。

 こういう問題に対応するコツは、フリーハンドで立体図をかいてみることです。そして、それを動かした図をまたかいてみるのです。



 しかし、こういう図をかいてみようかと思いつくためには、普段から絵や図をかくことに慣れている必要があります。
 それは、一見遊びのようなことですが、そういう時間の過ごし方が厚みのある学力になるのです。


 厚みのある学力というと、太陽の動きや星座の動きのようなものも、立体的な上に球面で動くというわかりにくいところがあります。
 天体の問題に対応するために、自分の家の周りで、どこから太陽が昇って、どこに沈むかということを感覚的に知っている必要があります。
 こういうことも、生活の中で身につける学力なのです。

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記事 1837番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/24
「小5から家庭でできる公立中高一貫校の受験対策」の記事をアップ as/1837.html
森川林 2013/06/08 07:30 


 「小5から家庭でできる公立中高一貫校の受験対策」の記事をアップロードしました。
https://www.mori7.com/an/16.html

 公立中高一貫校の受験をするために学習塾に通っているという生徒からよく聞くのが、「宿題の量が多くて大変」という言葉です。
 公立中高一貫校の適性検査の問題は、宿題の量を増やして力がつくような問題ではありません。読む力、書く力、考える力の総合力と、試験の時間制限に合わせた時間配分が実力をつける鍵です。

 時間配分は、試験の直前1~3か月前から取り組むとしても、それまでの総合的な学力は、問題集を解いてつくものではありません。実際に読み、書き、考える中でついていくものです。
 そして、そういう考える勉強にいちばんふさわしいのが家庭での学習なのです。

 そこで、言葉の森では、通学教室の小5以上の生徒を対象に公立中高一貫校の受験対策の自習講座(無料)を開設しました。
 これは、これまでの問題集読書を発展させたものです。

 勉強というと、苦しいもの、嫌なもの、できればしたくないものと思われていますが、それは勉強が孤独に行う記憶の作業のようなものになっているからです。
 実は勉強は、楽しいものです。それは、その勉強の中で、新しい発見があり、創造があり、他の人との交流があるからです。
 言葉の森の自習講座は、そういう創造と交流の勉強にしていきたいと思います。

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いちごちゃん 20140907  
お世話になっております。通学教室の小5以上の公立中高一貫校の自習講座があるとの事ですが、今後通信生徒対象のものもできる予定はありますでしょうか?

森川林 20140907  
 ウェブに動画で流していましたが、動画だと見るのに時間がかかるので、今度は、テキストで読めるような形で行っていきたいと思っています。
 本当は、google+などでリアルタイムにやりとりができる形がいいのですが、今はまだ敷居が高いと思うので、当面はテキストだけの素朴な形でやっていく予定です。

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記事 1836番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/24
成績と学力と人間力の乖離 as/1836.html
森川林 2013/06/07 05:15 



 今日のfacebook記事より。

====

 センター試験が廃止の方向に向かい、年数回の到達度テストが行われるようになるそうです。
 何事もそうですが、ペーパー試験だけで評価しようとすると、対策がすぐに立てられるので、すぐに重箱の隅をつつくような試験になります。
 すると、そういう重箱の隅のつつき方のコツを知る人が高得点を取るようになります。(言葉の森のセンター試験国語対策などももちろんそうですが。)

 そうして、成績と学力がどんどんかけ離れたものになっていくのです。

 人生の大きなゴールは、いい仕事ができるかどうかです。いい大学に入れるかどうかではありません。
 自分の好きな熱中できることがあり、基礎学力がしっかりついていればいいのです。

 ところが、ペーパー試験で人間を評価するようになると、好きなことに熱中する時間は後回しにして、試験に出るところだけを勉強するようになります。
 もちろん、受験の直前にそういう勉強をすることは大事です。勝負に勝つための勉強というものあるからです。
 しかし、受験のはるか前からそういう勉強に取り組んでしまうと、成績だけはいいが学力の厚みがない人間になってしまいます。
 例えば、読書をするよりも、読書の時間を削って作者と作品を結びつける知識を覚えた子の方がいい成績になるようなものです。

 だから、今後の試験の方向は、ペーパー試験(到達度試験)は基礎学力をバランスよく測るだけのものにして、1点差を争うようなものにしないことです。
 そして、そのかわりに、小論文と口頭試問と人望を中心とした評価をするべきです。
 客観性には多少欠けますが、今のペーパー試験中心の選抜よりもずっと人間味のある、実態にあったものになるでしょう。

 これからの試験は、成績よりも人間力を中心としたものになっていくと思います。

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記事 1835番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/24
自分で計画や時間を管理して勉強する as/1835.html
森川林 2013/06/06 05:54 



 今日のfacebookの記事より。

====

 子供たちの勉強の量と種類は年々増えているようですが、最初に学ぶのは勉強の仕方や時間の使い方のように思います。
 低学年のころは、親がつきっきりで教えることができるので、どんなことでもうまく行っているように見えます。

 しかし、やがて学年が上がり勉強の量が増え、帰りの時間もまちまちになると、次第に子供の勉強は親の手から離れ、子供が自分で時間をコントロールすることを求められるようになります。
 大事なのは、この時期に自分で時間の管理ができるかということです。

 だから、親の言うことをよく聞く低学年のうちから、できるだけ親が指示せずに子供が自分でやることを決めていくようにできるといいのです。
 その方法のひとつが、簡単な記録をつけることと、自分で目標を決めて時間を計ることだと思います。

 そして、低学年のうちは、勉強の中身自体は大したものではないので、決して無理をさせないことです。
 親から見てものたりないぐらいのペースで勉強を進め、勉強の量や質よりも、自分でやったという姿勢を褒めていくことです。

 毎朝の音読や暗唱なども、読み方がどんなに下手だろうと、時々はふざけて読もうと、やったこと自体をいつも褒めてあげるといいのです。



 梅雨とは思えないようないい天気の日が続きます。
 植木鉢が乾燥してくると、今度はかえって、雨でもちょっとほしいところだなあと思ったり……(笑)
 しかし、そうなるとまた都合よく一雨来るのです。

 それでは、今日もいい一日をお過ごしください。

 (写真は、横浜で2番目に高い山、円海山の下を通るトンネル。高いと言っても標高153メートルだから低い。ってどっちや)

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馬を川に連れていくことはできるが as/1834.html
森川林 2013/06/05 09:15 



 今日のfacebook記事より。

====

 馬を川に連れていくことはできるが水を飲ませることはできない、というのと似ているのが、作文が書けないときの子供の状態です。

 低中学年の子供の場合、そのときは無理に自分の力で書かせることはありません。
「じゃあ、、お母さんが言ってあげるから、そのとおり書いてごらん」
と言って、アドリブで適当な文を言ってあげるのです。

 そういう形で何行か書いていくと、大抵の場合、その流れで自分で続きを書くようになります。
 しかし、自分で続きを書かない場合でも、それはそれでかまいません。
「よく書けたね。これでいいんだよ」
と言って、その作文は完成です。

 低中学年の子供には、「できなかった」とか「失敗した」という感覚をできるだけ持たせないように、どんどん助け船を出していくのがいいのです。

 手助けをしていたら自分の力でできなくなると心配することはありません。
 人間はもともと自分の力でやることが好きなので、自信がつけば必ず自分でやるようになっていきます。

 無理に水を飲ませようとするよりも、ただ川に連れていき、自分がおいしそうに水を飲んでいればいいのです(笑)。



 今日もきれいな初夏の空が広がっています。
 近所の公園のアジサイの花が、色づきかけていました。
 これから、だんだん緑の濃い季節になっていくのでしょう。

 それでは、今日もいい一日をお過ごしください。

====

 ところで、小学校低中学年の場合は、どんどん手助けをしてあげればいいのですが、高学年と中学生の場合はちょっと違います。
 小学校高学年や中学生で作文がなかなか書けないのは、自信がないからというよりも、準備不足と読書不足によることが多いからです。

 その話はまたいつか。

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いいいことがありそうだと思うとそうなっていく as/1833.html
森川林 2013/06/04 08:36 



 今日のfacebook記事より。

====

 好天の続く梅雨入り六月の空。
 公園のツユクサがもう咲いていました。
 このまま夏になりそう。てなことはないか。


 いいことがありそうだと思っていると、物事はそういう方向に進みがちです。

 だから、たまたま、あまりよいことだとは思えないことに遭遇しても、それがこのあとのいいことに結びつくのだろうと思っていると、結局そうなることが多いのです。

 反対に、いろいろな心配事を予測して、
「こんなことをしていると、あんなことになる」
というようなことを言っていると、だんだん本当にそうなりそうな気がしてきます(笑)。

 世の中は、みんな善人ばかりで、いいことばかりが都合よく起こるだということを、もっとみんなで言い合うような社会にするといいのだと思います。

 子供は影響を受けやすいので、特にそういう言い方が必要です。

====

 だから、読書の好きな子にしたいと思ったら、「もっと本を読まなきゃだめでしょ」とか、「本を読んでないからそうなちゃったんでしょ」などということを言わずに、子供がたまたま本を読んでいる場面を見つけて、「本を読むのが好きなんだねえ」などとひとりごとのように言っておくといいのです。

 子供がテストでひどい点数を取ってきたときも、「勉強しないから、こんな点数になったんでしょ」などということを言わずに、「大丈夫。実力があるんだから、点数なんて人のつけたものだから気にしない」と言っておくといいのです。

 そうすると、子供は本当にいい子になっていくのです。

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新しい時代と新しい考え方 as/1832.html
森川林 2013/06/03 07:40 



 今日のfacebook記事から。

====

 季節は、移り変わります。
 昨日は、今日とは同じではありません。
 新しい時代を迎えるには、新しい考え方が必要です。

 かつての社会は、生き残るために相手に勝たなければならない社会でした。
 これからの社会は、生き残るため相手に譲らなければならない社会です。

 それもしぶしぶ譲るのではなく、心から喜んで譲り合うような社会になるでしょう。
 多くの人がそういう気持ちになれば、これまでの勝ち負けの社会を支えていた多くの仕事は不要になり、その代わり新しい創造的な余暇が始まるでしょう。

 泥棒をしたり、鍵をかけたり、その鍵を壊したり、更にそれを壊されないようにしたりという、何も価値を生み出していないのにGDPだけを高めていたような仕事がなくなれば、豊かさは同じでも自由な時間がもっと増えるからです。

 そんな時代が、もうそこまでやってきているような気がします。



 昨日も、今日も、穏やかな日が続きます。
 でも、梅雨の季節らしく、近所の庭のアジサイが花をつけました。
 もうすぐ明るい夏がやってくるでしょう。

 それでは、今日もいい一日をお過ごしください。

====

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記事 1831番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/24
英語の音読暗唱のページを見やすくしました as/1831.html
森川林 2013/06/01 12:50 


 言葉の森は、作文、読解、国語という専門的な分野を指導している教室です。
 言葉の森では、これまでは、ほかの分野の勉強は教えていませんでした。それは、ほとんどの教科の勉強は、家庭で自分ひとりでできると考えていたからです。

 しかし、近年、小学校低中学年からの塾通いの子が増え、本来遊ぶ時間を大切にしなければならない時期に勉強漬けの生活を送る子が増えていることに気がつくようになりました。
 低学年から成績を上げることを目的とした勉強をしている子は、そのときは確かに成績は上がりますが、その分勉強に対するマイナスの感情を持つようになることがあります。また最も大事な創造性を伸ばす自由な時間が圧迫されることもあります。その結果、低学年のときに成績のよすぎた子は、高学年、中学生、高校生と学年が上がるにつれて勉強に対する意欲が低下するようになりがちです。

 そこで、言葉の森では、家庭で楽にできて実力のつく勉強ということで、他の教科の勉強の仕方もアドバイスすることにしました。

 英語は、この5月末に、政府の教育再生実行会議が提言を行ったように、これから小学校の授業の中で一層指導が強化されるようになります。
 英語学習の強化自体は問題ありませんが、その英語教育重視の流れに対応するために、英語の早期教育に取り組もうとする人が増えているところに問題があります。
 小学校3年生までは日本語を充実させる時期であるのに、幼児や低学年から英語に力を入れることで、日本語も英語も不十分な子供たちが増えているのです。

 英語は、中学生から始めても間に合いますが、英語の感覚をつかむのに最適な時期は小学校4年生からです。しかし、その時期の英語の取り組みは、英語の単語や文法を覚えるような知識的なものでなく、英語を感覚的に身につけるようなものです。

 そこで、言葉の森(通学教室)では、家庭でできる英語の勉強として、英語の本をもとに英語の文章を丸ごと暗唱するという自習を行えるような仕組みを作りました。
 この自習を小学校4年生から行えば、毎朝10分ほどの学習で、英語の感覚が身につき、中学に上がってからの英語も得意になります。
https://www.mori7.com/kg/ei/jm.php

 なお、このページで紹介しているソフトやウェブサイトは、ほとんどフリーのものですので、同じような英語の勉強法は、家庭でも独自に作れます。

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