7月からの新学期教材の印刷が完了し、今日から発送できるようになりました。
今回は、これまでと印刷の仕方を変えて、プリンタではなくリソグラフで印刷することにしました。そのため、少し雰囲気が違うと思います。
新学期に移行する準備のため、6月の体験学習の受付は終了し、7月からの受付になります。
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窓を開けると、雨の中でスズメたちが待っています。
昨日の余ったご飯粒をばらまくと、みんなすぐに集まって、雨の中など気にしないように食べています。
今目の前にあることに心を傾けて生きていく姿がさわやかです。
しかし、人間の社会では、「今」という時間の多くは、未来のための準備として、何かほかの目的のための土台として使うものになっています。
本当は、現在は土台なのではなく、そこ自体がひとつの山頂です。
世界には、今、山の頂上を目指して登っている国々があります。
そういう国の人たちの意識は、かつての日本人の多くが持っていた上昇志向です。
しかし、私たちが今することは、次の山頂を目指すよりも前に、あとから来る人たちのために、今いる山頂を広げておくことです。
それは、生活の量的なものよりも質的なものを豊かにするということです。
例えば、1点差を争うような勉強で競い合うのではなく、全員が百点を取れるような基礎学力をつけた上で、それぞれが自分の個性を新しい文化として作り上げていくということです。
大量生産方式を生み出したフォードは、工場労働者には、頭は要らないから手と足だけがあればよいと考えていたそうです。(それも不気味ですが)
これからの日本が目指す社会はその反対で、手も足ももちろんあるが何よりも頭と顔のある人が仕事をしている社会です。
そのための勉強は、一律の答えがあるマークシート方式の勉強ではなく、読書や対話や作文という答えのない創造的な勉強なのだと思います。
ということを考えているうちに、ご飯粒を食べ終わったスズメたちは、どこかに遊びに行ってしまいました。
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今日は、久しぶりに梅雨らしい空になりました。
小3の6月2週の作文課題は、「カタツムリを見つけたこと」でした。
しばらく前までは晴れ間が多かったので、みんな、だいぶ苦労したと思います。
カタツムリというのは、いざ見つけようとすると、なかなかいないものです。
しかし、いるところには必ずいるのです。
例えば、横浜市金沢区で言ったら、野島山の入口近く洞穴の中です。(ローカル過ぎ(笑))
また、神社やお寺のような古い建物の近くの石垣などにもよくいます。
これから雨が続くと、もっと見つけやすくなると思います。
それでは、今日も梅雨空を楽しみながら、いい一日をお過ごしください。
(写真は、教室の階段のところにいたカタツムリちゃん)
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続きの写真です。
▽教室で生まれたカタツムリの赤ちゃん
▽その成長した姿(というかあまり成長していない)
▽おまけ(これは写真集より)
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受験とは、点数の差をつけるためのものですから、難しくなければなりません。
しかし、知識の詰め込みのような形でなく、考える力で難しくするためには、人間が考えにくい形で考えさせる問題を作る必要があります。
そこで、どんな問題が出るかというと、ひとつは、多数の短期記憶を必要とする問題です。
人間の頭は一度に7つぐらいのことしか同時に処理できないので、それ以上の変数がある問題が出せられると、途端に処理速度が落ちるのです。(パソコンに似ていますが)
そのときの対応のコツは、多数の情報を圧縮して処理することです。
例えば、都立白鴎中の2012年の問題で、8つのタワーの並び方を問う問題が出てきます。
それは、
1.神戸ポートタワー
2.東山スカイタワー
3.横浜マリンタワー
4.銚子ポートタワー
5.さっぽろテレビ塔
6.福岡タワー
7.東京タワー
8.東京スカイツリー
の8つです。
そして、それぞれのタワーの条件として、
A.電波塔であるかどうか
B.関東地方にあるかどうか
C.平成元年以降にオープンしたかどうか
の3つがあります。
これらの組み合わせを考えるときに、いちいち「東京スカイツリーは、電波塔であって、関東地方にあって、平成元年以降のオープンで……」と考えていたら、それだけで短期記憶のメモリーをほとんど使ってしまいます。
そこで、タワーの頭文字だけを操作すればいいようにするのです。
すると、「『す』は『でかへ』で……」となるので、思考の速度がぐんと上がります。
もうひとつの人間の脳に苦手な操作は、物事を立体的に思い浮かべることです。
人間の目は、平面的に見ることに慣れているので、立体的なものの向こう側を操作することがなかなかできません。日常生活では、実際に立体の後ろ側に回って処理すればいいので、頭の中だけで立体の処理をすることに慣れていないのです。
都立小石川中の2012年の立体図形の問題がちょうどそういう問題です。
図8の「1」の列の16個を「4」の列の16個とそっくり入れ換えたのが図9です。
つまり、図8の「1」の「イ」の「B」に隠れていた「色のついた立方体」が、図9の「4」の「イ」の「B」に見えるようになったということです。
問題は、図9に何度か操作を行い、色のついた立方体4つのうち1つだけが見える状態にすることができるか、できるとしたらその方法はどうか、というものです。
日常生活では、こういう問題は実際に立方体を動かせば済むことなので、頭の中で考えて処理するようなことはありません。
だから、こういう問題は難しく感じるのです。
こういう問題に対応するコツは、フリーハンドで立体図をかいてみることです。そして、それを動かした図をまたかいてみるのです。
しかし、こういう図をかいてみようかと思いつくためには、普段から絵や図をかくことに慣れている必要があります。
それは、一見遊びのようなことですが、そういう時間の過ごし方が厚みのある学力になるのです。
厚みのある学力というと、太陽の動きや星座の動きのようなものも、立体的な上に球面で動くというわかりにくいところがあります。
天体の問題に対応するために、自分の家の周りで、どこから太陽が昇って、どこに沈むかということを感覚的に知っている必要があります。
こういうことも、生活の中で身につける学力なのです。
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「小5から家庭でできる公立中高一貫校の受験対策」の記事をアップロードしました。
https://www.mori7.com/an/16.html
公立中高一貫校の受験をするために学習塾に通っているという生徒からよく聞くのが、「宿題の量が多くて大変」という言葉です。
公立中高一貫校の適性検査の問題は、宿題の量を増やして力がつくような問題ではありません。読む力、書く力、考える力の総合力と、試験の時間制限に合わせた時間配分が実力をつける鍵です。
時間配分は、試験の直前1~3か月前から取り組むとしても、それまでの総合的な学力は、問題集を解いてつくものではありません。実際に読み、書き、考える中でついていくものです。
そして、そういう考える勉強にいちばんふさわしいのが家庭での学習なのです。
そこで、言葉の森では、通学教室の小5以上の生徒を対象に公立中高一貫校の受験対策の自習講座(無料)を開設しました。
これは、これまでの問題集読書を発展させたものです。
勉強というと、苦しいもの、嫌なもの、できればしたくないものと思われていますが、それは勉強が孤独に行う記憶の作業のようなものになっているからです。
実は勉強は、楽しいものです。それは、その勉強の中で、新しい発見があり、創造があり、他の人との交流があるからです。
言葉の森の自習講座は、そういう創造と交流の勉強にしていきたいと思います。
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お世話になっております。通学教室の小5以上の公立中高一貫校の自習講座があるとの事ですが、今後通信生徒対象のものもできる予定はありますでしょうか?
ウェブに動画で流していましたが、動画だと見るのに時間がかかるので、今度は、テキストで読めるような形で行っていきたいと思っています。
本当は、google+などでリアルタイムにやりとりができる形がいいのですが、今はまだ敷居が高いと思うので、当面はテキストだけの素朴な形でやっていく予定です。
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センター試験が廃止の方向に向かい、年数回の到達度テストが行われるようになるそうです。
何事もそうですが、ペーパー試験だけで評価しようとすると、対策がすぐに立てられるので、すぐに重箱の隅をつつくような試験になります。
すると、そういう重箱の隅のつつき方のコツを知る人が高得点を取るようになります。(言葉の森のセンター試験国語対策などももちろんそうですが。)
そうして、成績と学力がどんどんかけ離れたものになっていくのです。
人生の大きなゴールは、いい仕事ができるかどうかです。いい大学に入れるかどうかではありません。
自分の好きな熱中できることがあり、基礎学力がしっかりついていればいいのです。
ところが、ペーパー試験で人間を評価するようになると、好きなことに熱中する時間は後回しにして、試験に出るところだけを勉強するようになります。
もちろん、受験の直前にそういう勉強をすることは大事です。勝負に勝つための勉強というものあるからです。
しかし、受験のはるか前からそういう勉強に取り組んでしまうと、成績だけはいいが学力の厚みがない人間になってしまいます。
例えば、読書をするよりも、読書の時間を削って作者と作品を結びつける知識を覚えた子の方がいい成績になるようなものです。
だから、今後の試験の方向は、ペーパー試験(到達度試験)は基礎学力をバランスよく測るだけのものにして、1点差を争うようなものにしないことです。
そして、そのかわりに、小論文と口頭試問と人望を中心とした評価をするべきです。
客観性には多少欠けますが、今のペーパー試験中心の選抜よりもずっと人間味のある、実態にあったものになるでしょう。
これからの試験は、成績よりも人間力を中心としたものになっていくと思います。
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子供たちの勉強の量と種類は年々増えているようですが、最初に学ぶのは勉強の仕方や時間の使い方のように思います。
低学年のころは、親がつきっきりで教えることができるので、どんなことでもうまく行っているように見えます。
しかし、やがて学年が上がり勉強の量が増え、帰りの時間もまちまちになると、次第に子供の勉強は親の手から離れ、子供が自分で時間をコントロールすることを求められるようになります。
大事なのは、この時期に自分で時間の管理ができるかということです。
だから、親の言うことをよく聞く低学年のうちから、できるだけ親が指示せずに子供が自分でやることを決めていくようにできるといいのです。
その方法のひとつが、簡単な記録をつけることと、自分で目標を決めて時間を計ることだと思います。
そして、低学年のうちは、勉強の中身自体は大したものではないので、決して無理をさせないことです。
親から見てものたりないぐらいのペースで勉強を進め、勉強の量や質よりも、自分でやったという姿勢を褒めていくことです。
毎朝の音読や暗唱なども、読み方がどんなに下手だろうと、時々はふざけて読もうと、やったこと自体をいつも褒めてあげるといいのです。
梅雨とは思えないようないい天気の日が続きます。
植木鉢が乾燥してくると、今度はかえって、雨でもちょっとほしいところだなあと思ったり……(笑)
しかし、そうなるとまた都合よく一雨来るのです。
それでは、今日もいい一日をお過ごしください。
(写真は、横浜で2番目に高い山、円海山の下を通るトンネル。高いと言っても標高153メートルだから低い。ってどっちや)
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馬を川に連れていくことはできるが水を飲ませることはできない、というのと似ているのが、作文が書けないときの子供の状態です。
低中学年の子供の場合、そのときは無理に自分の力で書かせることはありません。
「じゃあ、、お母さんが言ってあげるから、そのとおり書いてごらん」
と言って、アドリブで適当な文を言ってあげるのです。
そういう形で何行か書いていくと、大抵の場合、その流れで自分で続きを書くようになります。
しかし、自分で続きを書かない場合でも、それはそれでかまいません。
「よく書けたね。これでいいんだよ」
と言って、その作文は完成です。
低中学年の子供には、「できなかった」とか「失敗した」という感覚をできるだけ持たせないように、どんどん助け船を出していくのがいいのです。
手助けをしていたら自分の力でできなくなると心配することはありません。
人間はもともと自分の力でやることが好きなので、自信がつけば必ず自分でやるようになっていきます。
無理に水を飲ませようとするよりも、ただ川に連れていき、自分がおいしそうに水を飲んでいればいいのです(笑)。
今日もきれいな初夏の空が広がっています。
近所の公園のアジサイの花が、色づきかけていました。
これから、だんだん緑の濃い季節になっていくのでしょう。
それでは、今日もいい一日をお過ごしください。
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ところで、小学校低中学年の場合は、どんどん手助けをしてあげればいいのですが、高学年と中学生の場合はちょっと違います。
小学校高学年や中学生で作文がなかなか書けないのは、自信がないからというよりも、準備不足と読書不足によることが多いからです。
その話はまたいつか。
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