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国語の記述式問題を解く力をつけるには as/1852.html
森川林 2013/06/27 06:38 


 記述式問題の対策では、書くスピードをつけることと、字数をコントロールする力をつけることが前提です。
 しかし、もっと大事なのは記述の中身です。

 中身で注意することは、物事を対比して考えるということです。
 「それはAだから。」と考えるだけでなく、「それは(Bではなくて)Aだから。」と考えるのです。

 もうひとつ大事なことは、抽象的な中身を述べる語彙を使えるようにすることです。
 ある語彙が読めたり理解できたりすることと、その語彙が使えるということは違います。

 例えば、小学校高学年の生徒なら、「人生」とか「社会」という言葉は読めるし理解もできます。
 しかし、日常生活でそういう語彙を使う場面はまずありません。
 だから、記述の答えを書くときに、そういう語彙がなかなか出てこないのです。

 そこで大事になるのが、対話です。
 そういう語彙を必要とするテーマをもとに、家族で話をするのです。
 家族の対話のテーマ選びに使えるのが、実際の国語の入試問題の長文です。

 対話の勉強のいいところは、書くことに時間をとられないということです。
 書くことに比べると、話したり聞いたりすることは5倍から10倍能率がいいのです。

 そして、小学校高学年でそういう対話ができる準備として、子供がまだ小さい小学校低学年のころから、家族で話をする習慣を作っておくといいのです。

 これからの勉強は、考える力が要求されます。
 そういう勉強ができるのは、実は家庭なのです。

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家庭での作文の教え方、算数数学の教え方、国語の教え方(1) as/1851.html
森川林 2013/06/26 20:41 



 勉強の中心は家庭で行う自習ですが、子供が家庭で勉強をする場合、親が気をつけなければならないことがあります。それは、教科によって教え方が少しずつ違うということです。

 まず、作文の教え方です。
 子供がなかなか作文を書けないとき、あるいは書き始めてみたものの先に進まない場合、親はついそのまま子供に自力でがんばらせてしまいがちです。
 しかし、作文というものは、いったん書けなくなると、時間がたてばたつほどますます書けなくなってきます。

 子供が作文を書けないときの対応は、いくつかあります。
 言葉の森で勉強している場合は、夜8時までであれば教室に電話をして、「続きが書けないのですが」と聞くことができます。そういう質問があった場合、教室では普段よりももっとわかりやすくかみ砕いて説明するので、大抵の子は書けるようになります。(ただし、感想文の場合はもとの長文をしっかり読んでいることが条件になります)

 書けなくなってから質問するよりもいい方法は、事前の準備に時間をかけることです。感想文の場合は、長文をできるだけ毎日音読しておくことです。時間は5分もかからないので、朝ご飯の前にやっておくことをおすすめします。
 長文を繰り返し読んでいると、どんな難しい文章でも全体像が頭に入ってきます。その上で、その長文の内容をお父さんやお母さんに説明し、家族で似た話をいろいろ話し合ってみるのです。この話し合いが、子供の語彙力を育てます。
 そして、ほとんどの感想文は、似た例と結びつけて考えることができれば書けるようになるのです。

 低中学年の生徒で、作文が書けないという場合の主な理由は、まだ書き慣れていないことです。そういうときは、無理に本人に書かせようとするのではなく、お父さんやお母さんが子供と一緒に作文に書くことを話しながらメモしてあげるという方法があります。
 よく、書けない子にお母さんがつきっきりで、次に書くことをアドバイスするような教え方をする人がいますが、それでは子供に依頼心がわき、またお母さんも書いている間ずっとそばにいなければならなくなります。そういうやり方ではなく、書き出す前にたっぷり話をしてメモに書き出しておくのです。
 こういう方法で取り組めば、お母さんが関わるのは最初の10分ぐらいで済みます。そして、子供もそのメモを見ながら書いていくので自立心がつきます。
 子供にまだ自信がないときは、お母さんの書いたメモのとおりに書いてしまうかもしれません。しかし、それでも書いたこと自体をたくさん褒めてあげます。このようにして、次第に書くことに慣れて自信がついてくると、だんだんと自分の力で書くところが増えてきます。
 最初はできるだけ楽に書けるように、親や先生が引っ張ってあげることによって、書く力をつけていくのです。


 さて、算数数学の場合は、これとは反対の教え方になります。
 子供が、算数数学の問題が解けないといった場合、算数数学の得意な親は、つい教えてしまうことがあります。ところが、どんなにわかりやすく教えても、人から教わって理解できたことは、なかなか自分の実力にはなりません。
 わからないところを聞く前に、まず自分で答えと解法を見て、自分の力で理解しようとする必要があります。その上で理解できないことについてだけ、親や先生に聞くのです。しかし、その聞き方も、「この問題がわからない」というだけでなく、「この問題の解法の、ここからこうなるところがわからない」と焦点を絞って聞かせるようにすることです。
 できない問題を理解しようとして何時間もかける必要はありませんが、あまり安易に他人に聞くと、わかった気がするだけで自分の実力にはならないのです。


 国語の教えかは、また作文や算数数学とも少し違います。それは、次回に。(つづく)

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