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6月の森リン大賞から(中2の部) as/1890.html
森川林 2013/08/04 07:35 



 7月4週の「山のたより」に6月の森リン大賞を掲載しています。
 小1と小2は、点数をつけることに意味がないので、代表作品もランキングも表示していません。
 小3と小4は、ランキングは表示していますが、代表作品は表示していません。代表作品を載せると、その作品と自分の子供の作品を比較して、子供に自信をなくさせてしまう人が多いからです。
 小5以上は、代表作品を掲載しています。小学5年生以上になると、子供が自分自身で、よりよい文章を書きたいという意識を持つようになるからです。しかし、

 今回は、これからの作品の中から、中2の森リン大賞の代表作品を掲載します。
 森リンで測定している文章の上手さは、内容のよさではなく、語彙の多様性とバランスです。しかし、語彙が多様でバランスのとれている作品は、自然に内容のよいものが多いのです。語彙が多様な人は、物事をよく見てよく考えているからです。


6月の森リン大賞(中2の部67人中)
古いもの 新しいもの
りょうたろう

 「うぅーん。何回見ても不思議な顔してるなぁ。どういう意味でこんな模様作ったんやろう。」
と僕は首をかしげた。陽がカンカンに照っている夏のある日、僕は外に出る気はさらさらなく、祖母の家で古い手鏡に科学者のように見入っていた。

 世の中には古いものと新しいものがある。古いものは、昔の人の生きた証として大切に守られ、新しいものは、現在生きている私達に利用され共に生きている。しかし、古いものはもう使わないものが多いのに、なぜ残さなければならないのだろうか。また、新しいものはどこ迄僕達の生活と関わっているのか。答えに詰まる人が多いと思う。皆さんが知っているのは、どちらも大切であるということだけかもしれない。僕は先の質問の答えと、これから人間は、自らの生活をより豊かにするためにはどのようにすれば良いのかについて説明したい。

 まず、長い月日を重ねた古いものには、重みや温もりが感じられるという意見がある。例えば、僕の祖母の家には古い手鏡がある。祖母によるとそれは、祖母の祖母が使っていたものらしく、もし売れば相当の値が付くに違いないそうだ。お金に換えても凄いのだが、この手鏡には、それだけではない情緒もある。ある日、僕はその手鏡の裏の模様が気になり、じっとその模様を見つめていた。見つめながらこれを使っていた人の顔や様子を想像していたのだが、考えれば考える程、その手鏡に吸い込まれていくような感覚を覚えた。それは手鏡が長い年月をかけて完成された自分の素晴らしさをもっと感じろと、僕を引き寄せているようだった。僕は、まるで時の旅をしているかのような気持ちになった。そして、その旅が終わると僕は、長い年月をかけて大切に使われてきた手鏡の温もりをありありと感じていた。僕は、こういう古き良きものは、これからも大切しなければならないと思った。

 次に、最新の製品の便利さは僕達の生活を支えているという意見がある。今、僕たちの身の回りには最新機器があふれている。例えばハイビジョンテレビ、アイフォン、パソコンなど、挙げだすときりがない。もっとも僕は、小学校五年生迄どれも持っていなかったが(笑)。このような機器は、ひとつひとつが僕達の生活の軸となっており、どれかひとつでも欠けてしまうと生活のリズムが狂い、息苦しくなるだろう。また、これらの機器は社会にも大きく関わっている。最新機器を使わない仕事は殆ど無いと言っても過言ではない。例えば、経済の動きに大きく関わっている東京証券取引所の様子がよくテレビニュースで映される。そこでは、数え切れない程の機械が、いつも数字をディスプレイで流し働き続けている。更に、一見機械の使い所がないような仕事でも、情報を整理したり、経理関係ではパソコンを使っているだろう。実際、サービス業などの第三次産業だけでなく、農業などの第一次産業でも、農作物のデータなどを整理するために、パソコンが使われているそうだ。最早、僕達にとって機械なしでの生活はあり得ず、機械があるからこそ、人間は自分の力を有効に発揮でき、今の豊かな生活ができるのだ。僕は、僕達の生活を支える最新機器の働きに改めて感服した。

 古いものの重厚な温もりも良い。最新機器の利便性も良い。しかし、一番大切なのは、古いものから昔の人の考えや知識を感じ、それを最新機器の更なる向上につなげることである。「いかに飽きずに続けるかでなく、飽きることと続けることをいかに両立させるかということが大切だ」という名言があるように、僕達は一方でものを大切に扱って古いものを残し、一方で現状に満足せず機器の更なる発達に意欲的に取り組むべきなのだ。これから僕は、機械がより発達し、僕達の生活がより豊かになるためにも古いものを大切にしたい。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1古いもの 新しいものりょうたろう89154962828590
2ノンフィクションとは何かれたす87133056657992
3キセキの起こし方ききほ87126357697989
4危機意識についてゆへぬ84121057879384
5創るものいゆん82105352707586
6『夢を見ることが出来るなら、それは実現できるんだ。』#2 清Ivy?82109166636793
7物の本当の良さをあよあよ8195252747787
8直感と論理的思考ぎんぎつね8194251707090
9事実と創作かこちゃん8099956998686
10つかいわけ枕草子8078451798286

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勉強は、リビングや図書室でみんながいるところでやる方がはかどる as/1889.html
森川林 2013/08/02 11:00 

 (写真は、遊びの好きな言葉の森のペット犬「ゆめ」)

 facebook記事より。

====

 先日、子犬と遊んでいて、犬は遊びが好きなのではなく、コミュニケーションが好きなのだと気づきました。
 ボールを投げてやると喜んで取りに行きますが、ひとりで黙々とボールで遊ぶようなことはありません。例えば、ボールリフティングとか。(やるかい)
 つまり、ボール遊びが好きなのではなく、人間がボールで遊んでくれることが好きなのです。

 同じことは、子供たちの勉強にもあてはまります。
 子供たちは、勉強して自分が向上することが嬉しいというよりも、勉強を介してみんなとコミュニケーションが取れることが嬉しいのです。

 だから、お喋りをするわけではなくても、誰かが隣にいる方が勉強がはかどります。

 自分の部屋でひとりで勉強できるのは、その勉強に燃えているときだけです。
 普通は、リビングで、又は図書室で、又は教室で、又は自習室で、誰かがいるところでやる方が勉強は順調に進むのです。

====

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