タイトルにちょっとギャップがありますが、深いところでは関連しています。
facebook記事より。
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いろいろなところから、地震、噴火、津波の予測情報が流れてきます。
それらの中には確実なデータの裏づけのあるものもあります。
心の準備をしておくのに越したことはありません。
しかし、世の中は今、大きくよい方向に向かっています。
こういうよい方向に向かい始めたとき、好転反応として悪いビジョンが出ることも多いのです。
悪いビジョンが出ることが、本格的によい方向に進むための条件です。
人間は、よいものよりも悪いものの方に関心を向けがちです。
それは、生存本能として、悪いものにより多くの注意を向ける必要があったからです。
しかし、それは同時に人間がこれまで自分を弱い存在だと見なしていたからです。
自分の手で未来を作ることができるという自覚を持てれば、悪いものに大きく気をとられる必要はありません。
そして、その自覚につれて、悪いビジョンも自然に解消していくのです。
ここで一転、身近な子育てに関しても同じことが言えます。
子供が成績をもらってくると、まず悪い成績のところに目が行きます。
そして、よいところはそっちのけで、悪いところを直すことに気をとられます。
しかし悪いところは、特定の原因があったからそうなったのではなく、これまでの生活で自然にそうなっていったものです。
例えば、国語の成績が悪かった場合、それは国語の勉強をしなかったからではなく、日常の生活が国語的でなかったからです。
例えば、読書よりもテレビ、対話よりもゲームというように、言葉を使わない時間が多かったから国語が苦手になったのです。
だから、大事なことは国語の問題集をやることではなく、生活を国語的にしていくことです。
そのためには、国語の勉強の目的を考えることです。
まず、自分の得意なところ、優れているところに目を向けます。
国語の成績が悪いと受験に困るから国語の勉強をするのではなく、将来自分の得意分野を伸ばしていくために国語的な力が必要になるから国語の勉強をするのです。
そのために、生活を国語的にしていこうと自覚することによって、国語の苦手は解消していくのです。
今朝も、明るい朝日が昇ってきました。
と思っているうちに、西の方からポツリポツリと雨が降ってきました。
でも、そのあとまたすぐ晴れてくるようです。
適度な雨と適度な晴れで、今日もいい一日になりそうです。
(中根)
▽「国語的な生活」の参考記事
「国語の力は、低学年からの国語的な生活の中で」
https://www.mori7.com/as/772.html
「国語の勉強は生活の中から―本当の国語力は作文の中に表れる」
https://www.mori7.com/as/1555.html
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ほかにも、
「新学年は、家庭学習を新しく始めるチャンス」
https://www.mori7.com/as/1491.html
「勉強の仕方総まとめ 1 小学校の早めの時期に作文を勉強する意味」
https://www.mori7.com/as/1617.html
7月4週の「山のたより」に6月の森リン大賞を掲載しています。
小1と小2は、点数をつけることに意味がないので、代表作品もランキングも表示していません。
小3と小4は、ランキングは表示していますが、代表作品は表示していません。代表作品を載せると、その作品と自分の子供の作品を比較して、子供に自信をなくさせてしまう人が多いからです。
小5以上は、代表作品を掲載しています。小学5年生以上になると、子供が自分自身で、よりよい文章を書きたいという意識を持つようになるからです。しかし、
今回は、これからの作品の中から、中2の森リン大賞の代表作品を掲載します。
森リンで測定している文章の上手さは、内容のよさではなく、語彙の多様性とバランスです。しかし、語彙が多様でバランスのとれている作品は、自然に内容のよいものが多いのです。語彙が多様な人は、物事をよく見てよく考えているからです。
6月の森リン大賞(中2の部67人中)
古いもの 新しいもの
りょうたろう
「うぅーん。何回見ても不思議な顔してるなぁ。どういう意味でこんな模様作ったんやろう。」
と僕は首をかしげた。陽がカンカンに照っている夏のある日、僕は外に出る気はさらさらなく、祖母の家で古い手鏡に科学者のように見入っていた。
世の中には古いものと新しいものがある。古いものは、昔の人の生きた証として大切に守られ、新しいものは、現在生きている私達に利用され共に生きている。しかし、古いものはもう使わないものが多いのに、なぜ残さなければならないのだろうか。また、新しいものはどこ迄僕達の生活と関わっているのか。答えに詰まる人が多いと思う。皆さんが知っているのは、どちらも大切であるということだけかもしれない。僕は先の質問の答えと、これから人間は、自らの生活をより豊かにするためにはどのようにすれば良いのかについて説明したい。
まず、長い月日を重ねた古いものには、重みや温もりが感じられるという意見がある。例えば、僕の祖母の家には古い手鏡がある。祖母によるとそれは、祖母の祖母が使っていたものらしく、もし売れば相当の値が付くに違いないそうだ。お金に換えても凄いのだが、この手鏡には、それだけではない情緒もある。ある日、僕はその手鏡の裏の模様が気になり、じっとその模様を見つめていた。見つめながらこれを使っていた人の顔や様子を想像していたのだが、考えれば考える程、その手鏡に吸い込まれていくような感覚を覚えた。それは手鏡が長い年月をかけて完成された自分の素晴らしさをもっと感じろと、僕を引き寄せているようだった。僕は、まるで時の旅をしているかのような気持ちになった。そして、その旅が終わると僕は、長い年月をかけて大切に使われてきた手鏡の温もりをありありと感じていた。僕は、こういう古き良きものは、これからも大切しなければならないと思った。
次に、最新の製品の便利さは僕達の生活を支えているという意見がある。今、僕たちの身の回りには最新機器があふれている。例えばハイビジョンテレビ、アイフォン、パソコンなど、挙げだすときりがない。もっとも僕は、小学校五年生迄どれも持っていなかったが(笑)。このような機器は、ひとつひとつが僕達の生活の軸となっており、どれかひとつでも欠けてしまうと生活のリズムが狂い、息苦しくなるだろう。また、これらの機器は社会にも大きく関わっている。最新機器を使わない仕事は殆ど無いと言っても過言ではない。例えば、経済の動きに大きく関わっている東京証券取引所の様子がよくテレビニュースで映される。そこでは、数え切れない程の機械が、いつも数字をディスプレイで流し働き続けている。更に、一見機械の使い所がないような仕事でも、情報を整理したり、経理関係ではパソコンを使っているだろう。実際、サービス業などの第三次産業だけでなく、農業などの第一次産業でも、農作物のデータなどを整理するために、パソコンが使われているそうだ。最早、僕達にとって機械なしでの生活はあり得ず、機械があるからこそ、人間は自分の力を有効に発揮でき、今の豊かな生活ができるのだ。僕は、僕達の生活を支える最新機器の働きに改めて感服した。
古いものの重厚な温もりも良い。最新機器の利便性も良い。しかし、一番大切なのは、古いものから昔の人の考えや知識を感じ、それを最新機器の更なる向上につなげることである。「いかに飽きずに続けるかでなく、飽きることと続けることをいかに両立させるかということが大切だ」という名言があるように、僕達は一方でものを大切に扱って古いものを残し、一方で現状に満足せず機器の更なる発達に意欲的に取り組むべきなのだ。これから僕は、機械がより発達し、僕達の生活がより豊かになるためにも古いものを大切にしたい。
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
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1位 | ●古いもの 新しいもの | りょうたろう | 89 | 1549 | 62 | 82 | 85 | 90 |
2位 | ●ノンフィクションとは何か | れたす | 87 | 1330 | 56 | 65 | 79 | 92 |
3位 | ●キセキの起こし方 | ききほ | 87 | 1263 | 57 | 69 | 79 | 89 |
4位 | ●危機意識について | ゆへぬ | 84 | 1210 | 57 | 87 | 93 | 84 |
5位 | ●創るもの | いゆん | 82 | 1053 | 52 | 70 | 75 | 86 |
6位 | ●『夢を見ることが出来るなら、それは実現できるんだ。』#2 清 | Ivy? | 82 | 1091 | 66 | 63 | 67 | 93 |
7位 | ●物の本当の良さを | あよあよ | 81 | 952 | 52 | 74 | 77 | 87 |
8位 | ●直感と論理的思考 | ぎんぎつね | 81 | 942 | 51 | 70 | 70 | 90 |
9位 | ●事実と創作 | かこちゃん | 80 | 999 | 56 | 99 | 86 | 86 |
10位 | ●つかいわけ | 枕草子 | 80 | 784 | 51 | 79 | 82 | 86 |