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自習検定試験と寺子屋オンエア as/2000.html
森川林 2013/12/10 19:17 


 自習検定試験のページを作りました。
https://www.mori7.net/jks/
 これは、生徒が自主的に行っている、漢字、英語、数学、長文の自習を、検定試験という形で評価して励みにするものです。今後、この検定試験は、毎月やっていく予定です。

 勉強の基本は、家庭で自分で行う学習です。
 反転授業という勉強の仕方が、大学だけでなく、小中高校など下の学年でも行われるようになってきました。この反転授業というのは、勉強は自宅で(ネットを使って)行い、学校はその成果を発表し友達や先生と交流するために行くという形の授業です。「学校で先生が教え→家庭で復習や応用をする」から「家庭で自分で学び→学校で発表や交流をする」というふうに反転しているので反転授業と言います。

 ところが、この反転授業が成り立つ前提は、子供たちが家庭で自分で行う勉強ができるということです。この家庭での自学自習ができないと、学校での発展や応用ももちろんできません。
 言葉の森でも、家庭で行う自習に力を入れたいと思っていますが、子供たちの意識が、「勉強は学校や塾で教わるもの」という昔からの考え方のままだと、家庭での自習はなかなか進みません。
 そこで、家庭での自習の目標として検定試験を行うようにしたということです。

 そして、この検定試験のほかに、もうひとつ考えているのは、寺子屋オンエア(仮称)です。
 反転学習を行っている学校では、やはり家庭で学習を行えない子がいることがいちばんの問題になっています。その解決策として、考えられているのは、家庭だけではなく地域で子供たちの家庭学習をカバーするという方法です。
 しかし、いずれ地域が子供たちの教育を支えるという仕組みはできてくると思いますが、今そこまでの地域のつながりができているところは、ほとんどありません。
 そこで、言葉の森では、ネット環境を使い、複数の生徒がそれぞれの家庭にいながら一緒に家庭学習を行える寺子屋オンエアというものを企画することにしました。

 子供たちは、高校生以上になれば自分ひとりで勉強をすることができますが、小中学生のころは、友達も一緒に同じ勉強をしているという実感がないと勉強に対する意欲を持てません。
 家庭学習がうまく行っている家庭は、そういう実感や意欲がなくても毎日の習慣として、例えば朝起きたら長文音読をするというような習慣ができている家庭です。しかし、その習慣作りも、自動的にできるわけではありません。毎日のように親が声かけをして初めて習慣を持続させることができます。

 その親の声かけの代わりにもなり、集団で勉強するという実感も作るのが、オンエアによる家庭学習です。
 近いうちに、モニターを募集して、寺子屋方式のオンエア学習を行っていきたいと思っています。

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森川林 20131211  
 ネットを使った授業ということでよくある勘違いは、ネットで教える形になっていること。
 人間は、教わっているときには、学習内容は身についていない。
 自分の中で反芻し納得したときに、初めて学習した中身が身につく。
 テレビを見ていると頭が悪くなるように、ビジュアルで楽しくてわかりやすい勉強ばかりしていると考える力がなくなるのではないかと思う。

森川林 20131211  
 考える過程で大事なのは、紙とペンと手だ。
 目と耳は情報を受け入れる器官で、手と口は情報を出力する器官だ。
 手で書いたり、声に出して読んだりすることによって、情報をいったん咀嚼して初めて自分のものになる。
 テレビを消したときに考え事が始まるように、ネットのスイッチを切ったときに本当の勉強は始まる。

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作文の項目指導は、相撲や柔道などの技の型と同じ as/1999.html
森川林 2013/12/09 19:30 



 相撲でも、柔道でも、いろいろな技があります。上手投げ、一本背負い、大内刈りなど。
 それらの技が型として作られているので、型の練習をすることが技を身につける練習になります。

 ただの力や体の大きさで相手に勝つのではありません。技で勝つので、小さい者が大きい者を倒すこともできるのです。
 力よりも技が物を言うのが、人間の動物と違うところです。

 この技の型に相当するものが、作文で言うと構成や表現の項目です。

 言葉の森では、作文のテーマに合わせていくつかの型を組み合わせて書く練習します。
 例えば、複数の実例と一般化の主題、複数の理由と是非の主題、複数の意見と総合化の主題、複数の方法と当為の主題、複数の原因と社会問題の主題など。

 こういう型の練習をしていると、作文試験の本番でも自然に構成のしっかりした文章を書くようになります。
 力で書くのではなく技で書くのが、言葉の森の勉強法です。

 しかし、技が効果を発揮するためには、それなりの力も必要です。
 作文において力に相当するものは、豊富な語彙力です。

 本をよく読んでいる子は作文もうまいというのは、読書によって語彙力がついているからです。
 小学生の作文でよくあるのが、せっかくいい話を書いているのに、そのまとめの感想で、「楽しかった」「嬉しかった」「面白かった」などの平凡な言葉を使ってしまうことです。
 読書の好きな子は、こういう平凡なまとめ方をすると、自分の中に何か納得できなものを感じるらしく、自然にもう一工夫をした書き方をします。

 作文の勉強は、半分は作文の型の勉強で、もう半分は読書によって語彙力をつける勉強なのです。

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