みなさん、明けましておめでとうございます。
今年のテーマは、「創造が価値の源泉となる社会と言葉の森の教育」に詳しく書きました。
https://www.mori7.com/beb_category.php?id=76
その要約は以下のとおりです。
まず、世の中はどんどんよい方向に進んでいるということです。
今年は、それが加速すると思います。
そして、よい世の中になったときに(なりつつあるときに)、自分たちが何を目指しているのかが問われるようになってきます。
その答えのひとつが、創造を価値と源泉とする社会です。
みんなが、創造と愛(と勇気と知恵と笑い)の中で生きる社会の実現です。
しかし、それを実現するのは日本が最初で、日本が政治的、文化的にリーダーシップをとる中で世界中がそういう方向に動いていくのだと思います。
だから、言葉の森も、その大きい方向に向けて仕事をしていきたいと思います。
その第一が、創造力を育てる教育を行うことです。
それを、作文を中心とする教育の中で実現していきたいと思います。
その方法が具体的には、今の項目作文です。そこに、森リンテクノロジーやプレゼン作文や長文音読や親子の対話や実行課題(遊びや行事の課題)を取り入れていきます。
第二は、その創造教育を実現する前提として、現在の教科の教育をもっと効率のよいものにする必要があるということです。
今の子供たちは、役に立たない勉強を詰め込みすぎています。(特に小中学生)
だから、もっと効率のよい、時間のかからない、したがって費用のかからない教育を提案していきたいと思います。
その方法が具体的には、自習検定(漢字、英語、算数数学、長文、作文)、オープン教育(オープン長文などで自分たちで教材を作り提供する運動)、家庭を中心とした学習です。
そして、第三に、その創造教育と効率教育を作る主体としてのオープンな組織の充実です。
その主体となるのが、言葉の森の講師、森林プロジェクトのメンバー、オープン教育のアシスタント、それから、言葉の森の生徒の保護者、言葉の森に関心を持ってくださっている多くの方々です。
創造教育、効率教育(そして将来は文化教育)を作る仕事を、言葉の森のオープン教育の場を中心に、自由なマイクロビジネスモデルとして展開していきたいと思います。
ここまでが、「創造が価値の源泉となる社会と言葉の森の教育」という記事の要約です。
今年は、以上の仕事を、雪の野原で小さな雪玉を作るような構想として取り組んでいきたいと思います。
平成26年1月1日
言葉の森 代表 中根克明(森川林)
マイクロビジネスモデルというのは、文化祭や地域のお祭りで、みんなが焼き鳥屋をやったり、ヨーヨー釣りをやったり、遊んだり踊ったりするようなイメージで考えています。
やらされる仕事はあまり楽しくありませんが、自分から進んでする仕事は楽しいものです。
みんながそういう仕事で生活していけるような社会が将来やってくるはずなので、その準備をしていくということです。(気が早いけど)
●先進国の起業に必要なのはマイクロクレジットではなくマイクロな実行の場
言葉の森で行っている森林プロジェクト、オープン教育は、ミニ起業による個人企業を作るための準備の場です。
例えば、オープン教育アシスタントは、自分の裁量で検定試験の問題を作成します。その検定試験を広げ、検定料を受け取る仕組みを作れば、それがひとつのミニ起業です。
グラミン銀行は、マイクロクレジットによって、貧困な途上国に自立するための多数のミニ起業を生み出しました。
先進国に必要なのは、マイクロクレジットではなく、マイクロアイデアとそのアイデアを実現するマイクロな場です。
言葉の森は、そのマイクロな場を、森林プロジェクトとオープン教育で作っていくことを考えています。
●創造をもとにした交流と、新しい未来の社会
人間の生きがいや喜びは、主として創造と貢献と向上と交流の中にあります。もちろん、それ以外の消費の喜びや休息の喜びもありますが、生き生きとした実感は、自分が何かを作り出す中で得られるものです。
その創造がひとりよがりの創造ではなく、社会に役立つという貢献性のあるものであれば、そこに利益が生まれます。
理念と結びつく形で利益を実現することができれば、そういう集団における人間の交流は、不満を述べ合う後ろ向きの交流ではなく、向上心に満ちた前向きの交流になります。創造的な社会の幅広い裾野を埋めるのは、このような集団です。
このオープンで創造的な個人企業群によって、効率教育が作られ、その効率教育によってできた時間的金銭的な余裕によって創造教育が広がります。更に将来的にはそれらに加えて個性的な文化教育が生まれます。
そして、創造教育が創造文化と結びつくことによって、創造を価値の源泉とする未来の社会が育っていくのです。