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MOOC(大規模公開オンライン講座)とは対極にある幼・小・中の教育が未来の産業の土台となる as/2107.html
森川林 2014/03/24 19:06 


 MOOC(Massive Open Online Courses 大規模公開オンライン講座)の動きが世界的に広がっています。世界水準の優れた教材と授業が、ほぼ無料ですべての人に開かれるようになるという動きです。すると、今後、その優れた授業を受けるための、つまりよりよい学校に入るための塾や予備校は不要になっていくことが考えられます。しかし、現在起きているのは、塾や予備校が不要になる前の過渡期における、塾や予備校のMOOC化です。

 これまでの教育は主に、いかに学ぶかではなく、いかに合格するかということを目標としていました。現在のMOOCは、まだその方法は革命的でありながら、その立脚している土台は旧社会のものです。つまり、MOOCの講座の修了証が企業への就職に役に立つ、あるいは企業が優れた人材を採用するためにMOOCに出資するという、企業社会の枠内での大学教育の変革となっているのに過ぎません。つまり、よい会社、よい仕事、よい給与のための大学の予備校化の中で発展しているのがMOOCです。

 この教育の変革運動は、今後急速にグローバルに広がり、世界の大学教育は、大きな変容を迫られます。しかし同時に、このMOOCとは正反対の動きも広がっていくのです。それは、ひとつの理由としては企業社会がこれから変容していくからです。もうひとつの理由は、何を学ぶかということ以前に、いかに学ぶかということが教育の焦点になってくるからです。

 企業社会の変容ということについては、今後の世界の大きな変化を考える必要があります。既に、アメリカドルのデフォルト、中国バブルの崩壊は、多くの人に予測されています。それは、偶然に起こる何かの事件又は事故をきっかけに、一気に誰の目にも見える形で現象化するでしょう。

 しかし、それらの破綻に対する対策は既に考えられているはずです。それは例えば、徳政令、中央銀行の国有化、政府紙幣の発行、国際機関による国際通貨の維持、あらゆる技術公開と情報公開などです。その結果、その後の社会では、不要になるか縮小されるかする産業が出てきます。また、一時的な物価高とそれに対応するための配給制、生活保護の拡大が起きてくるでしょう。短期的には高付加価値産業が衰退し、長期的には価値を創造しない産業が衰退していきます。

 その破綻とそれの続く復興のあと、何が起こるかというと、工業生産はやがてすぐに立ち直り、生産と生活のインフラを提供するようになります。そして他方、農業、教育、政治、医療の分野で、自給自足化の流れが生まれます。この自給自足化の流れが、第二の「いかに学ぶか」に結びついているのです。

 MOOCは、優秀な能力を持ちながらその能力に応じた教育を受ける機会を持たなかった若者に、世界レベルの優れた教育を受ける機会を提供しました。しかし、ここで新たに問題になってくるのは、どうしたら優秀になれるか、つまり、「何を学ぶか」以前に、「いかに学ぶか」ということになるのです。これが、小中学校の教育の課題であり、更には、幼児教育の課題になります。

 幼・小・中の教育のスタイルを、MOOCになぞらえて言うならば、SOOC(Small Open Offline Courses 小規模公開オフライン講座)と言うことができるかもしれません。スモールとは、幼・小・中の教育は、優れた教材や授業によってではなく、身近な指導者、手作りの教材によって多様に行われるべきだからです。というのも、中学校までの義務教育の内容は、根本的に難しいことや時代の先端につながるようなことはなく、既に確立されていて誰でも理解できる基本的なことが中心になるからです。
 しかし、現代の画一化された一斉授業のもとで、基礎教育は、上の方向にも下の方向にも授業に合わない子を生み出し、子供たちの間に格差を生み出しています。だから、これからの教育の目指す方向は、土台は家庭と地域のオフラインになり、しかし、優れた教材はオープンかつオンラインでどこからでも自由に利用できるものになるでしょう。

 そして、それらの教材は、それぞれの家庭や地域で容易に手作りで編集できるものになります。幼・小・中の教材は、誰でも編集に参加でき、誰でも自由に利用できるものになります。同じような動きが、教育にとどまらず、農業、政治、医療の分野にも起きてくるでしょう。そして、これらの発展のあとに生まれるものは、文化の自給自足化です。それは、文化の自主的な創造化と言ってもよいでしょう。
 例えば、俳句、茶道、華道などは、生活の必要から必然的に生まれたものではありません。個人の好みが発展して、普遍性を持つ文化になったものです。同様のことがこれから、文化の大爆発現象として起こることが考えられます。

 一方で、機械化されインフラ化された工業と工業的農業があり、その生産力を土台として、多様で自主的で創造的な文化産業が成り立ちます。
 そのとき、人は、これまでの半分は消費者であり半分は給与労働者であるような時代を去り、自らが文化創造的な生産者であるような時代に入ります。
 そして、それに伴って、教育も、創造性のための教育に変わっていくのです。

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大学合格のお知らせのメールが卒業生から as/2106.html
森川林 2014/03/19 05:04 


 言葉の森の卒業生からときどき言葉の森あてや担当の講師あてに、大学合格や就職決定のお知らせが届きます。

 先日も、その合格のお知らせのメールが届きました。
 読むと、とても感動的な内容でしたので、紹介させていただくことにしました。(固有名詞のところは○○としています。)

 この元生徒の○○さんは、小学校低学年のころからずっと真面目に、しかし楽しく作文を書いていました。
 長年続けていたので、曜日や時間の変更があったため、担当の先生が何人か入れ替わりましたが、早速、それらの先生たちにも連絡しておきました。

====

 中根先生、こんばんは。

 2001年に入会し、9年間お世話になりました、○○○の○○○○です。
 この度、東京大学文科二類に合格致しましたので、ご報告させていただきました。

 国語をはじめとして、私の勉強の基礎は言葉の森にあったと感じています。
 国語は一番の得意教科で、模試でも全国順位一桁台をとっていました。

 毎週文章を書き添削をしていただいたこと、毎日長文を音読していたことで、国語力がつき、小論文や他の科目の論述も全く困ることがありませんでした。
 言葉の森でついた力はこの先もずっと役立つと思います。

 小さい頃からどのように勉強していたのかと最近よく聞かれますが、私はいつも真っ先に言葉の森と珠算だと答えています。
 私は、毎週楽しく作文を書き国語力がついたということはもちろん、電話での受け答えに慣れたことなど勉強以外の点でも言葉の森に感謝しています。

 春から新しく大学生活が始まりますが、言葉の森で学んだことを生かして、また新しい様々なことを学んでいけたらなあと思います。
 本当にありがとうございました。


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家庭での自習のコツ as/2104.html
森川林 2014/03/19 04:30 


 オープン教育の「寺子屋オンエア」に書いた記事からの引用です。

 勉強の仕方には、コツがあります。
 よいやり方をすれば、親も楽で、子も楽しく勉強でき、しかも実力がつきます。
 よくないやり方をすれば、親もくたびれ、子も自信をなくし、しかも力がつきません。
 人間の能力は、もともと変わりません。ちょっとしたコツの違いだけなのです。

====

 自習のコツは、こんなふうに。

1、毎日やることを決めておき、子供が条件反射的に流れ作業でどんどんやれるようにします。
 だから、長文音読、長文暗唱、漢字暗唱、算数問題集、(英語音読)、問題集読書、読書など、分量をあらかじめ決めて、その内容が変わらないようにします。

2、しかし、分量は、親から見て、ちょっと少ないかと思うぐらいにします。
 だから、曜日によってやることを決めてもいいです。しかし、音読と読書は毎日必須です。

3、答えの丸付けは、子供本人がするようにします。×だったところは、自分で答えを見て理解するようにします。
 答えを見てもわからない場合、親が簡単に教えずに、参考になるページだけ教えて、できるだけ子供が自分で考えるようにします。
 だから、勉強は、子供が親に説明する時間がほとんどで、親が子供に何かを説明する時間はできるだけ少なくするようにします。

4、勉強の分量というのは、時間ではなく、ページ数です。時間で決めると、だらだら勉強する癖がつきます。
 分量を決めた場合、予定より早く終わっても、勉強の追加はしないようにします。追加をすると、やはりだらだら勉強するようになります。

5、子供に対する注意はできるだけせず、またからかったり、笑ったりもせず、上から目線で話したりもせず、いつも笑顔で明るく褒めて励ますようにします。

6、勉強の内容面については、親はできるだけ話をせず、子供が中心に話すようにしますが、長文に関する似た話は、親ができるだけおもしろおかしく自分の体験談でたっぷり話してあげるようにします。
 子供の話を引き出そうとするよりも、親が楽しく話をするように心がけます。両親だけで話が盛り上がって、子供が聞いているだけとなってもかまいません。

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4月の遊びと行事の実行課題を募集中 as/2103.html
森川林 2014/03/16 09:39 



 言葉の森では、小学校低学年向けの作文課題として、家庭で取り組める、それぞれの月ごとの実行課題を募集しています。

 実行課題の分野は、大きく分けて、遊びと行事としていますが、区別のあいまいなものはどちらに入れていただいても結構です。
 これまでの実行課題には、節分、初午、針供養、五七五、啓蟄(けいちつ)、春分の日、ひな祭り、しりとりなどがありました。
実行課題集
https://www.mori7.com/jk/

 現在募集しているのは、4月の遊びと行事です。
 投稿してくださる方は、オープン教育の掲示板、又は、facebookのグループに、記事や画像をお送りください。
 実行課題集に採用させていただいたものについては、薄謝を進呈させていただきます。

「オープン遊び」の掲示板
https://www.mori7.com/ope/index.php?b=3&k=4&p=0

「日本の行事と文化」の掲示板
https://www.mori7.com/ope/index.php?b=3&k=31&p=0

facebookグループ「行事と季節の家庭学習」
https://www.facebook.com/groups/gyouji/

facebookグループ「親子で遊ぼうワンワンワン」
https://www.facebook.com/groups/wanwanwan/

 投稿していただく記事は、150字~800字程度です。記事は、こちらで編集させていただく場合があります。
 関連する画像を投稿する場合は、著作権の問題のないものでお願いします。画像の枚数は自由です。
 既に投稿されている記事に関連させて、画像だけを投稿していただいても結構です。

 4月の遊びと行事には、次のようなものがあります。

○エイプリールフール(4月1日)
○お花見
○昭和の日(4月29日)
○オタマジャクシつかまえ
○山菜採り(これはすでに1件投稿されています)

 このほかにも、親子や友達で取り組めそうな遊びや行事の記事を自由に投稿してください。
 4月の遊びと行事の締切は、3月17日(月)までです。

 このあと、5月の遊びと行事も募集します。

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