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年齢とともに進む読書力(その2) as/212.html
森川林 2008/02/04 12:35 
 読書は、食事と同じようなものです。ある程度の食いだめはできます。しかし、1日腹いっぱい食べたから、これで1週間は大丈夫というわけには行きません。小学生のころにたくさん本を読んだから、中学生のころはあまり読まなくても大丈夫かといいうと、そうではありません。やはり、本はその年代に応じて読み続けなければならないのです。
 「三日書を読まざれば、則ち面目憎むべし、語言味なし」という言葉があります(宗代の書家、黄庭堅)。つまり、三日も本を読まないと、人相が悪くなり、話すことや書くことに味がなくなるというのです。これは、決してオーバーな話ではありません。中学生や高校生で、作文がなかなか書けないというとき、その原因は大抵本を読んでいないことにあります。数日間本を読んでいないと、文章力のある子でもやはりなぜか作文を書きにくくなるのです。
 ですから、作文や小論文の試験に臨むときも、私は生徒に今読みかけの1冊の本を持っていくことをすすめています。行きの電車の中で本を読んでいると、意外とそれが生きてくるのです。
 ところが、小学生のころは読むのにふさわしい本がたくさんありますが、中学生や高校生になると、年齢に応じたよい本が書店ではなかなか見つからなくなります。中学生や高校生のころは、物語文だけでなく、説明文や意見文の文章を読む必要があるのですが、そういう本はあまり売れないので書店には置いていないのです。
 そこで、私は、一昔前までは、「もっと図書館を利用しよう」と言っていました。しかし、今はインターネット書店という強い味方があります。アマゾンなどで、自分の関心のあるテーマを検索すると、読みたい本がたくさん見つかります。
 話は脱線しますが、アマゾンの社長は、昔、株の取引をする会社に勤めていたことがあり、その株の売買の方法をアマゾンの経営に生かしているようです。それは、ある会社Aと他の会社Bとの間に相関関係があると考えたとき、A社とB社の株価に差があれば、それを利用して売買するという方法です。A社の株が高くてB社の株が安ければ、A社の株を売り同時にB社の株を買うのです。先日、フランスの銀行が社員の取引で大きな損失を出しましたが、これも同じ方法です。ただしその個人が成績を無理に上げようとして、売りか買いの一方だけしかしていなかったので大損失になったのです。
 アマゾンでは、ある本Aと他の本Bとの間に相関関係があると、つまりAを買った人とBを買った人がある程度重複していると、その重複度に応じて、Aを買った人にはBをすすめ、Bを買った人にはAをすすめます。そして、これが意外とぴったり合っているのです。(つづく)

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小1の読解問題5番にミスプリント as/211.html
森川林 2008/01/29 14:01 
 1月4週の小1の読解問題5番にミスプリントがありました。
 この問題は、正解がないので、全員正解とします。
 小1のみなさん、ごめんなさい。<(_ _)>

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年齢とともに進む読書力 as/210.html
森川林 2008/01/29 10:34 
 これまでいろいろな生徒を教えてきた感じたことは、読書力と作文力と学力に深い関連があるということです。
 教えてきた子供たちの中に、小学校低学年から作文の勉強を始めて、途中中学受験のときに一時休み、その後再開し高校3年生まで続けたという子がかなりいます。その子たちの多くは大学入試で小論文を使いませんでした。理科系だったり、小論文のない大学を受けたりする子がなぜか多かったからです。しかし、小論文の試験があればみんなハイレベルの文章を書ける子たちばかりでした。
 それらの子供たちを見ていて、共通する特徴があるように思ったことがあります。
 まず、小学校低学年から作文の勉強をするぐらいですから、教育熱心な家庭の子供たちが多かったと思います。しかし、その熱心さは、知識の詰め込みをするような熱心さではなく、子供の本当の成長を考える落ち着いた雰囲気の熱心さでした。
 どの子も、小学校低学年から本をよく読んでいましたが、このころはほとんどの子が本をよく読むので、それは、それほど目立ったことではありませんでした。勉強はみんな普通によくできていましたが、作文も普通に上手という程度でした。
 その子たちが中学生になるころでも、作文は普通よりもよく書けるが、特に優れて上手だということはありませんでした。むしろ、教える私の方が、よく勉強をしているわりにものたりないと思うことも多かったのです。もちろん、字数も構成も表現も表記も全部できているので、欠点はないのですが、とりたてて光るものもないという感じの文章でした。
 それがやがて、早い子は中学生の途中から、遅い子は高校生の後半から、普通は中学生から高校生にかけて、ある時期からぐんぐん上手になっていくのです。この上手さというのは、ひとことでは説明しにくいものですが、書いている本人が書くことを楽しんでいるという感じが伝わってくるような文章です。
 そして、このように途中からぐんぐん上手になる子に共通しているのが、中学生や高校生になってもよく本を読んでいるということでした。

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