作文指導では、学年ごと学期ごとに目標の字数が決まっています。
小学生は、大体学年の100倍から200倍が目安なので、小学3年生は300~600字、小学6年制は600~1200字が目標です。
実は、字数が最も伸びるのは小学4年生のころで、この時期は小学生らしい作文が最もよく書ける時期です。
小学5年生から6年生になると、逆に字数が伸びなくなる生徒が増えてきます。それは、作文の内容が考えて書くものになってくるからです。
この目標字数に関して、子供たちに二通りの傾向があります。
ひとつは、目標字数は意識しますが、その字数を超えても自分が書きたいところまで書く子です。
もうひとつは、目標字数ぴったりに書いて終わらせる子です。書くことがまだあっても、字数ぴったりに終わらせるのです。
目標字数ぴったりに終わらせる子の多くは、作文の項目についてもきちんと全部盛り込みます。だから、特に欠点はありません。
しかし、勉強に取り組む姿勢に、省力、省資源、省エネルギーの雰囲気が漂っているのです。
なぜ勉強に取り組むときに省力化の姿勢で臨むかというと、頑張ってやったのでは、あとが続かないと自分で思っているからです。
そういう生徒の多くは、勉強のスケジュールが無駄なく決まっていることが多いので、低中学年のときは成績はいいのです。
しかし、高学年になってもその省力化の姿勢が続くために、学年が上がるにつれてかえって伸び悩むことも多いのです。
では、どうしたらいいかというと、勉強の目標を自分で決めさせることです。
そして、それが親から見てものたりないものであっても、子供が自分で決めた目標を守ることを勉強の進め方の基準とすることです。
こういう勉強の文化は一朝一夕ではできません。子供が小学校低学年のころから、物事を自分で決めて自分で実行するという仕組みを工夫していくことが大事なのです。(つづく)
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勉強の基本は、家庭で行う自学自習です。
ところが、低学年のうちは親が見てあげることによって家庭での自習も順調に進みますが、学年が上がるにつれて、家庭で子供が自分で勉強をするという体制を作るのが難しくなってきます。
そこで、多くの子供の勉強は、次のようになりがちです。
・親が何度も言わないと勉強しない。
・勉強に集中せずにすぐに気が散る。
・宿題があると、宿題だけをやっておしまいにする。
・家庭で親が教えると親子げんかになる。
・毎日、勉強のことで口うるさくいうので、親もくたびれる。
・目先の変わったものがあると興味を持って取り組むが、すぐに飽きて続かなくなる。
・塾に行かせればその時間は何かやっているとは思うが、あまり身についているようには思えない。
こういう家庭学習のやり方を改善するのが「自習表」です。
この「自習表」の特徴は、子供が自分で決めた自習の課題ができたら、あるルールにそって色を塗るということにあります。
この色の塗り方のパターンは、何千億通りもあるので、同じ図になることはまずありません。
自習の課題ができて一つ色を塗るたびに新しい図が現れてくるので、その図を完成させるために自習がはかどります。
勉強というのは形のないものです。その形のないものに外側から形を与える仕組みが、点数、競争、褒美、強制などです。
理想は勉強の内容そのものが面白くなるということですが、それは、ほとんどの場合、高校生や大学生になってからのことで、小中学生は勉強の内容そのものが面白くなるということはまずありません。
「自習表」は、形のない勉強に、内側から形を与える仕組みです。その形も、あらかじめ与えられたものではなく、各人が自由に創造できるものですから、自習の記録をつけること自体が面白くなるのです。
この「自習表」の付け方で大事なポイントは、努力すれば全部できるぐらいの課題に絞っておくということです。
また、7マス×7マスの「自習表」を完成させるために、勉強以外のことも含めて毎日7種類の課題を決めておくことです。
マスに色を塗るときは、全部の自習課題できてからまとめて塗るのではなく、一つの自習課題ができるたびに一つずつ塗っていく方が楽しみが増します。
この「自習表」は、小学校低学年から使えますが、中学生や高校生になってからも使えます。むしろ、自分の意志で勉強する必要のある中学生や高校生の方が活用できると思います。
▽「自習表Ver4.2」と記入例
https://www.mori7.net/teraon/jisyuu.php
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9.4週は読解問題(自由選択)の週ですが、小1の読解問題の元になる長文と、9.4週の課題フォルダの長文がずれていました。
申し訳ありませんでした。
読解問題の元になる長文は、読解マラソンの問題のページで見ることができます。
https://www.mori7.net/marason/marason_sample.php?yama=i&gakunennjunn=1
また、読解問題をウェブで行う場合は、問題のページから答えを送信してください。
https://www.mori7.net/marason/ki.php
====
クマノミの知恵
【1】
脊椎動物のほとんどは、
生まれたときから
性別が
決まっており、
途中で
変化することはありません。ところが、
同じ脊椎動物でも、
魚には、オスがメスへ、メスがオスへと
変化したり、
生まれながらにして
雌雄同体のものがあります。
【2】オスからメスへ
変化するものとして
代表的なのは、クマノミの
仲間です。クマノミは、
毒を
持つイソギンチャクと
一緒に
暮らすことで
有名です。【3】ひとつのイソギンチャクに、オスとメス
一匹ずつの
成魚と、
体の
小さな幼魚の
数匹で
暮らしていることが
多いのですが、この
成魚と
幼魚の
間に、
親子関係はありません。クマノミの
稚魚は、
卵から
孵化すると、すぐに
生まれたイソギンチャクを
離れ、しばらく
海の
中で
浮遊生活を
続けます。【4】そして、
全く別のイソギンチャクにたどりつき、そこで
元から
住んでいる
縁もゆかりもないクマノミたちと
共同生活を
始めます。これは、
親子で
繁殖してしまう
危険をさけるための
工夫です。
【5】
同じひとつのイソギンチャクの
中に
暮らしているクマノミたちは、
体の
大きさに
違いがあります。
群れの
中でいちばん
大きいのがメス、
次に大きいのがオスです。【6】三
番め
以降の
魚たちは、オスでもメスでもない
未成熟な
個体です。
卵を
産むのはメスですが、その
卵を
守るのは、おもにオスの
役目です。【7】
何らかの原因で、いちばん
大きいメスが
死んでしまうと、オスが
性転換をしてメスになり、オスの
次に
大きい未成熟な
個体がオスになって
繁殖に
参加します。クマノミの
世界には、このようにきちんとした
秩序があります。
【8】なぜいちばん
大きい個体がメスになるかというと、メスは
体が
大きいほどたくさんの
卵を
産むことができるからです。
∵
【9】「わたし、
昨日までオスだったメスで、
名前はクマオよ。」
「ぼくは、
今日からオスになった、
名前はクマコなんだ。」
「
何だか、
呼び方にクマっちゃうね。」
言葉の
森長文作成委員会(π)
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子供が小学校低中学年のころは、直すことも、教えることも簡単にできます。
中学生や高校生の場合でも、その勉強の内容を知っている人であれば、簡単に教えたり直したりできます。
しかし、それで子供が上達するかというと、そういうことはないのです。
直されたり、教えられたりすれば、子供はそのときはわかったような気になります。
しかし、直されたり教えられたりするのは、氷山の水面に出た一部です。だから、せっかく懇切丁寧に直したり教えたりしてあげても、1週間もたつと、またできなくなります。
同じことを2回目に説明するときも、同じように教えたり直したりできるのであればいいのです。しかし、ほとんどの場合、2回目も3回目も同じように教えたり直したりできる人はいません。
多くの場合、もっと工夫して別の教え方をしたり、もっと詳しく教えようとしたりします。すると、同じ教え方ではないので、子供はかえってわからなくなります。しかし、わからなくても聞いているときはわかったような気がしてしまうのです。
その結果、1週間もたつと、また同じことができなかったりわからなかったりするようになります。
こういうことを繰り返しているうちに、親や先生はだんだん厳しく教えるようになり、子供はだんだん暗く勉強するようになっていきます。
だから、教えたり直したりすることは、短期的には効果があるように見えますが、長い目で見ると、勉強を苦手にするいちばんの原因になっているのです。
では、どうしたらいいかというと、直したいことがあったときに、それを直接直すのではなく、自然に直るような遠回りの工夫をすることです。知らないうちに直っていたというのが理想の直し方です。
また、勉強でわからないことがあったとき、これもすぐに教えるのではなく、やはり遠回りに自分でわかるような工夫をすることです。子供が自分の力でわかったというのが理想のわかり方です。
親や先生は、子供がわかったら、それを聞いてあげるという役割に徹するのです。小学校高学年になると、子供の説明を親が理解できないという場面も出てきます。そのときは、それでもいいのです。
低学年のときに直す勉強や教える勉強をしていると、学年が上がるにつれて、勉強を続けることが難しくなります。低学年のまだ簡単に直したり教えたりできる時期から、できるだけ直さない、教えない勉強法を工夫していくことが大事なのです。
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せっかく楽しく勉強をしているのに水を差すようですが、やりやすい勉強というのは、実は密度の薄い勉強であることが多いのです。
それは、読書の場合も同じです。人の話を聞く場合でも同じです。
肝心な内容の間に、息抜きの部分が入っているので、楽に読んだり聞いたりすることができます。
だから、難しい本を読んだり、密度の濃い話を聞いたりしていると、理解力がその密度についていけなくなって眠くなることが多いのです。
密度の薄い勉強で楽しく長時間できる方がいいか、密度の濃い勉強で苦しいのを我慢して短時間で集中的に取り組める方がいいかは人によって違ってきます。
一般に、低学年の場合は、勉強の習慣をつけることが大事なので、密度は薄くても楽しく勉強できた方がいいと言えます。
だから、子供がくたびれているときは、「今日は読書だけにしておこうね」というような対応がいいのです。その読書ももちろん、子供が楽に楽しく読めるようなものです。
小学校高学年や中学生になり、高校生になると、次第に本人が密度の濃い勉強を求めるようになります。
ときどき、中高生向けに、楽しく英単語を覚えるゲームアプリなどが紹介されることがありますが、まともな中高生ならばそういうものには見向きもしません。紙ベースでしっかりやった方が確実に身につくとわかっているからです。
ここで、ひとつ問題になるのは、塾や予備校などで友達が一緒にいると、密度の薄い勉強でも、ついそのまま続けてしまうことがあることです。
勉強というものは、ひとりでやった方が密度の濃いものになります。他人と一緒にやれば、その分必ず密度が薄くなります。
しかし、人間はよほど気力が充実しているときでないと、ひとりで勉強に取り組むことができません。
これは、仕事も同じで、ひとりで困難な仕事に取り組める人は、気力の充実している人です。ほとんどの人は、他人との関わりで、締め切りがあるとか、約束があるとかいう形にしないと、難しい仕事には取り組めません。
そこで、今考えているのは、ひとりでも密度の濃い勉強や仕事に取り組める方法です。
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国語が苦手という生徒には、(1)毎日の読書、(2)課題の長文の音読、(3)感想文の課題の予習、そして、(4)余裕があれば問題集読書をと言っています。
更に、その上に、毎月の読解問題を全問正解になるようにじっくり解くように説明します。
すると、必ず国語の成績は上がります。その上がり方も、かなりはっきりしています。
小6のとき国語がいちばん苦手だったという生徒が、中3になるころには、国語の成績がいちばんよくなるということも実際にあります。そして、第一志望の難関高に受かった子も何人もいます。
だから、国語の力をつけるというのは、実は平凡なことの積み重ねなのです。
しかし、小学生のときまでに国語が苦手だったという生徒の中には、読書の習慣がついていないことも多く、受験に合格すると、ついそれまでの勉強法を忘れてしまい、読書から離れてしまう生徒も多いのです。
すると、高校生になったばかりのころは国語が得意だった生徒が、高3になるころにはまた国語が苦手になるということもあります。
だから、いつでも本を読む生活を忘れてはいけないのです。
読書は習慣ですから、1日読まなければ、1日分読書から遠ざかります。そして、何日か読まない生活が続くと、読書をしない生活が普通の生活のようになってしまうのです。
これは、大人でも同じです。毎日10ページでも読むと決めておけば、読書のある生活から離れることはありません。
しかし、読まない日が何日か続くと、そのあと新しく本を取ることが億劫になるのです。
この毎日の読書を続けるのに最もよい方法が、付箋読書です。
毎日どんなに忙しくても最低10ページは読むと決めておけば、10ページを読むのにかかる時間はせいぜい10分ほどですから、読書から離れることはありません。
読み終えたところに付箋を貼っておくと、わずか10ページでも、確実に読み終えたという実感が残ります。これがもし付箋を貼らずに読むとなると、10ページほどでは張り合いがない気がするので、「いつか時間のあるときにじっくり読もう」と思って、結局読まないことになってしまいます。
人間は、中身よりも形を基準にして生きています。
読書も、読んだ形を残すことで続けやすくなるのです。
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物事で大事なものは中身です。しかし、中身というものは直接は見えにくいので、形を伴って把握されます。
勉強で大事なものも勉強の中身です。中身を自分のものにすることが勉強の目的ですが、それが問題を解くとか覚えるとかテストをするとかいう形を伴って少しずつ自分のものになっていきます。
ところが、形は目につきやすいので、いつの間にか形が目的になってしまうことがあります。だから、時どきその形が中身に合っているかどうかを考える必要があります。
その例の一つはテストです。テストを通して自分の理解度を確かめることが目的なのに、テストでよい点を取ること自体が目的になり、わからないときでも一応答えを書いておこうというようなことあります。
テストは、悪い点を取ったときに意味があるのであって、よい点を取ったときは、そのテストはしなくてもよかったテストなのです。
もう一つの例は問題集読書です。問題集の問題文を読んで自分なりにその文章を味わうことが目的ですが、文章を引用したり感想を書いたりするという形に残るものが目的になってしまうことがあるのです。
一方、形のはっきりしていない中身だけのものは、後回しになりやすい傾向があります。
その例の一つは、読書や音読です。読書や音読をしたあとに形になるものが残らないので、つい後回しになってしまうことが多いのです。
だから、勉強のコツは、形の残らないものに形を与えて把握しやすくすることです。その一つの方法として、自習の記録というものがあります。
しかし、ただやったことに○をつけるという単調なものでは長続きしません。形が面白くないからです。
また、できたら褒美をあげるとか賞品を出すとかいうのも限界があります。物として渡されるものは、次第にエスカレートする傾向があるからです。
また、形化がうまく行ったとしても、その形と中身がずれていないか時どき見直しをする必要があります。
その見直しに必要なのが、人間どうしの対話です。第三者の目で見ることによって早めに軌道修正がしやすくなります。
だから、子供の勉強の場合は、できるだけ親が近くにいて、聞いたり見たりできるようにしておくといいのです。勉強はリビングでした方がいいというのは、そういう意味もあります。
もちろん、近くにいて子供のやり方をいちいち注意していると、親も子もくたびれて長続きしません。注意をせずに、ただ近くにいるということが大事なのです。
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https://www.youtube.com/watch?v=nzg1I4wDL54
9月20日(土)午前10時半より、父母講座・懇談会を行いました。
小学校低中学年の生徒のお父さんお母さんが多かったので、主に小学校低中学年向けの話をしました。
内容は、
1、これからの社会
2、勉強の仕方(国算英理社)
3、寺子屋オンエアの紹介
4、質疑応答
でした。
講座は、質疑応答も含めて約1時間です。
次回は、屋上でバーベキューなどをしながらの懇談会にしたいと思っています。
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