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暗唱力がつくと、作文力、読解力、思考力がつく as/2260.html
森川林 2014/11/17 17:51 


 暗唱と音読でかかる時間で比較すると、暗唱は100字の文章を30回読むのに約10分かかります。音読は1200字の長文を1回読むだけですから3、4分で読めます。
 しかし、この3、4分というのが、意外と長いのです。音読は、毎日続けていれば力はつきますが、この毎日ということが難しいので、週に何回か読んで音読をしたことにしてしまう子が多くなってきます。

 音読の場合は、毎日やってもやらなくても、それは自分でしかわかりません。親でも先生でも確かめようがありません
 しかし、暗唱の場合は、毎日やっているかどうかということは結果を見ればすぐにわかります。毎日やっている子は、一度もつっかえることなく楽に暗唱ができます。結果を見れば、その過程がわかるのが暗唱です。

 しかし、この暗唱にも弱点があります。その一つは、電話指導による暗唱チェックだと、どうしてもチェックが不十分になるということです。
 もう一つは、1ヶ月で約1000字の文章が暗唱できたとしても、それで終わってしまったのでは、やはり定着度が低いということです。
 1ヶ月かけて暗唱できるようになった文章も、次の1ヶ月の暗唱ができるようになるころには、もうかなり忘れています。本当は、無意識のうちに口ずさむことができるようになるぐらい定着するのがいいのですが、1ヶ月ごとに終わっていたのではなかなかそこまでは行きません。

 そこで、今考えているのは、第一に、寺子屋オンエアなどで画面を共有する形で暗唱をチェックできるようにすることです。
 第二に、毎月の1000字の暗唱を1年間かけて合計12000字まで通して暗唱できるようにすることです。


 暗唱をすると、どういう力がつくかというと、第一に作文力です。どんなテーマが出ても的確な表現と内容の伴った文章を書くことができるようになります。
 第二は読解力です。理解の枠組みが大きくなるので、全体の内容をすばやく読み取れるようになります。
 第三に、これは付随的なことですが、覚えることが苦にならなくなります。今の勉強のほとんどは記憶力を必要としますが、記憶することが負担にならなくなります。
 第四に、これがいちばん大事なことだと思いますが、思考力が育ってくるのです。暗唱の力がついてくると、一つの言葉からいろいろな連想が生まれるようになります。そのために、個性的な考えが生まれやすくなるのです。

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音読を繰り返して暗唱できるぐらいになると、作文力も読解力もつく as/2259.html
森川林 2014/11/16 17:09 


 言葉の森の音読は、1週間毎日同じ長文を音読するのが原則です。
 同じものを読むのは退屈ですから、毎日の音読に飽きてくると、早口で読んだりわざと文章の一部を変えて読んだりする子も出てきます。しかし、そのように飽きてふざけて読むのは、その子に創造性がある証拠です。
 ふざけて読んでいるのを見たら、「面白い読み方しているね」と笑って感心していればいいのです。どのような読み方をしていても、毎日読めば必ず力はついてきますから、明るく楽しく続けていくことが大事なのです。

 毎日音読していると、文章の一部は、見ないでも読めるようになってきます。覚えようとして読むわけではありませんが、繰り返し読んでいると、自然に覚えてしまうのです。
 この自然に覚えた文章の一節が、将来自分が作文を書くに、自然に出てくる語彙やリズム感になります。

 繰り返し読んでいると自然に覚えてしまうという読み方の延長に、暗唱があります。
 暗唱は、文章を覚えるのが目的ではありません。繰り返し読むことそのものが暗唱の目的です。

 繰り返し読めば暗唱できるというのは、実は、やってみた人でないと、なかなかその実感がわきません。
 今のお父さんやお母さんは、子供のころ文章を暗唱したという経験がないと思います。
 もう二つぐらい上の世代の曾祖父母のころの人たちは、子供時代に暗唱をした経験のある人がかなりいます。その当時の人達は、勉強の基本が音読と暗唱だったのです。

 音読と暗唱という勉強の仕方は、江戸時代の貝原益軒までさかのぼります。益軒は、四書五経などの文章百字ずつ百回空に読み空に書くという勉強の仕方を提唱しました。
 こういう繰り返しの勉強法が、寺子屋の勉強の基本になっていました。

 繰り返しや反復というと、理解や思考の反対のように考える人もいると思いますが、そうではありません。繰り返して身につけたものの土台があるから、思考力も伸びるのです。
 それは、例えば、次のような比喩で考えるとわかりやすいと思います。文章のひとまとまりを暗唱できるぐらいに繰り返し読むと、その文章のまとまりが、一つのバケツに入ります。
 普段、人間が考えるのは、言葉というバケツで、そのバケツを組み合わせることが文章を書くとか考えるとかいうことになります。大きいバケツを持っている人は、小さいバケツを持っている人よりも、より大きく速く考えることができるのです。

 この大きいバケツの話は、作文力について言えるだけではありません。読解力についても同じことが言えます。
 ひとまとまりの文章を何度も音読していると、それが難しい説明文のようなものであれば特に、新しい文章を読み解くときにその音読した文章の枠組みを使って理解することができるのです。

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mae 20161115 9 
暗唱へのハードルが高いという人は、まず音読からですね。

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