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記事 2262番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
「勉強の仕方がわからない」という調査結果をどう見るか 1 as/2262.html
森川林 2014/11/20 04:33 

 ベネッセ教育総合研究所の「小中学生の学びに関する実態調査」によると、「上手な勉強のやり方がわからない」という子供が、小学生で40%、中学生で55%もいるということです。(調査対象の小学生は小4~小5、中学生は中1~中2)

 「上手な勉強のやり方がわからない」から、「やる気がおきない(小40%中56%)」し、「勉強に集中できない(小33%中44%)」し、「勉強したことをすぐ忘れてしまう(小28%中40%)」し、「テストでよい点数がとれない(小25%中53%」ということなのです。

 では、なぜ、上手な勉強のやり方がわからないのでしょうか。
 それには、小学校低学年からの勉強のやり方が影響しています。

 勉強とは、教科書に載っている知識や技能を身につけることです。だから、教科書あるいは教科書的な参考書を何度も繰り返して自分のものにすればよいのです。

 ところが、今の社会では、勉強の結果がテストとして評価されます。その最終的な形が受験というテストの評価です。
 こういうテストによる評価を目にしていると、親も子も、ついテストの点数をよくすることが勉強の目的だと思ってしまうのです。

 テストの点数というのは、勉強の目的ではなく勉強の結果です。勉強がしっかりできていれば、テストも自然によい結果になります。
 だから、勉強に力を入れればよいのですが、テストを勉強の目的のように考えてしまうと、本当の勉強ではなくテスト的な勉強をしてしまうのです。

 テスト的な勉強というのは、問題集の問題を解く勉強です。
 問題を解く勉強というのは、形がはっきりしているので、子供に取り組ませやすいという事情があります。そして、解いたあとがやはり形として残るので、勉強をしたという実感がわきます。

 こういう勉強法は、小学校低学年のときにはうまく行きます。低学年のころは、身につける勉強の中身がまだ単純なので、問題を解けばそれがほとんどそのまま身につきます。
 その結果、この小学校低学年のときにうまく行った「問題を解く」という勉強がその後も続いてしまうのです。

 しかし、やがて、いくら勉強をしても、そのわりに成績が伸びないという時期がやってきます。同じように勉強しているつもりなのに、その勉強をしている子供どうしの間で成績の差が出てくるのです。
 これが、その後の「上手な勉強のやり方がわからない」という調査結果につながります。(つづく)

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記事 2261番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
成績を上げるのは、「毎日の」「復習」 as/2261.html
森川林 2014/11/18 20:32 


 入学時の偏差値より、卒業時の偏差値を確実に上げている学校があります。
 その学校の勉強のさせ方のコツは、「毎日の」「復習」だそうです。

 復習というのは、学校で習ったことを家でもう一度復習するということです。
 要するに、同じ教材を何度も定着するまでやるということです。

 難しいのは、それを「毎日」やらせることだそうです。
 小中学生のほとんどは、勉強に対する自覚はありません。親や先生に言われているからやっているだけで、自分の内面から勉強をするという動機は出てきません。
 だから、毎日勉強させるというのは、実はかなり難しいことなのです。

 多くの子供子は、宿題があるからやる、テストがあるからやる、やらないと叱られるからやる、という勉強の仕方をしています。
 それは、逆に言えば、宿題がなければ、テストがなければ、叱られる心配がなければやらないという勉強の仕方です。

 テストの前などにたまにがんばって長時間勉強するというのは、テストには役立ちますが、実力をつけるのには役立ちません。
 だから、結局長い目で見ればテストにも役立ちません。

 毎日の勉強の習慣は、低学年のうちに作られます。低学年のうちに、毎日の勉強の習慣をつけておくのです。
 毎日ですから、平日も土日も同じように毎日やることが大切です。

 大人の世界では、平日は仕事をするから土日は休みという発想になりがちですが、子供の勉強生活はそうではありません。
 子供のころは、1日の例外もなく毎日同じようにやっていく方が楽にできるのです。

 家族で旅行に行くときも、毎日の勉強の教材のうち幾つかは持っていきます。
 そして、旅行先でも、たとえ分量は少なくしても同じ勉強を同じようにしていきます。

 こういう毎日の必須の勉強として取り組みやすいのは、長文音読と読書です。ただ開いて読むだけですから、どこでも気軽にできます。
 この音読と読書を軸にして、毎日の勉強の習慣をつけておくとよいのです。

 子供たちの毎日の勉強を支援する仕組みとして、言葉の森が今考えているのは、寺子屋オンエアのシステムを普及させることです。
 これは、子供たちが自宅にいながら、都合のよい時間帯にインターネットにアクセスして、先生に自習を見てもらうという仕組みです。

 こういう勉強の仕方をしていると、学力がつくだけでなく、勉強をするということに対して自覚が出てくるのです。

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記事 2260番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
暗唱力がつくと、作文力、読解力、思考力がつく as/2260.html
森川林 2014/11/17 17:51 


 暗唱と音読でかかる時間で比較すると、暗唱は100字の文章を30回読むのに約10分かかります。音読は1200字の長文を1回読むだけですから3、4分で読めます。
 しかし、この3、4分というのが、意外と長いのです。音読は、毎日続けていれば力はつきますが、この毎日ということが難しいので、週に何回か読んで音読をしたことにしてしまう子が多くなってきます。

 音読の場合は、毎日やってもやらなくても、それは自分でしかわかりません。親でも先生でも確かめようがありません
 しかし、暗唱の場合は、毎日やっているかどうかということは結果を見ればすぐにわかります。毎日やっている子は、一度もつっかえることなく楽に暗唱ができます。結果を見れば、その過程がわかるのが暗唱です。

 しかし、この暗唱にも弱点があります。その一つは、電話指導による暗唱チェックだと、どうしてもチェックが不十分になるということです。
 もう一つは、1ヶ月で約1000字の文章が暗唱できたとしても、それで終わってしまったのでは、やはり定着度が低いということです。
 1ヶ月かけて暗唱できるようになった文章も、次の1ヶ月の暗唱ができるようになるころには、もうかなり忘れています。本当は、無意識のうちに口ずさむことができるようになるぐらい定着するのがいいのですが、1ヶ月ごとに終わっていたのではなかなかそこまでは行きません。

 そこで、今考えているのは、第一に、寺子屋オンエアなどで画面を共有する形で暗唱をチェックできるようにすることです。
 第二に、毎月の1000字の暗唱を1年間かけて合計12000字まで通して暗唱できるようにすることです。


 暗唱をすると、どういう力がつくかというと、第一に作文力です。どんなテーマが出ても的確な表現と内容の伴った文章を書くことができるようになります。
 第二は読解力です。理解の枠組みが大きくなるので、全体の内容をすばやく読み取れるようになります。
 第三に、これは付随的なことですが、覚えることが苦にならなくなります。今の勉強のほとんどは記憶力を必要としますが、記憶することが負担にならなくなります。
 第四に、これがいちばん大事なことだと思いますが、思考力が育ってくるのです。暗唱の力がついてくると、一つの言葉からいろいろな連想が生まれるようになります。そのために、個性的な考えが生まれやすくなるのです。

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暗唱(121) 

記事 2259番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
音読を繰り返して暗唱できるぐらいになると、作文力も読解力もつく as/2259.html
森川林 2014/11/16 17:09 


 言葉の森の音読は、1週間毎日同じ長文を音読するのが原則です。
 同じものを読むのは退屈ですから、毎日の音読に飽きてくると、早口で読んだりわざと文章の一部を変えて読んだりする子も出てきます。しかし、そのように飽きてふざけて読むのは、その子に創造性がある証拠です。
 ふざけて読んでいるのを見たら、「面白い読み方しているね」と笑って感心していればいいのです。どのような読み方をしていても、毎日読めば必ず力はついてきますから、明るく楽しく続けていくことが大事なのです。

 毎日音読していると、文章の一部は、見ないでも読めるようになってきます。覚えようとして読むわけではありませんが、繰り返し読んでいると、自然に覚えてしまうのです。
 この自然に覚えた文章の一節が、将来自分が作文を書くに、自然に出てくる語彙やリズム感になります。

 繰り返し読んでいると自然に覚えてしまうという読み方の延長に、暗唱があります。
 暗唱は、文章を覚えるのが目的ではありません。繰り返し読むことそのものが暗唱の目的です。

 繰り返し読めば暗唱できるというのは、実は、やってみた人でないと、なかなかその実感がわきません。
 今のお父さんやお母さんは、子供のころ文章を暗唱したという経験がないと思います。
 もう二つぐらい上の世代の曾祖父母のころの人たちは、子供時代に暗唱をした経験のある人がかなりいます。その当時の人達は、勉強の基本が音読と暗唱だったのです。

 音読と暗唱という勉強の仕方は、江戸時代の貝原益軒までさかのぼります。益軒は、四書五経などの文章百字ずつ百回空に読み空に書くという勉強の仕方を提唱しました。
 こういう繰り返しの勉強法が、寺子屋の勉強の基本になっていました。

 繰り返しや反復というと、理解や思考の反対のように考える人もいると思いますが、そうではありません。繰り返して身につけたものの土台があるから、思考力も伸びるのです。
 それは、例えば、次のような比喩で考えるとわかりやすいと思います。文章のひとまとまりを暗唱できるぐらいに繰り返し読むと、その文章のまとまりが、一つのバケツに入ります。
 普段、人間が考えるのは、言葉というバケツで、そのバケツを組み合わせることが文章を書くとか考えるとかいうことになります。大きいバケツを持っている人は、小さいバケツを持っている人よりも、より大きく速く考えることができるのです。

 この大きいバケツの話は、作文力について言えるだけではありません。読解力についても同じことが言えます。
 ひとまとまりの文章を何度も音読していると、それが難しい説明文のようなものであれば特に、新しい文章を読み解くときにその音読した文章の枠組みを使って理解することができるのです。

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mae 20161115 9 
暗唱へのハードルが高いという人は、まず音読からですね。

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記事 2258番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
やや難しい文章の毎日の音読が国語力の土台 as/2258.html
森川林 2014/11/14 21:15 

 言葉の森では、毎日の自習として長文音読をすすめています。毎日音読をしていると、わずか3、4分の勉強ですが、文章のリズム感がついてきます。また、作文に書く語彙も、次第に増えてきます。

 中学1年生のとき、言葉の森の勉強を始めた中国人の生徒がいました。日本語は喋れますが、本を読もうとしても漢字が読めません。中国から来ていますから、漢字はよく知っているのですが、日本語の漢字と中国語の漢字は、読み方も意味も違います。ひらがなばかりの本なら読めるという感じでした。
 体験学習で最初に作文を書いたときは、わずか数行で、それも間違いだらけの文章でした。しかし、もちろん、言葉の森はその間違いをわざわざ直しはしません。作文に間違いがあるのは、作文の問題ではなく、読む力の問題だからです。

 そこで、その生徒のお母さんに言ったことは、
「毎日、課題フォルダの長文を1編音読してください。3、4分の勉強ですが、毎日続けるのは大変なので、朝ごはんの前に読むようにして、読まなかったら朝ごはんは抜きということで(笑)。そして、どんな読み方でもいつも褒めてください」
ということでした。

 漢字が読めないので、全ルビのページを作り、その生徒だけ特別に全部の漢字にふりがながつく長文にして毎日音読をしてもらうことにしました。
 すると、半年ぐらいたったころから、作文力がぐんぐんついてきて、中学3年生になるころには、普通の日本の中学生よりもずっと語彙の豊富な立派な文章を書くようになったのです。そして、もちろん第一志望校に合格しました。
 毎日音読を続けた本人も素直でえらいのですが、いちばんがんばったのは朝ごはん前に、中学生に毎日の音読を続けさせたお母さんだったと思います。

 小学生のころの作文は生活作文が多いので、語彙力の差はそれほど大きくは出ません。生活作文というのは、日常生活で話すような言葉が中心ですから、誰でも大きな違いはありません。もちろん、それで、音読や読書の習慣がある生徒は、同じことでもより気の利いた言葉で表すことができます。

 音読による語彙力の差がついてくるのは、説明文や意見文を書くようになってからです。ここで出てくる語彙力の差は、読んでいる文章の質の差ですから、ただたくさん本を読むだけでなく、ある程度の難しさを持った文章を何度も繰り返し読んでいることが必要になるのです。

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はまぐり 20141126  
こんにちは。通信受講生(小4男子)の母です。
中国人の生徒さんの話、とても参考に、そして励みになりました。

ここでの「長文」とは課題フォルダの「長文 11.2週」などと書かれたものを、1週間同じものを読む・・・という方法でいいのでしょうか?
音読と暗唱とではどちらを先にお勧めされますか?

息子は漢字が苦手。こつこつ努力するのを嫌います。
熟語の意味が分からない。別の単語で説明してもわからずなかなか勉強が進みません。
読書も、やさしい本は読めますが、毎晩少しずつ読み聞かせをしていた中学年向けの本を、続きは自分で読んでみるよう渡すと「意味が分からない」と数ページでなげだします。
どうしたら力がつくのか思案しています。

森川林 20141127  
 1週間同じものを読み、週に1回、家族でその長文について楽しく話ができるといいです。
 長文の方が楽です。暗唱はやや負担が大きいです。だから、どちらかに絞るとしたら、長文音読の方です。
 長文音読は、意味を調べさせたり、説明してあげたりする必要はありません。意味はわからなくていいので、すらすら読めるようになることだけを目標にしてください。
 読書は、難しい本を与えすぎだと思います。親から見てレベルが低すぎると思う本が子供にとってはちょうどいい本です。
 読書は楽しく、音読の長文は難しくという使い分けです。

はまぐり 20141129  
ご回答ありがとうございました。
長文音読、こつこつ楽しく続けてみます。
(親も、ほめ言葉の練習をしなければ?!)

本選び、ゾロリは全部読んでしまったのでその次が難しい・・・。「読み聞かせの途中で与えてみた」のは、岡田淳さんの作品で、息子とほぼ同学年の子供の、学校の物語なので自分で楽しく読めるかなと思ったのですが。。。
残念ながらfacebookはやっていないのでこちらでお勧めの本は見ることができませんが、じっくり探してみます。

森川林 20141212  
 読書は、同じものを何度も読む方が力がつきます。読み終わったということでなく、折にふれて同じものを何度も読むというふうにしていくといいです。

 facebookのページを転載したページもあるので、そちらを参考にされるといいと思います。
http://www.mori7.net/ope/index.php?k=3

 しかし、いちばん新しい情報はfacebookの方に載っています。

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記事 2257番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
寺子屋オンエアで、国語満点講座も as/2257.html
森川林 2014/11/12 21:27 


 以前、グーグルハングアウトを使って、公立中高一貫校講座などを行っていましたが、当時はまだ参加できる人があまりいなかったようなので、ただ動画をアップロードするだけの講座になっていました。
 本当は、リアルタイムで複数の参加者がやりとりする形で勉強を進めたかったのですが、グーグルハングアウトはまだ多くの人に敷居が高いものだったのだと思います。

 その後、寺子屋オンエアの企画に、グーグルハングアウトを使うことにしました。この場合も、やはりパソコンの設定などが難しいこともあり二の足を踏んでしまう人が多かったようです。
 それでも、何人かの方はグーグルハングアウトの設定をして、寺子屋オンエアに参加してくれました。
 ただ、グーグルハングアウトの難点は、メンバー全体に話が飛び交うので、一人ひとりじっくり話すことができないことです。(いずれ、グーグルハングアウトにもそういう機能ができるでしょうが)
 そこで、グーグルハングアウトでの画面の共有は基本にしながら、個人間の話はスカイプで行うことにしました。すると、これがなかなか使えるのです。
 教室での授業風景を連想するとわかりやすいと思いますが、通学の教室では、子供たちが何人もいてお互いに一緒に勉強している雰囲気が伝わります。そして、先生と生徒の話は個別指導ですから、個々に話をします。
 そういう教室での勉強スタイルと同じことが、グーグルハングアウトとスカイプの併用でできることがわかったのです。

 今は、寺子屋オンエアは家庭での自学自習をアドバイスするものという形で使っていますが、これはもっといろいろに発展させることができます。
 そのひとつは、センター試験満点講座です。これまで、通学教室では、大学入試のセンター試験満点講座を開いていました。しかし、これは、リアルにその生徒と直接話をしないと通じにくいところがあります。そのため、通信ではそういう講座を開くことができませんでした。
 しかし、このグーグルハングアウトとスカイプを使えば、通信の生徒も通学教室と同じようなことができるようになります。
 更に、今後は、国語満点講座、受験作文講座、読書講座、作文検定、プレゼン作文発表会など、いろいろな取り組みがウェブでできるようになると思います。

 ただ、寺子屋オンエアに参加するためには、ウェブカメラの機材を用意したり、skypeやgoogle+の設定をしたりする必要があります。
 そこで、12月からは、寺子屋オンエアの無料体験学習として、カメラなどの機材をすべて貸与することにしました。(ただし、当面は言葉の森の生徒対象)
 グーグルハングアウトを使える人が多くなれば、これからいろいろな企画をウェブ上で行っていきたいと思っています。

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記事 2256番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
勉強の教え方の上手な先生は、すぐには教えない as/2256.html
森川林 2014/11/11 20:49 


 小中学生のころの勉強は、義務教育というぐらいですから、基本的に難しいものは何もありません。
 教科書や参考書を読み、問題集の詳しい解答を読めば、誰でも自分ひとりで理解できるものです。

 学校や塾で、たまに難しい問題が出されることがあるかもしれませんが、それは難しいクイズのような問題に過ぎません。
 その難しい問題ができたから頭がよいわけでもなく、できないから頭が悪いわけでもありません。

 小中学校のころの勉強は、基礎さえしっかりできていればよく、あとは年齢が上がれば誰でも自然に難しいこともできるようになるのです。
 そして、その基礎の学力は、もともと教科書をしっかり読めばわかるようなものばかりなのです。

 ところが、現代ではそれがそうなってはいません。
 小中学校の勉強で既にできる子とできない子の差があり、できない子は、どこから手を付けていいかわからないぐらいできないことも多いのです。

 基本的な勉強ばかりなのに、なぜ基礎の段階からできない子が出てくるかというと、それは、教えられる勉強をしているからです。
 教わるというのは、自分のペースで理解することではなく、教える人のペースで理解することです。だから、かえって理解しにくいのです。
 そして、教える人のペースで理解したことは、理解したつもりになるだけなので、かえって頭から抜けていくのも早いのです。

 勉強の基本は、自分で理解することです。そして、どうしてもわからないときだけ、身近にヒントを教えてくれる人がいればいいのです。
 勉強の基本を、他人から教わるところに置いている子は、長時間勉強するわりに実力がつきません。そして、教われば教わるほど学力は低下しやすくなるのです。

 勉強の教え方の上手な先生は、めったに教えることはしません。
 まず、子供自身が自分で解いて、自分で○付けをするのを待っています。
 間違えた問題は、子供が自分で解答を読んで納得するようにします。
 解答を読んでもどうしても理解できないときだけ、先生が登場します。
 しかし、それは直接的に教えるためではありません。どう考えたらよいかというヒントを与えるだけなのです。

 このような教えない教え方をしていると、子供の実力はどんどん伸びます。
 それは、自分のペースで理解するので、その理解が定着するからです。

 この教えない教え方をしているのが寺子屋オンエアです。
 これから、こういう勉強法をもっと増やしていきたいと思っています。

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記事 2255番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/27
新しい問題集読書の方法――入試問題集読書から国語問題集読書へ as/2255.html
森川林 2014/11/09 13:57 

 言葉の森では、これまで受験生で国語の力をつけたい人に、入試問題集読書をすすめてきました。
 もちろん、この入試問題集読書をするだけでは、それがそのまま国語の成績に結びつくわけではありません。(もちろんそういう場合もありますが)
 入試問題集読書で読む力をつけておくと、国語問題の解き方のコツを理解したときに、成績の上がる度合いが大きくなるのです。

 国語問題の解き方がわかれば、誰でも成績は上がります。しかし、その上がる度合いは、その生徒の読む力の範囲までです。
 そして、その読む力は、難しい文章を繰り返し読むことによってついてくるのです。

 ところで、入試問題集読書の難点は、受験学年になるまでは読めない漢字があることです。中学入試でしたら、小6で習う漢字まで読めないと読み進めることができません。
 ほとんどの人は、読めない漢字や意味のわからない言葉が次々に出てくると、読んで理解しようという気持ちがなくなってしまうのです。

 そこで、今取り組もうとしているのは、入試問題集読書ではなく、通常の国語問題集読書です。

 入試問題集読書と国語問題集読書の違いと長所、短所は次のようになります。

◎入試問題集読書の長所
・最新の時事的な問題意識を反映した長文が多い
・読める長文の量が多い

△入試問題集読書の短所
・問題が難解で悪問もある(正解が怪しいものもある、解答が載っていないものもある)
・量が多いので反復が不十分になる
・ページ数が多く重く値段も比較的高い
・難文、難読漢字が多く、高学年にならないと取り組めない
・読解力の勉強になるが、語彙文法記述などには直接は取り組まない

 入試問題集読書のちょうど反対の長所と短所を持つのが国語問題集読書です。

◎国語問題集読書の長所
・練られた問題が多く解答が参考になる
・薄いので反復ができる
・軽く扱いやすい、値段も比較的安い
・低学年から学年に応じてできる
・読解力の勉強以外に、語彙文法記述も直接に取り組める

△国語問題集読書の短所
・新しい時事的な長文が少ない

 この国語問題集読書を取り組むと言っても、家庭ではなかなかできません。
 というのは、ほとんどのお母さんは、注意するのは得意ですが、褒めることが苦手だからです。また、すぐに成果を上げようとするので、気長に続けることができないからです。
 国語の力は、音読や読書のような単純なことを毎日ずっと続けていって、成果のことなど忘れたときに、ふと国語力がついていたことに気がつくという力の付き方をします。

 そこで、この新しい国語問題集読書を寺子屋オンエアの中で取り組むことにしました。
 その寺子屋オンエアも、今新しいシステムを作っているところで、これからは、より手軽に、しかもより低価格で利用できるようする予定です。
 近々、国語問題集読書とセットにした寺子屋オンエアの長期間の無料体験学習を実施する予定です。対象は、言葉の森の小1から中3の生徒です。ただし、受験生は時間がとれないと思うので、受験が済んでから参加していただく方がよいと思います。

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●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

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●入試の作文・小論文対策
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