ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2288番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
創造性を育てる作文指導と、本質的な学力を育てる寺子屋オンエア指導 as/2288.html
森川林 2015/01/12 16:57 


 言葉の森では、これまで学校の勉強とはあまり関係のない作文指導に30年間取り組んできました。
 それは、学校の勉強は、受験勉強も含めて、既に答えのある勉強だから独学でも十分にできると考えていたからです。
 そういうスタンスでありながら、その言葉の森の考え方に賛同して作文の勉強を続けてくれた人がたくさんいました。(うちの子2人も、小1から高3まで続けましたが。)

 ところが、言葉の森の生徒には、全体に優秀な子が多いのですが、中に少数ですが学力的に問題のある子もいるということに前から気がついていました。
 また、最近、小学校低中学年で、かえって頭が悪くなるような勉強の仕方をしている生徒が増えていることに気がつきはじめました。例えば、無意味な難問をやらせたり、勉強優先で読書が後回しだったり、低学年から英語の勉強をやらせていたり、という勉強の仕方です。
 更に、中学生で、塾には通っているが、勉強の仕方がよくわかっていない生徒が結構いるということにも気がつくようになりました。

 学校の教育力が低下していることは前から言われていましたが、最近では、学力の格差が大きくなり、できない子は更にできなくなるという傾向が表れています。
 これまでの日本の教育の特徴は、格差の少ないことでしたが、2003年ごろから、PISAの成績で上位と下位の差が大きくなり、下位の子の成績は途上国並みに低いという状態が生まれるようになりました。

 そこで、言葉の森が、創造性を育てる作文の指導をこれからも進めていくには、その創造性の土台となる本質的な学力を、日本中の子供たちを対象に育てていく必要があると考えたのです。

 幸い、日本には、寺子屋教育という江戸時代の優れた自学自習法がありました。
 また、勉強に必要な教材は、日本では既に多種多様に出ているので、それらの中から良いものを自由に選べるようになっていました。
 更に、近年のインターネット・テクノロジーによって、オンラインで自宅にいながらにして学べる仕組みが作れるようになっていました。

 そこで、寺子屋オンエアで、子供たちの本質的な学力を育てながら、そのオンエアシステムを将来の作文指導にも生かしていくという方向を考えました。
 作文指導に生かすというのは、電話指導の代わりにオンエア指導をするとか、個別指導ではなくグループで交流できる指導をするとか、発表会をオンエアで行うとか、父母懇談会を行うとかいうようなことですが、可能性はほかにもいろいろあると思います。
 本質的な学力について言えば、小中学生の勉強は、お金をかけたり人手をかけたりしなくても、勉強の仕方次第で短期間で誰でもできるようになるのです。

 ところで、このICT(Information and Comunicaion Technology)教育の今の動向を見ると、ビジュアルでわかりやすい教材、ゲーム的な感覚を取り入れた楽しい学習、人気講師の優れた授業、限りなく無料に近いシステムで、資本力のあるところがその資本をバックに無人化したシステムを作る方向に進んでいます。そして、最終的には、世界で数社の寡占的な教育企業が生き残るような形になると思われます。今はまだそのずっと手前の段階なので、ICT教育の可能性だけが論じられている状態ですが。

 ICT教育の普及の結果、教育の格差はなくなるかというと、確かに、格差は多少是正されると思いますが、企業化された教育の第一の目標は、優秀な子をよい大学やよい企業に紹介することになりますから、すべての生徒が本質的な教育を受けるという方向には進みにくいのです。
 この一斉指導と、競争と、賞罰による意欲付けによって、能率よく指導し、優秀な子を優秀に育てることを第一の目標とするという教育観は、言葉の広い意味で西洋的な教育観です。日本の教育も今は、すっかりこの西洋的な教育観のもとで行われています。
 そして、ICT教育における一斉指導は、個別化された一斉指導なので、同じ教材システムでできる子とできない子がいた場合、できない子は更にスモールステップの教材に取り組むような形になります。その結果、できないのは本人の意欲や努力の問題となり、勉強の仕方の問題として捉えられることはなくなるのです。

 言葉の森がこれから行おうとしている寺子屋オンエアと、そのオンエアシステムを利用した作文教育は、世間で今言われているICT教育とは正反対のものとなると思います。
 それは、教材という物を中心とした教育ではなく、勉強の仕方という事を中心とした教育だからです。
 また、人手はかけないものの、機械に依拠した教育ではなく、先生と生徒と親の触れ合いに基づいた教育になるからです。

 教育全般のオンエアによる指導と、作文指導自体のオンエア化が、これからの言葉の森の目指す方向です。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森のビジョン(51) 寺子屋オンライン(101) 

記事 2287番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
言葉の森の作文指導の特徴――事前指導で苦手な子も楽に書け、得意な子は更に得意に as/2287.html
森川林 2015/01/08 20:42 


 言葉の森の作文指導の特徴は、高校生、大学生、社会人になっても通用する論説文の力をつけることを目標にしています。
 しかし、小学校低中学年では、そういう文章はまだ書けないので、その前段階として、身近な生活作文を楽しく書く練習をしています。

 小中学生の段階で上手な作文を書くことが目的ではありませんが、小学生のころは、楽しく書いていれば自然に上手な作品が生まれます。
 そこで、自分なりによく書けたと思った作文は清書をして、新聞社やコンクールに投稿するようにすすめています。

 小学校3、4年生は、子供たちが最も小学生らしいのびのびとした作文を書く時期です。この時期に、誰でも必ず年に何回かは傑作を書きます。
 昨年(2014年)は、さまざまなコンクールに76名の人が入選しました。

 入選は、子供たちに自信をつけます。どの子も、自分が入選したときの作文はよく覚えています。
 よく書けたと思う作文があったら、家庭でお母さんができるだけコンクールなどに応募してくださるとよいと思います。

 言葉の森の作文指導の特徴は、構成と表現をあらかじめて決めて書かせることです。
 この書き方は、言葉の森が独自に開発したものですから、このように事前に書くことを指定した書き方を指導しているところはほかにないと思います。

 この書き方をすると、不思議なことに、どんなに作文が苦手な子でも、すぐに書き出せるようになります。体験学習などで、初めて長く楽に書けたので、本人もお母さんも驚くということがよくあります。
 また、指導の目標が決まっているので、先生は子供の作文のよいところを中心に褒めることができます。無理に褒めようと思わなくても、自然に褒めることができるようになるのです。

 事前の指導がない作文を書かせると、ほとんどの子は、何をどう書いていいかわからないので途方にくれます。
 また、先生は、事前指導がないと、子供が書いた作文をどう褒めていいかわからないので、つい直すところや注意するところが中心になります。
 書き方がわからないまま、無理やり書かされて、やっと書いたと思ったら、次々に注意されるというのが、これまでの作文指導でした。だから、作文が苦手な子が増えていたのです。

 言葉の森の作文指導では、誰でも自分のペースでしっかり書けます。だから、苦手な子もすぐに書きだすことができ、一方上手な子は更に上手な作文を書くことができるようになります。
 苦手な子も、得意な子も、同じように勉強できるのが、言葉の森の構成と項目の事前指導を中心とした作文です。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森の特徴(83) 作文教育(134) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習