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作文の勉強は、先生との触れ合いが大事――どんなによい教材でも教材だけではある時期から書けなくなる as/2290.html
森川林 2015/01/14 08:36 


 言葉の森では、小学校低学年から始めて高校生の終わりまで勉強を続ける生徒がよくいます。それらの生徒は、必ずしも大学入試で小論文を使うわけではありません。しかし、毎週長文を読み600字から1200字の文章を書くことが自分のためになるからと思って続けている生徒が多いのです。こういう長期間の指導をしている作文教室は、ほかにはないと思います。

 作文の勉強というのは、実は、低中学年のころは誰でも簡単にできるのです。それは、表現する内容自体がやさしいからです。
 しかし、そのやさしい段階でも、教材を与えられてすぐに作文を書けるという子はあまりいません。短文の穴埋めをするような練習はできますが、ひとまとまりの文章を書くのは、子供にとってもやはり負担が大きいからです。
 これが、高学年になり説明文や意見文の課題になると、難しさは更にはっきりしてきます。教材の使い方をアドバイスする親や先生がいなければ、高度な作文はなかなか書けません。

 言葉の森の作文指導が、ほかの通信教育の作文講座と違うところは、担当の先生がその生徒に応じて事前のアドバイスをするところです。生徒が内容を深く理解していれば、その理解に応じて更に高度な説明もできます。反対に、生徒の理解が十分でないと思えば、その不十分さに応じてよりわかりやすく説明することができます。
 また、作文を書いている途中に、教室に電話をして書き方を聞くこともできます(実際には、そういうケースはあまりありませんが)。こういう人間の触れ合いのあるところが、言葉の森の指導の特徴です。

 これからの教育は、この人間の関わりというものが更に重要になってきます。
 最近では、ゲーム機のソフトで、漢字を覚えたり英単語を覚えたりするものも開発されています。もちろん、それはそれで楽しく利用してよいのですが、そういう勉強の仕方に熱中するのは最初のうちだけです。
 人間が持続的に勉強に取り組むためには、やはりそこに人間との関わりが必要なのです。

 通信の教材でも同じです。子供が自分の力でやれるようなものは、わかりやすい段階のものだけです。低中学年のころは、簡単にできますが、学年が上がり課題が難しくなり、子供が自分で物事を考えるようになると、教材だけでは作文の勉強は続けられなくなります。
 だから、低学年のまだ簡単な課題のうちから、教材が送られてくるだけではなく、先生とのやりとりが毎週あるような勉強を進めていくのがよいのです。

 受験期になると、中学3年生や高校3年生で、昔、言葉の森で小学生のとき受講していてその後いろいろな事情で続けられなくなった生徒が、「小論文の試験があるので、もう一度勉強をしたい」と連絡してくることがあります。
 そのとき、多くの生徒が、「小学生のときに教えてもらった○○先生に」と、先生の名前を覚えていて連絡してくるのです。こういうことは、教材だけでの通信講座ではまずありません。

 言葉の森では、これから、作文指導以外に、他の教科も寺子屋オンエアで指導していく予定ですが、それらもすべて先生と生徒の触れ合いを中心にした勉強として進めていきたいと考えています。

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読書は薬を飲むように読むのではなく、美味しいものを味わうように読む as/2289.html
森川林 2015/01/13 21:04 



 物語文の文章を読んで、その内容について質問をすると、まるでその物語の中を生きてきたようにありありと答えられる子がいます。
 そういう子は、物語文の読解問題でも、問題を見たあと、わざわざ元の問題文に戻る必要はありません。本の中で自分が経験したことですから、何を質問されても自分の経験を思い出すように答えられるのです。

 物語文に没頭するような本の読み方をするためには、子供のときに、やはり没頭する読書をしている必要があります。
 子供が没頭する読書は、大人の目から見れば、くだらない本に属するものが多いはずです。
 しかし、誰もがすすめる有名な本を、薬でも飲むかのように律儀に読むよりも、面白くて止まらなくなるような本を飽きるまで読む方が、物語を味わう力がつくのです。

 しかし、面白い本にただ熱中するだけでは、いつまでも易しい本を繰り返し読むことになります。
 易しい面白い本に熱中するとともに、ちょっと難しい文章を毎日音読する練習をしていくといいのです。
 これが、楽しい多読と、難しい精読という読書の両輪です。

 そして、学年が上がるにつれて、読書は楽しい多読から、難しい精読に移っていくのです。

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