ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2325番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
スタディサプリの時代の先にあるもの as/2325.html
森川林 2015/03/04 21:15 


 リクルートが3月から小4以上の小中学生を対象にした「スタディサプリ」の提供を開始しました。月額980円で授業動画が閲覧でき、勉強のデータを生かして苦手箇所だけ復習する仕組みも作られているそうです。

 教育へのネットの利用はこれからも加速します。ネットの利点は、自宅でできること、低料金でできること、個別対応ができることです。子供たちの勉強の環境は、これからも更に充実していくでしょう。

 しかし、ここで問題になるのは、そういう勉強環境がどれだけ豊かで便利になっても、その勉強をするかどうかは本人の意志次第であり、低中学年の場合は、本人の意志に加えて家庭の環境次第であるということです。

 家庭での勉強の習慣ができている子は、豊かな勉強環境を十分に生かしていくことができるでしょう。しかし、勉強の習慣ができていない子は、どんなにゲーム的な要素があるとか、ビジュアルでわかりやすいとか言っても、その勉強を続けさせるのは難しいのです。

 そのことは、逆に言うと、勉強の習慣が確立している子は、ネットの勉強環境を利用することもあるでしょうが、勉強の中心はこれまでの紙ベースのものでこなしていくということです。
 なぜかというと、勉強の本質は、知識を自分のものとして身につけることですから、問題集や参考書のような実際の形のあるものを何度も繰り返し利用する方がずっと定着度が高くなるからです。

 これまでの寺子屋オンエアの経験から考えると、多くの子は、自覚なく無駄の多い勉強法をしています。例えば、できる問題を何問も解いてみたり、できない問題を1回しかやらなかったり、きれいに書くことに時間をかけたり、その一方で何度も読むという勉強をしていなかったり、というようなことです。

 だから、勉強が進まない原因は、教材という「物」にあるのではなく、勉強法という「事」の方にあるのです。逆に言えば、勉強の仕方というソフトさえしっかりしていれば、教材は既にある便利なものを自由に使えばよいということです。そういう便利な教材のひとつとして、ネットの教材も利用できるということです。

 ところで、この勉強の習慣を家庭で作れる時期は、小学校1年生になります。
 1年生は、学校の勉強も簡単なので、家庭学習などをわざわざする必要のない時期のように思われますが、この時期にこそ家庭で毎日一定の時間を勉強する習慣をつけておくのです。
 「スタディサプリ」のような教材をうまく利用できるのも、この1年生からの勉強の習慣が確立している子なのです。

(この記事を書いた時点では、「勉強サプリ」という名前でしたが、その後、「スタディサプリ」という名前に変わったので、表記を改めました。)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭学習(92) 

記事 2324番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
考える力と親子の対話――そのきっかけとしての長文の音読 as/2324.html
森川林 2015/03/03 21:09 


 子供に勉強力をつける上で最も大事なものは、考える力です。考える力と言うと抽象的ですが、もっとわかりやすく言うと、考えることを苦にしない力です。更には、考えることを楽しむ力と言ってもよいでしょう。

 計算の練習や漢字の書き取りやいろいろな知識の習得は、時間をかけさえすれば誰でもできます。小学校低中学年のころの勉強は、このような、やりさえすれば誰でもできるようになる勉強です。

 しかし、小学校高学年になると、次第に考える問題が出てきます。国語では、環境や言語や文化や人生などという分野の文章が多くなります。算数では、計算のルールをあてはめるだけでは解けない問題、自分なりに図を書いてみないとわからない問題が出てきます。理科でも社会でも同様です。
 そのときに、考える力のある子は、そういう問題を面白いと思い、考える力のない子は、そういう問題を面倒と思います。ここで、面白いと思える子は、その後の勉強がどんどん進んでいきます。

 だから、小学校低学年のころは、考える力の土台を作ることが大事です。
 しかし、その考える力は、勉強をすることではつきません。低中学年の時期に、国語や算数の問題集をいくら解いても、考える力は育たないのです。

 考える力は、親子の対話の中で育ちます。
 親と子の間の話というと、多くの場合、親が一方的に注意をしたり、説教をしたり、説明をしたり、理解させたり、わからせたりするような形が多いと思います。親が中心で、子供はそれに従うものという形になりやすいと思います。
 しかし、これでは考える力は育ちません。

 親子の対話では、親と子が対等の人間としてお喋りを楽しむというような話し方が大事です。ちょうど、親が同年代の友達と話すような姿勢で、相手とのやりとりを楽しむような雰囲気で話を進めていくのです。

 そして、その対話の中で、親ができるだけ自分の子供のころの体験談を話してあげます。
 また、小さい子供が相手のときは、ダジャレやギャグや冗談や笑いを入れて、できるだけ面白い話をしていきます。そのためには、親が自分の言った冗談を楽しむような気持ちも必要です。

 しかし、そういう楽しい話でありながら、話の内容は、大人相手に話すような真面目な内容や難しい語彙も取り入れて、子供を一人前の話相手として扱っていくのです。
 子供を子供として扱うのではなく、一人前の話相手として扱い、親自身が子供との話を楽しみ、子供の言うことを大人の話を聞くように尊重して扱っていると、子供の思考力は育ちます。

 言葉の森の作文・感想文の勉強をしていると、毎週の長文の音読がこういう対話のきっかけとして活用できるようになります。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

ラウレア 20150323  
よくしりとり遊びをしました。「動物」「食べ物」など、テーマを決めて遊んでも楽しいです。これも親子の対話?でしょうか。

森川林 20150324  
 子供と楽しく遊び、親もそれを楽しむという感覚が大事ですね。
 その中でも特に、子供との対話を楽しむというのがいちばんのポイントになると思います。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
対話(45) 
コメント51~60件
……前のコメント
低学年の作文の 森川林
低学年の作文でいちばん大事なことは、題材選びです。 その題 3/3
記事 5001番
作文における書 森川林
 作文で大事なのは中身です。  しかし、中身はなかなか進歩 3/2
記事 4999番
これからの新し 森川林
 今はまだ、勉強のゴールは、大学入試になっています。  大 3/1
記事 4996番
上手な作文とそ 森川林
 上手な作文とそうでない作文の差は、語彙力の差です。  そ 2/29
記事 4997番
ChatGPT 森川林
 創造発表の勉強のネックになるのは、個性的なテーマであればあ 2/28
記事 4955番
夏期講習でのデ 森川林
 国語の勉強の方法としていちばんいいのは、ディスカッションで 2/25
記事 4993番
教育論に欠けて 森川林
 ボタンの掛け違いは、最後になるまでわかりません。  最初 2/18
記事 4981番
教育論に欠けて 森川林
 しっかり勉強して、いい学校に入り、成績を上げて、目指す大学 2/18
記事 4981番
創造発表クラス 森川林
創造発表の勉強は、知識的にやるのではなく、実験的にやることが 2/5
記事 4966番
齋藤孝さんへの 森川林
私は、ブンブンどりむのようなレベルの低いものは誰もやらないだ 2/4
記事 4964番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習