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森林プロジェクトの話――作文検定と交流会 as/2459.html
森川林 2015/11/06 20:36 


 言葉の森の作文指導のシステムを誰でも使えるようにという目的でスタートしたのが森林プロジェクトです。
 ここに参加すると、言葉の森の教材を自由に使えるようになります。(講師資格試験は有料ですが)
 長年の蓄積のある独自の教材をなぜ誰でも使えるようにしたかというと、それは歴史の必然のようなことを考えたからです。

 よいものは、とどめておこうと思っても、いつか自然に広がります。だとすれば、むしろ早めに広げて、その広げた先の新しいステージを作っていけばよいと考えたのです。

 その新しいステージのひとつが作文検定です。
 言葉の森の教材で作文指導をするところが増えれば、その指導を共通して評価する試験が必要になります。それが作文検定です。

 作文検定は、、従来の文章評価の仕方とは全く違います。これまでの文章評価は、その文章がうまいかどうかを、読んだ人が主観性を交えて判断するものでした。
 だから、当然人によって評価が異なります。また、同じひとりの人が評価する場合であっても、その日の気分によって評価が異なることがあります。
 これに対して、作文検定は、あらかじめ指定した項目が正しく入れられたかという評価ですから、誰がいつ評価しても結果は同じです。その客観性が教育の場面では大事なのです。

 しかし、項目を入れるという客観的な評価だけでは、ある程度以上よく書ける人の間では差が出なくなります。
 そこで、1時間で1200字以上の説明文や意見文を書くという課題以上の生徒(小6~高3)には、項目の評価以外に、森リンによる語彙力の評価も加えています。
 このやり方で小1から高3までの作文の客観的な評価をできるようにしたのが、言葉の森の作文検定です。

 さて、森林プロジェクトに参加して、自宅や近所の集会所やカルチャーセンターなどで作文指導をする人は増えましたが、実際に指導を始めてみると、いろいろ悩みが出てきます。
 その代表的なもののひとつが、一人でもうるさい子がいると、みんなが作文の勉強ができなくなるということです。これは、算数や英語や理科や社会などの勉強と違う、作文だけの独自な問題です。

 作文を書くとき、頭はフル回転で言葉を探しているので、少しでも他人の言葉が聞こえてくると、その回転にブレーキがかかってしまうのです。
 最近は、大学の授業でも私語が目立つと言われているように、悪気なく思ったことをすぐ口に出す子が増えているのです。
 そういう子への対応をどうするかなどということ,同じ作文指導をしている人でなければなかなか相談できません。

 そこで、言葉の森では、この秋から森林プロジェクトの講師の交流会を始めることにしました。月1回のペースでgoogleハングアウトを利用しながら、指導、運営、経営の研修や交流を行っていく予定です。

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中学生の勉強は、差のつく数学、大事な国語、読む英語 as/2458.html
森川林 2015/11/06 09:43 


 中学生の普段の勉強の目標は、定期テストになっていると思います。
 しかし、定期テストは、それほど難しい問題が出るわけではなく、それまでの授業で習ったことがほとんどです。
 だから、真面目に勉強していて、早めに(と言っても10日前か2週間前ぐらいからを基準にして)取り組めば誰でもよい成績が取れます。

 ところが、この定期テストの積み重ねの延長に入試があるわけではありません。入試のレベルは、定期テストとはかなり違うのです。
 定期テストは、真面目に勉強していたかどうかを見るためのテストですが、入試は受験生に差をつけるためのテストです。だから、入試の勉強は、定期テストの勉強とは別の位置づけで取り組む必要があります。

 中でも、最も差があるのは数学です。数学は、定期テストでも難問が出されることがありますが、入試の場合はもともと差をつけることが目的ですから、もっと多くの難問が出ます。
 他の教科は、勉強した知識があれば解けるようになっていますが、数学は知識があっても解けません。それは、いくつかの知識を組み合わせて問題が作られているからです。
 数学は、解き方を知らないと解けない問題があるのです。しかも、大問の場合は点数の差も大きくなります。
 だから、数学の勉強は、学校の定期テストレベルの問題とは別に、入試レベルにも対応した問題集を独自に勉強しておく必要があります。もちろん、その前提になるのは定期テストレベルの問題ですが、そこに留まっていては入試には対応できないのです。

 数学が差のつく勉強だとすると、逆に、あまり差のつかない勉強が国語です。国語で差のつく分野は、文法や古文のような知識が必要な分野です。だから、文法や古文の点数が悪いときは、ただ勉強をしていないだけと言っていいと思います。
 国語は、文法や古文以外は勉強をしてもしなくてもある程度の点数は取れます。そのため、国語の勉強は、漢字の勉強以外はしないし、しようがないと思っている人が多いのです。
 ところが、国語力は実は頭のよさのことなのです。ものごとを理解したり判断したり考察したりする力が国語力の本質です。ですから、それは日常生活でも、社会に出てからも、又は他の勉強の土台としても、ある意味で最も大事なものなのです。
 したがって、国語の勉強はテストのためではなく、日常的に難しい文章を読み自分で考えて書くという勉強としてやっていく必要があります。
 ただし、この本当の国語力と、テストの国語の成績は、一致しないことがよくあります。それは、テストの国語には、やはり解き方のコツというものがあるからです。しかし、国語力のある生徒は、そのコツさえ理解すれば国語の成績はすぐに上がるのです。

 英語は、現在ヒアリングが重視されるようになっています。しかし、ヒアリングで出てくる単語はそれほど難しいものではありません。聞き慣れれば、理解できるようになります。
 ヒアリングのコツは、国語の放送問題でも同じですが、必ずメモをしながら聞くことです。特に、男性は耳から聞いただけのものはすぐに忘れてしまうことが多いので、要点をメモしながら聞くといいのです。
 ところで、入試で差のつくところは、ヒアリングではなく長文の読解です。普段の定期テストの英語では、あまり長い文章が出ることはありません。文法や単語を中心とした短い文が多いので、知識があれば解けるようになっています。
 また、文の語順の問題は、知識ではなく英語の文の流れに対する慣れが必要ですから、教科書を音読暗唱して英文の感覚に慣れておけば感覚的に解けるようになります。
 英語の長文は、普段の勉強ではあまり取り組む機会がありません。しかし、入試には必ず出てくるものですから、普段から長文を読む練習をしておくことが大事です。そのための教材として最もよいのは、やはり入試問題です。入試問題が、最もよい教材になるというのは、国語の場合も同じです。

 中学生は、定期テストの勉強は一応計画的にやっておき、その一方で、数学の難問題集(ただし自分にとっての)、国語の入試問題集の読み(解くのではなく)、英語の入試問題の長文の読み(これも解くのではなく)、などに力を入れていくといいのです。
 この中学生の勉強は、そのまま高校生の勉強にもあてはまります。

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