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外国人と日本語――それぞれの関心に合わせた日本語の本の読書会を計画中 as/2460.html
森川林 2015/11/08 10:51 


 外国語を学ぶ動機の中に、読みたい本がその外国語でなければ読めないということがあると思います。

 私(森川林)も、昔、プログラミングの勉強をしようと思ったころ、日本にはいい本がないので、英語の本を取り寄せて読んだことがあります。
 英語を勉強することそのものを目的にしていたのでは、英語の本など読まないのですが、自分で知りたいことがあると自然にそういうことができてしまったのです。

 言葉の森のfacebookグループ「日本語for外国人の島」には、今約340人の参加者がいます。
 参加している外国人の方に共通しているのは、日本のアニメの魅力にひかれて日本の文化に関心を持ったということのようです。

 日本には、アニメ以外にも、欧米にはない独自の豊かな文化があります。この日本の文化を、外国人の日本語学習に生かすことができるのではないかと思ったのです。

 外国人が日本語を学ぶが場合、日本語の文法や単語や短い会話の習得のようなものから入ることが多いと思います。
 しかし、それらのテキストを見てみると、独学でやり続けるには意志力と忍耐力がかなり必要なように思えます。

 日本には、これから両親が外国人だという子供も増えてきます。それらの子供たちに共通している問題があるようです。
 日本語は規則性が高いので、日常会話のレベルでは友達との交流の中ですぐに身につきます。しかし、小5以上になり、勉強の中に概念的な言葉が出てくると、読む力が弱い子は勉強についていけなくなることが多いというのです。

 そこで考えたのが、日本語の本による読書会です。
 日本には、さまざまなジャンルの本が、易しいものから難しいものまで多様にそろっています。外国の本を翻訳したものであれば、そのま英語の原本が対訳として使えます。

 日本語のできる日本人が中心になり、日本語を学ぼうとする外国人や外国人の子供たちを対象に、それぞれの興味とレベルに合わせた日本語の本の読書会を開くのです。
 この読書会には、外国にいる日本人の子供たちや、帰国子女の子供たちも参加できます。

 現在、googleハングアウトやskypeで、距離や国境に関係なく、顔を見ながらリアルタイムで会話が楽しめるクラウドサービスが無料で利用できるようになっています。

 これらのインターネット技術を利用して、今後、「日本語for外国人の島」や「帰国子女の原」のfacebookグループの中で、日本語の本の読書会を開いていきたいと思っています。
 そういうことに関心のある日本人の方は、ぜひご参加ください。

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touko 20160910 77 
「好きこそものの上手なれ」
興味のあることを学ぶためなら、ツールである言語の習得もより容易になりますね。


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森林プロジェクトの話――作文検定と交流会 as/2459.html
森川林 2015/11/06 20:36 


 言葉の森の作文指導のシステムを誰でも使えるようにという目的でスタートしたのが森林プロジェクトです。
 ここに参加すると、言葉の森の教材を自由に使えるようになります。(講師資格試験は有料ですが)
 長年の蓄積のある独自の教材をなぜ誰でも使えるようにしたかというと、それは歴史の必然のようなことを考えたからです。

 よいものは、とどめておこうと思っても、いつか自然に広がります。だとすれば、むしろ早めに広げて、その広げた先の新しいステージを作っていけばよいと考えたのです。

 その新しいステージのひとつが作文検定です。
 言葉の森の教材で作文指導をするところが増えれば、その指導を共通して評価する試験が必要になります。それが作文検定です。

 作文検定は、、従来の文章評価の仕方とは全く違います。これまでの文章評価は、その文章がうまいかどうかを、読んだ人が主観性を交えて判断するものでした。
 だから、当然人によって評価が異なります。また、同じひとりの人が評価する場合であっても、その日の気分によって評価が異なることがあります。
 これに対して、作文検定は、あらかじめ指定した項目が正しく入れられたかという評価ですから、誰がいつ評価しても結果は同じです。その客観性が教育の場面では大事なのです。

 しかし、項目を入れるという客観的な評価だけでは、ある程度以上よく書ける人の間では差が出なくなります。
 そこで、1時間で1200字以上の説明文や意見文を書くという課題以上の生徒(小6~高3)には、項目の評価以外に、森リンによる語彙力の評価も加えています。
 このやり方で小1から高3までの作文の客観的な評価をできるようにしたのが、言葉の森の作文検定です。

 さて、森林プロジェクトに参加して、自宅や近所の集会所やカルチャーセンターなどで作文指導をする人は増えましたが、実際に指導を始めてみると、いろいろ悩みが出てきます。
 その代表的なもののひとつが、一人でもうるさい子がいると、みんなが作文の勉強ができなくなるということです。これは、算数や英語や理科や社会などの勉強と違う、作文だけの独自な問題です。

 作文を書くとき、頭はフル回転で言葉を探しているので、少しでも他人の言葉が聞こえてくると、その回転にブレーキがかかってしまうのです。
 最近は、大学の授業でも私語が目立つと言われているように、悪気なく思ったことをすぐ口に出す子が増えているのです。
 そういう子への対応をどうするかなどということ,同じ作文指導をしている人でなければなかなか相談できません。

 そこで、言葉の森では、この秋から森林プロジェクトの講師の交流会を始めることにしました。月1回のペースでgoogleハングアウトを利用しながら、指導、運営、経営の研修や交流を行っていく予定です。

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