オンエア特別講座、寺子屋オンエア、オンエア作文などの教育を進めていく主体として、言葉の森が考えているものが森林プロジェクトです。
森林プロジェクトでは、言葉の森の教材と指導システムを使い、小1から高3までの子供たちに作文を教えます。
それは、作文の勉強というものが、独学や家庭学習だけでは十分にやりきれないものであるからという理由もあります。しかし、それ以上に大事なのは、森林プロジェクトで作文指導を行うことによって、プレゼン作文発表会や作文検定などのより発展的な作文学習ができるということなのです。
また、森林プロジェクトは、作文を指導するだけでなくオンエア特別講座や寺子屋オンエアの講座も併設できます。つまり、家庭における自学自習を支えるとともに、子供たちどうしが個性を伸ばし合う場も提供することができるのです。
この森林プロジェクトは、未来の社会ですべての人が消費者でありかつ生産者であるという時代の、生産者のひとつの先取りです。
最初は、自宅の近くで近所の子供たちの作文を見てあげる仕事です。近所なので、プレゼン作文発表会なども近所でリアルに行うことができます。
週に1回だけの教室では、自宅での音読や暗唱や読書の指導まで徹底できないことがあるので、寺子屋オンエアで、教室に来る日以外の家庭学習のアドバイスもします。もちろん、これは生徒と先生の希望によるオプション指導です。
オンエアで家庭学習を見てあげることに慣れてきたら、その先生が自分の得意分野でオンエア特別講座を開講することができます。
オンエア特別講座は、インターネットによって世界中に開かれていますから、自分の得意な分野がニッチなものであればあるほど、ロングテールのニーズを見つけやすくなります。
これからの時代は、多くの人が関心を持つメジャーな分野で供給者どうしが激しい競争をするのではなく、自分だけのオリジナルな分野で、遠く細いニーズとつながる方が効率のよい仕事になります。ダーウィン流の適者生存の競争の時代から、今西錦司流の棲み分けによる共存の時代になっていくのです。
このようにして新しい仕事を作り出すことも、これからのひとつの創造になります。
そして、その自分独自のオンエア特別講座に、更に大きく広げる見通しが出てくれば、自分が直接教えるだけでなく、新たに教える人を育てるという仕事に、教える仕事のレベルを一段階上げていくことができます。
個性的なものは、かけた時間に比例して他の誰もが真似のできないものになっていくので、供給者どうしの競争という混雑から離れて、自分独自の世界を深め広げていくことができます。こうして、多くの人が自分の個性を生かして生きていくことが未来の社会を準備することにもなります。
このような仕組みを作れる可能性の最も近くにある国が日本です。そして、この可能性は、日本だけ留まらないのです。(つづく)
※次は、「アジア、アフリカのフロンティアについて」です。
寺子屋学習がオンエアでできるように、作文もオンエアで学習できます。(ここで言う「オンエア」というのは、ウェブ会議のようなシステムで先生と数人の生徒が自学自習形式のグループ学習をする仕組みのことです)
オンエア作文の利点は、先生と生徒が電話だけでなく画面を通して対話できることです。また、その担当の先生が教えているほかの生徒とも、画面の上では一緒に勉強できるので、家庭での学習ではあっても孤独感がありません。
更に、書いている途中で質問があったり、相談があったりした場合は、質問コーナーなどの別のオンエアに入り直して、そこで質問や相談をすることができます。
オンエア作文は、パソコンの方が画面が大きく見られるので便利ですが、スマホでも十分に対応できます(ただし機種によっては、イヤホン付きマイクを使った方が音声が聞き取りやすくなるものもあります)。
パソコンでオンエア作文の授業を受ける場合は、パソコンで画面を見ながら電話やskypeで先生の指導を受けるという形になります。どうして電話やskypeを使うかというと、ほかの生徒の勉強の勉強の邪魔にならないように、生徒と先生が一対一で話す必要があるからです。
パソコンの故障で画面が見られないことがあっても、勉強自体には特に支障はありません。通常どおりの電話指導だけできれば、作文の勉強の方はこれまでと同じようにできるからです。
作文を書いている間は、カメラは机上の方に向けておくので、先生は、それぞれの生徒がどういう感じで書いているか見ることができます。
言葉の森の通信指導は、休んだときも別の日や別の時間にふりかえ指導が受けられることが特徴です。これは、オンエア作文でも同じです。どうしてほかの通信教育では、電話指導やオンエア指導がしにくいのかというと、このふりかえ指導に対応することが難しいからです。
通信教育の弱点は、通学のリアルな教室に比べて強制力がないことだと言われています。しかし、言葉の森の電話指導による通信教育は、小学生から高校生までの全学年平均で月4回の提出率が94パーセント以上となっています。
オンエア指導は、電話指導よりも更に深く先生と生徒とのコミュニケーションが取れるので、提出率は通学教室と変わらないかそれ以上になると思います。
通学教室の弱点は、わざわざ通わなければならないので時間の負担が大きいことです。オンエアによる通信教育は、家庭からインターネットで参加できるので、通う負担はありません。
また、言葉の森のオンエア指導は、ビデオ授業のような全員一律のものではなく、それぞれの生徒の自学自習を生かした個別対応による指導ですから、出席率が高いだけでなく中身のある勉強になっているのです。
さて、個性を育てる「オンエア特別講座」、全教科のバランスのよい学力をつける「寺子屋オンエア」、勉強の集大成でありかつ創造性を育てる「オンエア作文」が、これからの子供の教育の重要な柱になるとして話を進めてきました。
では、その教育を進めていく主体はどういうものになるのでしょうか。(つづく)
※次は、「森林プロジェクト」についてです。