小学校1年生から3年生のころの子育てで大事なことは、読書を中心とした言葉の力を育てることと、自分から進んで実行する経験の力を育てることです。
同時に、この時期の勉強は、その後の小学校時代の勉強の技能的な基礎となるものですから、勉強ももちろん大切です。
勉強の評価は、点数という形で現れるので、ついその勉強の結果だけに目が向きかちです。
しかし、本当に大事なのは技能的な基礎とともに実力的な基礎です。その実力は読書と経験によって育つのです。
学校は勉強の技能を教える場で、家庭はその勉強の技能に習熟させる場ですが、家庭はそれだけにとどまらず、読書と経験を中心にした実力形成の場としていく必要があります。
そこで、言葉の森が取り組んでいるのは、読書感想クラブという小学校1年生から3年生を対象にしたオンエア講座の企画です。
オンエア講座は、インターネットを通して自宅から参加できます。インターネットを通してやりとりするのは実際の先生と他の参加生徒ですから、ビデオ授業のような機械的なものではなく、少人数のクラスでの話し合いのような講座です。
この読書感想クラブは、次のような形で進めていきます。
●1.読み聞かせ
まず先生が本の読み聞かせをします。この読み聞かせはできるだけ幅広いジャンルの中から選ぶようにして、子供たちの読書経験の幅を広げていきます。
●2.今読んでいる本の発表
次に、参加している子供たちに、今読んでいる本を紹介してもらいます。これには三つの意味があります。
第一は、みんなに紹介しようと思って、子供たちが意識的に本を読むようになることです。
第二は、同じ学年のほかの人が紹介した本を見て、自分の読書生活がよい刺激を受けることです。
第三は、短い時間で簡潔に本の中身と自分の感想を述べる発表の練習になることです。
●3.似た経験の発表
また、前回の読み聞かせの本の内容に関連して、似た経験ができていればそれも発表してもらいます。
本の中には、自分も似たことをしてみたくなるものがあります。
その似たことを、実験、実行、観察、調査などで経験することが、その本を深く読み取り自分の経験を育てることにつながります。
昔の子供たちは、自然の中でさまざまな工夫をして遊んでいました。
ロケット博士と呼ばれた糸川英夫氏は、自分たちの世代をベーゴマ世代と呼んでいました。ベーゴマの遊びの中で、どうしたらより重くより強いコマを作れるか、どの子も文字通り日夜研究してベーゴマ遊びに取り組んでいたというのです。
こういう主体的な経験が、子供たちの将来の意欲と創意工夫の源泉となります。
●4.実行課題の紹介
ただし、オンエア講座では、本の内容に関連した似た経験だけにすると難しい面もあるので、読み聞かせの本とは別に子供たちが実行できそうな実行課題という話もしていきます。
実行課題では、家庭で簡単に出来る工作や実験、近所で簡単に出来る調査や探検の例を紹介します。
●5.実行課題の経験の発表
子供たちが実行した経験は、家庭で写真や動画などに記録してもらい youtube などで互いに発表し感想を述べる場を作ります。ただし、これらの記録と発表は、子供たちや家庭の負担にならないように自由参加という形で行います。
小1から小3のころは、あらゆることを柔軟に吸収できる時期です。
この時期に幅広い読書経験の機会を作り、更にそれを実際の経験に結びつけることによって、子供たちがより深くいろいろなものを吸収し成長するような場を作っていきたいと思います。
■対象
小学1・2・3年生(保護者も一緒に参加できます)
言葉の森の生徒以外の方も含めてどなたでも参加できます。
■曜日時間
毎週火曜日18:00~18:45
(曜日と時間帯は今後増やしていく予定です)
■参加費
月4回各45分の講座 月額1,728円
(無料体験が2回できます)
■ご用意いただくもの
google+に登録しアカウントを取得してください。
ウェブカメラのついたパソコン(又はタブレット、スマホ)で参加できます。
■参加の仕方
言葉の森のホームページの上部に講座開始の15分前からgoogleハングアウトのリンクを貼ります。そのリンクから直接参加してください。
人数に制限がありますので、欠席や遅刻の場合はあらかじめご連絡ください。
■googleハングアウトの接続テストができます
googleハングアウトを初めて使われる場合、事前に接続のテストができます。
言葉の森までお問い合わせください。
■お申し込みは
参加を希望される方は、言葉の森までお電話でお申し込みください。
電話0120-22-3987(平日9:00~20:00)
■これまでの読み聞かせの本の例
■これまでの読み聞かせの動画サンプル
●きょうしつはまちがうところだ
●おかあさんげんきですか
■これまでの実行課題の動画サンプル
●割り箸で作るマジックハンド
●鏡とバケツで虹を作る
■公立中高一貫校の受験対策は家庭でカバー
公立中高一貫校の受験は、考える問題が中心になっています。教科書レベルの少ない知識で深く考えさせるという問題が中心です。すると、得意不得意は、人によってかなり違ったものになります。
しかし学習塾ではそれを一斉に教えるしかありません。一斉に教えやすい指導は知識中心の指導です。
学習塾で勉強していれば、確かに勉強する時間は確保出来ます。しかし、その勉強する時間の中にはあまりやる必要のない勉強も含まれてくるのです。
公立中高一貫校の受験は、合否の可能性の読めない試験だと言われています。それは倍率が高いせいもありますが、それ以上に、記述型・思考型の試験という問題の性質上、得点の不確定要素が多くなるからです。
もちろん、学習塾の中には公立中高一貫校の受験に実績をあげているところもあります。それは実際に記述型・思考型の問題を指導しているところです
しかし、これは指導内容がいいからというよりも、記述型・思考型の問題を解く時間が確保できているから実績上がっているという面があるのです。
それならば、受験勉強は家庭でやっていくのがいいのではないかというのがこの講座の趣旨です。
■自主的な勉強の仕方を工夫する
問題を解く練習は家庭でもできます。ただしその際、親の負担にならないように子供が自主的に勉強を行うことが必要になります。
子供が問題を解いて自己採点したあと、その答えが合っていたらそれを親に説明します。間違っていたら解法を見て、その解法の理解できた点を同じように親に説明します。説明するのはもちろん重要な数か所だけで構いません。
こういう子供中心のやり方であれば、親の時間的負担はほとんどありません。
間違っていてその解法を見ても子供が理解できないときだけ、解法の更に詳しい説明を親がすることになります。親が関わるのは、この間違ってしかも理解できない箇所だけですから、時間的な負担はそれほど多くありません。
また、親も説明しにくい場合は、それを先生に質問し相談します。
本人だけに任せるのではなく、また塾に任せるのでもなく、子供本人が自主的に取り組み親はそれをチェックしフォローするという体制で勉強していくのです。
こういう勉強の仕方であれば、合否とは別に受験勉強が子供の成長にとって大きなプラスになります。
それは第一に、自分でやる勉強の仕方がわかるからです。第二に、親子の会話ができるからです。第三に、親が子供の勉強の内容を把握できるようになるからです。
しかし、家庭の中での親子だけの勉強は続けにくい面もあります。
そこで先生が毎週の講座を企画し、それをペースメーカーとし、また質問や相談の場として家庭での勉強を続けていくのです。
■似た問題を考えるみる
ところで勉強というものは、主体的に取り組めば面白いものです。与えられた知識を吸収しそれを再現するだけの勉強は、勉強というよりも訓練に近いものです。
そこで、創造的かつ主体的な勉強として、この講座では似た問題作りを取り入れます。元の問題に似た問題を自分流に作ってみることは問題への理解を深めます。しかしこれは、それほど簡単にできるものではないので、この作成はもちろん任意です。
■受験作文のアドバイス
講座の中心になるのは適性検査の問題全体ですが、言葉の森のこれまでの作文指導の蓄積を生かして受験作文だけを特に取り上げたアドバイスも行います。
言葉の森の個別指導の受験作文コースは受験の4か月前から始まるので、それまでは普段の作文練習とこの講座の受験作文アドバイスを聞くことが受験作文の準備になります。
■将来の高校入試、大学入試も適性検査型に
公立中高一貫校の受験勉強は、その受験だけで終わるものではありません。
現在は公立高校のトップ校の入試問題も、記述型・思考型中心になっています。また、私立大学の多くはまだ選択式の問題が中心ですが、国公立大学の問題のほとんどは記述型・思考型の問題です。
この傾向は、今後さらに広がっていきます。すると、公立中高一貫校の受験勉強は中学受験だけにとどまらず、子供にとっても親にとっても、今後の長期間の勉強の土台になっていくと思います。