中学生の生徒に定期テストの結果を見せてもらうと、その子がどんな勉強の仕方をしているのかよく分かります。多くの子が、作業的な勉強の仕方をしています。つまり、できる問題を何度も解いてみたり、数多くの問題を通り一遍にしかやらなかったり、というような勉強の仕方です。
こういう勉強を外から見れば、いかにもよくやっているように見えます。机に向かって何時間も手を動かしているのを見れば、親は、しっかり勉強しているのだと思ってしまいます。しかし、その多くは、形だけの中身の薄い勉強なのです。
親のいうことをよく聞く素直で真面目で性格のよい子ほど、この作業的な勉強に陥りがちです。作業的な勉強をしている子は、学年が低いうちは成績がよいのです。しかし、学年が上がり、難しい問題がちらほら入ってくると、急に成績が伸びなくなってきます。
なぜ、作業的な勉強をしてしまうかというと、親や先生に何をやるのかという勉強の内容を指示されて勉強してきたからです。勉強の内容を指示すると、子供は自分の頭で考えなくなります。だから、易しい問題は省略して、難しい問題は重点的に繰り返すというような自分なりの工夫をせずに、ただ言われたとおりに易しい問題も難しい問題も同じように作業的にやってしまうのです。
では、作業的な勉強ではなく、自分で工夫した勉強をするようにさせるにはどうしたらよいのでしょうか。それは、親や先生が、勉強の内容を指示するよりも前に、勉強の目的を伝えていくことなのです。
ごく短期的な目的でいえば、勉強の目的は、よい成績をとることです。このことを自覚するだけでも、勉強の仕方は大きく変わってきます。
そして、もっと長期的な目的で言えば、勉強の目的は、自分が成長して社会に貢献できるような人間になることです。こういう目的を自覚した子は、どんなに進められてもカンニングなどはしないでしょう。
学校の先生や塾の先生は、仕事として子供に勉強を教えているので、こういう目的を伝えることはなかなかできません。だから勉強の目的を話してあげることは、主に家庭における親の役割になります。
子供が小学校低学年のころは、勉強の内容だけを指示してやらせた方がずっと簡単で能率もよいのですが、この簡単に指示できる時期から、遠回りのように見えてもいつも勉強の目的を自覚させるように接していくことが大切なのです。
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昔の人工知能は、「強い人工知能」として作られていました。それは、「こういうことがあったら、ああいうことをする」という入力と出力のプログラムを人間がしっかり作り込むような人工知能だったのです。しかし、それでは、結局人間が予想できる程度のことまでしかできません。
今の人工知能は、「弱い人工知能」として作られています。それは、正しいことも間違ったこともランダムに多様に行い、そこから確率的によい結果を生み出すものに次第に行動を収斂させていくという人工知能です。このやり方によって、人間が予想もできない優れた知能を発揮する人工知能が作られるようになってきたのです。
今、スマートフォンでネットを検索すると、音声入力でかなり正確な入力ができるようになっています。なぜこのように正確な変換ができるかというと、それは言葉を正確に聞き取れるようになったからではなく、大量のデータベースをもとに文脈的にあり得そうな言葉を選択できるようになったからです。
大量の知識や情報をもとに、最も妥当な判断をするという方向に、今の人工知能は発展しているのです。
すると、近い将来、人工知能が人間の頭脳に取って代わる分野が出てくることが考えられます。それは、大量の知識をもとに、正しい判断をするという分野です。
この大量の知識をもとに正しい判断するというのは、人間の優れた能力のように思われがちですが、実は人間にとってはあまり得意な分野ではありません。
このためには,まずたくさんの知識を吸収しなければなりません。そして、その大量の知識を必要に応じて引き出してこなくてはなりません。要するに、頭がいいと言われるような人が得意なことと考えればいいのですが、そういう頭のよさは訓練しなければ育ちません。人間のもともとの自然に反して、たくさんの知識を覚えてそれを再現するという無理な練習をすることによって初めてできる能力なのです。
無理な練習だから、人間には、勉強のよくできる人と、あまりできない人との差ができます。よくできる人は、その知識と判断を生かせる分野に進もうとします。
例えば、今の時代で、大量の知識を吸収しそれらを必要に応じて引き出して判断することが必要な頭のよさが求められる分野は、大学の学部で言えば、法学部や医学部でしょう。だから、これらの学部は入るのが難しいと言われているのです。
ところが、このような頭のよさは、弱い人工知能の最も得意な分野です。最初は大量のデータをもとにランダムな試行錯誤で判断するので、間違いも多いはずですが、やがて急速にその精度が増してきます。そして、やがて人間のその分野の最高に頭がよいと言われる人よりも、速く正確な判断ができるようになるのです。
法律の条文を大量に記憶し、それを必要に応じて組み合わせて判断するというのは、人間よりも人工知能の方が得意になる分野です。同じように、疾病の現象や原因や治療法を大量に記憶し、それを症状に応じて判断するというのも、人間より人工知能の方が得意になる分野です。
では、逆に、人間にできて人工知能にできない分野とは何でしょうか。法律で言えば、現在の世の中の問題に即して新しい法律を作り出すことです。医療で言えば、疾病の治療ではなく、人間の新しい健康を作り出すことです。つまり、創造する法律、創造する医療が、人工知能にはない問題意識を持つ人間だけができる分野なのです。
同様のことは、他のすべての学問や仕事についてもあてはまります。これまでの「よくできる人」の「よくできる」能力ほど、人工知能に代替されやすい能力です。
逆に、これまでは、「面白いことを考える」とか「ユニーク」とか「ちょっと変わっている」とか言われた、人間の能力のおまけのような個性と創造の分野こそが、人工知能に代替されない最も人間らしい能力として前面に出てくるようになります。
では、そういう創造の能力は、どのようにして育つのでしょうか。それは、自分の欲望にこだわることによってです。
今の世の中は、まだ完全とは言えないまでもセーフティネットに守られています。油断していたら、明日食べるものも手に入らないとい野生の動物のような世界ではありません。
すると、その中で、ほどほどの満足でいいと思う人は、何も創造する必要を感じないでしょう。本当は、もっと辛いカレーを食べたいが、売られているものの最高がこの程度なら、それで満足しようと思える人は、より辛いカレーを創造する必要性を感じません。
しかし、カレーについては、ほとんどの人はそれでいいのですが、人間は本来自分だけのこだわりを持つ分野を誰でも個性的に持っています。そのこだわりを大切にするということが、これからの教育の最も大事な要素になるのです。
創造力を育てるためには、子供が多様な経験をする機会を作る必要があります。主要五教科だけがしっかりできていればいいというのではありません。学校の勉強に一見関係ない無駄な時間のように見えることも含めて、いろいろな経験を積ませる必要があるのです。
そして、その子がこだわる分野を、ほどほどに抑えずに納得行くまで進ませることも必要になります。バランスよく生きるよりも、あることに熱中して生きる方が尊重できるという気持ちを持たせるようにするのです。
また、世の中はそんなに甘いものではないとか、自分の分をわきまえろとか、みんながやっているのと同じ安全な道を進めとかいう価値観を植え付けずに、がんばれば誰でもできる、人のやっていないことをやれ、雨だれ岩をもうがつ、という価値観を子供のころから育てていくのです。
そういう生き方の根本があって初めて、知識としての勉強もバランスよく取り組むということが必要になります。
これまでは、知識だけが重視され、生き方が不問に付される環境に子供たちは置かれていました。それは、これまでの時代が、より豊かな社会を目指すという社会全体の共通の価値観に沿って動いていたからです。
しかし、これからは違います。社会全体の共通の価値観は、これまでのような形ではありません。唯一あるとすれば、それは創造を大切にするという価値観です。
これからは、創造する人間を育てるという大きな目標を念頭に置きながら、子供たちの教育を考えていく必要があるのです。
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■説明(2分)
中間テストが終わると、もうすぐ期末テストです。
わあ大変だと思う人もいるかもしれませんが、勉強の計画を立てて取り組める人には、むしろこういう定期テストは、自分の作戦が試せるいい機会だと思うのではないでしょうか。
中間テストの終わった人は、その結果を入れておいてください。
期末テストの日程の決まっている人は、テストの2週間ぐらい前になったら、前回の結果をもとにした今回の勉強予定を入れておきましょう。
そして、今は定期テストの成績がとても重要なものに思われていますが(確かに重要ですが)、これからの社会では、テストの成績よりも、学校の成績よりも、どこの学校を出たかということよりも、もっと重要になるのが、本当の実力です。
そして、本当の実力は、読書と作文と経験によって作られます。
だから、試験と試験の合間の気持ちに余裕のあるときは必ず毎日の読書をしておきましょう。本好きな人の読書の目安は、毎日50ページ以上です。1週間に2冊ぐらいのペースで読めるようにしておきましょう。
■みんなの勉強・読書・生活の現状報告(10分)
一人ひとり、今の勉強の現状を報告してください。
また、勉強と同じか勉強よりも大事な読書の現状も報告してください。今読んでいる本も手もとに置いておき紹介してください。
更に、生活面で変わったことがあればその現状も報告してください。(例えば、好きな子ができたとか(笑))
■勉強計画(5分)
期末試験の2週間前になったら、試験勉強の予定を入れてください。
計画は、あらゆる実行の土台です。物事は計画どおりに行くことはありませんが、計画を立てなければ自分の実行の目安がわかりません。
計画を立てて勉強するというやり方に慣れておくことで、高校生になってからの勉強も自分の力でできるようになります。
みんなの勉強計画を紹介します。ペンネームは「検索の坂」の「変更」というところで、随時変更できます。(今回はこちらでA君Bさんなどと変更しました)
◆勉強の予定(20160601~20160615記録分)
(略)
◆テスト結果(平均との差)(20160601~20160615記録分)
(略)
■計画アドバイス(5分)
・A君は、英語と社会を重点に。
・英語と社会の点数を伸ばすポイントを自分なりに考えて次回の勉強計画に生かす。
・英語は教科書の1ページごとの20回音読による暗唱と暗写を中心に。
・社会は教科書とプリントの5回読み。
・技能教科も教科書とプリントの5回読みで。
・Bさんは、国語と理科を重点に。授業中に、先生が「ここは重要」などと言ったことを教科書に書き込んでおく。教科書を自分流の参考書にするぐらい書き込むつもりで。
・国語と理科の点数を伸ばすポイントを自分なりに考えて次回の勉強計画に生かす。
■難問国語演習(15分)(テスト勉強期間中の人は参加しなくていいです。テストが終わったらyoutubeの記録を見ておきましょう)
(略)
■演習解説(5分)
■質疑応答(5分)
勉強の内容に関する質問は、下記の教材の範囲に限ります。それ以外の質問は、その教材を使っている学校の先生や塾の先生に聞いてください。
・これでわかるシリーズ(国数英理社)
・ハイクラステスト数学
時間がかかる質問については、別途掲示板で答えます。
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■説明
今回は、次のような流れでやっていきます。
小5以下の生徒や、小6でも算数のそれほど得意でない生徒にとっては、入試レベルの算数問題はちょっと難しかったようでした。
また、入試は差をつけるための試験なので、時間内に解ける生徒はかなり小数だと思われる問題、いわゆる「捨てていい問題」も難問の中には含まれています。
そういう難しい問題の雰囲気を味わい対処の仕方を学ぶという点では難問も必要なのですが、あまり難しい解けない問題ばかりが続くと自信をなくしてしまうので、わかりやすい問題も取り入れることにしました。
また、先生の説明の時間を少なくして、生徒の演習の時間を増やすことにしました。
更に、せっかく言葉の森で勉強しているので、算数・理科・社会のほかに、作文の問題文の読解練習も行うことにしました。
そして、最後の空いた時間は、生徒や保護者からの勉強や生活に関する質問相談を随時受け付けることにしました。時間内に答えきれない場合は後日答えるようにします。
演習の時間を増やすので、ノートを用意しておいてください。算数にも国語にも縦横両方使える方眼罫のノートが便利だと思います。算数については、問題集に計算や応えは書かずに、必ずノートに書き、問題集の方は○×だけつけるようにしておくと繰り返しの学習がしやすくなります。
■1.問題演習
今回は特に予備知識がなくても理解できる図形の問題ということで、「思考力(算数)」のP50~P54にします。
解答を見ないで自分で考えて、少し考えてわからなかったら、解法を見て理解します。解法を理解する方が時間がかかるかもしれません。
もっと易しい図形の問題をやってみたいという人は、「これでわかる算数小4」のP84の「すすんだ問題」をやってみてください。ただし、入試問題を考えた方が、たとえ解けなくても考えた分だけ思考力はつきます。
(問題は略)
■2.問題解説
■3.似た問題作成(来週まで自宅で。自由)
今回の図形の問題と似た問題を、お父さんやお母さんと相談して作ってみてください。(参加自由)
このときに、お父さんやお母さんと対話をすることが思考力を育てる練習になります。
作った問題には、解答だけでなく、解法もできるだけ詳しく入れておきます。問題・解答・解法はノートなどに書き、それをデジカメやスマホで撮影して、オープン教育掲示板「公立中高一貫校受験対策」のページから送ってください。
https://www.mori7.net/ope/index.php?k=14
この掲示板はスパム投稿を防ぐために登録制になっていますが、登録していない状態でも送信できます。
■4.似た問題発表
前回までの問題演習に関連して、似た問題を作成できた人にその問題を発表してもらいます。
これらの似た問題は、ほかの生徒も試しにやってみてください。
■5.作文問題読み
せっかく言葉の森でやる受験対策なので、作文の問題読解も取り入れることにしました。
出典は、「公立中高一貫校適性検査問題集全国版2016」です。今回は、P330の「川崎高附属中」の問題から。
体験が終了した人は、この問題集も購入しておいてください。(7月から新しい2017年度版が出ます。)
(問題文は略)
■6.構想図の書き方の説明
問題文を読んだあと、問題を解いたり作文を書いたりする前に、その問題文を深く読み取る練習をします。
そのために、構想図(構成図)を書く方法を説明します。
■7.構造図書き
先生の説明をもとに、自分でも、構想図を書いてください。
内容は、問題文の内容、自分の知っている似た例、自分の感想、などです。
できるだけ早くたくさん書いていくことが思考力と記述力の練習になります。
■8.構想図をもとにした対話(自宅で。自由)
入試問題に出てくるような文章は、小学生ではなかなか理解できません。
そこで、この自分が書いた構想図をもとに、土日などにお父さんやお母さんに問題文の内容を説明し、家族で対話をします。
お父さんやお母さんが似た例や感想を話してくれたら、それを自分の書いた構想図に追加しておきましょう。
この構想図は、似た問題と同じように写真を取ってアップロードしておいても結構です。
■9.質問相談の受け付け
勉強や生活に関する質問や相談を受け付けます。
自由に何でも聞いてください。
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(えさを待つスズメたち)
今回は、次のような流れでやっていきます。
子供たちの国語力、思考力を育てるために、こちらの話の時間よりも、生徒の演習や発表の時間と、その後の親子の対話の時間をとれるようにしていきます。
そのため、これからは書く作業を入れるので、ノート、鉛筆、それから紹介用の本を用意しておいてください。
■1.自由な作品の発表紹介
■2.読んでいる本の紹介
次回から、「本の書名と、簡単な内容紹介と、自分の思ったこと」を大体1分以内でまとめて話せるように事前に準備しておいてくださるといいと思います。1分で話せる分量は300~400字ですからかなりあります。
低学年の子は、簡単にまとめるということが難しいので、お母さんが協力してあげてください。このときに、親子で対話することを楽しむ雰囲気で、長い文で難しい言葉も使って、褒めて励ましながら話すようにしてください。
■3.読み聞かせ「もうどうけんドリーナ」)
■4.構想図(構成図)の書き方の説明
思いついたことをメモ風に、次々に矢印でつなげながら書いていく方法です。
親子で書く読書感想文の準備にも使います。
今回の読み聞かせのあと、聞いたことを構想図で書く練習をするので、その書き方を説明します。
■5.構想図の演習
自分で構想図を書く練習です。読み聞かせの本に書かれていたことや、自分の似た話や、自分の思ったことを、文や絵で矢印をつなげながら書いていきます。
書き終えたあと、それを見せてもらいます。
ほかの子との比較にならないように、お母さんは自分の子供のいいところだけを褒めてあげてください。
■6.実行課題の紹介「窓の下は鳥のレストラン」
家庭で実験や観察ができる実行課題を紹介します。
■7.似た話の経験(次週までに家庭で(任意))
実行課題の話を参考に、家庭で似た経験をしてみたという人は、その様子を写真や動画で記録しておき、次回に発表していただきます。
発表は、写真や絵の場合は、ハングアウトの画面で直接してください。時間は、1分以内でお願いします。
動画として記録した場合は、youtubeにアップロードして、そのURLをご連絡ください。このURLはあとでほかの参加者に見てもらえるようにます。youtubeアップの動画は時間の制限はありません。
写真や絵などの画像をアップロードする場合は、オープン教育の「読書感想クラブ」のページで入れてください。
https://www.mori7.net/ope/index.php?k=101
ここは、スパム投稿を防ぐために、メールアドレスなどの事前登録をするようになっていますが、登録なしでも投稿できます。
■8.保護者からの質問や相談の受付
勉強面、生活面で質問や相談がありましたらお話しください、
長くなりそうな場合は、話だけうかがって別途お答えする時間をとります。
■9.次回6/21の予定は読書感想文の構想図の練習
低学年の感想文の要望をいただきましたので、来週6/21は、感想文を、親子で構想図を使って書く練習をします。
元になる本は、「世界ふしぎめぐり」のように短いノンフィクションの話をいくつか載せたものです。その中から、似た例を見つけやすいところを選んで書く方法を説明します。今後、親子で構想図を書く際の練習になると思います。
来週は、お子さんと一緒にお母さんも参加してください。ただし、お母さんが一緒に参加できない場合、そのお子さんは子供だけでできることをします。
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6.3週号の言葉の森新聞に掲載した3本の記事です。
■小1~中3のオンエア講座の紹介
●「小1~小3の読書感想クラブ」では、本の読み聞かせ、生徒からの本の紹介、実行課題の紹介、生徒からの似た経験の発表などを行っていますが、今後は、月に1回程度、「親子で書く読書感想文」の企画も行っていく予定です。
https://www.mori7.net/oak/oakdk.php
●「小4~小6の公立中高一貫校受験対策」では、適性検査問題演習、演習問題の解説、生徒からの似た問題紹介、サンプル作文をもとにした受験作文のコツ解説などを行っています。小4~小5の生徒は、適性検査問題演習に直接取り組むのが難しい場合もあるので、そのときはその演習問題の単元に関連した学年先取りの基礎問題演習を行うようにしています。
https://www.mori7.net/oak/oakkj.php
●「中1~中3の中学生定期テスト対策」では、自主的な勉強計画の立て方、最高水準国語問題演習、演習問題の解説、森リン点の解説などを行っています。勉強計画は、誰でも入力できるようになっているので、自由に利用してください。
https://www.mori7.net/oak/oaktt.php
■【重要】オンエア作文は、言葉の森の生徒は追加料金無料で毎週1時間参加できます――土曜日の生徒募集中
オンエア作文とは、googleハングアウトで、先生や同じ時間帯に勉強している他の生徒と画面を共有して作文を書くシステムです。
通信指導で家庭で作文を書く場合、先生の電話のあとすぐに書き出すことが無理なく勉強を始めるコツですが、家庭でひとりで勉強していると、つい勉強の開始を後回しにしてしまうこともあると思います。パソコンの画面で、先生や他の生徒の様子が見られると、勉強を開始するきっかけがつかみやすくなります。
現在、オンエア作文の指導に対応できる先生は限られているので、担当の先生が登場しない場合もありますが、それでも他の先生や他の生徒と一緒に勉強できると、楽しく作文に取り組めます。
オンエア作文は、現在システムの調整をしながら運営しているので、当面土曜日の午前中の生徒に限り、参加者を募集します。必要な準備は、google+のアカウントと、ウェブカメラ付きのパソコン(タブレット、スマホでも可)です。
一度に参加できる人数が10名と限られているので、先着順になります。
参加を希望される方は、言葉の森事務局までご連絡ください。
■【重要】パソコン作文の森リン採点の仕方
パソコンで入力した作文は、作文の丘から送信したあと、「森リン採点」というところをクリックすると、森リンの採点が行われます。
操作が二重になっているのでわかりにくいと思いますが、作文を送信したあと、森リン採点をクリックすることを忘れないようにお願いします。
毎月4週の清書作文の森リン点は、次の月の18日ごろまでに集計して森リン大賞を決めます。
「森リンベスト5」のページでは、リアルタイムで学年別の森リン点ベスト5を紹介しています。
https://www.mori7.net/moririn/mori_best.php
小学6年生以上の生徒は、この森リン点を目標にして作文を書いていくといいと思います。
森リン点の基準字数は1200字ですから、小6以上の生徒は、清書の作文はできるだけ1200字以上にふくらませて送るようにしてください。
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昔の子供は、近所の本屋さんに行って立ち読みをすることができました。本の好きな子であれば、本屋で1時間でも2時間でも暇をつぶすことができたのです。
こういう子供たちが、中学生、高校生になり、お小遣いで自分の本を買えるようになると、立ち読みの中で偶然によい本にめぐり合うということもありました。
私も中学生や高校生のころ、暇になると、いつも家から30分ほどのところにある大きい書店に立ち読みに行っていました。
ある日、そこでたまたま面白そうな題名を見て、手にとって読んでみたのが川喜田二郎さんの「パーティー学」でした。川喜田二郎さんの述べる文明論は、当時の自分にとっては大きな知的刺激になりました。しかし、もし本屋で立ち読みをするという習慣がなければ、これは決して出合わなかったような本だったのです。
ところが今、街の本屋さんはどんどん減っています。人口の少ない地域では、近所に本屋さんがないというところも出てきているでしょう。
昔、子供たちがまだ小学生だったころ、東北にドライブに行ったことがあります。途中で子供たちが退屈してきたので、本でも買おうと思って本屋を探しましたが、行けども行けどもそれらしいものはありません。
かろうじてあったのが、スーパの書架に並べてあった婦人雑誌でした。これを見て子供は、「絶対こういうところには住みたくない」と言っていましたが(すみません)、こういう地域はこれからもっと増えてきます。
書店というものは、昔はその町の文化の発信地のような役割を果たしていました。
しかしこれからは、リアルな書店はだんだん少なくなり、その代わりに、アマゾンなどのネット書店を利用する人が増えてきます。
アマゾンで本を買うと、人工知能が、「その本を買った人は、この本も買っています」という関連情報を教えてくれます。
膨大な出版物の情報の中では、本をよく知っている人がおすすめの本をアドバイスしてくれるよりも、人工知能が多くの人の本選びのデータからおすすめの本を選び出してくれた方が、ずっと妥当な選択になることが多いのです。
このような時代では、子供の本選びの方法も変わってきます。
例えば、これからは、「1か月5,000円の範囲内でアマゾンで自由に本を買ってよい」というルールを親子で決めておくような本の選び方になってくるかもしれません。もし、私が今小学生の子供を育てているとしたら、そういう読書生活をさせると思います。
子供の本に月5,000円というと、高いように思う人もいるかもしれませんが、習い事を一つすることと同じだと思えば、5,000円の範囲内の自由が本選びは、週1回の習い事よりもずっと価値あるものになることが多いのではないかと思います。
アマゾンでの本選びは、kindleを使えば子供でも手軽にできます。
自分の興味のある本を次々にカートに入れ、合計金額を計算し、予算の範囲内で本を選ぶということができるようになれば、金銭感覚も身につきます。
ネット書店では、1冊1円の中古本で送料が250円というものもよくありますから、予算の枠内で本を選ぶというのは、子供にとっても工夫のしがいがあるところでしょう。
アマゾンでは、本によってはkindleでサンプルが読めるものもあります。このサンプル読書が、現代の新しいテクノロジーのもとでの立ち読みになります。
高い本を買ってしまった場合は、気の合った友達とkindleの貸し借りをするようなことも、これからは起きてくるでしょう。
今のkindleはマーカーを引くこともできるし、メモを書き込むこともできるし、本の中の一部の文章をコピーして保存しておくこともできます。
子供の読書生活を充実させる方法の一つとして、テクノロジーを活用するということがこれからますます必要になってきているのです。
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家庭kindle図書館
昨日、ちょっと表に出ていて、時間的に暇なときがあったので、kindleで遊んでいました。
kindleで買った本は、同じアカウントであれば、いろいろな端末に配信することができます。スマホでも、タブレットでも、パソコンでも、kindle端末でもすべて同じ本を読めるのです。
だったら、家族でひとつのアカウントを作り、そこで兄弟がいれば兄弟で、更にはお父さんもお母さんも同じ1冊の本を自分用の端末で読めるのではないかと思いました。
なぜ、こういうことを考えたかというと、うちが狭いので、本を置いておく場所がなくなってしまうからです(笑)。
しかも、私は線を引きながら本を読むので、そういう本は中古に出せないのです。
スマホやタブレットのkindleアプリの場合は、傍線を色分けすることができるので、家族でそれぞれ別の色を決めておけば、いいと思ったけど、上書きされちゃうか(笑)。まあ、それは工夫することにして。
この家庭kindle図書館というのは、これからいろいろ活用できそうだと思いました。
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言葉の森は今、寺子屋オンエアの自学自習の学習の一つの発展形としてオンエア講座を開いています。これは、子供たちに真の学力をつけるという目的で行っています。
小1~小3の読書感想文クラブは、読書(読み聞かせ)と、親子の対話と、様々な経験と、その発表によって、子供の学力の最も大事な土台を育てようとするものです。
小学校低学年の子供たちの読書感想文のニーズもよくあるので、感想文の書き方も併せて指導していく予定です。
小4~小6対象の公立中高一貫校受験対策は、受験に対応する学力をつけることを目指したものです。
公立中高一貫校の受験に必要なものは、教科書レベルの知識と、考える力と、書く力と、問題を解くスピードです。
小学校4、5年生は、受験に対応できる基礎を早めに身につけるために、教科書レベルの学習の先取りを行います。小学校6年生と先取りのできた小学4、5年生は、直接受験の問題に取り組みます。
受験の問題は、考える力が要求されるものが多いので、子供たちの得意不得意の分野が人によってかなり異なります。ですから、塾の先生による一斉の指導よりも、親子の対話の中で対応していく方が向いているのです。
小学4年生から6年生の勉強で、親子の対話を続ける方法を身につければ、中学生になってからの勉強に関しても、親子の協力でやっていくことができます。親の時間的負担が少ない子どもの自学自習形式で、親子の勉強協力体制を作ることが、小学校4~6年生の家庭学習の大きな目標になります。
中学生の定期テスト対策の目的は、テスト勉強を計画的に能率よくやる方法を身につけることです。
中学生の勉強も、本人の自学自習を中心に必要なときだけ親が協力するという体制が作れれば、特に塾に行く必要はありません。もちろん友達と一緒に勉強するのが好きだから塾に行きたいというのであれば構いませんが、その場合でも塾に全面的に任せた学習ではなく、基本となる学力は家庭で作っておくという姿勢が大切です。
勉強の計画を立てることができれば、勉強以外の時間にもゆとりが出てきます。勉強の能率を上げて生活に余裕ができたら、その余裕の時間は、より高度な読書と、より自分らしい興味関心を深めることに使っていくのです。
これからの社会では、勉強ができることは当然必要ですが、勉強以外の学力・思考力・意欲・創造性などに育てていくことがもっと重要なことになります。
江戸時代の寺子屋教育は、一般庶民を対象にした教育でしたが、その誰でもできる庶民的な教育の中で数々の優れた人材が育っていきました。この、誰でもいつでもどこでも受けられる質の高い人材教育が、これからの日本の社会に必要になってくるのです。
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公立中高一貫校は作文に加え、問題には答えのないものや、答えが複数存在するような問題が多く出ます。どう考えたか、どういう意図でその方法をとったかなどが問われ、それを論理的に説明する力が問われます。
答えが一つに決まらない勉強は塾のような一斉授業には向きません。
親子で「こうじゃない?」「いやいや、それだとこの場合がおかしくなるよ」と、教えるというよりいっしょに考える勉強が必要なのではないかと思います。子供が一人で取り組むにはあまりに難しく、親子でやればけっこう楽しいという勉強です。
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