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記事 2632番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
「まず感想文コンクールありき」の宿題ではなく、子供のことを考えた宿題を as/2632.html
森川林 2016/08/20 16:58 


 先日、ある新聞社から取材があり、最近Twitterで話題になった感想文の宿題に関する議論について感想を聞かせほしいというものがありました。

 その議論というものの発端は、小学5年生の宿題で、「シンデレラ」の話を例にとって、見本となるような書き方が印刷され、それを参考に書けというような内容のものだったそうです。

 Twitterで最初にその宿題について発信した人は、このような枠が決められた感想文では誰もが同じような書き方になるのではないか、という批判的な意見を述べたそうです。後に、学校の先生の立場も考えて、そのTwitterは削除したということですが。

 このTwitterの意見について、さまざまな賛否両論の意見が寄せられたというのです。

 私は、その話を聞いて、これまでいつも感じていた感想文についての疑問を思い出したのです。

 言葉の森では、かなり昔、保護者からの要望を聞いて、夏休みに感想文指導の講座を開いたことがあります。対象は、確か小3~小6たと思います。
 ところが、そこで教えた子の多くがその後、クラスや学校の代表に選ばれ、中にはコンクールに入賞してしまった子もいたのです。

 もちろん、その講座に参加した生徒は、もともとよくできた子も多かったので、その成果自体は問題ないのですが、私はそれを見て、この調子で毎年入賞者が出るのは何か問題だなあと感じ、それで夏休みの宿題の感想文指導はその年かぎりでやめることにしたのです。

 そのかわり、言葉の森では、小3以上は、週に1回から3回の感想文指導があります。(小3と小4は月1回、小5と小6は月2回、中学生以上は月3回)
 これは、コンクールのためにやるものではなく、通常の作文の勉強としてやるものです。だから、この通常の指導でよい作品が書けた生徒の中には、それをふくらませて感想文の宿題にしてしまう子もいます(笑)。

 つまり、子供の勉強として力をつけるためにやる感想文指導ならいいのですが、コンクールに出すために感想文指導をするというのは、何か勉強の目的を取り違えているのではないかと思ったのです。

 そこで、Twitterの意見についての話に戻りますが、学校の感想文の宿題の出し方に対する批判的な意見も、またそれに対する批判、つまり学校の指導に対する擁護の意見も、どちらも、子供の教育ということ以前に、まず感想文の宿題があるのが当然というような考えがあるのではないかと思ったのです。

 日本の社会は、伝統墨守というか、一度行われたことは毎年定例化して行われるようなところがあります。その全国民的な例が紅白歌合戦です。私は好きですが。それから、小学校の運動会で、鈴割りとか、綱引きとかいう定番のものがあるのも同じです。
 そういう行事的なものは、ある程度定番化された方が、見ている方も安心できるということがありますが、子供の教育については、やはり何のためにやるのかという原点をときどき見直した方がいいと思ったのです。

 特に、学校の感想文の宿題で明らかに問題だと思うのは、小学校2年生あたりから感想文の宿題が出ることです。この感想文の宿題で上手に書いてコンクールに入選などする子の作品は、例外なく大人の手が入っています。何のための宿題だかわかりません。

 それから、もうひとつ問題だと思うのは、中学生の感想文の宿題で、税金についてとか、人権についてとか、中学生にまるで興味の持てない課題が出て、それが別にその生徒の成長などを考えているわけではなく、どこかの外部の機関向けに行われているような感じがあることです。

 そして、この小学生の感想文の場合も、中学生の感想文の場合も、夏休みの宿題として出されるだけであって、学校で日常的に感想文の指導が行われているわけではないことです。
 つまり、何か教育的な意義や意図があって行われているのではなく、毎年出さなければいけないようになっているから宿題として出すということなのです。

 学校が、言葉の森のように通常の授業の中で感想文指導をしていて、その延長で、夏休みに宿題を出すというのなら話はわからないではありません。しかし、そういう通常の授業での指導のようなものはたぶんなく、ただ宿題が出されて、子供も親も苦労するという形になっているのです。

 小学生は、感想文など書くよりも、本をたくさん読んで、あとはたっぷり遊んでいればいいのです。昔の小学生はそうでした。
 中学生は、人権のようなどうでもいいことではなく、もっと自分にとっての切実なことを自由に論じさせればいいのです。その切実なことが人権であれば、それはそれでいいのですが。

 というようなことを、その新聞社の取材の方に話したのですが、うまく伝わったかなあ。

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記事 2631番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
オープン教育掲示板の紹介――Facebookグループ、Google+コミュニティとも連動 as/2631.html
森川林 2016/08/19 15:57 


 言葉の森では、いろいろな方とのコミュニケーションを充実させるために、オープン教育掲示板、Facebookグループ、Google+コミュニティに、それぞれテーマ別のページを作りました。
 共通のページ名にしているので、Facebook登録をしていて、Facebookグループを主に利用される方は、Facebookグループの中で検索してください。
 Googleアカウントを持っていてGoogle+コミュニティを主に利用される方は、Google+コミュニティの中で検索してください。(ただし、Google+コミュニティは、まだ35までしか作成できていません。2016/8/19現在)

 Facebookグループの方では、盛んに交流が行われているものもいくつかあります。それらのうち、代表的なものは、下記のとおりです。
【Facebookグループで投稿の多いページ】
●読書の好きな子になる庭(FB)
●帰国子女の原(FB)
●森林プロジェクト(FB)
●日本語for外国人の島(FB)
●親子で遊ぼうワンワンワン(FB)
●家庭学習のすすめ(FB)
●中学生の勉強相談室(FB)
●中学生保護者の勉強相談室(FB)

 Google+コミュニティやFacebookグループを利用されない方は、下記のオープン教育掲示板のページ一覧表をごらんください。
 オープン教育掲示板は、メールアドレスの登録があれば直接投稿できます。登録がない場合でも投稿はできますが、反映は少し遅れます(スパム防止のためです)。
 オープン教育掲示板は、どなたでも自由に書き込めますので、ご自由にご利用ください。

【オープン教育掲示板のページ】
0.オープン広場
1.0歳から3歳までの子育てコミュ(HP)
2.幼児期の子育てコミュ(HP)
3.読書実験クラブ(HP)
4.読書の好きな子になる庭(HP)
5.小学校最初の3年間でさせたい勉強、読書、遊び(HP)
6.親子で遊ぼうワンワンワン(HP)
7.行事と季節の家庭学習(HP)
8.小1からの親子作文(HP)
9.思考国算講座(HP)
10.公立中高一貫校の研究(HP)
11.スタディサプリ小学生の島(HP)
12.受験作文コミュ(HP)
13.受験作文小論文の岸(HP)
14.先行難国講座(HP)
15.中学生の勉強相談室(HP)
16.スタディサプリ中学生の島(HP)
17.先行難国親講座(HP)
18.中学生保護者の勉強相談室(HP)
19.スタディサプリ中学生保護者の島(HP)
20.森プロプロ(HP)
21.森林プロジェクト(HP)
22.就職と仕事と人生と独立の坂道(HP)
23.家庭でできる教育の仕事研究会(HP)
24.言葉の森の海外生徒と帰国子女(HP)
25.帰国子女の原(HP)
26.日本語(HP)r外国人の島(HP)
27.寺子屋オンエア保護者コミュ(HP)
28.家庭学習のすすめ(HP)
29.寺子屋オンエア生徒交流会(HP)
30.暗唱検定の小道(HP)
31.大学生活を有意義に過ごす読書と実践(HP)
32.言葉の森保護者コミュ(HP)
33.教育の丘相談所(HP)
34.国語の勉強の丘(HP)
35.小1の作文予習室(HP)
36.小2の作文予習室(HP)
37.小3の作文予習室(HP)
38.小4の作文予習室(HP)
39.小5の作文予習室(HP)
40.小6の作文予習室(HP)
41.中1の作文予習室(HP)
42.中2の作文予習室(HP)
43.中3の作文予習室(HP)
44.高1の作文予習室(HP)
45.高2の作文予習室(HP)
46.高3の作文予習室(HP)
47.プレゼン作文発表コミュ(HP)
48.プレゼン作文を楽しもう(HP)
49.ペットと子供大集合(HP)
50.家族の対話の仕方(HP)
52.文章添削アドバイス(HP)
53.文章添削ミニ相談(HP)
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58.オープン長文
59.ビジネス文章講座
60.森川林日記
61.ゆめ日記

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記事 2630番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
寺子屋オンエアで毎日の自学自習の習慣を as/2630.html
森川林 2016/08/05 10:50 


 勉強は、本来家庭で自分のペースでやるのが最も能率よくできるものです。
 塾に通い、先生に教えてもらう形の勉強だと、ほかの生徒と同じことを同じようにやることになります。すると、自分にとってよくわかったこともやらなければならず、逆に自分にとってよくわからないこともみんなと同じペースで進まなければなりません。このため、みんなと一緒に聞く授業は、無駄が多く能率が悪いのです。
 勉強がよくできる生徒は、塾に通っている場合でも、必ず自宅で自分のペースで勉強をする時間を確保しています。
 ところが、自宅での勉強は、見ている人がいないので、始めるきっかけがつかみにくいという問題があります。また、ひとりで勉強していてわからない問題が出てきたときは質問する人がいないという問題もあります。
 そこで、言葉の森が現在行っているのが、寺子屋オンエアという企画です。これは、ウェブカメラ付きパソコン(又はタブレット、又はスマホ)を利用して、1日1時間ほかの生徒と一緒に勉強をするというものです。1時間の勉強のあと先生から電話があり、その日の勉強の結果を聞く時間があります。このため、自宅にいながら集中して勉強することができるのです。


●問題集読書の習慣がつく

 寺子屋オンエアで特に力を入れているのが、国語の問題集読書です。
 国語の勉強の基本は、難しい文章を繰り返し読み、読解力をつけることです。難しい文章の基準は、その学年の生徒が普通に読書などで読む文章よりもワンランク上の文章ということです。
 誰でも手に入れやすい難しい文章は、国語の読解問題集で、受験生の場合は国語の入試問題集です。特に、入試問題集はそのときの時事的なテーマが取り上げられていることも多く、文章の質もよいものがそろっています。
 しかし、家庭学習では、この難しい文章を繰り返し読むという勉強がなかなかできません。特に、音読という読み方は、ひとりではなかなかできません。
 黙読では、目が字面を追うだけの読み方になってしまうことが多いので音読が必要なのですが、ひとりで音読するという習慣がある子はほとんどいないのです。

●毎日音読のできるビデオメッセージ

 寺子屋オンエアの生徒は、この問題集読書の音読をし感想を書くことを勉強の一つの課題としています。
 そして、寺子屋オンエアの授業のない日や日曜日でも音読ができるように、音読のビデオメッセージを寺子屋オンエアの先生に毎日送っていいということにしています。
 この毎日の音読をしている生徒の国語の成績が、どの生徒も例外なく高くなってきました。
 また、国語以外の算数・数学や英語や読書なども、どの生徒も自分の勉強としてうまく組み合わせて自学自習をしています。
 言葉の森では、今後この自学自習方式の勉強法をもっと広げていきたいと思っています。



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寺子屋オンライン(101) 

記事 2629番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
7月4週の読書実験クラブ「折って折ってまた切って」――本日8月2日の参加者募集中 as/2629.html
森川林 2016/08/02 11:53 


 本日、読書感想クラブで、ハングアウトを使った読み聞かせの会合を行います。人数に余裕があるので、体験として参加を希望される方はおいでください。

 読み聞かせの時間は10分ぐらいで、ほかにみんなが読んでいるそれぞれの本の紹介(自由)、読み聞かせのあとの構想図書き(これも自由)、前回の読み聞かせのあと家庭で何か実験などに取り組んだ人があればその発表と紹介、などを行います。
 全体の時間は45分程度。

 必要なものは、googleハングアウトに参加するためのGoogleアカウント(これはほとんど人が既に持っていると思います)、ウェブカメラのついたパソコンです(タブレットやスマホでもできます。ただスマホは操作がわかりにくいようです)。

 時間は、8月2日(火)18:00~18:45。
 対象学年は、小1~小3(保護者も一緒に参加できます)。
 開始時刻の15分ぐらい前に、言葉の森のトップページの上の方にリンクを作りますので、そこからお入りください。

 人数の上限は9名なので、参加を希望される方は、できるだけ事前にその旨をご連絡ください。

 今日の読み聞かせの話はこれです。
https://goo.gl/photos/ALxY9zDmwzzMBzQ39
 物語文は、日常的に読む機会が多いと思うので、できるだけ面白い説明文を材料にしています。

 前回の読み聞かせの部分だけを紹介します。

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記事 2628番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
受験作文コースの保護者アンケート as/2628.html
森川林 2016/07/31 18:30 


 来年の春、中学、高校、大学を受験する人向けの「受験作文コース」の募集が始まります。
 受験作文コースの期間は、中学受験は受験前の4か月間、高校受験は同じく3か月間、大学受験は同じく2か月間です。

 受験作文コースは、作文の試験問題が出る学校が対象です。その学校の過去問の傾向に合った問題で作文を書く練習をしていきます。

【昨年度の受験作文コースの生徒のアンケートから】
























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記事 2627番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
「オンエア講座+スタディサプリ」にモニター参加を希望される小4~中3の保護者の皆様へ as/2627.html
森川林 2016/07/25 22:30 


 「オンエア講座+スタディサプリ」の詳細を、Googleコミュニティのページに掲載しました。

■■小4-6対象のオンエア講座――「思考国算講座+スタディサプリ」に参加を希望される方へ
https://plus.google.com/u/0/104453788501370641583/posts/D8ZZ9EB2pgS

■■中1-3対象のオンエア講座――「先行学習講座+スタディサプリ」に参加を希望される方へ
https://plus.google.com/u/0/104453788501370641583/posts/19ZszU39LCJ

 いずれの講座も2回の体験学習は、今週から参加できます。
○小4-6対象:7月27日(水)19:00~19:45
○中1~3対象:7月28日(木)20:00~20:45
(なお、小1~3は、読書と実験が中心のオンエア講座でスタディサプリはありません。話がわかりにくくならないように、後日、小1-3の説明のページを作ります。)

※定員をオーバーした場合は、席の空きが出るまでお待ちいただくようになりますのでご了承ください。

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Tama 20160726  
海外から小4の思考国算講座+スタディサプリ」の受講を希望しています。 申し込みはどのようにしたら良いでしょうか? 時差の問題は、クリアーできます。 お返事をお待ちしています。


森川林 20160727  
 Tamaさん、こんにちは。
 海外からでも、国内と全く同じように受講できます。
 父母掲示板の方から、お名前などをご連絡ください。
http://www.mori7.net/teraon/hkei.php


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オンエア講座(41) 森の学校オンライン(2) スタディサプリ(0) 

記事 2626番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
夏の合宿、好天のうちに無事終了 as/2626.html
森川林 2016/07/24 20:36 


 7月22日、23日と、神奈川県の三浦半島で夏合宿を行いました。
 春の合宿は岡山県なので関西地方の参加者が中心でしたが、今回は神奈川県なので関東地方の参加者が中心でした。

 当日は、直前まで土砂降りの雨で、バスに乗って走っている間もずっと雨でしたが、ちょうど現地の荒崎海岸に着いたときから雨が上がり始め、海での磯遊びは予定どおり楽しくできました。

 ちょうど引き潮の時期にぶつかるように計画していたので、本来ならばずっと沖になるところまで歩いていくことができました。
 カニがいたり、魚がいたり、ウニがいたりと、子供たちは約2時間、生き物探しに夢中になっていました。

 午後は、野島に戻ってイカダ作り、そのあと早々とお風呂に入り、夕方は余裕のある日程で、みんなそれぞれの部屋でかくれんぼをしたりトランプをしたりして遊んでいました。

 2日目のメインはバーベキュー。
 天気がよくなったのはいいのですが、日陰のない芝生の上でのバーベキューだったので、暑くて大変でした。
 来年は、シートで屋根のある状態を作り、木陰で取り組めるようにしたいと思います。

 オンエア作文や寺子屋オンエアに参加している人は、これから通信の授業のときに、googleハングアウトの向こう側に知っている友達を見つけることがあると思います。
 この交流を生かして、これから元気に勉強を続けていってください。

 参加された、みなさん、お父さん、お母さん、どうもありがとうございました。
 子供たちは、ほとんどが普段会ったことのない子どうしでしたが、みんなすぐにうちとけて仲よく遊んでいました。
 また、今回は、保護者と講師という大人どうしの交流もできました。その分夜遅くまで大変でしたが、ご協力ありがとうございました。

 夏合宿の記録の写真と動画をアップしました。
 参加者だけが閲覧できるようになっています。
 追加したい写真があれば、一緒にアップロードしてください。
 また、それぞれの写真にコメントがあれば書いておいてください。

https://www.mori7.com/stg/



■写真の記録











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kira 20160904 52 
 夏休みの思い出は、子どもたちの成長記録ですね。言葉の森の夏の合宿は、心に残るものになりました。大人も、成長した気分です。

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合宿(14) 

記事 2625番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
これからの学力は作文力――その基礎は親子の遊び as/2625.html
森川林 2016/07/22 05:22 


 2020年からの新しい入試改革の方向は、これまでの入試とはかなり変わってきます。
 これまでの入試は、いろいろ工夫されたとは言っていても、結局は知識の定着度合いを確かめる入試でした。しかし、そのような入試では、本当の学力は必ずしも評価できないということがわかってきたのです。例えば、それは東大の国際的位置が年々低下しているようなところにも表れています。

 知識の再現度合いを評価するテストに対応するためには、知識を能率よく詰め込む勉強法しかありません。このため、今の塾や予備校での勉強は、考える勉強とは言っても、考えるパターンの知識を詰め込む勉強になっています。
 入学試験を実施する学校側では、そういう詰め込み勉強法に対抗するために、考える良問を出そうとしますが、いったん出された問題も、翌年には塾や予備校で新しい考え方のパターンの知識の勉強としてノウハウ化されてしまいます。

 公立中高一貫校の試験問題も、最初のころは考える良問が出ていましたが、学習塾がその考える問題に対応するようになると、子供が考えていたのでは時間的に解けないような問題が次々と出されるようになりました。
 こういう知識の詰め込みのいたちごっこを克服するために、新しい入試改革が出てきたのです。

 では、その考える力の中心となるものは何でしょうか。それは、ひとことで言えば文章力なのです。
 文章力というと、作文の力を思い浮かべますが、小学生の生活作文のレベルではまだ考える力とは言えません。もちろん、小学生時代の作文力は考える力の基礎となるものですが、それだけでは十分ではありません。
 小学生時代の作文力の土台の上に、中学生時代の意見文、高校生時代の論説文が加わることによって初めて考える力が育っていくのです。

 言葉の森の作文指導は、小学1年生から始めて高校3年生まで続ける一貫指導が特徴です。小学生時代の作文のうちから既に高校生での論文につながる展望を考えているのです。
 小学生時代の作文の重点は、毎週書く習慣をつけること、よい文章やよい本をたくさん読むこと、難しい文章や難しい本も読めるようになること、です。そのためには、子供の書いた作文のよいところをいつも褒めて、楽しい勉強にすることが大事です。
 また、毎日の読む勉強と親子の対話も欠かせません。特に、低中学年では、読書よりも親子の対話の方が、子供の考える力を伸ばす面があります。言葉の森が現在、小学1~3年生のオンエア講座で、読書実験クラブを開いたのも、こういう理由からです。

 小学1年生の自由な題名の作文課題で、毎週のように、「今日のこと」という題名で作文を書く子がいます。低学年のころは、毎日の生活が新鮮ですから、毎回、「今日のこと」という題名であっても、特に問題はないのですが、中には、家庭での経験や対話が少ないために、今日のことしか思い浮かばないという子もいます。

 作文の題材を作るために、家族でわざわざどこかに出かけたり、お金をかけて遊びに行ったりする必要はありません。親のちょっとした工夫で日常生活の延長に面白い題材をいくつも作ることができます。
 小学校低学年のころの親子の関わりは、子供にとってだけでなく、親にとってもその後の貴重な経験になります。将来の大学入試の考える力に対応するためにも、今の親子の生活を充実させるためにも、低学年のうちは親子で楽しく遊んでおく必要があるのです。

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mae 20160907 9 
これから、お月見、ハロウィーン、クリスマスなど、色々な行事が続きます。子供たちが喜んでくれるような遊びをたくさん考えていきたいですね。

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2024年12 森川林
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中2の読解検定 毛利
問題2番のAが×なのが納得いきません。解説お願いします。 12/19
国語読解掲示板
2025年1月 森川林
2025年1月の教材のPDFがプリントできます。 http 12/17
森林プロジェクト掲示版
創造発表クラス 森川林
創造発表クラスとプログラミングクラスの今後  創造発表 12/12
森川林日記
Re: 読解検 森川林
> 問一 B 2.3行目の「むっつりと」という文章が問題文に 12/12
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中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

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●作文の通信教育の教材比較 その1
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●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
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●国語読解クラスの無料体験学習