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頭をよくする作文の勉強法――最初の目標は、書くことが苦にならなくなることだが as/2634.html
森川林 2016/08/22 10:18 


 作文の勉強をしていて、将来どういうメリットがあるかというと、書くことが苦にならなくなるということです。
 どんなに苦手な子でも、何年間も毎週600字から1200字の作文を書いていると、いざ何かを書かなければならなくなったというときも、気軽に書き出せるようになります。

 勉強というのは、すべてこの「苦にならなくなる」が基本です。

 例えば、数学の勉強をするのも、将来物事を数学的に考えることが苦にならなくなるためです。そうすれば、必要に応じて、数学を使うときにはすぐに使えるようになります。
 逆に、数学的に考えることを苦痛に感じる人は、どうしても数学的なことを避けるようになります。すると、物事への対応の仕方がやはり限られてくるのです。

 英語でも同じです。英文を読むのを苦にならなくなるというのはかなり大変ですが、ある程度は読めるということまでいけば、必要に応じて英語で書かれたものでも、読むことができます。
 これも、逆に英文を読むのを苦痛に感じるということであれば、最初からそこを避けるようになるので自分のできることの可能性が限られてくるのです。

 今、プログラミング教育に関心を持つ人が増えていますが、このプログラミング教育についても、教育の基本目標は同じです。
 物事をプログラミング的に処理することが、苦にならなくなるというレベルまで行けば、必要に応じて自分で簡単なプログラムを書くことができます。
 もし、そうでなければ、人に頼むようになりますが、大きな仕事ならともかく、日常のちょっとした手直しなどはいちいち人に頼むわけには行きません。

 ちょうど、自動車の運転と同じです。ちょっと近くに出かけるときに、自分に運転の技術があれば気軽に行くことができます。
 運転は、タクシーでも、バスでも、他の人に頼む形でもできないことはないのですが、自分でできれば便利なことがかなり増えるのです。

 作文も、数学も、英語も、プログラミングも、自動車の運転も、それが人よりも得意になってそのことを仕事の中心にするためにやるのではありません。そういう人ももちろんいるでしょうが。
 得意になるというよりも、自分が何かやるときに、そういう技能を苦もなく使えることが、自分の可能性を広げるからその勉強をするのです。

 そして、この「苦にならなくなる」という最低限の基準を満たした上で、更に高い目標を考えるときに出てくるのが、作文の場合は、「頭をよくする」ことなのです。

 しかし、その「頭をよくする」話の前に、もう少し「苦にならなくなる」の話をすると、その「苦にならなくなる」ためにまず第一に重要なのは、続けるということです。

 ここを多くのお母さんや、先生が誤解してしまうところです。

 大人が、子供の作文を見るときに、その作文の評価だけなら誰でもできます。特に、小学校低学年の生徒の作文であれば、直すところは山のようにあるのが普通です。

 そこで、すぐ直す指導をしてしまう人が多いのです。
 これは、通信教育で作文の指導を受ける場合は、更にその度合いが大きくなると思います。通信教育の場合は、作文を書き上げたあとに、評価をするからです。

 欠点のある作文を見れば、事後的な評価であれば、それを直さざるを得ません。すると、作文を苦手だと思っている子ほど、直される注意されることが多くなるのです。

 作文の評価は、大人であれば簡単にできます。直すことも簡単にできます。
 しかし、間違いを直すことは、教育というものとは少し違います。
 ただ間違いを直して注意するだけであれば、受験を前にした切実な向上心を持っているような子でないかぎり、その直されることで作文に対する苦手意識が更に強くなっていきます。

 そして、その結果、作文が苦手な子ほど、作文の勉強を長く続けることができなくなるのです。
 だから、直すことは、直す人の自己満足に過ぎず、直される子の立場に立った教育というものではないと言えるのです。

 ところが、言葉の森はこういう直す指導をしません。直すことはもちろん直しますが、直す以外の指導を重点にしているから、苦手な子でも長く続けることができ、その結果書くことが苦でなくなるという目的まで達成することができるのです。

 そして、言葉の森では、更に、「苦でなくなる」より先の段階である、「書くことが好きになる」や「頭がよくなる」までの指導をしているのです。

 その話は次回に。(つづく)

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さとむ(さとみ父) 20160822  
今回の先生のお話は、なるほどー!と納得させられました。全くその通りですよね。勉強することとは、その勉強する内容を苦にならなくなること―なるほど。その道に進まなくても苦にならない程度にまでは自分でわかるようにしておくこと。本当に大事なことだと思います。ちなみに私は英語が学生時代から苦手で、苦手意識があるから、無意識に英文を読むことを避けていて、だから英文を読むことが苦になって・・・と、今に至るまで英語への苦手意識が抜けません。数学しかり作文しかりだと思います。
いつも中根先生のお話には納得させられることが多いのですが、今回も分かりやすいお話で役にたちました。ありがとうございます。

森川林 20160823  
 さとむさん、ありがとうございます。
 「苦にならなくなる」というのは、習慣づくりのようなものだと思います。
 私の場合は、仕事をすぐにやるという習慣がなくて(笑)、いつもためてから取り組むので、すぐやることが苦にならなくなるようにするのが課題です。
 こういうことは、たぶん子供時代の家事手伝いの経験などでついていくのだと思います。
 そういう子供時代の子育てのコツのようなものをこれからみんなで共有していけるといいと思っています。

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公立中高一貫校向けの受験作文コースがスタートします as/2633.html
森川林 2016/08/21 05:48 


 公立中高一貫校の受験作文コースがスタートします。
 志望校の過去問の傾向に合わせた作文課題を、週1回のペースで学習します。

 言葉の森の作文指導の特徴は、事前指導で書き方をわかりやすく説明する点にあります。
 ここが、書いたあとの添削が中心になる他の作文指導とちがうところです。

 作文は、書く前に構成の仕方の説明があると、その説明を参考にそこに盛り込む実例や感想を考えることができます。
 また、事前に両親に取材して、自分が考えついたものとは異なる実例や感想を聞くという準備ができます。
 作文の力がつくのは、この事前の準備によってです。

 事前の準備をして書いた作文が10本ぐらいたまると、試験の本番でどのようなテーマが出されても、何らかの形で自分がこれまで書いた作文の材料に関連させて考えることができます。
 作文試験というものは、一般にそのときの出来不出来が大きいですが、この事前の練習によって自分の実力がそのまま発揮できるようになるのです。

 言葉の森の指導の特徴は、単なる紙ベースの通信指導ではなく、そこに毎回の電話指導が加わることです。
 先生との電話によるやりとりの中で、自分の考えを更にはっきりさせて書くことができるようになります。

 例年、受験する生徒のほとんどが言ってくれる言葉が、「作文は自信を持って書けた」です。
 試験当日は気合いが入るせいもあって、どの生徒も、それまでに練習した作文のいちばんいい面を出してくるようです。

 中学入試の受験作文コースは、試験の4ヶ月前からスタートできます。


 なお、受験作文コースとは別に、小4~小6の生徒を対象にしたオンエア講座「思考国算講座」もありますが、こちらは現在定員になっているため、新たな受付はできません。ご了解ください。

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