小学校1年生から3年生の時期は、まだ学校の勉強は全然難しくありません。教科書でやっていることをそのまま理解して練習すれば誰でもできるようになります。
だから、この時期は難しい勉強をしたり、先取りをしたり、長時間勉強したりという無理をする必要は全くないのです。
小学校3年生までは、何でも吸収できる時期です。
だから、味気ない勉強を吸収するのではなく、読書と対話と経験という生きた時間をたっぷり吸収していく時期です。
この時期に、そういう楽しい経験をたっぷり味わった子は、向上心と創造性が育ちます。
学年が上がり、自分で自覚して勉強するようになったときに最も必要なのは、自分の力でやっていこうとする意欲と、自分なりに工夫してやっていこうとする独創性です。
そのときに、小学校低中学年までに培った土台が生きてくるのです。
ところが、子供たちが、本を読んだり、家族で対話をしたり、いろいろな新しい経験をするという機会は、それぞれの家庭に任されています。
勉強的なことは学校でみんなと一緒に教わりますが、勉強以外のことは、家庭の守備範囲になっています。
そこで、言葉の森では、子供たちが、読書や対話や経験をみんなと交流できる場を作るために、オンエア講座の読書実験クラブを始めました。
ここで行っていることは、読んでいる本の紹介、読み聞かせ、それぞれの経験の発表、構想図を書く練習などです。全体の時間は約45分間です。
この時間は、普通の勉強的なことよりも、もっと頭の中身を使うような時間になっているのではないかと思います。
読書実験クラブの紹介(動画は一部。子供たちが映っている部分はカットしてあります。)
https://www.youtube.com/watch?v=OFSzXSlBq-Y
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
これまで、説明文の本というと、知識の羅列のようなものが多かったのですが、最近、子供たちが楽しく読める説明文の本が少しずつ出てきました。
説明文の本のよいところは、読んだことをそのまま現実生活にあてはめて実験や観察ができることです。
また、そこに出てくる話をもとに、お父さんやお母さんと知的な対話を楽しむことができます。
こういう本を読む場が、これから広がっていくといいと思ってます。
例えば、このクラゲの話を読んだあとに、お母さんがクラゲを買ってきてそれを料理して食べさせてくれたとします。
すると、子供にとって、このクラゲの味わい方は本を読まなかったときよりもかなり深いものになっているはずです。
説明文のよいところは、このように自分の経験によって読書の内容が深まっていくことです。
小学校低中学年の子の学力は、勉強ではなくこういう読書と経験によって育つのです。
真剣で、しかも楽しい時間になっています。読書が自然と習慣になりますね。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。読書実験クラブ(9) オンエア講座(41)
読書を全然していないように見える子供のお母さんに、
「 家庭で毎日10ページでいいから本を読むようにしてください」
というときがあります。
すると、こういう対応してしまう人も多いのです。
「ほら、聞いた。ちゃんと本を読まなきゃだめなんだって。言ってるでしょ」
それは、子供の問題ではなく、お母さんの問題なのです。
自分以外の他の人のせいにしているうちは、物事は進みません。
これは、子供が勉強するときも、大人が仕事をするときも同じです。
読書について言葉の森が今進めているのは、寺子屋オンエアで家庭学習と読書を兼ねて行うことです。
先生や友達といる中では、子供は自然に読書ができます。
1時間の枠の勉強時間ですから、あまった時間は自然に読書になります。
先生が電話をする時間まで、どの子も(もちろん、普段本を読まなかった子も)黙々と読書をしているのを見ると、結局読む環境を作れば誰でも本を読むようになるということだと思います。
そして、読むことに慣れて、読む力がついてくれば、自然に読書が好きになるのです。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
人間は弱いので、うまく行かないことがあると、つい人のせいにいしたくなります。
人の代わりに、マスコミや政治のせいにすることもあります。
しかし、すべての問題は自分の問題として対処していかなければならないのです。
特に、子供の教育については、親が第一の当事者です。
問題があったら、答えはどこか別のところにあるのではなく、問題自身の中にあるのです。
強すぎる親も問題ですが、弱すぎる親も問題です。
いちばんいいのはバランスが取れていることですが、一人ではそれは難しいので、父母の役割分担になります。
古い家庭観かもしれませんが、私は、父親は頑固で融通がきかないぐらいでちょうどよく、母親は無条件に優しいぐらいちょうどよいのではないかと思います。
子供は、そのギャップで成長するのです。
なぜ、こういうことを書いたかというと、読書ができない子に読書をさせるには、最初はある程度の強制が必要だからです。
どんな子も、短い時間でいいので毎日読書をさせれば、必ず本を読む習慣がつくからです。
お母さんもいっしょに読書できるといいですね。
読書をしない子供に読書をさせるには、親の強制と読書が捗るような環境が必要ですね。でも、一度軌道に乗れば自然に本を読むようになると思います。もともと読書は楽しいもののはずなので。
プレジデントファミリー2016[秋]号より、
東大生が小学生の頃読んで、面白かった本は、下記の通りだそうです。
<男子>
1位かいけつゾロリシリーズ
2位ハリーポッターシリーズ
3位ダレン・シャンシリーズ
4位デルトラ・クエストシリーズ
5位ズッコケ三人組シリーズ
6位三国志
6位星新一の本
8位エルマーのぼうけん
9位バッテリー
<女子>
1位ハリーポッターシリーズ
2位黒魔女さんシリーズ
2位星新一の本
4位ダレン・シャンシリーズ
4位バッテリー
4位シャーロック・ホームズ
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。読書(95) 寺子屋オンライン(101)