子供は、読書によって成長します。
すると、親は、子供によい本を読ませようとして、ためになる本だけを読ませてしまうことがあります。
しかし、そういうためになる本は、一般に子供にとってはあまりおもしろいものではありません。
その結果、薬を飲むような義務感で本を読むようになると、読書に熱中するという経験ができなくなります。
読書好きの子は、熱中する本に出合うと、夜寝るのも惜しいぐらい夢中になって読むものです。
小学生のころにそういう熱中する本に出合った子は、読書の楽しさがわかるので、中学生になっても、高校生になっても、試験の前でも、本を読む生活は途切れることがありません。
しかし、そういう熱中した読み方を味わっていない子は、読む必要がなくなると自然に読まなくなるのです。
今、高校生でほとんど本を読まない生徒が増えていますが、それは小学校時代に熱中した読書の経験がなかったからではないかと思います。
読書で大事なことは、読書の傾向を難しい本に進めていくことですが、それと同じぐらい大事なのは、本人が好きなおもしろい本をふんだんに読むということです。
読書には、この両方が必要なのです。
おもしろい本というのは、大人から見るとくだらない本に見えることがあります。
しかし、そのくだらない本に熱中する一方で、難しい本のおもしろさもだんだんわかってくる、そういう読み方が読書の理想だと思います。
そのためには、いつも何冊かの本を並行して読んでいくことです。
人間の頭は、複数の本を同時に読んでもそれぞれの話を別のものとして理解できるようになっています。
ためになる本や、難しい本は、ページ数がなかなかはかどりません。だから、そういう本を読むのと並行して、本人の好きなおもしろい本も読めるようにするのです。
その並行読書に役立つのが付箋をつけて本を読む方法です。
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小学校低学年のころは、勉強の中身よりも、自主的に勉強をするという勉強の姿勢の方が大事です。
同じように、読書も、いい本を読むというよりも、夢中になって読むという読み方の方が大事なのです。
読書に夢中になるためには、自分が本を読んでいることを意識しないぐらい読書に慣れている必要があります。
よく、本に熱中しているときは、近くで呼んでも聞こえないという子がいます。
そういう子は、息をするのと同じぐらいの感じで、自然な動作として本を読んでいます。
そういう読み方ができるようになるためには、おもしろい本をたっぷり読む必要があるのです。
そして、子供にとっておもしろい本は、大人から見ると往々にしてくだらない本であることが多いのです。
同じ本ばかり本でいないd、え持っち違う本を読ませた方がいいのでは・・・という心配をすることは無さそうですね。好きな本は、満足するまでたっぷり読むのがいいのです。
良い本との出会いは、いろいろな本をたのしく読んでいるなかにあるのですね。
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小学生のうちは、難しい勉強をする必要はないと私は思っています。
しかし、読書については、読めるのであれば、小学生のうちからできるだけ難しい本を読んだ方がよいと思っています。
この両者がどう結びつくかというと、それは次の図のような関係になっているのです。
┃易しい┃難しい
━━╋━━━╋━━━
大事┃ 2 ┃ 1
━━╋━━━╋━━━
小事┃ 3 ┃ 4
━━╋━━━╋━━━
読書の難しさは1(第1象限)の難しさという意味です。
勉強の難しさは4(第4象限)の難しさという意味です。
小学校低中学年の算数で難しい問題を作ろうとすると、読みにくい問題文にするような方向に進みます。これは、重要でない難しさです。
小学校低中学年の算数の勉強自体は重要ですから、難しいものをやるよりも基本をしっかりやっておけばいいのです。
読書の場合は、事情がやや異なります。
それは、本を書く人が、重要でないことを難しくわかりにくく書くという動機を持たないからです。
だから、難しい本の場合は、意味があって難しいことが多いのです。
受験の問題として出されるようなものは、重要ではないが差がつきやすいという難しい問題です。
そして、難しい勉強は、易しい勉強よりも時間がかかります。
すると、難しい勉強をすることによって、その子の勉強以外の自由な時間が圧迫されてしまいます。
では、重要ではないが難しい勉強はどのように取り組めばいいのでしょうか。
それは、受験の前などで、その勉強が必要な短期間に集中して取り組むのです。
重要でない難しい勉強は、パズルのような勉強ですから、その解法パターンを集中して覚えれば短期間で成績が上がります。短期間というのは、半年からせいぜい1年です。
そして、受験直前でない時期は、易しい難しいにかかわらず、大事なことを中心にやっていくといいのです。
大事なことというのは、将来社会に出てから役に立つことです。
それは、主に、読書と経験です。
だから、小学生のころは、勉強は短い時間で終えて、その分読書と遊びに時間を費やしていくといいのです。
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難しい勉強をすることも大事です。
それは、難しいことが苦にならなくなるからです。
世の中には、大事なことだが難しいことがあります。
そういうことに遭遇したときに、諦めずに取り組むことができるからです。
読書は難しい方がいいと言うと、難しい本やためになる本しか読ませなくなる人がいます。
しかし、それは、かえって逆効果です。それに、子供がかわいそう(笑)。
面白い本をたっぷり読まないと、読むことが好きになりません。
読書力のある子は、くだらない本も、難しい本も、両方楽しんで読んでいます。
その時期でなければできないことをたっぷり経験しておくことで、バランスの取れた大人になるのでしょうね。
「将来社会に出てから役に立つことを中心に」という点はあたりまえのことですが、忘れてしまいがちですね。
目の前の点数に一喜一憂するのではなく、子供の経験値を増やしていくことが大事なのだなあと思いました。
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