中国の2013年の大学卒業者は700万人です。
日本は毎年60万人です。
学歴インフレの状況では、大学を卒業したというだけではもう何も価値がないということです。(大前研一さんの本より)
日本では、今はまだ、一応大学を出ていれば何とかなるだろうという考えが強いと思います。
何とかなるだろうというのは、ちゃんとした仕事について生活していけるだろうということです。
しかし、現実はもうそうではなくなっています。
また、仕事についていても、若い人はかなり高い割合で離職をしています。
その離職の原因も、根性がないからというようなことではなく、その仕事に未来の展望が持てないからなのです。
つまり、世の中全体に、新しい方向に向かって発展するものが見つけにくくなっているのです。
これと同じ状況が生まれたのが、長く平和の続いた江戸時代でした。
新しい需要が生まれない中で、消費も生産も縮小する形で均衡していったのです。
世界では、今はまだ途上国や新興国の間で、新しい需要が生まれているように見えますが、現代の人類の生産力のもとでは、それらの需要が埋め尽くされるのはかなり早いはずです。
その中で、日本がこれから目指す道は、多様で個性的な文化を創造していくことです。
この場合、大事なことは「創造」ということです。
文化というと、多くの人は、絵画や音楽やスポーツのような既にあるものを思い浮かべがちですが、そういうすぐに思い浮かべられる文化的なものは、もはや過去の文化で、それらに新しい社会を作り出す力はありません。
まだ名前もないようなものを新たに創造することが、これから求められる文化の創造で、それによって現代の経済の行き詰まりも打開されていくのです。
そういう文化の創造を担う人は、自分の個性にこだわりを持つ人です。
具体的な例で言うと、いつもハコフグちゃんの帽子をかぶっているさかなクンのような人です。
学歴インフレは、これから更に進みます。
経済のデフレは、過去に価値あると思われていたもののインフレに対応しています。
だから、これからの子供の教育で大事になるものは、勉強+個性で、その個性の度合がますます大きくなるような時代に私たちは生きているのです。
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世の中の変化は早いので、今の大人が自分の若いころを基準にして考えていることはどんどん時代おくれになっています。
時代おくれどころか、時代に逆行していることもあります。
大事なことは、みんなと同じというのがいちばんリスクが高いということです。
学校の成績がよいと親は安心すると思いますが、成績がよいだけの人は、今は掃いて捨てるほどいます。
これが、現在の学歴インフレの状況です。
これからは、個性がないと生き残れない(とは言わないまでも、それに近い)世の中になっていきます。
だから、個性の核を見つけた人にとっては、これからの社会は理想的な社会になるのです。
これからの時代、計算が早い、公式を覚えている、それだけでは太刀打ちできない時代ですね。
自然から学ぶことはたくさんあります。机上の勉強よりも、小学生時代は、友達と遊び、自然の中をかけまわり、めいっぱい遊んでいきたいですね。
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受験作文コースの生徒のオンエア特別作文講評は、12月1週で終了します。
昨年度は、受験作文コースの生徒のほぼ全員からそれまでの自信作を提出してもらい、その作文についてそれぞれ10分程度の特別講評を行いました。
今年度は、特別講評の回数をもっと多くとってもらえるように、ハングアウトの会合で講評を行う形にしました。
しかし、逆に、ハングアウトの参加に慣れていない人が多かったせいか、参加者は多くありませんでした。
この特別講評は、かなりレベルの高いもので、話を聞くだけでプラスになるものが必ずありますが、参加しにくかった点が今年度の反省点として残りました。
次年度は、もう少し参加しやすい形を工夫していく予定です。
なお、このあとの作文や志望理由書の特別講評は有料になります。
受験作文コースの生徒の場合は1作品3,240円、受験作文コース以外の生徒の場合は1作品5,400円ですのでご了承ください。
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作文や志望理由書には、書くコツがありますね。しっかりコツをつかんでおきたいです。
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