これまでの時代は、物を生産する時代であり、インフレの時代であり、グローバル化の時代であり、競争と戦争の時代であり、宣伝と営業の時代であり、生産の連関を形成するインフラが重視される時代でした。
この時代のキャッチフレーズは、よりよい物を安く広くでした。この場合の「よい」の基準は、物的なよさ、つまり便利さでした。
しかし、この時代は終わりつつあります。その象徴が、高付加価値の路線です。
よい物を安く広くという考えが、よいと思われそうなものを高く広くに変質していったのです。これは、物を広げるフロンティアがなくなってきたためです。
物を広める時代のあとに来るものは、事を高める時代です。これは、人が何かをすることに価値を見出す時代です。
人が経験するということの中には、単なる経験としての旅行や観劇なども含まれます。しかし、経験の本質は、その経験によって自分が向上するという学習や修行を中心としたものです。
この時代は、物の上ではデフレの時代であり、調和と平和の時代であり、ローカル化・パーソナル化の時代であり、評判と交流の時代でであり、学習の連関を形成するカリキュラムが重視される時代です。
キャッチフレーズは、よい事を高く狭くという言葉で言い表されます。この場合の「よい」の基準は、人としてのよさ、つまり自身の幸福や向上や創造につながることがよいことだとされます。
この時代の象徴となるものは、さまざまな講習会や研修会で、より高度な技をより少数で身につけていくという方向に進んでいきます。
さて、教育も、物を広める時代の教育から、事を高める時代の教育に切り換えていく必要があります。インフレの時代の教育から、デフレの時代の教育に切り換えて行く必要があるのです。(つづく)
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もう12月、という言葉がよく聞かれます。
まだ12月などと言う人はあまりいません(笑)。
時間の流れが加速しているように思えるのは、今が時代の転換点で、古いものと新しいものが急速に入れ替わっているからです。
だから、過去の延長で考えるのではなく、常に時代の先を見ていく必要があるのです。
長谷川慶太郎さんは、現代はデフレの時代であり、インフレの時代はもう終わったと述べています。
時代を再びインフレに向かわせるために、戦争を行おうとしている人もいますが、インターネットで情報が共有される時代には、先進国では戦争に誘導することはかなり難しくなっています。
だから、これからもデフレが続くと考えて、未来の展望を考えていく必要があります。
インフレの時代からデフレの時代への転換は、言い方を変えれば、物を広める時代から事を高める時代への転換です。
だから、教育もその方向で考えていく必要があるのです。
量より質ですね。
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■10.20横浜講演会のお礼
10.29の講演会に早めにお申し込みいただいた方に送ることをお約束していたプレゼントを今日と明日に分けて発送します。発送が遅くなり申し訳ありませんでした。
14日までにお申し込みいただいた方には、受験作文コースの指導に関する動画約1時間20分をお送りします。
更に、12日までにお申し込みいただいた方には、一品香の横濱ラーメンをお送りします。(横浜に来ていただいた記念ということで)
届くのはもしかすると、年明けになるかもしれません。
なお、早めにお申し込みいただいたにもかかわらず、メールアドレスしか入っていなかったために、現在ご住所を問合せている方が何人かいらっしゃいます。
お気づきの方は、ご住所をご連絡くださるようお願いいたします。
■アマゾンの11月中予約のお礼
アマゾンでの本の発売日以前に予約申し込みをしてくださった方が70人いらっしゃいました。ありがとうございました。
11月中に予約申し込みをしてくださった方に、低中学年の勉強に関するPDFのリンク先をメールでご連絡します。内容は、言葉の森の低中学年向けの重要な記事に、書き下ろしの原稿を加えたものです。
もしメールが届かない場合はご連絡くださるようお願いいたします。
■プラスα
講演会の早め申し込み、アマゾンの早め予約の方にお送りするプレゼントは上記のとおりですが、いずれもこれだけでは物足りないので、中根が独自に開発した新年からの幸運をプレゼントします(笑)。
これは、来年以降の運勢を占って、いい結果が出たらそれを確定し、もしいい結果が出なかったらいい結果になるまで改善して占い直し、いい結果が出たところで確定するというものです。
科学的な根拠はありませんから気休めと思ってくださって結構ですが、来年以降、いろいろなことがいい方向に進むと思います。
なお、この幸運は、講演会にご参加いただいた方、本を購入していただいた方全員にお送りします。早い人には、今年中に届くと思います。
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世の中の価値の原点は創造です。
価値と価格は混同されることが多く、値段の高いものに価値があるように思われがちですが、価値と価格は異なります。価格は、人から奪ったものにもつけられますが、価値は新たに世の中に創造したものにしかつけられません。
この価値を生み出す力である創造力を育てることが、教育の第一の目的です。
創造力は、二つの変数に分解できます。一つは、創造性で、もう一つをその創造性の底辺となる知識や経験の広がりです。ちょうど、三角形の高さが創造性で、底辺が知識や経験の土台となります。
更に言えば、底辺は実は底面で、縦が知識だとすれば、横が経験や時間になります。
だから、教育には、創造性を育てることと、学力を広くつけることと、何歳になっても新たに学び直すことが必要なのです。
知識や学力や経験力を育てる方法は、ある程度見通しがつきます。
しかし、創造性を育てる方法というのは、まだ確立していません。
ただし、創造性を育てる条件というものはあります。それは、親や教師が子供の創造性を評価することです。
湯川秀樹は、数学や物理学が好きだったそうですが、あるとき数学の試験で、答えは合っているのに、先生の教えたとおりに解いていないという理由で×にされたことから、数学ではなく物理学を選んだそうです。
このようなことは、日常生活に多いと思います。
大事なことは、正しいか正しくないかということではなく、その子がどれだけ自分なりに考えたかということです。
人の受け売りで正しいことを言う人よりも、間違っているかもしれないが自分のオリジナルなことを言う人の方が尊いという価値観を、大人が持つことが大切なのです。
創造性を評価する風土という条件は、かなり大きな影響力を持っています。アメリカに比べて日本で創業率が低いのは、寄らば大樹の陰という価値観が日本では強いからだと思います。
この価値観をまず意識の面から変え、次に実際の制度としても変えていく必要があります。
しかし、条件さえ整えば誰でも創造的になるかというとそうではありません。
創造性を育てるには、それなりの教育上のノウハウが必要です。
その一つは暗唱です。難しい文章を暗唱していると、学力がつくだけでなく、創造性が活性化されます。この原理はまだわかっていませんが、経験的にそういうことが言えるようです。
百人一首の暗唱を生徒全員にさせた杉田久信氏は、暗唱の効果として子供が元気になることを挙げています。
暗唱の持つ創造性の活性化力は、いずれ実証的に証明されるときが来ると思います。
第二は、その暗唱によって生まれた発想を、文章として形あるものにする方法です。それが構想図です。
文章を書く前に、自分の考えたことを散らし書き風に書いていると、それだけで全体の思索が進みます。
1200字の文章をまともに書こうと思えば、1時間半ぐらいかかることが、構想図を書くという方法なら10分ぐらいで済みます。このことによって文章化の能率が大幅に向上するのです。
第三に、この構想図を音声入力で実際の文章にする方法です。
文章を書く方法は、これまで、手書きからキーボード入力へと進んできましたが、これからの入力方法は音声です。
しかし、音声には形に残らないという弱点があります。その音声入力の弱点をカバーするものが構成図という方法です。
しかし、このように、音声入力によって今よりも大量に文章がネット上に溢れるようになると、今度は読む方が大変です。
そこで今考えているのは、新しい速読の方法です。
人間の理解力は、本来かなり大量のものも一瞬で把握する力を持っています。しかし、通常はそれを文章を読んだり、映像を見たりする形で、時間を追って把握しなければなりません。
ところが、この時間や空間に制約された言葉という世界こそが、人間の持つ創造性の源です。
内容を一瞬で理解する世界には、物理的世界の持つ時間や空間のずれや歪みのようなものがないので、創造性もまたありません。例えば、ダジャレや笑いがそうです。
どんなに面白い話であっても、間がない形で理解すれば、それは面白い話という理解で終わり、笑いという形には結びつきません。
だから、文章を書くことも、読むことも、時間を超越する方法ではなく、時間を短縮する方法で進める必要があるのです。
この新しい速読が、第四の方法です。
第五の方法は、難読です。難読というのは、「読み方が難しいこと」というのが本来の意味ですが、ここでは、難しい文章を読むという意味で使います。難解読書の省略した形です。
私がこれまで創造性のある人と思った人の多くは、青年時代に古典を読んでいます。古典がなぜ古典になったかというと、それが今までにない新しいものを初めて世の中に提唱する役割を持っていたからです。つまり二番煎じではないものが古典になったのです。
これまでにあるものをうまくまとめたものは、教科書です。だから、教科書は難しくはありません。教科書は創造的ではないからです。
それに対して、古典は、それまでにないものを新たに生み出しているのですから、理解の困難なところが随所にあります。それを読み解くことが創造性を育てる力に結びつくのです。
第六は、その創造力を、単に言説の世界で終わらせるのではなく、実際の形ある世界で実現することです。
そのために必要な方法が、工学の演習です。この工学には、物理的な工学だけでなく、政治工学や経営工学のような社会的なものも含みます。しかし、子供の教育に関して言えば、主になるものは物作り的な工学です。こういう工学の演習をすることによって、自分が考えたアイデアを世の中に実現する道が開かれるのです。
第七は、創造を評価するイベントです。
野球やサッカーがなぜメジャーなスポーツであるかというと、試合というイベントがあり、それをみんなが注目する場が作られているからです。
オリンピックの競技の中には、もしオリンピックの種目に選ばれていなければ、その競技人口が大幅に減るだろうと思われるようなものがあります。それに対して、例えば鷹狩りのような江戸時代に多くの武将が熱中したものが、今行われていないのは、それがみんなが注目する形のイベントになっていないからです。
芥川賞や直木賞のようなものがなかったら、小説を書くことはもっと目立たない趣味になっていたでしょう。賞というイベントがあるから、そこに参加する人が広がっていくのです。
だから、社会に創造を広げるためには、親や先生が創造を評価するだけでなく、社会全体が一つのイベントしてして創造を評価する機会を作ることが必要になります。それが創造祭です。
創造祭は、年齢別、ジャンル別に行うことができます。小学生は、小学生の部で創造祭に参加できます。もちろん高齢者も、高齢者の部で創造祭に参加できます。100際の老人が、90歳から100歳になる時期に考えた新しいアイデアは、その年齢を経過した人にしか考えつかないものだからです。
この創造祭に、国家予算を大幅に使うことです。創造祭の優勝者には、一生遊んで暮らせるだけの賞が出るようになれば、多くの人の関心が創造に向かいます。その結果、社会に新しい価値が次々と生まれ、その社会は真の意味で豊かになっていくのです。
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日本の価値ある資源は人間です。
しかし、人間はただ数が多ければいいというのではありません。
だから、一人ひとりの創造性を育てることが教育の大きな目標になるのです。
学びの上で、暗唱、構想図、難読は、常に大切な勉強の一つですね。
創造性を評価することが創造性を育てる条件。確かにそうですね。その上で、具体的なノウハウが生きてくるのですね。
創造性を育てるためのノウハウは、日々の勉強に取り入れることのできるものが多いので、意識して取り入れたいですね。
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12月14日に「小学校最初の3年間で本当にさせたい『勉強』」の本が発売されました。
発売日の前に予約をしてくれた方が、ご連絡をいただいただけでも70人以上もいらっしゃいました。
ありがとうございました。
また、本の感想をアマゾンのレビューで書いてくださった方、ブログやfacebookなどで紹介してくださった方、ありがとうございました。
この場を借りて、お礼申し上げます。
本の中のおすすめ図書の紹介については、facebookグループ「読書の好きな子になる庭」などで、子供向けの本を多数紹介していただきました。
みなさんから紹介された本をこちらでも読んでみて、盛り込みたいものがかなりありましたが、ページ数が限られているために一部しか入れられませんでした。
ご紹介くださったみなさん、ありがとうございました。
本の内容については、もう少し深い話を書きたいところもありましたが、多くの人に読んでもらうものなので、現状を批判するような面はできるだけ避けました。そのため、普段ホームページなどで書いているような話が中心になりました。
それにもかかわらず、多くの人が高評価のレビューを書いてくださいました。
中には、「目新しさがない」などという低いレビューもありましたが、目新しさについては、言葉の森が普段の勉強の中で行っている指導は、新しい企画が次々と出てくるので、かえってみなさんに迷惑をおかけしているぐらいだと思います。
いつかそういう話も、機会があれば書きたいと思います。
今回の出版は、言葉の森の専門とする作文の話はあまり書かずに、読書と勉強と遊びの話を中心にしました。
作文については、オリジナルな話で書くことが数多くあるので、いつか書く機会があると思います。
また、今いちばん書きたいと思っていることは、創造教育と家庭教育と文化教育と自然教育とオンライン教育の融合した教育の話です。
しかし、これは、本に書くよりも先に、自然寺子屋合宿とオンエア講座をミックスした形でこの夏から取り組んでいく予定です。
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本の紹介ページは、カラーでいいですね。全部読んでみたくなります。
ベストセラー1位、おめでとうございます!
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12月3週のオンエア講座の小3から小6の一部のクラスで、子供たちの趣味を紹介する時間を設けました。
普段も、毎回読んでいる本を紹介してもらっていますが、この本の紹介がそれぞれみんな個性的です。
中には、小学生でこういう本を読むのかと驚くようなものもあります。
「平家物語」全巻を読んでいたり、「モモ」を読んでいたり、「鑑定防空」というような特殊な本を読んでいたり、最近話題の「カエルの楽園」や「えんとつ町のプペル」を読んでいたり、何しろ読んでいる本が充実しています。
しかも、その紹介の仕方がみんな上手で、内容を簡潔にわかりやすく話してくれる子が多いのです。
この毎回の全員の本の紹介が、お互いに刺激になるようで、これまで本にはあまり関心のなかった子も自分から本を選んで読むようになったというお母さんからの報告が何件もありました。
やはり、子供たちというのは、親や先生に言われるよりも、友達との関係でいろいろな経験に挑戦していくのだと思います。
今週は、一部のクラスで、本の紹介のほかに、それぞれの趣味や特技の紹介もしてもらいました。
この趣味の紹介の内容がまた多様で高度なのに感心しました。
レゴで大きな絵を作っていたり、ピアノの演奏をしたり、電車の旅の記録をびっしりつけていたり、どれもその子らしさのあふれる内容でした。
こういう子供たちの様子を見ていると、普段の生活の中で、個性を生かす余裕がたっぷりあることが感じられました。
もちろん、みんないろいろな習い事もしているので、時間のやりくりは大変なようでしたが、その時間管理が上手にできているようなのです。
勉強に追われるわけでもなく、暇をもてあますわけでもなく、限られた時間を有効に使って充実した生活を送っているようでした。
オンエア講座の中で行っている勉強は、構想図を書いたり、ミニ作文を書いたり、算数の似た問題を作ったりというかなり高度なものでしたが、どれも力作ぞろいで、子供たちが自分から進んで熱心にやっていることが感じられました。
実際に、何人ものお母さんやお父さんから、子供がすぐに勉強に取りかかり時間をかけてやっているという話を聞きました。
そして、この構想図書きや似た問題作りの中で、親子の対話も楽しく行われているようでした。
こういう学力もあり、個性もある子供たちが、このまま素直に成長していくと、日本の将来は今よりもずっと豊かになっていくのではないかと思いました。
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子供たちに、趣味の紹介をしてもらうと、みんな勉強以外の時間にたっぷり個性的な生活を送っていることがわかりました。
このお互いの紹介がまた刺激になって、みんなの関心の幅が広がっていくと思います。
その趣味の紹介の仕方が、オンエア講座で実演付きなので、また面白いものでした。
普段の保護者の方からの相談事を聞いていると、いろいろ問題のある家庭が多いのだなあと漠然と思っていましたが、オンエア講座で子供たちの様子を見ていると、どの子もみんな充実した生活を送っているようでした。
昔と比べると、自然の中で遊んだり、友達と遊んだりする時間は限られているのだと思いますが、それでもそれぞれに充実した勉強と遊びの生活を過ごしていることがわかりました。
自然が少ない分、それを補う出会いが必要なのかもしれません。
小さい頃の遊びは大人が関与することが多いですが、第三者の方から素敵だねって言われると親としてもとても嬉しくなります。
今は、出来合いの遊びが多いので、子供たちが創造的に遊べる工夫を、これからは作っていく必要があるとお、もいます。
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港南台の通学教室のクリスマス会、と言っても、ただちょっと話をしてプレゼントを渡すだけですが、そこで、今回は絵を描く練習をしました。
冬にちなんだ歌を流して、その歌の情景を絵で描くという練習です。
普段の作文は、字を書くことが中心なので、どうしても左脳的になります。
理路整然と書くことは大事なのですが、作文のもう一つの生命は創造性があることです。
創造性には、たとえやダジャレや自作名言のように言葉を使ったものもありますが、言葉以外の要素も意外と重要です。
その言葉以外の要素の一つが絵を描くことです。
構想図を書くというのは、字を書くことと絵を描くことの中間ぐらいの位置にあります。
原稿用紙のマス目に埋めたり、箇条書きに書いたりするだけでは、どうしても脱線しにくいものですが、構想図のような散らし書き風の書き方をすると、発想が自由に脱線します。
この脱線が創造性なのです。
今回、子供たちに絵を描かせてみて、みんな短時間でしっかり描けることに驚きました。
そして、クリスマス会では、その絵に俳句を書くことにしました。
これも、どの子もすぐに理解してすらすらと書いていました。
絵を描いたり俳句を書いたりという勉強らしくないことに、すぐに対応して取り組める子供たちに、ちょっとたくましさを感じました。
これからもこういう柔軟性を持ち続けていってほしいと思いました。
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「評価」と言っていいのかどうかわかりませんが、作文の評価の一つは、面白いことです。
誤字がないとか、まともに書いてあるとかということも大事ですが、魅力はその子らしい個性の感じられる面白さがあるかどうかです。
だから、どんなこともすぐに楽しめるというのは、一種の能力ではないかと思いました。
子供たちを連れてキャンプに行くと、普段教室で言うことを聞かないような子ほど、がんばっていろいろなことをしてくれるのです。
学校の中で勉強をしているだけでは、真面目に勉強する子がいい子のように思ってしまいますが、社会に出てからの基準はまた違います。
勉強的なことがちゃんとできるだけでなく、勉強的でないことも楽しめるというのが、人間像の目標になると思いました。
どの生徒もすぐに絵を描き始めたところがすごいなあと思いました。
(絵心はないけど、面白俳句作りは大好きな私は、半右脳ということでしょうか。もっと右脳を鍛えたいと思います。)
絵を描いて、俳句を書く、さすがですね。今度やってみます。(^^♪
絵で表現すると、自由自在、構造図もひろがりそうですね。
勉強も遊び感覚にできると楽しいですね。これはいいアイディアです。
勉強だと構えずに、遊びから入っていくと、楽しんで学べますね。
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作文指導は簡単です。間違ったところを直して、よいところを褒めるだけであれば。
しかし、それで実力がつくかというと、ただ書かせて添削するだけの指導では、実力がつくのにきわめて長い時間がかかります。
教科の勉強では、3ヶ月が上達の目安と言われています。3ヶ月やって成果が上がらなければ、その勉強の仕方はうまく行っていないことなのです。
ところが、作文はそうではありません。作文という形で現れる成果の背後に、作文の勉強以外の日常生活の読書や音読という読む力が控えているからです。
だから、もちろんすぐ上達する子もいますが、読む力の土台がまだできていない子は、作文を書くという勉強をしているだけでは上達に長い時間がかかるのです。
作文の勉強は、読書や音読で読む力をつける勉強とセットで行っていく必要があります。
そこで、言葉の森が行っているのが、寺子屋オンエアなどによる音読と読書の練習です。
オンエアの勉強で、子供たちが今読んでいる本を先生や友達に紹介するだけで、読書生活ははかどるようになります。
今まで本を読まなかったり、簡単な本しか読まなかった子が、より高度な本を自然に読むようになるのです。
また、問題集読書や長文音読のような勉強は、ひとりでやっていてはなかなか長続きしません。勉強したあとが形に残らないので、意欲的に続けにくいのです。
しかし、寺子屋オンエアでは、生徒は担当の先生に毎日音読の実際の練習を送ることができます。毎日音読をするという習慣がつくだけで、国語力と作文力の土台がしっかりできてくるのです。
更に、言葉の森では、暗唱検定を行っています。これは通信の生徒も家庭で取り組めるオンラインの検定試験です。
暗唱の勉強も、ひとりでやるには強い意志力が必要です。
しかし、検定試験という目標があり、作文の担当の先生に毎週暗唱のチェックをしてもらえるという仕組みがあると、暗唱のような難しい勉強も楽に続けられるのです。
言葉の森の作文指導は、作文の指導の面だけ取り上げても、日本で一番進んでいると思います。それは、35年間、作文指導を専門的に行ってきたという実績があるからです。
苦手な子から得意な子まで、小学1年生から大学受験生や社会人まで、どんな生徒にも対応できる指導の厚みがあります。
だから、今力を入れているのは、その作文力の土台となる読む力を含めた学力全体の土台を作ることです。
作文という創造性を育てるための高度な勉強を目標として、学力全体の土台を作るという基礎の勉強に力を入れているのです。
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言葉の森が最初に作文指導を始めたころは、作文の勉強がなぜ大切かというところから説明しなければなりませんでした。
そのころは、作文を勉強しようというニーズもなく、作文教室という名前のつく教室もどこにもなかったからです。
しかし、今は、作文指導を行う教室が言葉の森以外にも増えてきたので、そういうところが作文の勉強の意義を説明してくれるようになりました。
だから、言葉の森は今、作文の勉強の前提となる学力の土台作りに力を入れ、作文の勉強の先にある創造性教育を開発しているのです。
作文を作文指導だけで上手にしようとすると、どうしても子供にいろいろな注意をするようになります。
すると、確かに多少は上手にはなるのですが、それ以上に作文が嫌いになり、作文の勉強が長続きしなくなります。
作文は、息の長い勉強です。本当に上手にするためには、長く続けていくことがいちばん大事です。
作文指導の原則は、(1)事前指導、(2)よいところを褒める指導、そして(3)読書や音読などの読む力をつける自習です。
音読と読書は、本当に実力につながることを実感しています。ドリルを解くよりも大切ですね。
「先生」という他人の存在があることで、生徒のモチベーションはグッとあがるので、たいくつに思える音読や読書も続けることができるのだと思います。
「作文という形で現れる成果の背後に、作文の勉強以外の日常生活の読書や音読という読む力が控えている」という点は、本当にそのとおりだと思います。
保護者の方から、作文がなかなか上達しないという相談を受けることがあります。そんなときは、必ず、毎日読書と音読をするようにアドバイスしています。
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10月から行っていたオンエア講座「作文と勉強」は、12月でいったん終了します。
今後は、この勉強法を生かして、新たに「読書・作文・算数・理科実験クラブ」のようなオンエア講座を学年別に企画していく予定です。
オンエア講座の参加者は、合計で41名でした。(読書実験クラブ、思考国算講座も含む)
内訳は、
小1:2名
小2:10名
小3:6名
小4:7名
小5:8名
小6:8名
でした。
小1の単独の学年別クラスは、参加希望者が少なかったので行いませんでした。これは、小1の子にはまだ難しいと思われた保護者の方が多かったせいだと思います。
しかし、参加していた小1の生徒は、読書の紹介などもひとりでよくできていました。お母さんが一緒にいる形で参加すれば、全く無理なくできると思いました。
中学生は、開始時刻が18:00と19:00の2コースだったので、時間的に参加しにくかったようです。
本当は、中学生は塾などに頼らずに、家庭での寺子屋オンエアによる自学自習と、週に1回のオンエア講座による勉強計画という形の勉強が最も能率よく高度な勉強ができます。
しかし、中学生は、保護者のフォローがないと、話を聞くだけでおしまいにしてしまうということになりがちです。
将来は、保護者との連携ができる体制を作りながら時間の枠を広げる方向で取り組むことを考えています。
オンエア講座に参加された生徒の保護者の声を紹介します。
・「作文と勉強」という堅い名称なので子供はやる前はあまり乗り気ではなかったが、始めてみると面白い勉強だということがわかった。
・同じ学年の子の本の紹介を見て刺激になり、本人もこれまでよりも高度な本を読んで紹介するようになった。
・授業が終わると、親が何も言わないのに、すぐ指定された勉強に取り組んでいた。
・自分で問題を作ったり構想図を書いたりするのが面白いらしく、ひとりで長い時間をかけて取り組んでいた。
・自分の作った問題や行った実験が紹介されるのをいつも期待して待っているようだった。
・友達のやっている理科実験を見て、自分もすぐに同じことをやりだした。
・親子だけだと対話や実験をするきっかけがあまりないが、授業があると一緒にいろいろなことができた。
・みんなが同じように作文の勉強をしているのを知って、作文にやる気が出てきた。
私がいちばん大事だと思ったのは、この「みんながやっているのを見て、自分もやる気が出た」というところだと思います。
読書や作文や算数の問題作りや理科の実験などは、本当は面白い勉強です。
だから、この面白さがわかっている子で、そういうことをする時間と機会のある子は、誰に言われなくても自分ひとりでそういう勉強をします。それは、その子にとっては勉強というよりも、遊びの延長のようなものなのです。
ところが、ほとんどの子にとって、こういう創造的な勉強は、一緒にやる仲間がいません。
読書の場合は、ひとりで好きな本を読むという子はいますが、作文が好きでひとりでいつも何かを書いているとか、理科実験が好きで自分でいろいろな実験をしているというような子はまずいないと思います。
しかし、作文や算数の問題作りや理科実験などは、同じことをやっている子が身近にいれば、自分もやってみたくなります。
そして、そこで友達と互いのやった結果を発表したり共有したりできれば、更に駆風したことをやりたくなります。
これは、ちょうど昔、若者たちがプログラミングに熱中して、互いのソフトを発表し合ったような感覚の勉強なのです。
(つづく)
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オンエア講座で子供たちの勉強を見ていて、小学校2・3・4年生ぐらいの子供たちがとても優秀なのに驚きました。
たぶん、この子たちはまだ本格的に勉強漬けになっていないので、頭が柔らかいのです。
それが、小学校高学年になり中学生になり、成績を上げるために知識を詰め込むようになると、みんな頭が悪くなっていくのです。
成績を上げるために頭が悪くなる、これが今の受験勉強のいちばん大きな弊害です。
だから、受験勉強は短期間に集中して済ませるというのが、家庭でできる対処法になると思います。
答えのある勉強で百点を取っても、本当はそれほど面白くありません。
それよりも、答えのない勉強に取り組むとき、子供は誰に言われなくてもその勉強に熱中するのです。
一人での勉強は、気が散ってしまうこともありますが、カメラを通して相手がいると、集中できますね。
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